ちょっと多忙でまだ3日間のリプレイを見終わってないので、「3歳勝ち馬評価」は来週に持ち越しで2週ぶんまとめてやりますm(_ _)m
◆中山記念最強
◎エアスピネルはマイルのHペースでも前半引っかかるところを見せ、インベタAコースの外々を回って、たしかに着差以上に強い内容やったと思います
でもやっぱり大箱のマイル戦でこれぐらい流れるとアイドリーム牝系特有のピッチで押し切りにくいところはあると思うし、ブラックスピネルの追い上げを凌ぐのを見ながら、やっぱり中山記念最強なんやろうなあ…と
◆1京A
京都のAコースは正月開催恒例のインベタ馬場、そこでユタカが大外ブン回しをやるのは◎エアウィンザーに対する期待の大きさでもあるのでしょうが、結果としてはあれをやったから届かなかったとしか言いようがない(^ ^;)
それにしても1京Aの恐ろしいのは、スペシャルギフトとかセイウンコウセイとかサトノリュウガとかオールインワンとか、道悪やダートで好走してきたパワー型であまり京都の良向きとも言えないような馬でもグリーンベルトを先行するだけで勝ちきってしまうところで、完全にコース取り>適性と割り切って予想しないと…ですな
そしてこのバイアスを無視した外ブン回しを連発し、人気馬を次々と沈めていたのがミルコでした(^ ^;)
◆中山マイルで一変
同じ芝マイル戦でもアルテミスは東京のスローで上がり11.5-11.7-11.3、フェアリーは中山で緩みなく流れて上がり12.4-12.0-12.3、求められる適性が全く異なるレース
アルテミスでリスグラシューから10馬身ぐらい離された後方で13着争いをしていた▲ライジングリーズンと◎メローブリーズは、ともに中山向きのパワーとピッチで走るのでここで一変が考えられました
だからライジングがあれぐらい走るのならメローも同じぐらい走って不思議ないと思うんですが、レース後の大野のコメントは前走時の体調にはない…というもの
ライジングリーズンの母ジョウノファミリーはブルーコンコルドの半妹で、ハタノヴァンクールやグランドシチーと同じキングカメハメハ×ブライアンズタイムのダート黄金配合
ライジングリーズンの全兄グランフィデリオは準オープンまで出世したダート馬ですが、牡ならダート馬で牝ならパワーマイラーに振れてしまうほど強力なパワーを伝える繁殖で、2歳のゴールドアリュールの牡もツアーで見ましたがいかにもダートでいけそうな雰囲気の馬でした
先週のかんたん回顧
まずは凍結防止剤のSpecial狙いから
ついに凍結防止剤が撒かれたということで、まずは中山ダ1800のSpecial+Roberto狙いから
2Rは父父ゴールドアリュール母母父ブライアンズタイムでRoberto的な脚捌きで差してくる◎アシャカダイキ
3RはゴールドアリュールにタイキシャトルとLear Fanが入るエスペレラヴニールがNantallah≒Nashuaが多いのですが、Vaguely Noble5×5も併せ持つだけに内枠で行けないと前走の二の舞かと
◎マイネルピョートルは父アイルハヴアナザー母母父ブライアンズタイムでRoberto5×4、Sadler's Wells≒Nureyev5×6、これは冬の中山ダ1800で変わりそうな配合
中山7は◎ボーシエル、母がゴールドアリュール産駒でNorthern Dancer4×4とThong=Lt.Stevens4×5、牝祖ハマナスはNantallah≒Gal I Love2×2、そこにRoberto系シンボリクリスエスが配されて、ランフォルセやソロル的なパワーが増幅された配合です
他のレースの予想は馬場や雪の具合を見ながらここのコメント欄に書き込みますが、「No.1予想」では菜の花Sを、「厳選予想 ウマい馬券」では菜の花Sと白菊賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします
凍結防止剤とSpecial(2017)
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/49e22f20e4686021619f46695f87f10f
日曜のボツ予想~大外のチチカス、凍防のSepcial
中山最終は◎ポーラメソッド
土曜に穴をあけたタブレットピーシーと同じチチカステナンゴ産駒で、ピークトラム、アグリッパーバイオ、シャンパーニュなどなどキャリアを重ねても揉まれ弱い性格は変わらず、外枠で揉まれなかったりハナを切ったりしたときに激走するのも変わらない
15年夏の新潟、あのときはインが荒れてみんなそこを避けて走っていて、道中インの好位にいたポーラメソッドは直線そのまま内にいったらみんなが外に行くのでいきなり視界が開けた
左側に馬が全くいない状況になって俄然ヤル気を出し、結果デルフィーノを子供扱い(3馬身差)ですからあれぐらい走れば1000万下でも通用するはず
「スタートが悪いのでリカバリがきくよう距離を延ばしてみる」と陣営はコメントしていますが、母タイキポーラはマーメイドS勝ち馬で距離はむしろこれぐらいのほうがいいだろうし、何よりこの大外枠で馬群に入らず気分よく回ってくれば、何かあるならここじゃないかと
中山2Rを勝ったタイキダイヤモンドはヴァーミリアン産駒でKingmambo≒ジェイドロバリー3×3、2着ペイシャリルはヴァーミリアン産駒でNureyev5×3、昨日もフリオーソ産駒マイネルルミノーソや母父ジェイドロバリーのコスモボアソルテが逃げ切っており、凍結防止剤撒き中山ダ1800Special馬券は絶賛発売中
パドックを見てからですが、8Rはゴールドアリュール×キングカメハメハでNureyev3×5のノーブルサンズがひとまず注目ですかね
中京は月曜、京都は火曜に順延となりましたが、「No.1予想」では京成杯を、「厳選予想 ウマい馬券」では京成杯とニューイヤーSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします
月曜のボツ予想~Mixed Marriageのクロスを持つ欧風マイラー
とりあえずボツ予想二つ、あとは競馬観ながら、仕事しながらボチボチ考えます
●はこべら賞
▲アディラートの前走の時計は前日古馬1000万下とタメで、母母ストームティグレスはフェアリーS(芝1200m)2着のスプリンターでデイリー杯に勝ったオースミダイドウの母。牝祖Keep a SecretがBimelech≒Belle Historieの3/4同血クロス4×2、Blue Larkspur≒Balladier5×3・3、この牝系譲りの完成の早いスピードとStorm Catに似たマイラー体型を受け継いでダートと距離短縮で一変した。ダートなら高速馬場のほうが狙いやすいタイプでもあるから、泥をかぶったときにどうかというのだけが問題で、単勝150円も納得。
◎スリーミスヨハネスはヨハネスブルグ×スペシャルウィークだからタガノブルグと同じ配合。こちらは母母父がSeeking the Goldで母がBuckpasserのクロス5×4を持つぶん、ラトロ肩になって掻き込んで走るのでダート向きに出ている。
