東京11R NHKマイルC
◎5.リッケンバッカー
○8.グレナディアガーズ
▲2.アナザーリリック
△15.シュネルマイスター
×3.ルークズネスト
×4.バスラットレオン
×7.タイムトゥヘヴン
×12.ランドオブリバティ
注11.ヴェイルネビュラ
注17.グレイイングリーン
グレナディアガーズは北米スピード牝系のフランケル産駒だから、モズアスコットのように東京マイルの高速巡行力は高い。NHKマイルはダンジグの血を引く馬が毎年絡むし、矢作同士で競るとも思えないからHペースにはならないと読めばこの好位差しから入りやすい。バスラットレオンはNZTが圧巻だったが、走りが中山向きっぽくて東京だとあの配分で逃げても同じようにいくかどうか。底力ならシュネルマイスターだが、欧州血統の重厚さが表現されているので1分32秒5ぐらいの高速決着になるとどうか。アナザーリリックはストライドで走るリオンディーズ産駒で東京で更にの期待があるが、シーザリオの血を引き3戦とも大外から差しているとなると、ここはちょっと枠が内すぎた気がする。
◎は現在11人気だがリッケンバッカー。母シティウェルズはオンタリオコリーンS(米G3・芝8F)3着。自身はヌレイエフ≒サドラーズウェルズの3/4同血クロス5×4だから、大レースで◎が打てる配合のカナロア産駒だ。一見するとダートのスプリンターになりそうな血統だが、走るとナスペリオン的なストライドで大箱で追って味がある。本来は良馬場の馬だろうし、11月には阪神マイルでルークズネストとクビ差の叩き合いをやっている。関東ナンバーワンジョッキーが圏内にもってくると期待した。
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例によってNETKEIBAの血統解説より導入部と1~3着馬を
<Danzigの血が毎年上位を賑わせる Deputy Minister、Storm Cat、メジャーも有力>
20年は2着レシステンシアと3着ギルデッドミラー、19年は3着カテドラル、18年は1着ケイアイノーテックと2着ギベオン、17年は2着リエノテソーロ、16年は1着メジャーエンブレムと2着ロードクエスト。Danzigの血を引く馬が毎年上位をにぎわせる。昔からDeputy Minister系の血を引く馬がよく好走するレースとしても知られ、Storm Catやダイワメジャーといった有力なマイラー血脈も順当に活躍している。
シュネルマイスター
モーリスラクロアT(独G3・芝1400m)勝ちSerienhoeheの甥で、母セリエンホルデは独オークス(独G1・芝2200m)勝ち。サリオスやサラキアの母サロミナ(独オークス)も同じ牝系だ。母父Soldier Hollowはバイエルンツフトレネン(独G1・芝2000m)勝ち馬で独リーディングサイアー。父Kingmanは通算[7-1-0-0]の欧名マイラーでPersian Kingなどを出している。弥生賞でも地力を見せたが、重厚な欧州マイラー血統だから東京の高速馬場に対応できるかがカギ。(距離○スピード○底力◎コース◎)
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ソングライン
ジューヌエコールやルミナスウイングの姪で、母ルミナスパレードはJRA4勝(芝ダ1200~1400m)。母母ルミナスポイントはノーザンリバーの全姉でJRA5勝のオープン馬。牝祖ソニンクからはディアドラ、ロジユニヴァース、ランフォルセなど活躍馬が多数出る。キズナ×シンボリクリスエスはアカイイトと同じ。なかなか手堅いマイラーで、桜花賞は道中不利もあった。ただキズナ産駒はG1で[0-1-1-25]だから、一発大駆けの魅力には乏しいという見方も。(距離◎スピード○底力○コース○)
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グレナディアガーズ
母ウェイヴェルアベニューはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ちで、その父HarlingtonはガルフストリームパークH(米G2・ダ9.5F)勝ち。父Frankelは英2000ギニーなど14戦全勝の名馬で、モズアスコット、ソウルスターリング、ミスエルテ、タニノフランケルなどの父。Frankel産駒は母系が素直に出るし、本馬も母の影響が強いマイラー。やや一本気で緩みないペースでの高速巡行能力が高く、東京マイルの高速戦にも自信。(距離◎スピード◎底力○コース◎)
