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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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第157回天皇賞回顧~今年もPrincely Gift!横綱相撲をナデ斬る

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京都11R 天皇賞
◎6.ガンコ
○11.シュヴァルグラン
▲12.レインボーライン
△16.スマートレイアー
×8.クリンチャー
×14.アルバート
ガンコはダーレー自慢の筋のとおった牝系で、独オークス馬アンナパオラにミルリーフ、ポリッシュプレシデント、シングスピールとA級種牡馬が代々配されてきた。そこにナカヤマフェスタが配されてデインヒル≒ポリッシュプレシデントのニアリークロス4×3とヘイロー4×4としたのもいい。血統のイメージどおりナカヤマフェスタ(宝塚記念、凱旋門賞2着)とシングスピール(ジャパンC,ドバイワールドC)を足して割ったような馬で、スタミナ豊富で燃費のいい走り、折り合いがつく穏やかな性格はステイヤーと言ってもいいだろう。日経新春杯から◎を打ちつづけてきたがここも◎。淀の長丁場ではハーツクライ(トニービン)よりステイゴールド(プリンスリーギフト)の血を重視したい。

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「横綱、今日は胸借ります!がっぷり四つでいかせてもらいます」
「面白いやないか、併せ馬でSingspielごっこやろうや」

藤岡祐介になだめられながら3番手をとったガンコと、その外にピタッと付けたボウマンのシュヴァルグラン、そこからSingspielごっこは3分以上もつづき、横綱の寄り身にジワジワ削られつづけた上がり馬は、直線ではもう余力が残っていませんでした

でもこのSingspielらしい競馬でのし上がってきた馬ですから、今日はこれでよかったと思うし、横綱の分厚い胸を借りたことを糧にして、まだまだ強くなっていける馬やと思うのでね

レースはチームガンコといっしょに観戦したので、直線半ばではみんな声を失ってしまい、(なあガンコ、これが横綱なんやな…やっぱり凄いな…)と敗戦を噛みしめたそのとき、岩田のアクションに導かれて内に切れ込みながら差し切ったのがレインボーライン

JCでレイデオロとキタサンブラックを降し、有馬でスワーヴリチャードと叩き合った横綱が、最大の武器である“Singspielの好位差し”を繰り出して堂々と勝ちきったかに見えたのに、一つ年下のステイゴールド産駒がそれを差し切り、今年もやっぱり「Princely Giftがトニービンを封じた」春天だったのです(ちなみに今年の出走馬なかでPrincely Giftの血を引くのは、ステイゴールド経由のガンコとレインボーラインの2頭だけ)

<トニービン譲りのスタミナで好走するけれど、トニービン譲りの後輪駆動ゆえに2着まで、というシーンが繰り広げられてきたのが春の天皇賞>(春天とトニービン)

18年←NEW!
1着レインボーライン(父ステイゴールド)
2着シュヴァルグラン(父ハーツクライ)

17年
1着キタサンブラック(母父サクラバクシンオー)
2着シュヴァルグラン(父ハーツクライ)

16年
1着キタサンブラック(母父サクラバクシンオー)
2着カレンミロティック(父ハーツクライ)

15年
1着ゴールドシップ(父ステイゴールド)
2着フェイムゲーム(父ハーツクライ)

14年
1着フェノーメノ(父ステイゴールド)
2着ウインバリアシオン(父ハーツクライ)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/51fe2cd538af61dc3ca03263665af4d6

ハーツクライ産駒がこれだけ東京の大レースを勝ちまくっているのに京都の大レースを勝てないのは、毎年毎年同じような2着が重なるというのは、同じような血統にやられつづけるというのは、やっぱり東京はのぼってから差すコースであり京都は下りながら惰性をつけて差すコースであり、トニービンが伝えるナスペリオン的斬れ味は、後駆の良さ、言うならば後輪駆動から生み出される斬れで、それとは対照的に後駆はやや非力だけど前の駆動の良さで走るのがPrincely Giftで、この違いでしか血統屋には説明できない





ついにG1の勲章を手にしたレインボーラインは、ステイゴールド産駒でノーザンテーストのクロスはオルフェーヴル=ドリームジャーニーなどと同じ

そしてレインボーアンバーの母父マッチウォンの母父がAlycidonなのもポイントで、ノーザンテーストをクロスするだけでなく、ノーザンテーストが3×2で持つLady AngelaとAlycidonを「HyperionとSwynfordとPretty Polly」で脈絡させている点もオルフェきょうだいと同じ

ステイゴールド系の配合において、ノーザンテーストのLady Angela3×2をどう活かしどう増幅するか、というのが最大の命題で、ひとまずこれが満点回答なんでしょうね

だから皐月賞の回顧で書いたように、エポカドーロとラッキーライラックの母系に「HyperionとDonatello」の組み合わせのクロスが存在するのは、たまたまではないと思うのです





クリンチャーはKey to the Mint(ダンスインザダークのスタミナの源)とブライアンズタイムを通じるGraustark5×4のスタミナ自慢で、Singspielごっこの直後から三浦皇成が叩き出して、スタミナではヒケをとらないことをまた証明しました

これもまだまだ伸びしろのある4歳で、今後は凱旋門賞が目標ということですが、馬場が渋るようなら大駆けがあっても驚けないかと

ガンコの父ナカヤマフェスタが2着した凱旋門賞は重のロンシャンで、勝ったワークフォースはPassadoble≒Allegedのニアリークロス4×3でナカヤマフェスタの母ディアウィンクはGraustarkの全兄His Majestyの4×2ですから、Ribotの血をクロスで持つ両雄が重馬場で叩き合ったレースでもありました

クリンチャーには、ガンコと藤岡祐介のぶんまで頑張ってもらいたいです

第78回皐月賞回顧~4角5番手のオルフェ(2)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4563346d86c0ba96d32ecbbcc9ca24de


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