Storm Cat系のSecretariatクロスといえばモーニン(Secretariat≒Sir Gaylord5×6)、エアハリファ(Secretariat5×5)、アジアエクスプレス(Secretariat≒Sir Gaylord5×6)、ドリームキラリ(Secretariat4×4)など当然のことながら大箱向きのストライドで走るタイプが出やすく、一方でヨハネスブルグ牝駒は全41勝中32勝が1400m以下。こうして考えてみると、中京1400で更にパフォーマンスを上げる可能性は高いのではないかと。
●知立特別
▲ワントゥワンはバルドウィナ牝系らしい馬群を嫌う気性。1F短縮の15頭立ての内枠で、前走のように一番外まで持ち出せるかどうかがカギだろう。馬場が渋っているので外伸びになりそうなのはプラス。
○テンテマリの母テンイムホウは稍重の京都牝馬S4着、重の尾張S3着。父スズカフェニックスは重の高松宮勝ち。中京1400は[0-2-0-1]でこの着外が重馬場で勝ち馬からクビ・ハナ・クビの際どい4着。Fairy Kingとノーザンテーストが強いパワー型短めマイラーだから、重の中京1400はたぶんベストコース。
☆リヴィエールは母がVice Regent=ヴァイスリーガル4×4のパワースプリンターでこちらが強い。1400だときれいな好位差しで安定しているし、わりとパワー型なので東京よりは中京がベター。道悪もこなす血統。
△スマートカルロスは母がトニービン×ノーザンテーストでHyperion4・6・6×5・6。そこに強いクロスを持たないキンシャサノキセキが配されて、父よりは距離適性は長そうな体型をしている。マイルあたりでもう少し前目につけてみれば、Hyperion的な粘りも活きて勝ち味が出るかもしれない。実際2勝目も3勝目も勝ったときは4角で4番手と7番手だから、Hyperion的な脚で直線だけで10数頭ゴボウ抜きというのはちょっと無理があると思うのだ。
△メイショウヤマホコはファイトガリバー、ナリタタイセイ、コスモプラチナ、コスモフォーチュンなどが出るビューティマリヤ(Fair Trial4×4)の牝系で、それらしい曲飛節のパワーマイラー。前走は馬場が渋った阪神マイルで、坂を駆け上がるパワーだけで追い込んだという3着だったが、中京でも重ならジリジリ追い込めるか。
ブレイズガールは前走凄い脚で追い込んだが、父ローレルゲレイロ似のスプリンター体型でHalo4×4とSir Ivor5×5譲りの軽い脚捌き。1200の良で使った一瞬の速い脚が1400の重でも使えるかどうか。
◎ドルチャーリオは重の石狩が外々を捲り上げて着差以上の完勝だった。母ラドルチェはSecrettame≒Terlingua2×3、Bold Ruler4×5・5。アドマイヤムーンは強いクロスを持たないのでこういうクロスのうるさい牝馬との配合が成功しやすい。
下表のようにエンドスウィープの母父Dance SpellとSharpen Upの父エタンは同牝系で、Gone Westとエタンも同牝系なので、アドマイヤムーンはPersian Maid6×7のクロスを持つことになり、Gone Westを引く牝馬にアドマイヤムーンを配するとMixed MarriageのクロスとPersian Maidの継続クロスが生じることになる。
このようにMixed Marriageのクロス(Sharpen Upのクロスも含む)を持つアドマイヤムーン産駒は51頭が出走し19頭が勝ち馬で勝ち馬率37%(アドマイヤムーン産駒全体は28%)。TARGETで検索かけて出てきた顔ぶれをみると、プリンセスムーン、セイウンコウセイ、ドーヴァー、プレイズエターナル、ベッラヴォーチェ、ファインニードル、独特の粘着力とパワーで走る欧州風味のスプリンター・マイラーが出ているのは納得。そしてMixed Marriageクロスを持つアドマイヤムーン産駒は芝良の連対率20.1%に対し重不は[5-3-2-15]で32%、渋った馬場が上手なのもイメージどおり。
ドルチャーリオもパンパンの高速馬場だと少しタルいところはあると思うが、道悪ならプリンセスムーンやセイウンコウセイやドーヴァーぐらいの器かもしれない、というぐらいのバックボーンはある配合だ。
火曜のボツ予想~間違いのないクロマサコ&クロペリオン
昨夜はすすきの居酒屋「WARAYAKI酒場 あくと」にて馬主&生産者と計4人で飲み
わざわざ札幌まで出向いていただいて、深夜までホンマに競馬の話ばっかりで、私もPC持参でDominoの名配合まであれこれ力説したりしてましたが(^ ^;)、面白い話もいろいろ聞けて、非常に楽しい有意義な飲みでした
●紅梅S
◎カウントオンイットはホエールキャプチャ=ドリームセーリングの全妹で、クロペリオン(クロフネにHyperion的凝縮を持ってきた成功パターン)でありクロマサコ(クロフネ×チヨダマサコ牝系のニックス)でもある間違いのない配合
クロペリオンは牡だとパワー体質に振れすぎるので牝のほうが成功するし(カレンチャンやスリープレスナイト)、本馬もHyperion的な粘着力と同時にBlushing Groom的しなやかさを感じる体質フォームがホエールと似ていて、タフな馬場になるのはいいし逃げに拘るタイプでもないと思うのでここから
○ラプソディーアは母母がRahyの全妹にあたるので、ディープブリランテ×Rahyのディーパワンサと3/4同血の間柄で、そのRahyの影響が強い体型やフォームも似ている
私のTERGETのメモには「スリムなディーパワンサ」と書いてありますが、馬体重どおりディーパより10キロほど肉がついてないぶん、現状でのマイラーとしての評価は10キロぶん落ちるというべきかな…センスある好マイラーでここも好走間違いなし
ちなみに土曜の中京芝1600で勝ち上がったメイショウオワラはディープブリランテ×タイキシャトルの牝、これもディーパやラプソと似たパターンで、何度か書いてきましたがディープブリランテ産駒はこのパターンが一番手堅い
☆エントリーチケットは母がフォルティノ4×4でそこにマツリダゴッホ、自身はナスキロのクロスで、Cozzeneを増幅した配合でCozzeneが強い俊敏な1400型という印象
オカノブルーの牝系なのでちょっと力馬っぽい体質にも振れていて、渋った京都1400はピッタリでここも立ち回りの巧さで好走間違いなし
△アリンナは母がグラスワンダー×フォーティナイナーのパワーで突進する大型スプリンター、そこにマツリダゴッホで1400の先行型に出たのは順当といえるし、Bold Rulerっぽい軽い捌きは京都向き
そもそもマツリダゴッホ産駒はフワリと流れ込むような先行脚質が多いので2歳~3歳早期の1400戦は稼ぎどころの一つで、ここは岡田兄弟骨肉の先行争いか、それとも共存をはかるか
△アロンザモナはソリッドプラチナムの半妹で父がストリートセンス、この牝系はクリエイター(母父Habitat)の血が入るので平坦巧者が出やすく、ソリッドプラチナムもエクセレントミスズもマハロチケットもペストパフォーマンスは京都芝
中京の前走は4角で膨れてしまったが、京都に戻っていろいろ見直せる余地はあるかと