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シュネルマイスターとエリザベスタワーは
・ドイツの有力牝系
・母父がSadler's Wells系の中距離本格派
・KrisとMill Reefのクロス
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と配合パターンも酷似しているんですが、弥生賞でも◎にしたようにシュネルマイスターの配合はより高く評価していて、ポイントをまとめると
・KingmanはInvincible Spirit産駒の名マイラーなので、母父にサドラー系の重厚なスタミナが入るのは配合的に王道(Persian Kingの母父も凱旋門賞馬Dylan Thomas)
・下記リンクも参照していただきたいですが(ちょうどタイムリーなことにキャロット会報5月号でもInvincible Spirit系について書いてます)、両半球で大成功中のInvincible Spirit系の最大の魅力はその母Rafha(子孫に活躍馬続出の名繁殖)がもつMixed Marriage≒Sunset Gunのニアリークロス4×4にあり、だからこの父系はSharpen UpやMixed Marriageのクロスを重ねることで明らかに成功している(Kingman自体がSharpen UpとGone Westを通じるMixed Marriageのクロス)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4e5e95859939348a2cba624f9c30fd1d
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/f738b0015bc48b5a6a6ff7a3d5d0844c
・KingmanはNorthern Dancer4×5・5、Soldier HollowはNorthern Dancer3×5・5、しかし母母Saldenehre(サリオスと同じドイツのSライン有力牝系)だけはNorthern Dancerが入らずTamerlane4×4などアウトサイダー血脈が強い→3/4Northern Dancerクロス
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これだけの好配合ですから種牡馬としても楽しみですが、Green Desert系×Sadler's Wells系というのは典型的な欧州血統で日本では重々しすぎる印象もあり、実際エリザベスタワーは高速決着だともっさりしたところがあるので、前後半とも速い1分32秒前半の決着を想定すると◎を打ちきれなかったですね
そこは“最も日本向きに斬れるGrey Sovereign系”Highest Honor(イスパーン賞に勝った仏リーディングサイアーでレーヴドスカーやアドマイスやダンスーズデトワールの父)が母母父に入るのが大きいというべきなんでしょうが、ルメールはRiverman使いとして名高いですがHighest Honorに乗せたときの成績もさすがフレンチの鉄人、はかったのようにキッチリ差すシーンはフランスのマイル重賞を見ているかのようでした
●母系にHighest Honorをもつ馬に乗ったときの成績(芝,データ10以上)
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ソングラインはゴール前で左手前に戻してモタれてしまったのが痛かったですが、いつも書くようにキズナ産駒はStorm Catの血脈構成を増幅する配合が成功していて、Storm Catの血を増幅するのはわりと容易いので高アベレージで成功しているともいえるかと
Storm CatとシンボリクリスエスはボルキロとCrimson SatanとFirst Rose≒Tom FoolとEight ThirtyとChop Chop≒Romanなどが共通するので、キズナ×シンボリクリスエスは他にNorthern Dancerをクロスすれば嵐猫増幅ほぼ完了というわけで、このパターンはJRAに7頭が出走しソングライン(NHK2着)、アカイイト(JRA3勝)、ロジーナ(園田2勝→JRA2勝)と上級が3頭出ています
「NHKマイルはメリハリつけて乗ったほうがいいというのを武史はわかってて、2年連続でほぼ最後方から追い込んでる」と石塚さんが言ってて、そんな後ろで届くんかいなというところからリッケンが脚を伸ばしてきたので「武史差せえええっ!いや差したら川田のワイドがないか…」とモニョッたところがゴール(^ ^;)
