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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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血統クリニック〜札幌2歳S再掲

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確定の印は◎フォワードカフェ○ブライトエンブレムでしたが、ブライトエンブレムは前走より馬が良くなっていたし、やっぱり血統どおり小回りを力強く捲る馬で、田辺も意を決したように捲りにかかったのが見事

フォワードカフェはパドックを見てもこれはやっぱり大阪杯ぐらい勝つんじゃないかというぐらい素晴らしい馬で、今日のところはうまくいきませんでしたが、今日のところはうまくいかなかたっだけでまだまだ良くなると思います

回顧は日曜の重賞とまとめてやりますので、とりあえず今日は血クリ再掲のみで(除外のジャズファンクもそのまま載せてます)

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フォワードカフェ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103796/
モズの3/4弟でゴールドティアラの甥。母系にStorm Catが入るマンハッタンカフェ産駒にはショウナンマイティ、トレンドハンター、マッハヴェロシティ、エーシンミズーリ、アンシェルブルーなどがいる。この獲得賞金上位5頭に共通するのは、母がStorm Catが持つEight Thirtyの血をクロス(War RelicやGood Exampleとのニアリークロスも含む)している点。本馬の母ベストブートもNorthern Dancer4×4とSecretariat4×4に加え、母系の奥にExclusive Nativeが入ってEight Thirty≒Good Example6×5も持つ父母相似配合になっている。Storm Catらしさを強く自己主張する繁殖牝馬だから、強いクロスを持たないマンハッタンカフェとの配合は合っているし、母方のスピードで先行する脚質に出たのも順当。
大型だが馬体は垢抜けていて非常に見栄えがする。体質はしなやかかつ俊敏で、デビュー戦は才能とスピードが有り余っているような先行押し切りだった。Storm Catの名血が万遍なく増幅され、それをマンカフェが受け止めて中距離のスピードとして表現している。ショウナンマイティが前向きに先行しているようなイメージで、これは蛯名は離さないだろう。モズは09年札幌2歳で先行流れ込んでサンディエゴシチーの2着だったが、器は弟のほうが間違いなく大きい。パンパンの良でこその馬だろう。単の魅力はこれ。

ジャズファンク
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104772/
「Northern Dancer4・6×4・5からの逃げ道」と「Shareef Dancerいじり」、これがハービンジャー産駒の配合のポイントではないかと書いてきた。だからここまで勝ち上がったハービンジャー産駒の母父がサンデーサイレンス5、フジキセキ1というのは極めて妥当といえる。とはいえ2歳夏に新馬戦を5勝というのは想定外の好スタートで、逃げ道さえつくってあげれば良駒を出せる種牡馬であるということを、ハービンジャー自身が証明したといえる。
本馬はロードクロノス、トレジャー、レディミューズの甥で、母母シンコウラブリイはマイルCS勝ち馬で、コディーノやシンメイフジやキングストレイルなども近親のおなじみハッピートレイルズ牝系。体型は父似というかデインヒル的だが、これまで勝ち上がったハービンジャー産駒の中では最も体質と運動神経が良い。これはシンコウラブリイ譲りの小脚に加えて、Shareef DancerとCaerleonを通じる「Northern DancerとナスキロとTom Foolのニアリークロス」が大きい。無駄のない脚捌きでインからスルスルと抜け出してくる脚は実にTom Fool的で、ミュゼスルタンも小回りを走らせればこんなレースができるはずだ。小回り洋芝1800m向きの機動力とパワーを高いレベルで兼備しているので、今回に関しては減点ポイントがほとんど見当たらず、連軸ならばこれだろう。

