毎年4月はPOG関係の仕事の追い込みで2歳馬の血統表をしらみつぶしにチェックし、一方で春のクラシックがいよいよ本番で一年間あれこれ書いてきたことの答え合わせ、この2歳と3歳の同時進行で頭の中がややこしいことになっとるわけです
もうディープインパクトとダイワメジャーの2歳はだいたい目を通したかな、ディープインパクトに関していえば、3歳もやっぱり「母父マイラー」が大正義で、フレンチデピュティはジェロームH(米G2・ダ8F)勝ち馬、Orpenはモルニ賞(仏G3・芝1200m)に勝ち愛1000ギニー3着
そして今年も「母Northern Dancerクロス」が大正義で、ウィキウィキはNorthern Dancer4×5、マルペンサはNorthern Dancer4×4
マカヒキもサトノダイヤモンドもディープとサザンヘイローを通じるHaloクロスは同じで、内回り向きの機動力があって鋭角な4角で速やかにスピードに乗れるところは似ているんですが、配合的な比較ではかなり別物という印象が当初からあって、そこを改めて言葉にしてみました
マカヒキというのは実績十分なディープインパクト×フレンチデピュティで、母系にナスキロとAlycidonが入って自身はHalo≒Sir Ivor≒Red Godのクロスで、これまでのディープインパクトA級産駒の配合と比較してあーだこーだと語れる教科書的な配合といえるでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105788/
同じく母父フレンチデピュティのクロウキャニオン仔やショウナンパンドラとの比較はもちろんできるし、配合全体としてもキズナやディープブリランテと同じ「ディープインパクト 牡馬クラシック路線」という方向性、たとえばディープブリランテ駅があって、キズナ駅があって、その一つ先にマカヒキ駅があるのかどうか、という議論ができる配合です
毎年「ディープインパクト好配合リスト」で20頭ほど選んでますが、昨年サトノダイヤモンドを選んだのは、上に書いたようないわゆるディープ産駒のオーソドックスな成功パターンを踏襲した配合だからではなく、母マルペンサの配合の面白さ、Halo4×3、Northern Dancer4×4、Natalma4・5×5、Almahmoud5・6・6×5・6(Natalma≒Cosmah4・5・5×4・5と言ってもよい)と、血統表の3/4でAlmahmoudの血を強力に何重にもクロスしているところに目を奪われたからなのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
だからサトノダイヤモンドの配合を語るときに、過去のディープA級産駒と比較してその枠内であれこれ言うのはちょっと違う気がするし、もっといえば過去のサンデー系の名馬たちの配合と比較するのも何か違和感がある
たぶん上手く説明できてないな…、たとえば上の血統表をですね、父母逆さまに、マルペンサを父にディープインパクトを母にしてみると、いろいろと感じるものがあると思うんですけど、ようするにサトノダイヤモンドはアルゼンチンからやってきた凄い配合のG1馬マルペンサの息子やということですね
まずBuckpasserの息子でBlue Larkspur4×4のLogicalが配されて、そこにAlmahmoud3×4のサザンヘイローが配されて、そこにNatalma4×3のOrpenが配されてマルペンサが生まれたのだ、というところから語られるべき配合であって、キズナやディープブリランテやマカヒキとは始発駅からして違うと言ったらいいのかな
「望田さん、Lady AngelaもBurghclereもMy Bupersも、ノーザンテーストもトニービンも素晴らしい。けどその前に、サンデーサイレンスっていったい何なん? けっきょくサンデーサイレンスを語るということは、まずHaloを語ることなんとちゃうの? じゃあ聞くけど、Haloっていったい何なん?」
マルペンサを語ることはHaloとNorthern Dancerを語ることであり、それはAlmahmoudを語ることでもある
「1/4サンデー」から「1/8サンデー」へ、日本の競馬を世界のトップクラスに押し上げた大種牡馬サンデーサイレンスの血が3代4代へと遠ざかっていく時代に、皐月賞の5日前に、マルペンサの血統表がそんなことを語りかけてくる
第53回弥生賞回顧~エピファとの比較、サトノダイヤモンドとの比較
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/02c43b95326139e1e76b81f25d41c734
日曜の重賞回顧~弱点皆無の3連勝
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ecb2d6a0644271327e1727bd879d3100
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Haloとは何ぞや
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