勝ち時計1.31.6で前後半45.3-46.3、Storm Catとグレナディアガーズが高速巡行力で2~4着を占めるなか、それを底力と斬れで差し切ったのはさすがKingman、さすがSライン、さすがルメールとHighest Honor、そんな脱帽のNHKマイルでした
◎5.リッケンバッカー
○8.グレナディアガーズ
▲2.アナザーリリック
△15.シュネルマイスター
×3.ルークズネスト
×4.バスラットレオン
×7.タイムトゥヘヴン
×12.ランドオブリバティ
注11.ヴェイルネビュラ
注17.グレイイングリーン
グレナディアガーズは北米スピード牝系のフランケル産駒だから、モズアスコットのように東京マイルの高速巡行力は高い。NHKマイルはダンジグの血を引く馬が毎年絡むし、矢作同士で競るとも思えないからHペースにはならないと読めばこの好位差しから入りやすい。バスラットレオンはNZTが圧巻だったが、走りが中山向きっぽくて東京だとあの配分で逃げても同じようにいくかどうか。底力ならシュネルマイスターだが、欧州血統の重厚さが表現されているので1分32秒5ぐらいの高速決着になるとどうか。アナザーリリックはストライドで走るリオンディーズ産駒で東京で更にの期待があるが、シーザリオの血を引き3戦とも大外から差しているとなると、ここはちょっと枠が内すぎた気がする。
◎は現在11人気だがリッケンバッカー。母シティウェルズはオンタリオコリーンS(米G3・芝8F)3着。自身はヌレイエフ≒サドラーズウェルズの3/4同血クロス5×4だから、大レースで◎が打てる配合のカナロア産駒だ。一見するとダートのスプリンターになりそうな血統だが、走るとナスペリオン的なストライドで大箱で追って味がある。本来は良馬場の馬だろうし、11月には阪神マイルでルークズネストとクビ差の叩き合いをやっている。関東ナンバーワンジョッキーが圏内にもってくると期待した。
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例によってNETKEIBAの血統解説より導入部と1~3着馬を
<Danzigの血が毎年上位を賑わせる Deputy Minister、Storm Cat、メジャーも有力>
20年は2着レシステンシアと3着ギルデッドミラー、19年は3着カテドラル、18年は1着ケイアイノーテックと2着ギベオン、17年は2着リエノテソーロ、16年は1着メジャーエンブレムと2着ロードクエスト。Danzigの血を引く馬が毎年上位をにぎわせる。昔からDeputy Minister系の血を引く馬がよく好走するレースとしても知られ、Storm Catやダイワメジャーといった有力なマイラー血脈も順当に活躍している。
シュネルマイスター
モーリスラクロアT(独G3・芝1400m)勝ちSerienhoeheの甥で、母セリエンホルデは独オークス(独G1・芝2200m)勝ち。サリオスやサラキアの母サロミナ(独オークス)も同じ牝系だ。母父Soldier Hollowはバイエルンツフトレネン(独G1・芝2000m)勝ち馬で独リーディングサイアー。父Kingmanは通算[7-1-0-0]の欧名マイラーでPersian Kingなどを出している。弥生賞でも地力を見せたが、重厚な欧州マイラー血統だから東京の高速馬場に対応できるかがカギ。(距離○スピード○底力◎コース◎)

ソングライン
ジューヌエコールやルミナスウイングの姪で、母ルミナスパレードはJRA4勝(芝ダ1200~1400m)。母母ルミナスポイントはノーザンリバーの全姉でJRA5勝のオープン馬。牝祖ソニンクからはディアドラ、ロジユニヴァース、ランフォルセなど活躍馬が多数出る。キズナ×シンボリクリスエスはアカイイトと同じ。なかなか手堅いマイラーで、桜花賞は道中不利もあった。ただキズナ産駒はG1で[0-1-1-25]だから、一発大駆けの魅力には乏しいという見方も。(距離◎スピード○底力○コース○)

グレナディアガーズ
母ウェイヴェルアベニューはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ちで、その父HarlingtonはガルフストリームパークH(米G2・ダ9.5F)勝ち。父Frankelは英2000ギニーなど14戦全勝の名馬で、モズアスコット、ソウルスターリング、ミスエルテ、タニノフランケルなどの父。Frankel産駒は母系が素直に出るし、本馬も母の影響が強いマイラー。やや一本気で緩みないペースでの高速巡行能力が高く、東京マイルの高速戦にも自信。(距離◎スピード◎底力○コース◎)