オンリートゥモローはロジユニヴァースの3/4妹で、母はNorthern Dancer4×4とSir Ivor≒Halo4×4、そこにディープインパクトですからしなやかさとセンスで走るタイプ、ヴィルシーナ的なイメージで1800のスローで狙いたい
●京都12R
◎フロリダパンサーは母母セトフローリアンがMr.ProspectorとLisadell(Specialの全妹)を通じるNashua≒Nantallah4×5だからKingmambo的ジェイドロバリー的で、だから皐月2着タイガーカフェなど機動力に長けたタイプが出やすい牝系と言える
そこにRoberto系シンボリクリスエスだから、母系にMr.ProspectorとNureyevが入って小回りダートを捲るランフォルセみたいな方向の配合で、Roberto的Special的パワーピッチで走る小回り向き先行型に出たのは同血のラッキーバニラと同じ
ベストコースは[1-0-0-0]の阪神内2000mだろうが(笑)、芝重不[1-1-0-1]、ハナ切ったときは[1-1-0-0]、コーナー加速力が高いので、4角でリードを拡げてしまえるようなら京都でも面白い
○リッチーリッチーはSadler's Wells≒Nureyev3×4、Danzig4×4、Hopespringseternal≒Sir Ivor5×4の父母相似配合で、GalileoとChief's Crownが強い動きが緩慢な中距離馬
大箱向きだが上がりが速いと辛いというタイプで、道悪はプラスだし、前走タメ逃げしすぎて捕まったフロリダは今度はもっと緩みのないペースを刻んでくるのではないかと思うし、ならばまた持続力で勝ち負けのところまできそう
▲ルナーランダーはダーレーの良血だが母系にナスキロ血脈が多すぎて、アドマイヤムーンが柔らかくなったというより動きが遅くなったというべき中距離馬
だから上がりの競馬は得意ではなく、ある程度流れてラスト12秒台でダラッと先行流れ込むのが好走パターンで、ここはフロリダの番手追走でその好走パターンになりそうな
△モンドシャルナはディープインパクトの下でネオユニヴァース×ウインドインハーヘア、Halo≒Sir Ivor譲りの機動力とHyperion&Lady Juror的粘着力で走る中距離馬
ネオユニ産駒らしい曲飛で一見中山内2000向きも、男馬にしては馬格がないので未だに力まかせに捲りきれないところがあり、京都や小倉の2000をフワリと捲ってベストパフォーマンスを出してきた(ちなみに中山芝重賞で連対したネオユニヴァース牡駒は全て470キロ以上)
となると、道悪の京都内2000でシュミノーがインを立ち回ればベストパフォーマンスを出せる可能性は低くないが、ベストパフォを出しても勝ちきれる相手かとなると◎は打ちにくい
△ベストセラーアスクはLa Troienneにさかのぼる牝系で母母父がRoberto系リアルシャダイ
キンカメ×サンデーは配合に素直だから、小柄な牝馬ながらちょっとパワー体質でRoberto的な脚捌きでエッチラオッチラ捲る中距離馬に出たのは順当
ベストパフォーマンスは昨年5月の京都内2000mでエッチラオッチラ捲ってモンドシャルナに先着する3着、渋った馬場は巧いのであれぐらい走っても驚けない
メイショウタチマチは胴も脚も長いスペシャルウィークの娘で、セントポーリアに出てきたときは待望の大箱やと◎にしたら、河内厩舎お家芸の輸送減り(-14キロ)でサトノキングダムに惜敗、そんなガリガリの体でもジュンヴァルカンは余裕で差した
次走は中山マイルのアネモネという謎のローテで当然のごとく1人気を裏切り、気を取り直してオークスに矛先を…と思ったらそれから4戦ずっと内回りコーナー4つのレースばかりで、福寿草で横一線で叩き合ったロイカバードもロードヴァンドールもオープン入りしたというのに、なんでこの馬だけはまた京都内回りで油売ってるのか
2勝目は京都内2000であげているが、シンゼンドリームには悪いけれどあれとクビ差がこの馬の実力ではないだろうし、あの内容ではここでは通用しないとも思う
他のレースはこれから考えますが、「厳選予想 ウマい馬券」では日経新春杯の予想を提供していますので、そちらもよろしくお願いします
「3歳勝ち馬評価」1/5~17ぶんを更新&雑感
先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」、1/5~17ぶんを更新しました
◆ディープブリランテ×マイラー
ここまでディープブリランテ産駒はJRAで15勝をあげていますが、うち12勝が1400~1600mで2000m以上は[0-1-1-14]、これはスタミナを伝えていないというよりも、母や母父がマイラーでこのスピードで勝ち上がっている産駒が多いというべきでしょう
ディーパワンサは母父Rahy、ナイトバナレットは母ナイキフェイバー(母父Favorite Trick)、スズカゼは母父アフリート(母バレンソールはダ1200~1400で4勝)、いずれも父よりも母に似たマイラー
しかしスズカゼはずっと凡走つづきやったのに、外3番手で揉まれず進んだら突然アフリート魂全開で直線も粘る粘る…
こないだダ1800で勝ち上がったセダブリランテスなんかは母父ブライアンズタイム、兄モンドインテロで、パワーと持続力に富む中距離馬ですが道中ズブくてズブくてやっとこ差し切った感じで、母中距離型の男馬だとやっぱりこういうタイプになるんやろなあ…と思って見てました
◆マチカネハツシマダ
アールプロセスが初春Sを差し切って、母マチカネハツシマダから4頭目のオープン馬が誕生
このアール以降の産駒はサトノレイナとアップスタイルがともに未勝利に終わっていますが、そもそもハツシマダの産駒は以下のように牡しか走らない
牡=チョイワルグランパ(6勝)、ダークシャドウ(5勝)、アールプロセス(5勝)、ユノナゲット(5勝)、ナリタポセイドン(4勝)、ダノンブライアン(4勝)、エフティシュタルク(3勝)、アサクサベルーガ(1勝)
牝=ユノブラッキー(1勝)、エアワルツ(1勝)、アップスタイル(未勝利)、サトノレイナ(未勝利)、マチカネハナサソウ(未勝利)
マチカネハツシマダはNumbered AccountとForeign Courierを通じるBusanda≒Striking≒Courtly DeeとIron Reward≒TulleとTom Fool≒AtticaとNasrullahのクロスで、Numbered AccountやCourtly DeeやBusandaといったスーパー名繁殖の血を強力にニアリークロスした名繁殖牝馬
母系にPrivate Accountの血を引く獲得賞金ベスト10は、インバルコ、マハーバリプラム、ゴッドオブチャンス、スウォードキャット、アドマイヤマジン、マヤノクレナイ、オレゴンガール、グリューエント、ビッグポパイ、クロタカ、ダート馬かスプリンターしか出ないほど強大なパワーを伝える血だけに、牝馬だとなかなか成功しにくいのかもしれません
マチカネハツシマダの孫も、牡は4頭中2頭が勝ち馬になっていますが牝は2頭とも未勝利に終わっており、名血ですがパワーが強大すぎて日本では取り扱いが難しいのがPrivate Accountという血
◆ステゴ馬場
