阪神11R 宝塚記念
◎13.ワーザー
○9.サトノクラウン
▲3.サトノダイヤモンド
△2.ノーブルマーズ
△15.ゼーヴィント
×7.パフォーマプロミス
×10.ヴィブロス
注8.ダンビュライト
注14.スマートレイアー
日曜の阪神は昼から晴れる予報だが、どう乾いてどういうバイアスの馬場になるのか、前日予想ではハッキリ言って読みきれない。イン立ち回りが有利ならばサトノダイヤモンドの復活に期待する手はあるだろうし、外捲りがきく馬場ならばサトノクラウン連覇の可能性も十分だろう。ワーザーはネオリアリズムやタイムワープやパキスタンスターやミリタリーアタックと五分の実力馬で、父系がモンジューで母父がザビール、クロスがサドラーズウェルズ≒ヌレイエフ3×4だから、タフな馬場の阪神内2200はピッタリの血統。鞍上もボウマンなら信用できるし、仮に良まで乾いたとしてもここならトップクラスの評価は変わらない。ゼーヴィント、ノーブルマーズ、パフォーマプロミスは母父ロベルト系で阪神内回りを捲れる血統だけに印を回した。
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1~3着馬については、NETKEIBA「G1ドキュメント」で書いた全馬血統分析より抜粋します
http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=40752
ミッキーロケット
仏2000ギニーのLandseerなどが出る牝系で、母マネーキャントバイミーラヴはナッソーS(英G1・芝8F)3着。母父Pivotalはファンディーナやトリコロールブルーなどと同じ。そこにキングカメハメハでNureyevとMr.Prospectorのクロスだが、母にはCozzene、Caerleon、Riverman、Miswakiなどナスキロ血脈が豊富で、この母方のフランス牝系の斬れ味で走る中距離馬。内回りより外回りがベター。(距離◎スピード○底力○コース△)
ワーザーWerther
Peaks and ValleysやOpen Mindなど北米の活躍馬が出る牝系。父Tavistockはワイカトスプリント(新G1・芝1400m)など短距離で活躍したが、父父がMontjeuで母父がZabeel、クロスがSadler's Wells≒Nureyev3×4なら重厚な芝中距離血統だ。香港中距離界のトップクラスで、2000mでは崩れたことがなく、宝塚向きのパワーと機動力があり、かつ高速芝もOK。本調子なら勝ち負け必至の実力馬といえる。(距離◎スピード○底力○コース◎)
ノーブルマーズ
母母Tabaは亜1000ギニー勝ち馬で、子孫にサーガノヴェルやブライトラインなどが出る。ジャングルポケット×Silver Hawkとパワーとスタミナに長けた血統で、456キロのデビューから40キロ以上体重が増え、準オープンの上位常連からオープンでも勝ち負けできる地力を蓄えてきた。母父Roberto系だから宝塚に向いた血統でもあるのだが、近走を見ると意外に小回りコースは合わないのかも。(距離◎スピード△底力○コース○)
G1レースはNETKEIBAも競馬道も前日入稿なので、道悪巧者のキョウヘイが重馬場のインを切り裂いた垂水Sを観ながら、「さ~てこれが明日の15時半にはどれぐらい乾いて、どんなバイアスになっとるんやろう…」と思案しながら印を決めるわけです
ワーザーの血統表とレースを見ての私のジャッジは、「パワーと粘りの中距離馬で、1800mより2400mがいいぐらいで、しかし高速馬場でも日本のトップクラスにそんなに見劣りしない」というもので、まあいろいろ読みきれない前日予想では、とりあえずワーザーは馬券に絡むだろう、という入り方しかない◎でしたね
ところがその最も信用できそうなワーザーが、輸送で馬体が減ったという情報はもちろん知ってましたがまさかの-27キロ(香港ではいつも470キロぐらいでの出走)、たしかにパドック映像を見ても張りがない体つきに見えたし、当ブログでもパドックを見た後に「ヴィブロスを上げてワーザーを下げます」と明言したほどです
阪神芝は内から乾いていたのかずっと外差しがきかないバイアスでしたが、秋山が春天のトミケンスラーヴァのように逃げ馬に競りかけていったので前半3Fが34.4と速くなり、けっきょく前の組は壊滅してしまいました