シュネルマイスターとエリザベスタワーは
・ドイツの有力牝系
・母父がSadler's Wells系の中距離本格派
・KrisとMill Reefのクロス

と配合パターンも酷似しているんですが、弥生賞でも◎にしたようにシュネルマイスターの配合はより高く評価していて、ポイントをまとめると
・KingmanはInvincible Spirit産駒の名マイラーなので、母父にサドラー系の重厚なスタミナが入るのは配合的に王道(Persian Kingの母父も凱旋門賞馬Dylan Thomas)
・下記リンクも参照していただきたいですが(ちょうどタイムリーなことにキャロット会報5月号でもInvincible Spirit系について書いてます)、両半球で大成功中のInvincible Spirit系の最大の魅力はその母Rafha(子孫に活躍馬続出の名繁殖)がもつMixed Marriage≒Sunset Gunのニアリークロス4×4にあり、だからこの父系はSharpen UpやMixed Marriageのクロスを重ねることで明らかに成功している(Kingman自体がSharpen UpとGone Westを通じるMixed Marriageのクロス)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4e5e95859939348a2cba624f9c30fd1d
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/f738b0015bc48b5a6a6ff7a3d5d0844c
・KingmanはNorthern Dancer4×5・5、Soldier HollowはNorthern Dancer3×5・5、しかし母母Saldenehre(サリオスと同じドイツのSライン有力牝系)だけはNorthern Dancerが入らずTamerlane4×4などアウトサイダー血脈が強い→3/4Northern Dancerクロス


これだけの好配合ですから種牡馬としても楽しみですが、Green Desert系×Sadler's Wells系というのは典型的な欧州血統で日本では重々しすぎる印象もあり、実際エリザベスタワーは高速決着だともっさりしたところがあるので、前後半とも速い1分32秒前半の決着を想定すると◎を打ちきれなかったですね
そこは“最も日本向きに斬れるGrey Sovereign系”Highest Honor(イスパーン賞に勝った仏リーディングサイアーでレーヴドスカーやアドマイスやダンスーズデトワールの父)が母母父に入るのが大きいというべきなんでしょうが、ルメールはRiverman使いとして名高いですがHighest Honorに乗せたときの成績もさすがフレンチの鉄人、はかったのようにキッチリ差すシーンはフランスのマイル重賞を見ているかのようでした
●母系にHighest Honorをもつ馬に乗ったときの成績(芝,データ10以上)

ソングラインはゴール前で左手前に戻してモタれてしまったのが痛かったですが、いつも書くようにキズナ産駒はStorm Catの血脈構成を増幅する配合が成功していて、Storm Catの血を増幅するのはわりと容易いので高アベレージで成功しているともいえるかと
Storm CatとシンボリクリスエスはボルキロとCrimson SatanとFirst Rose≒Tom FoolとEight ThirtyとChop Chop≒Romanなどが共通するので、キズナ×シンボリクリスエスは他にNorthern Dancerをクロスすれば嵐猫増幅ほぼ完了というわけで、このパターンはJRAに7頭が出走しソングライン(NHK2着)、アカイイト(JRA3勝)、ロジーナ(園田2勝→JRA2勝)と上級が3頭出ています
「NHKマイルはメリハリつけて乗ったほうがいいというのを武史はわかってて、2年連続でほぼ最後方から追い込んでる」と石塚さんが言ってて、そんな後ろで届くんかいなというところからリッケンが脚を伸ばしてきたので「武史差せえええっ!いや差したら川田のワイドがないか…」とモニョッたところがゴール(^ ^;)
勝ち時計1.31.6で前後半45.3-46.3、Storm Catとグレナディアガーズが高速巡行力で2~4着を占めるなか、それを底力と斬れで差し切ったのはさすがKingman、さすがSライン、さすがルメールとHighest Honor、そんな脱帽のNHKマイルでした