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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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血統クリニック〜オークス再掲

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呑みすぎて頭痛い…日曜はだいたい寝不足気味なので、ヘパリーゼ飲んでも効きが悪い気がする…
回顧は後ほどやりますが、ヌーヴォレコルト、バウンスシャッセ、ニシノアカツキが上位を占めたということは、2000mをちゃんとこなせる中距離馬の粘着力や持続力がモノをいうレースだったんじゃないかと

フォーエバーモア
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103499/
血統については桜花賞のエントリを参照。
桜花賞はスタート後に他馬と接触して行きたがってしまったようで、直線ではいつもの反応がなかった。スローのクイーンCでも前半行きたがっていたように、ちょっと前向きすぎる面が出てきたのは距離延長で課題といえるが、今週の追い切りはリラックスしてメリハリとつけて走れていた。「サンデー×ミスプロ」の組み合わせ特有の細身でしなやかな体質でスピードの乗りもゆったりで、このネオユニ産駒とは思えないしなりのあるフォームこそが最大の魅力。「サンデー×ミスプロ」に名マイラーなしというのが筆者の持論でもあり、だから対ハープスターということでいえば、地元オークスのほうがチャンスはあると以前から思っていた。クイーンCのように好位でスローを我慢して運べれば、一泡吹かせられる可能性は少なくないのではないか。ハープスターもレッドリヴェールもすでに名牝と言っていいレベルだと思うが、JFでこの2強とまともに叩き合った馬がいることを忘れてはならない。

ハープスター
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104000/
血統については桜花賞のエントリを参照。
デビュー当初は“女スズカフェニックス”と命名していたように、Fairy Kingの影響が強い後肢高のマイラー体型と480キロの肉付きの良い馬体を誇る。体質は父譲りでしなやかだが、スプリンター・マイラーの母からパワーや筋力を受け継いでピッチでグイグイ加速できるのはジェンティルドンナやアユサンと同じ。強靭なピッチ走法によって生み出される瞬発力は抜群で、引っかかる気性ではないから距離延長でレースがしにくいこともないだろう。ただディープの桜花賞4人娘のなかでは、体型や加速は最もマイラーっぽいというのが筆者の見立てでもある。単純な能力比較では同時期のマルセリーナやアユサンより上だが、ジェンティルドンナのように2400mに延びて他馬との能力差が更に浮き彫りになるということはないだろう。東京2400mでも傑出した瞬発力でほとんどの馬は差し切れると思うが、フォーエバーモアが好位で折り合ってスムーズに抜け出してしまえば、差せるかどうかは五分五分に近いのではないか、という言い方をしてみたい。

サングレアル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104004/
CaerleonはRound Tableを1/4異系とし残りの3/4でPharos≒Pharamondを継続クロスしており(NijinskyがPharos≒Pharamond4×4、Regal GleamがPharos≒Pharamond5・5×4)、アグサンはAditi≒Alchimist3×3の独血Suleikaを1/4異系とし残りの3/4でPharos=Fairwayを継続クロスしている(Lord GayleがPharos=Fairway5・5×4、LucianoがPharos=Fairway4・5×5)。この「3/4Pharos,1/4異系(非Phalalis)」という似たような構成のCaerleonとアグサンの交配で、Turn-to5×4、Princequillo4×5という緩い父母相似配合となったのがビワハイジ。ビワハイジ自身はアグサンが持つ「HyperionとLady Juror」の組み合わせ譲りの粘着力で走るマイラーだったが、産駒にはCaerleon的な要素、特にナスキロ柔い体質をよく伝え、ブエナビスタやジョワドヴィーヴルのようなしなやかストレッチランナーを毎年のように送り出す名繁殖となった。
本馬のビワハイジの仔の中では一番母親似の体型に見えるのでマイラーかもしれないと書いてきたが、フローラの斬れ方をみると、体質はナスキロ柔いが少し前捌きがゴトゴトしているところはブエナビスタと似ていて(ラトロ肩)、距離適性的にはアドマイヤオーラなんかと近いのかなという印象。ゼンノロブロイにナスキロを重ねて東京で斬れたというのはサンテミリオンと重なるイメージでもある。小柄な差し馬で自力勝負に打って出られない弱みはあるのだろうが、前走の追ってからのしなりはさすがで、あれだけしなるのならばここも必ず伸びてくるだろう。