となると、ラチ沿いを抜け出してきた和田とその直後から追い出した高倉がヴィクトリーロードだったわけですが、-27キロの張りのない体で、4角手前から大外に出して鋭くというよりは持続力溢れる脚で追い込んできたというのは、負けはしたけれど香港トップクラスの地力を十二分に見せつけたといえるでしょう
ノーブルマーズは母方のSilver Hawkがよく表現されていて、掻き込み親父をHyperion体質にしたような中距離馬に見えるので、阪神中山の内回りがピンポイントだろうと書いてきたんですが(TARGETの履歴をみても日経賞で○にしたり三田特別で◎にしてたり)、本格化したジャングルポケット産駒が目黒記念で好走となるとどう取り扱ったらいいのか
とにかく今日もパドックの気配は良かったし、デビュー当時から馬体が40キロ増えて晩成中距離血統が騒いできたのは手にとるようにわかるので、ここも印を回してよかったなと
私もふだん馬券を買うときは「高倉かあ…大丈夫かいな(^ ^;)」なんて言いながらマークシート塗ってますが、デビューからの29戦全てで手綱をとり、ノーブルマーズについては俺が一番わかってるんだというド主戦で、だからこそ大一番でも印を回そうと思えるわけでね
モレイラが合格してもムーアが毎年やってきても、ノーブルマーズと高倉みたいなコンビはもっと増えてほしいです
パドックの出来や体つきはヴィブロスがグンバツで、この馬も秋華賞を勝ったときが414キロで今日が440キロ、しかし出来がよすぎたのか「スタート後に引っかかってしまった…」と鞍上
いつも書くように、福永祐一はワグネリアンやヴィブロスみたいな小柄な馬は押さえ込めるので上手に乗る人で、つまり今のヴィブロスは彼が余すぐらいにまでパワーアップしてきている、という見方もできるのではないかと
サトノダイヤモンドは王者の競馬で復権をはかりましたが、今日の馬場で外々を押し上げていくのは少しタフだったし、それにしてもあの手応えと勢いでフッと止まってしまうというのは…
最近の唯一の好走が、上がり3Fだけの競馬だった金鯱賞ということからしても、長く全力疾走をつづけられない要因が何かあるのではないか…という言い方しか私にはできないです
「G1に勝ったら、オペラオーに会いに行きたい」と言いつづけていた和田竜二が、全22戦中12戦で手綱をとるお手馬ミッキーロケットとのコンビで、渾身のイン抜け出しで勝って、和田や祐一のデビュー戦から見てるオッチャンはもうこういう涙にはとことん弱い
野田みづきさんもミッキーアイルとミッキークイーンは浜中、ミッキースワローはノリ、そしてミッキーロケットとミッキードリームは和田、今どきの有力馬主さんには珍しくガイジンをあまり乗せないし、いったん乗せたら簡単にはおろさない人です
「長くコンビを組んでいますし、特長を生かせました」(和田)
そんなわけでリアル馬券は2~4着で決まればいろいろ当たったんですが(^ ^;)、ナスキロ血脈が多い配合とナスキロ的な体質とストライド、そしてこれまでの戦績からも、大箱ベターでタフな馬場がベターな中距離馬だと評してきたので、ミッキーロケットがここでインをすくってついにG1を勝つとは想像できませんでしたね
1~3着は非サンデーサイレンスで、勝ち馬はNureyev4×4、2着馬はSadler's Wells≒Nureyev3×4、3着馬はNureyevにRoberto、Nureyev的パワーがモノを言う馬場やったのはたしかでしょう
下記エントリで書いたことを踏まえて言うならば、今年の宝塚は上がり3Fに速いラップが一つしかなく(12.2-11.7-12.4)、これはサトノクランやゴールドシップのような持続ストライドが勝つパターンといえるのですが、一方で外差しがきかない馬場バイアスだったので、最内を回ってきたストライド型のミッキーロケットが勝ちきったのかと
今年も宝塚はこのネタで
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/924a14432c43517e58ce0f08a291f02a
そして血統解説の冒頭にも書いておきましたが、今年もやっぱり、宝塚は5歳が強かったのです
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第59回宝塚記念回顧~感涙のイン差し、お手馬で、ストライドで制す
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