ダービーは2000mベストの馬が勝ちやすいレースだが、皐月賞は中山記念タイプが勝ちやすいレースで、中山内回りでもヘンタイ的な勝ち方をするドゥラメンテは置いといて、イスラボニータもロゴタイプもヴィクトワールピサもアンライバルドもキャプテントゥーレも、ダービーよりも中山記念のほうが勝ちやすい馬だろう
いっぽうでワンアンドオンリーやキズナやディープブリランテやディープスカイやウオッカが豪華メンバーの中山記念を勝てるかと考えてみると、やっぱり皐月賞は中山内回りで勝つべき馬が勝っているのだ
ただディーマジェスティが中山記念タイプかというとそこは疑問で、今年の皐月賞はペースが流れてしかも外伸び決着になり、例年以上にパワーと持続力で差せるレースになった感はあった
母がヴィクトリーやフリオーソと似た配合で、この凄いパワーをも受け継いでいるのが他のディープ産駒と趣を異にするところで、皐月賞の直線の追い比べをみると、急坂でグイグイ加速していたのがディーマジェスティで坂を上がってから斬れていたのがマカヒキだった
マカヒキは母がNorthern Dancerのクロスで、自身はナスキロクロスとBurghclereのニアリークロスだからディープ牡駒の中距離王道配合、キズナ駅やディープブリランテ駅と同じ路線上にマカヒキ駅もあるのだ、という言い方をしたい配合
ただHalo≒Sir Ivor≒Red God3・5×5・5とHaloのニアリークロスを重ねたぶん、上記ダービー馬2頭よりは脚捌きが軽く俊敏で、ナタではなくカミソリと形容したくなる斬れ方をする
ダービーは2000mベストの中距離馬が勝ちやすいレースには違いないのだが、こういうカミソリが鋭くまとめて差し切ったシーンを案外思い起こせないので過去の結果をながめていたら、一頭カミソリがいましたエイシンフラッシュが
やっぱりマカヒキが東京2400のダービーを勝ちきるとなると、スタミナとか距離適性云々以上に末脚の質という点で、2010年のようなスローの上がり特化になったほうが可能性はあるんじゃないかと
皐月賞の予想でも書いたように、「歴史的なチャンピオンとまではいかないかもしれないが、種としてサンデーサイレンス系の新たな幹となるような可能性を秘めた面白い配合」というのが筆者のサトノダイヤモンド評で、ディーマジェスティも一風変わったディープ産駒だが、サトノダイヤモンドという馬もキズナ~ディープブリランテ-~マカヒキの王道路線とはちょっと違うところで考えるべき馬だろうと思っている
「な~んやけっきょくHaloだらけの配合で、Halo的スピードを中距離で早期に開花させただけの馬やったんか」
ダービー後にこんなふうに言われている可能性は否定しないが、配合的に意図的に強く固定されたスピードを、配合どおりに早期に発現させるというのは種として重要なことだ
サトノダイヤモンドが優秀な種として血を遺していくべき馬だとすれば、早期に然るべきレースを勝つはずだから、それがダービーであっても全く驚けない
リオンディーズは父母相似配合によってダービー馬キングカメハメハとオークス馬シーザリオの長所を受け継いだ馬だから、中山より東京向きなのは間違いない
Special血脈のクロス特有の前向きすぎる気性が難だが、あのストライドだからもともと小器用に立ち回って味があるタイプでもなく、ミルコは大一番でも大胆に大雑把に乗ってくるだろうし、それが彼の最大の魅力でもある
ただ偉大な半兄との比較でいうと、エピファネイアのあのため息が出るほどのしなやかで美しいフォーム、スピードに乗るときの躍動、もう細かいことはいいんだよ絶対名馬だよと断言したくなるあの衝撃と比較してしまうと、3歳春の時点でも、出し切ったときの打点の高さはエピファのほうが上だろうと思う
いっぽうで皐月賞4着入線がかなり強い内容だったのは否定しないし、たとえばロゴタイプが今年の皐月賞に出てて馬券に絡んだどうかは怪しいだろうし、エピファの皐月2着と遜色ない4着入線だったとも思うのだ
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思いつくままにダービーウィーク雑感
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