シャイニーガール
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011101162/
血統は桜花賞のエントリを参照してください。
母父アフリートらしい揉まれ弱い性格で、スイートピーは外好位から直線先頭で完勝、エルフィンはスローで逃げてオイデオイデ、紅梅は大外から目立つ伸びで追い込んだ。一方で内枠で揉まれた桜花賞とチューリップとつわぶきは見せ場もなし。馬群に入らず気分よく走れたときのパフォーマンスは同世代でも屈指で、「父中距離×母スプリンター」という配合形からも揉まれず先行がベストだろう。体型的にはマイラーというよりは中距離馬だし、牝馬同士なら2400mは問題にならないだろう。むしろ距離延長でスンナリ先行しやすいというメリットのほうが大きいのでは。

ヌーヴォレコルト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104201/
血統については桜花賞のエントリを参照。
マイルの大レースを勝ちまくった母父スピニングワールドの影響も強い体型だが、脚質はわりとトニービン的Nureyev的というかHyperion的というか、一瞬の鋭さよりもパワーや持続力を感じさせる伸び方をする。二度の対戦でハープスターにはナデ斬られつづけているが、距離延長で差を詰められる可能性はあるだろう。ただ道悪になってもハープはこなしそうだから、ここでついに逆転…というほどの材料は見当たらないというのが正直なところか。雨で印を回したい一頭。

ブランネージュ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103510/
母母コードネームはハットトリックの全妹。そこにフレンチデピュティ、シンボリクリスエスと配されて、Hail to Reason4×5にNothirdchance≒Blue Moon≒Revokedのニアリー継続クロス、そしてSeattle SlewとフレンチデピュティとChieftainを通じるボルキロのクロス。シンボリクリスエス産駒としてはストレッチランナーに出やすい配合パターンといえる。フレンチデピュティをSeattle Slew的に胴長にした体型で、体質はソコソコ柔らかく、君子蘭は距離延びてレース運びが楽で、開幕週の好位イン抜け出しで完勝。フローラSも先行馬総崩れのなか早め先頭でよく踏ん張ったが、直線追い出されてからの爆発力には歴然の差があった。距離延長に不安はないので、立ち回りの巧さでどこまで食い下がれるかだろう。

マジックタイム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103946/
血統についてはフローラSのエントリを参照。
自身はHail to Reason4×4・6で母はNashua≒Nantallah4×6でもあるから、Robertoの父と母の血をクロスしており体型なんかは母やブライアンズタイムもわりと強いと思う。ブライアンズタイム、Sadler's Wells、トニービンというのはヴィクトリー的な組み合わせでもあり、Roberto的パワーとハイインロー的スタミナに富んだ中距離血統というべきだが、にしては東京や新潟外でもソコソコ斬れる脚を使えるのが強み。ただクイーンの叩き合いをみても、フォーエバーモアと比較すると追い出されてからのフォームのしなりの違いは歴然としていた。やっぱり東京の良の大レースを差し切るには、たとえばジャスタウェイやウインバリアシオンやワンアンドオンリーなどと比較しても、しなやかさが少し足りないように思う。

ベッラレジーナ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104046/
母ベッラレイアはフローラSに勝ちオークス2着、エリザベス女王杯3着。このマリスターの牝系はBaldski(Capoteの半兄)を引くだけにわりと早熟で、またゴールデンフェザントと同牝系で母系の奥にRound Table+Nasrullahの組み合わせがあるので外回り向きの斬れを武器とする馬が多く、ワイルドラズベリーやピンクパピヨンやカフナなど春クラシックの脇役を毎年送り込んでくるイメージだ。本馬は緩い父母相似配合でまだ成長の余地を残す配合パターンとだが、スイートピーは完敗の2着で、現状は脇役の域を出ない存在というべきだろう。

バウンスシャッセ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104105/
血統については皐月賞のエントリを参照。
リッチダンサーはSharpen UpやFairy KingのLady Juror的粘着力をよく伝えるので産駒は中山芝[5.3.1.4]、東京芝[1.2.0.9]と中山向きの脚質になりやすい。母父Hallingは芝9〜10FのG1を勝ちまくった先行馬だったが、本馬の先行力と粘着力も中山中距離がピッタリのイメージがある。東京で上がりの競馬になると斬れで一歩譲る感は否めず、札幌の極悪馬場では大敗を喫したが、東京では降ったほうがベターだと思う。

マーブルカテドラル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104414/
血統については桜花賞のエントリを参照。
Promised Land的ナスキロ的な斬れとBold Ruler的な機動力を兼備していて、東京で差せるし中山で捲れるし何でもできる馬だが、桜花賞もJFも追い出しての反応ではヒケをとらなかったものの最後のひと押しがなかった。そのあたりはダイワメジャーの差し馬の限界というべきなのか、斬れや瞬発力を支える重石が少し足りないというべきなのか。ここで巻き返しがあるとすれば、超スローを軽さ俊敏さ器用さでスルスルッとタイミング良く抜け出してしまえる、そんな形になったときではないか。