ニューイヤーSは1~3着がステイゴールド産駒で、勝ったマイネルアウラートはノーザンテースト4×4、3着ウインファビラスもノーザンテースト4×4(ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディ3×3の黄金ニアリークロス)、そしてクビ差4着だったブレイブスマッシュはトーセンファントム産駒でノーザンテースト4×4、つまり1~4着合わせてノーザンテーストが7本(・∀・)
しかも2着グランシルクは母母父がフレンチデピュティなのでノーザンテーストとVice Regentを通じるNorthern DancerとVictorianaのクロスで、中山金杯のツクバアズマオーを皮切りにステイゴールド産駒がバンバン走る中山芝ですが、ようするにノーザンテースト的なパワーを受け継いだ馬が好走しやすい馬場という言い方もできるだろうと…ちなみにアズマオーはノーザンテーストとStorm Birdを通じるNorthern DancerとChop Chopのクロスですね
だからステイゴールド産駒でもノーザンテーストの頑強さがあまりONになっていないような馬は狙うべきではなく、それはまあ配合はもちろん馬体とか走りを見て確認していくしかないのですが、1回中山の芝レースに出走したステイゴールド産駒を馬体重別に分けると
~450キロ[0-1-1-9]…馬券に絡んだのはトーホウハニー448キロ、マイネルスフェーン442キロ
451キロ~[4-2-3-9]
というわけで、体重も一つの目安にはなるだろうと
◆先代クリエイターのHabitat
土曜の京都7Rではエクセレントミスズ、スティルウォーター、マハロチケットと、リザーブシート(父クリエイター)の孫3頭がそろい踏み
エクセレントミスズは前に京都外2200のメルボルンで◎にしましたが、クリエイターは母父Habitat譲りの非力なトモをよく伝える血で、ここはどれも狙い目やけどスケベ心丸出しで一番人気のないマハロ◎でいってみたら、Aコースのインを突いたのはスティルウォーターだけでした(6人気3着)
翌日はリザーブシートの娘アロンザモナが新馬勝ちの京都に戻って一変、これもいかにもHabitatという後駆で、地面を掴むというよりは撫でるようにサラッと蹴るので、前走中京では左回りで外に膨れてしまいましたがもともと京都がベストコースの馬でもあります(ちなみに半姉ソリッドプラチナムは京都のマーメイドS勝ち)
そういえば去年のシンザン記念で石塚大先生が「シゲルノコギリザメはHabitat5×6や!」とガツンと◎を打っていて、えええノコギリザメHabitatのクロスなんか…完全に見落としてたわ…と引退したくなりましたが(^ ^;)、たとえばエピファネイアなんかもわりと母系のHabitatの影響を感じさせる後駆で、主に前駆の良さで走ってるタイプで、京都外回りのG1があったらうなりながら下ってきて圧勝したと思います
HabitatやPrincely Giftが非力な後駆を伝えるのは弱点には違いないんですよ、サラブレッドの推進力は主に後駆で生み出されるものですからね
でもそんな決定的な弱点を抱えているにもかかわらず現代まで血が残っているというのは、後駆の非力さをカバーするだけの前駆の駆動の良さがあるからで、だからどちらも京都を下るのが巧い
久しぶりに配合大喜利やります~名血ツァーリーナの配合相手を考えよう!
知り合いの生産者の上野さん(月曜に熱田特別で大穴をあけたマイネルツィールの生産者でもあり、馬券も獲ったらしい!)のご厚意で、当ブログで面白い企画がやれることになりました
そもそも上野さんと知り合ったのは、別件で牧場にお邪魔したときにこの牝馬がいたからで、「おおツァーリーナや、これいい血統ですよね! 私セレクトで写真取りまくってブログでも紹介したんですよ。エンパイアメーカーの肌やし繁殖として凄い期待してます」ってな話をしたのがきっかけで、こないだの札幌飲みにも来てくださって、その流れで今年ツァリーナに何を付けようかという話に
上野さん、このお題かなり面白いので、ぜひうちのブログで大喜利やらせてもらえませんか…とお願いしたところ快諾していただけました(・∀・)
本馬ツァーリーナは2戦0勝で引退も、全妹ヤマイチジャスティは現役2勝で1000万下で活躍中、半弟トミケンカリムも昨年9月に新馬勝ち、母ペイドリンはやはり繁殖として優秀なところをみせています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012105486/
見てのとおりエンパイアメーカー×Pulpitですからいわゆるダート血統で、ツァーリーナ自身はダート戦を走ることなく引退してしまいましたが、弟たちのダートでの活躍を見ても繁殖牝馬としてはポテンシャル高いと思っています
母母Sun PrincessaがSt.Jovite(キングジョージ、愛ダービー)の全妹で、ここはHis MajestyやBallymossなどスタミナが強く、そこにBold Ruler4・5×5のPulpit、In Reality4×3のエンパイアメーカーが配されて、ツァーリーナ自身はMr.Prospector4×4の「3/4米,1/4欧」
非サンデーサイレンスでNorthern Dancerも濃くない(4×5・7)ので、配合の選択肢は広いし、Sex Appeal、Weekend Surprise、MagicとLa Troienneの強い影響下にある名繁殖の血を代々ニアリークロスで受け継いでいるのが何より魅力的です
エンパイアメーカーは完全にダート種牡馬という評価が定着して、たしかにIn RealityやBusanda譲りのパワー体質をよく伝えていますが、こういうパワー型すぎてあまり日本の高速馬場向きではなかった優秀な血統の種牡馬というのは、デインヒル~ロックオブジブラルタルやティンバーカントリーなんかを見てのとおり、しなやかなサンデーサイレンス系種牡馬にパワーを補えるので父として以上に母父として成功している、というのも私がエンパイアメーカー肌をプッシュしている理由のひとつ
というわけで、ツァーリーナにはこの種牡馬がエエんちゃうか?みたいなアイデアがありましたら、当エントリのコメント欄にどしどしお寄せくださいm(_ _)m 考え甲斐がある繁殖牝馬やと思うので、名案名配合をお待ちしております
追記
私は業務用のソフト使ってますが、種馬と繁殖を組み合わせるにはJBISの架空血統表が便利です
http://www.jbis.or.jp/topics/simulation/
ノーザンの中の人も種付けシーズンはこれでカタカタやってるとおっしゃってましたよ(・∀・)
土曜のボツ予想~ディープ×Robertoが内回りを捲る
ツァーリーナ大喜利はすでに100人近くの方々に参加いただき、さすがにお題がよかったのか思った以上の大反響で上野さんも喜んでおられましたm(_ _)m
まだ全ての組み合わせをチェックする時間がとれないのですが、月末までには決めたいと思っていますので、何か思いついたらコメント欄に書き込んでください、よろしくお願いします(最終的には私が5頭ぐらいに絞って上野さんに提案します)
