東京12RジャパンC
◎2.コントレイル
○7.オーソリティ
▲9.アリストテレス
△4.シャフリヤール
△12.サンレイポケット
×5.キセキ
×6.グランドグローリー
今年のJCは逃げ馬不在で、ダッシュは鈍くてもジワジワとスピードに乗っていけば2角までにキセキがハナに立つとみたい。キセキの逃げならば緩急はつかず、途中であまりペースダウンすることはなく比較的ワンペースで流れるのではないか。
コントレイルは一週前にCWでピッシリやって、今週は坂路で持ったままで好タイム。この調教の動きや中間の馬体写真を見ると、2400仕様にキッチリつくってきた感がある。大阪杯のころはマイラーっぽい肉付きになってきた印象もあっただけに、ラストランでこの仕様につくれるのはさすがの厩舎力。ベストは2000だが、これなら昨年以上に走れるとみて◎。
オーソリティは父がオルフェーヴルで、母ロザリンドはエピファネイアの全妹。日本産馬としては最高に奥がある中距離血統といえる。オルフェーヴル×シンボリクリスエス×スペシャルウィーク×サドラーズウェルズだから中距離×中距離×中距離×中距離で、こういう配合は母母がマイラーのエフフォーリアやデアリングタクトと比較すると開花や完成が遅くなりがちだ。逆にいうと成長力では上回るともいえ、半年ぶりで+12キロで出てきたAR共の勝ち方がよく、自信を深めてルメールを確保しての参戦。この血統らしい揉まれ弱さは見受けられるが、ここはふつうに出れば2~3番手で運べるだろう。逆転含みの○。
シャフリヤールはアルアインの全弟で2000ベストだが、兄よりもディープインパクト的なしなやか体質なのでダービーを差し切った。ここはキセキの超平均ペースでダービーのような一瞬のビュンを使えるかどうかで、追い切りがよく上昇気配を感じるアリストテレスや、先行策を匂わすサンレイポケットなども押さえたい。外国馬で東京で可能性があるとしたら、ガリレオの男馬よりは牝馬のグランドグローリーだと思うが…。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から1~3着馬を
コントレイル
母母Folkloreは北米2歳女王。北米3歳最強Essential Qualityも近親。母系にUnbridled's SongとStorm Catが入り、母はUnbridled≒Jeano2×3とIncantation4×5だからド真ん中のディープ黄金配合だ。秋天は上がり33秒0で斬れたが、ゴール前は前と同じ脚色に。とはいえ、東京コースは最も末脚を爆発できる舞台には違いない。今は1800~2000がベスト距離だろうから、昨年よりスローになってほしい。(距離○スピード◎底力◎コース◎)
オーソリティ
アーデンフォレストの半弟で、エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアの甥で、母母シーザリオはオークス馬で名繁殖。オルフェーヴル×シンボリクリスエスはエスポワールと同じで母母にSadler's Wellsが入るのも同じ。父をシンボリクリスエス的に少し長手にした体型で、東京芝は[3-1-0-0]。血統的にも大箱長距離戦には自信をもつ。シーザリオ牝系だからあまり揉まれ込むとよくないか。ここも好位でスンナリ運びたい。(距離◎スピード○底力◎コース◎)
シャフリヤール
アルアインやダノンマジェスティの全弟で、母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち。母父Essence of Dubaiはスーパーダービー(米G2・ダ9F)などに勝った。アルアインよりもディープインパクト的な体質でしなやかで俊敏で、こちらのほうが斬れ勝負の脚質だ。ベストは全兄同様2000だろう。神戸新聞杯は不良馬場が応えたというべきで、ここはエフフォーリアを差し切ったダービーのように良で上がりのケイバが希望。(距離○スピード◎底力○コース◎)
コメント欄にも書いておきましたが、パドックを見た感想としては、
コントレイル…完ぺきに2400仕様に仕上がった
オーソリティ…成長を感じたAR共から更にバンプアップ
アリストテレス…大賞典を叩いて良化顕著
サンレイポケット…気配や体つきはこれが一番。過去最高の出来
グランドグローリー…美人で品があっていい繁殖になりそう。この身のこなしなら東京向き
シャフリヤール…思ったより気配が薄いかな?