ブライトエンブレム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104799/
母ブラックエンブレムは秋華賞馬で、大物が出ないヘクタープロテクター肌ながら大レースを勝った稀有な例。Our Emblem≒ヘクタープロテクター2×2(Mr.Prospector,Numbered Account=プレイメイト,Damascus,Swapsが共通)のニアリークロスという大技によって、ヘクターが入る弱点を克服した名配合といえる(メイショウマンボがスプリングマンボ≒ジェイドロバリー2×3によってジェイドロバリーが入る弱点を克服したのと同じ)。強力なニアリークロスを持つので繁殖牝馬としても自己主張が強く、あまり強いクロスを持たない尻に敷かれる型の種牡馬との配合がベターだろう。その点で米血×欧血のアウトブリードのネオユニヴァースとの組み合わせは悪くない。兄テスタメントがディープのしなやかさもONになった体質でちょっとどっちつかずなタイプに出ているのに対し、こちらは父がネオユニに替ってパワーと機動力と粘りで明快にまとまっている。デビュー戦は道悪をパワーで差し切ったという勝ち方だったが、東京マイルより小回り1800mがベターなタイプなのは明らか。ここでもやれる馬だろう。手先のパワーが強く道悪はなかなかの巧者で、渋ったほうがチャンスはありそうだ。

ミュゼエイリアン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104164/
エリンコートの甥で、母母エリンバードは伊1000ギニー(伊G2・芝1600m)勝ち馬。父スクリーンヒーローはNorthern Dancer4×4とHail to Reason4×4、母エールスタンスはNorthern Dancer4・5×4とBold Reason≒Never Bend5×5、母父エルコンドルパサーはNureyev≒Sadler's Wells3×2。千葉のトレーニングセールで2番目の高額(4200万円)で落札された馬だが、スクリーンヒーローはグラスワンダーよりもクロスがうるさいので産駒は思った以上に仕上がりが早い。特に本馬のように母もNorthern Dancerクロスを持つパターンはクライスマイル、モーリス、オーシャンヒーローとデビュー戦から能力全開のイメージがある。またスクリーンヒーローは牝系がLa TroienneなのでNever BendやBuckpasserなどLa Troienneを引く血と相性が良く、モーリスの母父カーネギーはSadler's Wells×RivermanでBold Reason≒Never Bend3×3、クライスマイルの母母父Woodmanの母プレイメイトはBusanda≒Striking2×3だ。曲飛で福島1800mをひと捲りで決めたが、母方のナスキロ柔さもある体質でパワーごり押しという感じでもなく、レースぶりが大人びていて完成度もなかなか高い。洋芝小回りは合っているしここも好走は間違いないだろうが、モーリスやオーシャンヒーローも新馬勝ち直後は神童のような言われ方をしたものだ。この2頭の上をいく器かとなると、配合もレースぶりもそこまでの説得力には欠ける。

マイネルサクセサー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100724/
KingmamboとRobertoが出会うとGold Digger≒BramaleaとNantallah≒Nashuaのニアリークロスになるので、フリオーソのように両者のパワーと機動力がONになりやすい。ジェイドロバリーはKingmamboと3/4同血だから、ジェイドロバリーとRobertoの組み合わせもメイショウマンボ、メイショウトウコン、トーセンブライトなどパワーと機動力に秀でたタイプが出る。本馬はブライアンズタイム×ジェイドロバリーだからトーセンブライトと同じ組み合わせで、母系の奥にもBetter SelfやAlibhaiのパワーが入るからダ中距離向きの捲り配合というべきだが、母マイネジャータは芝中距離の先行馬でこちらの影響が思ったよりも強く、Lyphard的粘着力やTom Fool的脚捌きも受け継いだ。「一口好配合」の栗山望田ダブルピックだが、まさか芝1800mでポンポン連勝するとは思っていなかったし、それも時計のかかる洋芝ならではという面はあるだろう。
使われつつ馬が良くなっているのは手に取るようにわかるが、コスモスはイン好位でパーフェクトに運んであの着差。ラフィアンの馬だから総帥ふうにいうならば、やっぱりサンデーの血を引かないからか、芝良の重賞レベルでみるとバネやしなやかさがちょっと足りないし弾け方も物足りない。今回は大幅にメンバーが強化されるし、パーフェクトに運べれば3着を狙えるという評価で。