あと京都4Rの新馬にシュミノーで出てくるエンドレスコールは、前売りで1人気になってますが、勝ち上がり率100%(JRA出走12頭全て勝ち馬)を誇るエヴリウィスパー(ブリリアントベリー)≒フレンチデピュティのニアリークロス3×2ですね
特にダ短距離で成功しているニアリークロスで、だからヘニーヒューズ×フォルテピアノにも期待しているわけですよ(・∀・)
カーバンクルは先行勢が兼ね合いそうで、スタートさえ決まればイン好位で運べそうな◎ベルルミエールで
父のスウェプトオーヴァーボードはフォーティナイナー~エンドスウィープとつづく父系本流のスプリントを伝える種牡馬ですが、アウトサイダー血脈が強いからか産駒は概ね晩成で、レッドファルクスもパドトロワも本格化は5歳で、プリンセスメモリーは7歳でオープン特別勝ち、キョウエイアシュラなんかもう10歳ですが昨年もオープンで入着賞金をコツコツ稼いでます
本馬は凱旋門賞馬Saumarezが入る母系も重厚で、陣営はもう6歳の牝馬だからとコメントしていますがまだ衰えは見られず、とにかくスタートさえ決まれば、出遅れたのに差のないところまで詰めてきた北九州記念や春雷Sの内容からここでも足りるはず
ちなみに晩成スウェプト産駒は年を食ってからスプリンターとして筋肉がついてくるようで、レッドファルクスやプリンセスメモリーやラインスピリットなんかは若い頃は1400ベストだったのが今は1200に寄ってきた感があり、ベルルミエールもムチムチオバチャンになってきて今はスプリンターっぽい体つきに見えます
まあ近10走で7回出遅れてるので、ここも期待値は30%ぐらいということになりますが…(^ ^;)
若駒は買うなら◎インウィスパーズ→○アドマイヤウィナーの1点ですかね~
ディープインパクト×Roberto系の平地獲得賞金ベスト5はディーマジェスティ、ゼーヴィント、モンドインテロ、ニューダイナスティ、ジェネラルゴジップ、圧倒的に男馬が走る配合で、Roberto走法も伝わりやすいので内回りを上手に捲るタイプが出やすい
インウィスパーズも母父シンボリクリスエスなので胴も脚も長いんですが、母父がRoberto系で母母はポッセの小脚を伝えるシンコウラブリイ、走らせるとわりと俊敏なピッチで走るのでむしろ内回り向きやと思います
他のレースはこれから考えますが、「No.1予想」では若竹賞を、「厳選予想 ウマい馬券」では若竹賞となずな賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします
日曜のボツ予想~巻き返すストーミングホーム黄金配合
東雲は◎ユメノマイホーム、「ショウナンアンセムに中山マイルで完勝した馬は1000万下でも勝ち負け」説で前走も◎
57.3のHペースを少し追いかけすぎたぶん最後甘くなってしまいましたが(直線で不利もあった)、あれは戸崎の馬が引っかかって△ヴェアリアスサマーに競っていったからで、ここはヴェアリアスももっとペースを落としたいだろうし落とせるとみました
「海外の代表産駒ジャッカルベリーはリボー系ホイストザフラッグの5×5を持つが、日本でもマコトブリジャール、サンマルホーム、ストーミングスター、ナムララオウなどリボーのクロスはよく走っている。これをイチオシの配合パターンとしたい。ブライアンズタイムを持つ繁殖とは相性が良い」(『パーフェクト種牡馬辞典』2016~2017)
今年も種牡馬辞典の原稿に追われる時期がやってきましたが、本馬も母父ブライアンズタイムでRibot6×5、Mr.Prospector2×3などクロスがうるさい父に対してクロスが薄い母、ストーミングホーム産駒の成功パターンですね(ブライアンズタイムはマコトブリジャールの母父でサンマルホームの母母父でもある)
岩清水は△ウインムートが単騎で行けそうですが夏馬血統で寒くなって成績は下降、△エスティタートはHyperion的な頑強な後輪駆動で急坂ベター、△テラノヴァはミルコが内にいったら詰まるし外にいったらブン回すしでとにかく雑な騎乗が目立つ
土曜の京都Aはインベタというより内から5頭目ぐらいがよく伸びており(ショウナンタイザンやボーダーオブライフやヤマニンマンドールが通ったとこらへん)、となると▲ライブリシュネルの外目好位差しが油っこいのですが京都であまり上がりが速いと辛いタイプ
となると、ディープインパクト×CozzeneでSir Gaylordの影響が強いマイラー体型&非力なトモで地面を撫でるように蹴る◎ドラゴンストリートが京都外1400良で最も斬れる可能性と、Hyperion的な粘着力だけで走る小さな○ムーンエクスプレスが外3から流れ込んで少し上がりのかかる決着で二枚腰発揮の可能性
この◎○が共存しうるかどうかが微妙で馬券の組み方が難しいのですが、買いたいのはこのあたり
他のレースはこれから考えますが、「No.1予想」ではAJCCを、「厳選予想 ウマい馬券」ではAJCCと東海Sを予想していますので、日曜もよろしくお願いします
1/21,22の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『ディープインパクト好配合リスト(2016)』で栗山求が推奨したファンディーナ(牝3歳)が日曜京都6R新馬戦(芝1800m)を勝ち上がりました。
○ファンディーナ(牝・母ドリームオブジェニー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014103309/
ターファイトクラブで募集価格4500万円。皐月賞で7着と健闘したナムラシングン(父ヴィクトワールピサ)の半妹にあたる。「ディープ×Pivotal」はダノンジェラート(菊花賞-3着)&ワールドインパクト(青葉賞-2着)の兄弟と同じ。3代母Coup de Genieは父と相性がいいMachiavellianの全妹で、Mr.ProspectorとNureyevの組み合わせも好ましい。母は良血馬らしく繁殖牝馬として高いポテンシャルを秘めている。芝の中距離でおもしろい。(栗山)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2015)』で栗山求が推奨し、『ディープインパクト好配合リスト(2016)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したロードアルバータ(牡3歳)が日曜中京7R未勝利戦(芝2200m)を勝ち上がりました。
★ロードサラブレッドオーナーズ
ロードアルバータ
父ディープインパクト
母レディアルバローザ(キングカメハメハ)
牡 募集価格:7560万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014101095/