逃げ馬不在で、スタートが決まればキセキがハナに立つのでは…というのが大方の予想でしたがスタートがイマイチで、気合いが乗っていたアリストテレスの武史が仕掛けてハナへ
逃げるのは初めてなので1角手前で物見をしたのか外に逃避しかけ、そのときに逆手前になってしまいペースダウンして向正面へ
ストレッチランナーのキセキが動くならここしかないですから、和田は敢然と外に出して大きなストライドで全馬を交わしてハナに立ち、後半1000mのレースラップは11.6-11.6-11.7-11.6-11.5-12.2、ヨーイドンの上がりのケイバではなく後半1000mのロンスパ戦に
「完ぺきなレースができましたが、坂を上がってから疲れてしまった」とルメールが言うように、オーソリティ×エピファネイア全妹で、スタミナ十分なオーソリティでも最後苦しくなるぐらいのロンスパ戦ではありました
揉まれ弱さがあるエピファネイアの甥を、先行集団から少し離れた好位で馬群に入らずかつ馬場のいいところという理想のポジションへと導いたのはさすがで、1角のアクシデントに冷静に対処した川田シャフリヤールがその直後につけ、その直後に祐一コントレイル、その直後にクリスチャンのグランドグローリー、ここまで一直線の隊列で直線まで向かったのもさすがでした
この隊列に内から弟鮫サンレイポケットが加わっての追い比べ、各馬力を出し切ったいいレースでしたが、それだけにコントレイルの2馬身圧勝は文字どおり脚力の違い
「究極に仕上がった」と矢作先生がおっしゃるように、中間のフォトパや一週前のCWや今週の坂路を見ても、無駄な肉を全て削ぎ落して2400仕様につくってきた感がありました
大阪杯のときに「ちょっとマイラーっぽい肉付き体質に寄ってきてるんじゃないか」と書いたんですが、引退レースで東京2400を全身運動でしなって走れる仕様に仕上げきったこの厩舎力たるや
「今までのジョッキー人生のすべてをあの馬に注ぎ込みましたし、それに応えてくれました」
ゴールインの瞬間は「あああヨンレイポケットやあ…」と半泣きやったんですが(^ ^;)、もうすっかり大ベテランのおっさんジョッキーになってしまった福永祐一が、馬上で号泣しはじめたのをみたら胸がいっぱいになってしまいました
某若手騎手は平場はよう勝つけど、重賞ではイマイチやなあ…という話になって、「まあオープン馬のほうが、走る馬のほうが乗り難しいからね…でもそういう馬に乗らないと上手くならないから」
高性能ゆえに乗り難しいキングヘイローとエピファネイアで大一番で失敗して、我々馬券を買う側には祐一じゃ御せないから降ろせ降ろせと言われつづけて、そんな苦汁をなめつづけながらいつの間にか誰もが認める大ジョッキーになっていた
今年はキングヘイローの肌でスプリンターズを鮮やかに勝ち、エピファネイアの甥を差し切って男泣き、まだ44歳やのになんかもう集大成のような一年になっとるなあ…と
今年は海外から有力な馬がきてくれたし、やっぱり東京2400っていいコースやと、いいレースが見れるコースやと実感できた、胸いっぱいの第41回ジャパンCでした
シャフリヤールはコント同様ベストは2000で、2400の持続戦の経験値はないに等しいだけに最後苦しくなったといえるし、それでも一瞬ビュンときて3着ですから、さすがエフフォーリアを差したダービー馬という脚は見せてくれました
サンレイポケットはまさに勝負がかりという仕上げで、鮫島克駿も勝負を賭けてポジションとって、ベストパフォーマンスを叩き出してみせましたが、私の周りもみんなサンレイのパドックが素晴らしいと言っていて、レース後はみんなヨンレイポケットや~と嘆いてました(^ ^;)
グランドグローリーはしなやかなフランス牝馬で、JCで外国馬が好走するならこんなタイプだろうという読みはできましたが、下のように血統表もなかなか艶やか、パドックで引いてた女子もこれからクリスチャンと六本木デートでも行くんかいなというぐらい艶やかでした(・∀・)
(Sir Ivorってフィリーサイアーで母系に入ってええんやなあ…と改めて実感できる血統)
コントレイルはPOGのイチオシ馬で、新馬勝ちしたときから何度も配合をほめて説明しているので、そのあたりは下記リンクを参照してください
第87回日本ダービー回顧~お家芸の集大成、ダコールの上にも10年
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/01b88f8a68e4c2122191b0bb79e55588
5/30,31の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/50467f8b28a231c0e6c43fc3fb99a0c7
第80回皐月賞回顧~お家芸の集大成、規格外のぶっこ抜き
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/b982c08eee9fb7037fd99f8a244b4ba3
一言でいうと「ディープインパクトと相性の良い北米血脈を、絶妙なニアリークロスでまとめあげた配合」ですから、産駒の代では欧州方面に振るのがまずは本道、こないだのIBBAのセミナーでもそんな話になりましたが、KingmanやFrankelの肌とかそういう方向ですかね
あとロードクロサイトはダート上級を次々産んでいるほどにUnbridled≒Jeano2×3のパワーをよく伝える繁殖なので、キズナのようにダートのオープン級も出す種馬でしょう
思い出のレースを一つあげるならば…やっぱり東スポ杯ですかね、2歳11月にあれだけ頑強に東京1800を走破するディープ産駒というのは、こんなに早く頑強になれるディープって空前絶後やったと思います
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第41回ジャパンC回顧~胸いっぱいの東京2400
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