レッツゴードンキ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102095/
クイーンスプマンテなどが出る牝系で、母マルトクはダ短距離で5勝。そこへキングカメハメハが配されて、女傑メイショウマンボと同じKingmambo≒ジェイドロバリー(Mr.ProspectorとNorthern DancerとSpecial)のニアリークロス2×3。父も母もNorthern Dancerがクドいが、全体として強力な父母相似配合というべきだろう。私が調べたところによると、Kingmambo≒ジェイドロバリーのニアリークロスを持つ馬は19頭が中央に出走して8頭が勝ち馬となっており、そこにRobertoも併せ持つ馬は4頭が出走してメイショウマンボ(母父グラスワンダー)、キングスビレッジ(2勝,母母父リアルシャダイ)、スマートフォーカス(1勝,母母父リアルシャダイ)、そして本馬とオール勝ち上がり。4角からフワリと捲って抜け出す脚はたしかにSpecial的Roberto的で、なかなか機動力に見どころがある中距離馬だし完成度も高い。ここも入着なら有望だし馬券圏内も。

スワーヴジョージ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104595/
ジャズファンクと同じハービンジャー×サンデーサイレンスで、こちらは母がトゥザヴィクトリーやサイレントディールの全妹で、トゥザワールドやトゥザグローリーやデニムアンドルビーやトリップなどでおなじみのフェアリードール牝系。フェアリードールはHyperion4・4×4・5・5・7・7・7を持つ。ハービンジャー産駒としてもNureyev的な伸びのある体型とHyperion的な粘着力持久力を感じさせる体質で、重厚にノシノシ走る持続型中距離馬。1800mで新馬勝ちしたが距離はもう少し延びたほうがいいだろう。ここは函館より時計の速い決着になって対応できるかどうかがカギだ。

ミッキーユニバース
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104487/
オースミチャドの全弟で、ボーダレスワールドやジュエルオブナイルの半弟で、兄姉は中央出走7頭中6頭が勝ち馬となっている。母レディオブチャドはマルセルブサック賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬。レディオブチャドの息子はみんな大きい(6頭中5頭が500キロ超)のにデビュー戦は[4.1.0.1]で、ちょっと一本気な気性も共通していていきなり動く。ちなみに母系にEla-Mana-Mouを持つネオユニ産駒は中央に9頭が出走し、ナスノアオバ、モンテネオ、ベストオブラック、ダイワリューリン、ハッピーロングラン、オースミチャド、ピサノナイトレイ、ミッキーユニバースと8頭が勝ち上がり。なかなかの高確率というべきだが、これはKrisとEla-Mana-Mouの血脈構成が似ている(Rockefella-Hyperion,Donatello,Relic,Fair Trial-Lady Juror)からで、このメンツを見てのとおり重馬場やダートに向いた粘りを増す配合ともいえる。3代母Diamond LandがPrecipitation4×4(大きく出るのはこの影響か)、そこにHyperionとAlycidon〜DonatelloとFair Trialをクロスする強力相似配合のEla-Mana-Mouが配されて、そこにNearco4×4のラストタイクーンが配されたのがレディオブチャド。ミッキーユニバース自身は緩い相似配合で、父の粘りと母のスピードが噛み合った先行型の中距離馬に出た。
なかなか雰囲気のある馬だが、まだ一本気なところはありそうだし大型馬でそれほど器用な脚も使えないだろうから、ここでも自分のペースで運べるかどうかがまずポイントだろう。それと“しなやかなナスノアオバ”というイメージの血統だから、前走は渋った馬場もプラスだったかもしれない。そのあたりを今回の課題としてあげておきたい。

マイネルシュバリエ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100734/
マイネグレヴィルの半弟でマイネルデュプレのイトコ。父バトルプランはニューオーリンズ(米G2・ダ9F)など北米6戦4勝で現2歳が初年度産駒。エンパイアメーカー×Flanders(BCジュヴェナイルフィリーズなど実質5戦5勝の名牝)という良血で、Mr.Prospector4×3とNorthern Dancer4×4を持つので父ほど配合の受けは広くないものの、父より体質がしなやかで本馬のような芝馬も出せるタイプだ。本馬は母もマルゼンスキー4×3で全体にクロスがうるさすぎるきらいはあるものの、胴も脚も長く体質は柔らかく、しなやかに加速してゴール前もまだまだ余裕があった。東京や外回りならもっと伸び伸び走れそうな中距離馬だ。ここは相手強化で前走のような楽な競馬はできないだろう。