2代母ワンフォーローズは、Caro、Wavering Monarch、Sir Gaylord、Sauce Boatなど非主流の名血が散りばめられているので、何を交配しても配合が良く見えます。母の父キングカメハメハはMr.ProspectorとNorthern Dancerを軸として主流血統を豊富に抱え、なおかつワンフォーローズとの交配ではThe Dancer=Kazadancoa4×4という全きょうだいクロスが生じるので配合相手としては申し分ありません。母レディアルバローザは優れた能力を競馬場で証明し、中山牝馬S(G3)を連覇したほかヴィクトリアマイル(G1)でも3着と健闘。持続力に秀でたこのファミリーの特長をよく表現した馬でした。サンデーサイレンスを持たないので、対サンデー系の繁殖牝馬として大いに期待できるでしょう。なかでもディープインパクトはキングカメハメハ牝馬とニックスの関係にあります。デニムアンドルビーをはじめ出走6頭中5頭が勝ち上がり、連対率39.7%、1走あたりの賞金が818万円と抜群の成績です。キングカメハメハを父に持つ繁殖牝馬のなかで、現役時代に重賞を勝ったもの、重賞勝ち馬を産んだ経験のあるものは、ディープインパクトと交配してまず大きな間違いはないはずです。なおかつ本馬は、4分の3同血(父が同じで母同士が親子)にクイーンS(G3)を勝ったキャトルフィーユがいます。好位からしっかり脚を伸ばせる芝向きの中距離タイプでしょう。少々値嵩ではありますが、レディアルバローザもキャトルフィーユも丈夫に6歳まで走り続けました。ペイできるとみて推奨します。(栗山)
◎ロードアルバータ(牡、母レディアルバローザ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014101095/
逆にレディアルバローザ=エンジェルフェイスはThe Dancer=Kazadoncoa4×4、Kingmambo≒Majestic Light2×5、Sex Appeal≒Uncommitted5×5など非常に細部まで凝った配合をしていて、全姉妹で重賞を勝っても何ら不思議はない。繁殖としても有能な配合とみているので初仔から狙う。(望田)
○ロードアルバータ(牡・母レディアルバローザ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014101095/
母は現役時代に中山牝馬Sを連覇。その全妹エンジェルフェイスはフラワーCを逃げ切った。2代母は現役時代に北米で27戦15勝、カナダ最優秀古牝馬に3回選ばれた名牝で、ケイアイファームが約1億円で購買し、日本に連れてきた。持続力型の優れた特長を伝えているので、今後牝系は大きく発展しそうだ。自身はキャトルフィーユ(クイーンS)の4分の3同血。「ディープ×キングカメハメハ」はデニムアンドルビーを筆頭に7頭中5頭が勝ち上がり、連対率36.9%と走っている(ディープインパクト産駒全体は24.4%)。小回りコースなら相当やれそうだ。(栗山)
■土曜中山7R500万下 カンデラ(POG・望田)
■土曜中山9R若竹賞 ウインブライト(POG・望田)
■日曜中京3R500万下 ミカエルシチー(一口・栗山)
■日曜京都9R睦月賞 ショパン(POG・望田)
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ファンディーナはディープ産駒でHalo3×5とSir Gaylord≒Secretariat6×5・7・7のクロスですから京都外1800mをしなやかに駆け抜けたのは当然として、Nureyev系の頑強さも受け継いでいて500キロを超える馬格で手先も強くて、パワーがあるので踏ん張ってゲートをポンと出ていける
「柔らかく大きく、かつ強く速い」が成立している素晴らしい馬で、リアルスティールがもっとしなやかストライドになったイメージかな
母ドリームオブジェニーはナムラシングンにつづいて走る仔を出した有能な繁殖で、いわゆる良血で名牝系なのはもちろん、Machiavellianの全妹で2歳女王のCoup de GenieにA.P.Indyを配してNasrullah≒Royal Charger5・6・6・7・7×5・6(血量にして4×4)とNasrullah血脈がうるさくなってきたところへ、BustinoとかJeffersonとかBlue Tomのようなアウトサイダー血脈が強いアウトブリードのPivotalを配して一息入れている(緊張→緩和)のがよく、このPivotalのところがGiant's CausewayやElusive Qualityなんかだともう一つしょうもないんですよね
PivotalはナンソープS(英G1・芝5F)に勝ったスプリンターで、種牡馬としても英愛リーディングで毎年上位を賑わせてきましたが、Nureyevという一つの完成体にナスキロ血脈の典型Cozzeneをもってきただけで、あとはほとんど何もしてなくて、Prince RoseやTom FoolやBlandfordやHyperionやTourbillonといった傍系の血ばかりを重ねているだけというなかなか面白い配合
Sadler's Wells~GalileoやデインヒルやGreen Desertが繰り広げる種牡馬勢力争いに首を突っ込むことなく、血統表の父や母父にいても全く邪魔にならない、一つの箸休め的な存在としてPivotalは生き残ってきたのだ、ということがナムラシングンやファンディーナの血統表から実感できます
こないだ日経新春杯に勝ったミッキーロケットの母父でもありますが、Mr.Prospector3×5、Nureyev4×4、Nijinsky6×4という強力な父母相似配合においても全く邪魔になってないのがPivotalらしい
流行の父系なんてどの国でも一握りですから、クロスするのは簡単なんですが、「クロスすることとクロスしないことを、同時に考えなければならない」というのが配合史にも書いてある教えで、クロスしないことを考えるというのは、流行から外れた上質の血をいかに取り込んでいくかを考えることでもあるのです
レディアルバローザの場合は、The Dancer=Kazadoncoa4×4、Kingmambo≒Majestic Light2×5、Sex Appeal≒Uncommitted5×5と繁殖としても魅力的なニアリークロスを3つも重ねていて、相手種牡馬が何であれレディアルバローザらしさを強く主張する繁殖といえます
だからロードアルバータも父よりは母に似た中距離馬で、超スローの新馬戦の負け方なんか母や叔母にソックリだと書きましたが、中京の急坂を駆け上がって前に追いつくときの走りが力強くて、ディープ産駒でも高速馬場の鋭さ勝負よりはタフなコースのパワー勝負に向いた馬でしょう
『競馬血統年鑑2016』発売開始
以下、栗山ブログよりコピペ
3年前に初めて世に出た世界初の"競馬血統年鑑"。その最新刊が完成しました(4冊目です)。著者は競馬本のロングセラー『覚えておきたい日本の牝系100』(競馬道OnLine新書)でおなじみの平出貴昭さん(サラブレッド血統センター)。
http://miesque.com/c00039.html
(ここにサンプルもあります)
中央、地方、海外の2016年の重賞結果を「血統」から徹底的に振り返ります。
たとえばJRA重賞なら、日付順、父系順、路線順、ファミリーナンバー順という各パートに再構成し、2016年の成績&血統をカラーで色分けした詳細表示で振り返れるようになっています。各項目すべて血統表を見ることができます。