マイネオーラム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105235/
コスモオオゾラの半妹で、母マイネシャローナはNorthern Dancer4×4、Raise a Native4×4、Bramalea≒Gold Digger4×4、Drone≒Halo4×4という強力な父母相似配合で自己主張が強い。そこにアウトサイダー血脈ディクタスを母父とし強いクロスを持たないステイゴールドが配された緊張→緩和のリズムがほめられる。ステイゴールド産駒としてはベストの配合ではないが、この兄妹は主に母の資質、主にコマンダーインチーフのしぶとい中距離適性で走っている馬だ。フローラではゴール前が12.5とかかったのでそこで詰めてきたが、どこかで速い脚を使ったという差しではなかったから、今回も上がりのかかる消耗戦になってどこまで食い込めるかだろう。

ニシノアカツキ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103162/
凱旋門賞馬Saumarezの近親で、4代母Carnival SpiritはHyperion5・7×3・6・7。この重厚な牝系にサンデーとCaerleonとBlushing Groomを配してHalo≒Red God3×5としたのが母ニシノシルエットだから、オペラハウスにHalo的軽さを補った配合といえるのだが、体質はわりとHyperion的で実直で粘り強い脚質。フローラSはゴール前が12.5かかったのでジワジワ詰めてきたものの、それほど鋭い脚はないので本来はもう少し前々で運んでしぶとさを活かしたいところか。ただフラワーでは気分よく行かせすぎて結果が出なかっただけに、ここも差し追い込みに回る公算は大。

マイネグレヴィル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105245/
血統はフローラSを参照。スペシャルウィークやマルゼンスキー譲りの伸びのある体型をしているが、走法はわりとRoberto的で掻き込んで走る。中山のエアレーション馬場や函館の道悪でパワーを発揮する中距離馬だが、東京の良だとアルテミスやフローラのように斬れ負けしてしまうというタイプ。叔母で3/4同血のマイネミモーゼ(ブライアンズタイム×マイネミレー)は雨のフローラで2着、この馬も東京で好走するには雨が欲しい。

クリスマス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104557/
バゴ×ステイゴールドという字面は重厚な中距離型だが、Halo≒Red God≒Cannonade4・5×4・4やWild Risk5×7の影響で、「一本気で単調なレースしかできないヴィルシーナ」というイメージ。スタミナ面よりも気性面で距離延長には不安が先立つし、そういうタイプだけに鞍上がコロコロ替わるのもプラスとは言えないように思う。

パシフィックギャル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103737/
米血の強いゼンノロブロイに更に米血を重ねた配合なのであまりほめてこなかったが、一つほめられるのはI Pass≒Wavering Monarchの3/4同血クロス4×4(マイニング≒Wavering Monarch3×4でもありマイニング≒Seeking the Gold3×3でもある)で、これは両者の母系の良さが活きたなかなか魅力的なクロスで、母アイランドファッションはアラバマS(米G1・ダ10F)など勝った一流馬で、馬格はあるしエアレーション馬場でも力強く掻き込んで走るし、これはダートもかなり走りそうというか、古馬になったら交流重賞でブイブイ言わせてるかもしれない。しかし東京2400mとなると、フラワーCよりは少なからずパフォーマンスは落ちるだろう。

ディルガ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011110025/
プリークネスS(米G1・ダ9.5F)のShackleford、アラバマS(米G1・ダ10F)のLady Joanneの甥で、父CurlinはBCクラシック、ドバイワールドC、プリークネスSなどに勝った北米年度代表馬。母母OatseeがIn Reality4×4で、全体にWar Relic≒Eight Thirty≒Good Example的パワーが強い配合といえるが、Mr.Prospector3×5の柔らかみも感じられる走りで、意外に弱点の少ない中距離馬という印象。忘れな草賞は相手に恵まれた感はあったし、大物を食えるような飛び道具もないので、大駆けの魅力という点ではあまり食指が伸びない。

ペイシャフェリス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102351/
血統については桜花賞を参照していただきたいが、母方の影響が強いマイラー体型でHalo的Tom Fool的な脚捌きで走り「HyperionとFair Trial」的な粘着力も兼備していて、先行力と機動力に富み少し上がりがかかるレースに向く長めマイラー。アネモネは条件が全て揃っての完勝だったが、ここはそこまで条件は揃っていないというべきだろう。


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