アルマワイオリ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100208/
阪神JFのスエヒロジョウオーの孫で、母イナズマローレルはPolish Precedentとマルゼンスキーを通じるNorthern DancerとBuckpasserとPrincequilloの組み合わせのクロス。父マツリダゴッホはNever Bend肩とBold Ruler機動力で中山を捲ったが、産駒も全芝18勝中直線の長いコース(東京+中京+京都阪神外回りであげた勝ち鞍はわずか2勝で、ウインマーレライやウインスプラッシュが典型だが小回りの1400mか1800mかをフワリと流れ込むような脚質が多いイメージ。また全22勝中6〜8月に15勝というのは仕上がり早で2歳戦に強いというのもあるだろうが、ダートが苦手(通算4勝)というのと、そしてNever Bend肩がONになりやすい、この三つだろう。3歳世代の成績をみてもこの夏に急激に成績が上がってることがわかる。というわけで2歳の夏に札幌1500mをフワリと逃げ切りというのはいかにもマツリダゴッホ産駒らしいというべきだが、持ち味が100%活きるコース・枠順・展開だっただけに、ここで通用するほどのインパクトは感じられなかった。

アドマイヤガスト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104872/
ノーステアの半弟でフォーリクラッセの甥、3代母Intrepidiyは英オークスやヴェルメイユ賞に勝った一流馬。母ムガールはBramalea≒Gold Digger3×3にSadler's Wellsが絡んでHail to Reason3×6とNashua≒Nantallah4×4・7も絡むので、ノーステアは東京専用機のような使われ方をしているが、わりとRoberto的なパワーと機動力を伝える繁殖だろう。アドマイヤガスト自身はNorthern Dancer4・5×5にSir Gaylord=SwanseaとIntrepid Lady(Bold Bidderと3/4同血)を通じるナスキロクロス。体型や走りはSilver Hawkの影響が強いが体質はナスキロ柔く脚捌きはBold Ruler無駄ない。斬れよりも機動力で走るタイプで、絶妙に立ち回って差し切ったという勝ち方だったが、血統の字面以上にレースぶりが軽いのが相手強化でどうかという気がする。

サウスキャロライナ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104506/
カレンブラックヒルやレッドアルヴィスの姪。母母チャールストンハーバーではDrone≒Terlingua3×3、Le Fabuleux4×4の父母相似配合で自己主張が強い名繁殖。そこにMr.Greeleyがかけられた母アシュレイリバーはMr.Prospector3×5にSecrettame≒Drone≒Terlingua3×4・4(Secretariat≒Sir GaylordとTom Fool≒First Rose)。そこにステイゴールドだから、母のマイラーっぽいスピードで先行する180mm型に出たのは順当。ただステイゴールドにこれだけミスプロとナスキロを重ねてしまうと非力感は否めない。タフなレースになると踏ん張りがきかないところはありそうで、あくまで軽さだけで流れ込めるレースに向いた馬だろう。

トウカイバレット
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100639/
ダート4勝マエストラーレの全弟で、コルポディヴェント、チュウワブロッサムと他の兄姉もダートで上級に出世している。母オータムブリーズは父ティンバーカントリーがSwpas4×3、母母ダイナフェアリーがHyperion4・5×5(Lady Angela≒Alibhai3・4×4)で、ダート向きのパワーとスタミナを伝える繁殖牝馬といえる。そこにネオユニで、体型はソコソコ伸びがあるがいかんせん硬肉で芝良でビュンと加速するイメージは湧かない。ダートの長いところに向いた馬だと思う。

シゲルケンカヤマ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012105740/
Mr.Prospector2×3、Halo≒Sir Ivor3×4、Natalma4×4とクロスがうるさいストーミングホームに、4×4以内の強いクロスをもたないシゲルキリガミネというオーソドックスな組み合わせ。Grand Lodgeが強いマイラー体型で、Sir Gaylord≒Secretariatや母母のGrey Sovereign+Princely Giftの柔らかさで走るマイラーだが、動きが緩慢なので小回りコースでの機動力に欠ける。1800mは守備範囲だと思うが、コスモス賞では4角での加速で見劣るという5着だった。

キッズライトオン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104181/
スニッツェルの牡駒はマイルぐらいまでこなすことも多いが、本馬はフォーティナイナー譲りのスプリンター体型で、洋芝や道悪に向いた完成度の高いパワースプリンター。


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