地方競馬、海外競馬も同様です。たとえば、2016年のGalileo産駒のG1勝ち馬を調べたい場合、この本を見れば一発で分かるだけでなく、各馬の血統表も見ることができます。海外でいまどんな血統が流行っているのか、種牡馬ごとの成功する配合パターンがこの本によって簡単に把握できるというわけです。各国別リーディングサイアー表、父系図も完備しています。
著者による各項目の解説文も必見。個人的に仕事で活用することも多く、正直、これがないと困ってしまうほどです。血統に関心のある方、いや、すべての競馬ファンにお奨めしたいデジタル時代の究極の血統年鑑です。1200円。
http://miesque.com/shopping.html
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△▼△ 平出貴昭の『競馬血統年鑑2016』 △▼△
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中央、地方、海外、それぞれの重賞結果を血統面から完全フォロー。
各国別リーディングサイアー表、父系図も完備した
デジタル時代の究極の一冊。
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あと昨日「3歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭アップしました
多忙により回顧や雑感はお休みしますm(_ _)m
土曜のボツ予想~カプチーノは1400でフワリ
一昨日は札幌駅北口の「味百仙」へ
一番美味かったのはハタハタの飯寿司かな、つぶ貝のゴルゴンゾーラ、自家製サラミなどなどこそばゆい酒のアテが豊富で、二軒目にエエ店やなあ~と思いました
クロッカスは◎マイネルバールマン
父のジョーカプチーノは京王杯SCとスワンSで毎年◎を打ってたぐらいで、私の認識はスプリンターではなく“1400馬”なんですよね
たしかにシルクロードSを58キロ背負って32秒台の脚で差し切ってはいますが、ダンスディレクター然りサトノルパン然りで、シルクロードや京阪杯を32秒台で差し切るような馬ってのは、ピュアスプリンターじゃなく1400馬なんですよね
1400馬が35.0-32.8で差し切るのが京都内1200の重賞なのです
マイネルバールマンもコチコチのスプリンターじゃなくてナスキロ柔さで走るし、ダリア賞なんて柔いので内回りの反応で遅れをとったぶんという負け方やったし、東京1400が一番◎を打ちやすいイメージで、2歳夏から使い込んでますがベストコースでもうひと押し
そうそう、ジョーカプチーノ産駒はJRAでもう一頭勝ち上がっていて、先週なずなを勝ったジョーストリクトリも2勝はいずれも1400mです
相手はDarshaan経由のShirley Heights4×4で大箱で斬れる○トリリオネア
東京最終は大箱マイルで斬れる馬が少なく、前走+14キロで今回更に増えて戻ってきたという◎プラトリーナで
母フラニーフロイドがStorm Cat経由のStorm Bird≒Fanfreluche3×3とSecretariat4×3、そこへディープですから、いかにも東京マイルをストライドで走るマイラーで、いかにもシュミノーと手が合うタイプ
▲シャララも母がHopespringseternal≒Poker2×5ですから、大箱のほうが合ってそうな先行馬です
東京7は◎スマートエレメンツから少し
シンボリクリスエスらしい長手の体型で、未勝利勝ちの東京で変わりそう
鞍ケ池は◎オメガハートソング
「エルコン肌は、牡にはスタミナを伝え、牝には急坂小回り向きの機動力を伝える」が自説で、全兄オメガスカイツリーはダートのステイヤーですが、3/4姉のオメガハートロック、オメガハートランド、オメガブルーハワイはいずれも中山マイルでベストパフォを叩き出してます
この馬も1200では最後差してくるけど少し忙しいというレースぶりで、ここはマイルに延びて、脩が好位で運べば急坂をグイグイ駆け上がって抜け出せそう
前走は直線ちょっとゴチャついたところにいたののあるし、○ヴェネトを逆転の可能性は十分あるとみました
「No.1予想」では梅花賞を、「厳選予想 ウマい馬券」では梅花賞と木津川特別を予想していますので、今週もよろしくお願いします
ボツ予想はセントポーリアだけ~ビワハイジ似だから
セントポーリアは人気3頭が素質上位やと私も思いますが、東京芝はなかなか高速で、クロッカスも白富士も上がり11.0-11.4、ここもスローやとそれに近い上がりになりそう
▲バルデスはサンマルティンやドレッドノータスの全弟で、非Northern Dancerで南米のアウトサイダー血脈が強いディアデラノビアにNorthern Dancer4・6×4・5のハービンジャーが配されたシンプルな好配合
古馬になったら一番出世しているのはこの馬かもしれない
○キセキは桜花賞2着ロンドンブリッジにディープインパクト、ルーラーシップと配されて、馬の形はルーラーだけど体質はディープで動かすと実にしなやかで、いかにも大箱向きの中距離馬
◎コロナシオンはキングカメハメハ×ブエナビスタですから東京の中距離でズバッと斬れそうですが、体型はどちらにもあまり似てなくて、むしろ母母ビワハイジ(現阪神JFと京都牝馬S勝ち)に似ています
黄菊賞は4角でようやく前に追いついたと思ったらそこから伸びあぐんでエスケークラウンすら交わせなかったのは、まだ決め付けるのは早いですがそんなに長いところの馬でもないのかも、と
ラストタイクーン≒マルゼンスキー≒Caerleonのニアリークロス3×3・4、ビワハイジがNijinsky的に背中が長くなってTom Fool的な脚捌きで俊敏に走ってる、そんな馬に見えるので、スローの1800で最も俊敏に反応できるのはこれだろうと
他のレースはこれから少し考えますが、「No.1予想」では根岸Sを、「厳選予想 ウマい馬券」では根岸SとシルクロードSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします
先週のかんたん重賞回顧&プリサイスエンド黄金配合
日曜はウインズで打った後、東区の「味乃 じゃんぼ」で、札幌の競馬好き3名と、馬産地でマネジメントをやっておられる方にも浦河からお越しいただき、そして血統センターのお仕事で来札中の平出さんも呼んで、ひと手間もふた手間もかかった和風創作料理をいただいてきました(・∀・)
辛子明太子のカレイ巻きとサザエのエスカルゴ風が特に美味かったかな、二次会は「オジオコ」でリキさんたちとわいわい競馬談義(・∀・)
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◆ピッチ>ストライド
開幕週の東京芝はなかなか高速で、ペースがよほど流れないと1600mでも2000mでも上がり11.0-11.4みたいなレースになるので、いつも言うようにこれぐらいの上がりになるとストライドで加速していてはなかなか間に合わない
サクラアンプルールとかプロフェットとかタイムトリップとか、コスモヨハネとかオートクレールとかスモークフリーとか、「一番大きく動ける馬」ではなく「一番速く動ける馬」、ピッチで俊敏に加速するので本来は中山>東京という適性や実績の馬たちがよく好走していました
