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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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春のG1、ディープとキンカメの復習

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〈これまでディープインパクト産駒はダービーに17頭が出走して[2.0.1.14]という成績ですが、勝ったディープブリランテとキズナには「Burghclereのニアリークロスを持つ」という配合的共通点があるのです

Burghclereはディープインパクトの母母で、Busted~Donatello、Hypericum~Hyperion、Court Martial~Fair Trialといった重厚な欧スタミナ血脈ばかりで構成されており、ここがディープインパクトのスタミナ源と言ってしまっていいほどです

そしてディープブリランテはBustedやAuroraやCourt Martialなどを使って、キズナはDonatelloやAuroraなどを使って、このBurghclereのスタミナをニアリークロスしており、これが2400mに延びても踏ん張りがきいた大きな要因と考えられるのです

Burghclereの血をニアリークロスすることがスタミナ獲得に有効なのは、ディープ産駒で最も長距離を得意とするファタモルガーナ(ステイヤーズSとダイヤモンドSで2着)や中山大障害に勝ったレッドキングダムが、ともにBurghclereの血を色濃くニアリークロスしていることからも明らかでしょう

ただ不思議なことに牝駒の場合は、ジェンティルドンナもデニムアンドルビーも、長距離をこなすのにBurghclereのニアリークロスは持っておらず、このニアリークロスは牡のほうがスタミナとして伝わりやすいのかもしれません

というわけで、Burghclereのニアリークロスを持たないディープ産駒はダービーに9頭が出走し[0.0.1.8]という成績、掲示板に載ったのはトーセンホマレボシだけで、人気を着順が上回ったのも3頭だけ

リアルスティールもBurghclereのニアリークロスを持っていないので、2400mを克服できるかどうかは微妙と言うべきですが、トップスピードに乗る速さは世代屈指で、ジェンティルドンナに近い脚質という私のイメージが正しければ、スローの上がりだけの競馬になったほうがチャンスはあるでしょう〉
(『UMAJIN』5月号「血統と馬券 ここだけの話」ダービー展望部分より抜粋)

リアルスティールの骨折の影響がどれぐらいあったのかは微妙で、厳密な距離適性の問題は秋に持ち越しになりましたが、2着サトノラーゼンの母系に入るIron Dukeは母父がAureole、つまりサトノラーゼンはBurghclere≒Aureoleのニアリークロス3×6を持つのです

下記エントリで「東京の大レースで好走するキンカメ産駒はみんなナスキロのクロスを持っていて、持ってなかったのはHornbeam≒パロクサイドのナタのストライドで走るルーラーシップだけ」と書いて、だからダービーではコディーノもトゥザワールドも軽視したのですが、今春の東京G1で好走したキンカメ産駒は、ルーラーシップと3/4同血のドゥラメンテと、母系にA.P.IndyとHabitatを引くケイアイエレガントと、母父フレンチデピュティのミュゼスルタンで、今年もナスキロクロスとHornbeam≒パロクサイドしかきませんでした

Burghclereのニアリークロスを持たないリアルスティールがBurghclere≒Aureole3×6のサトノラーゼンを差せず、ナスキロのクロスを持たないトゥザワールドがMill Reef5×5のタガノグランパを差せなかったというのは、東京2400mという舞台においては順当な結果といえるのかもしれません

配合に素直な前チャンピオンサイアー(3)~東京G1で好走したキンカメ産駒は、みなナスキロのクロスだった
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/b2b7f4870cd1ed736f6dc4df4481abf3


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