東京11R 根岸S
◎14.キングズガード
○13.エイシンバッケン
▲3.カフジテイク
☆1.ブルミラコロ
☆2.ラストダンサー
△4.ニシケンモノノフ
△5.ベストウォーリア
△9.コーリンベリー
△11.タールタン
△15.ベストマッチョ
△16.ノボバカラ
キングズガードは母キングズベリーがノーザンダンサー4×4とスクワンダー4×4を持ち、そこにアウトブリードのシニスターミニスターが配された。配合はずっとほめてきたし1400mでは4戦つづけて◎を打ってきたがここも◎でいきたい。今度はカフジテイクとは同斤56キロになるし、乾いた馬場になるのもプラスだ。手広く流す。
京都11R シルクロードS
◎7.ダンスディレクター
○12.ブランボヌール
▲10.ネロ
☆1.ラインスピリット
△5.ソルヴェイグ
△9.セカンドテーブル
京都内1200mは向正面が短いので前半のペースが速くなりにくく、過去10年さかのぼっても重賞で前半3Fが33秒前半になったのは一度しかないほどだ。だからビッグアーサーのようなピュアスプリンターがパワーでゴリゴリ押し切る前傾ラップにはなりにくく、勝ち時計が1分7秒後半~8秒台になることも多いので、ダンスディレクターやサトノルパンのようなしなやかな“1400馬”が、35秒で息を入れて追走して32秒台で鋭く斬れたら届いてしまうのがシルクロードSや京阪杯なのだ。ダンスディレクターは京都芝内1200m[2-1-0-0]だが、自身の前後半ラップは34.6-33.3、35.0-32.9、34.8-33.3。ピュアスプリンターではないからこそ、1200mだとこういうラップに強い馬なのだ。トップハンデとはいえ昨年から0.5キロ増、外差しもきくBコース、そしてローレルベローチェが回避して前半のペースが落ち着く可能性が高まり、連覇の可能性も高まったといえよう。
今週も重賞回顧はかんたんに…シルクロードは「京都内1200は1400馬が35.0-32.8で差し届くコースなのだ説」をユタカが見事な捌きで体現してくれましたが、4角を斜めに横切りながら差すあの必殺技がまさに炸裂しようというそのとき、外の幸四郎が内をチラッと見て進路を開けてましたな(^ ^;)
◆プリサイスエンド黄金配合
カフジテイクの配合について一言ふれておくと、「母系にNijinskyを入れて自身はMr.Prospectorのクロス」という昔ながらのプリサイスエンド黄金配合で、カフジテイク=テイクエイム全兄弟、グロリアスノア、ロラパルーザ=ラローザブル全兄弟、スプラッシュエンド、タケショウカヅチなどがこのパターン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012106056/
日曜の飲みにフォーティナイナー系マニアの方がいて、「フォーティナイナーとエンドスウィープはかなり別もので、エンドスウィープよりもサウスヴィグラスのほうがフォーティナイナーに近いよね」ってな話をしてました
Mr.ProspectorにTom Rolfeの凄いパワーが入って突進力を増したのがフォーティナイナー、ナスフリートのクロスで柔らかくなってミスプロに先祖帰りしたのがエンドスウィープ
プリサイスエンドはエンドスウィープにナスキロ血脈を重ねてさらに“柔”の方向にいった配合で、だから中山ダ1200をパワーで突進するのではなく東京ダ1400をストライドで走る種牡馬になった
Nijinskyを入れてMr.Prospectorをクロスするというのは、胴や脚を長くして体質を柔くして、そういう特性を更に活かして大箱向き砂マイラーをつくろうという方向で、だからプリサイスエンドのダート上級は、カフジテイクもグロリアスノアもロラパルーザも東京でベストパフォを叩き出す
当ブログの読者の方にご指摘いただいたんですが、プリサイスエンドはフォーティナイナーの3代母Courtesy(Nasrullah×Hyperion)にナスペリオン血脈を合わせる配合もよく成功していて、カフジテイクとトキノゲンジはテスコボーイ、グロリアスノアとロラパルーザとスプラッシュサンドはSpecial、メイショウウタゲはフジキセキ、タケショウカヅチはCourtesyの娘Continueのクロス、これもストライドで走ろうという方向の配合ですよね
というわけで、なんで忙しいのに種牡馬プリサイスエンドを掘り下げたかというと、種牡馬辞典の私の担当で今まさに原稿を書いているからです(^ ^;)
あとカフジテイクの母テイクザケイクがなぜ砂の名繁殖なのか、ということは下記エントリで書いてます
砂の隠れ名繁殖が持つ2×2のニアリークロス
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/bcf4b83dae0378b43a4dc3d54331901b
さて、今日中にツァーリーナの相手を決めます
5分で予想した川崎記念~タルマエは去り、黄金のトライアングル復権か
「地中海」を観ながら5分で予想した川崎記念
川崎2000では母父スプリンターのホッコータルマエの先行捲りを◎にしてればよかったんですが、タルマエ以前はハタノヴァンクール、ランフォルセ、フリオーソとRoberto的捲り、Nashua≒Nantallah的パワーがモノを言うレースでもあった
◎バスタータイプはホワイトマズル産駒ですから距離延長はプラス、母がブライアンズタイム×KingmamboでRoberto、Mr.Prospector、Nureyevの砂黄金トライアングル、フリオーソやハタノヴァンクールやランフォルセとやってることは全く同じ、単と○ケイティ☆サウンド△ミツバへ
「ツァーリーナ大喜利」はミッキーアイルが補欠にも入らないほど妙味ある配合が目白押しで選ぶのに苦労しました(^ ^;)各組み合わせの7代血統表にあれこれメモってあるんですが、それを清書する時間がないので正式に決まってからということで…
まだ現役バリバリなので今回はボツになりましたが、この組み合わせも素晴らしいな(・∀・)
名種牡馬のラストクロップ
「信越は9歳ダノンプログラマーが追い込んで7勝目。シビルウォーは8歳で名古屋大賞典に勝ち、キングスエンブレムは8歳で佐賀記念3着。ウォーエンブレムの代表牡駒3頭はいずれも高齢まで活躍していますが、ミスプロ系といってもDamascusにRibotにBrigadier GerardにHerbagerにStar Kingdomと傍系異系の血が強いアウトブリードで、産駒の息が長いのも納得」(2015/10/21)
こう書いていながら、ラストクロップの緩やかな本格化に気づいてなかったわけで、馬券はかすりもしないですよね…はい
パワーと粘着力の血ばかりで固めたアウトブリードで、だから牡駒がダ中距離で息長く活躍するのは納得なのですが、いっぽうで牝駒が芝G1を2勝しているのも種牡馬ウォーエンブレムの有能さ奥深さを示すもの
アウトブリードなので強いクロスを持つ牝馬との配合で成功し(緊張→緩和)、ブラックエンブレムの母はNearco6・7・7・7×4・6・7(血量にして4×4)、ローブティサージュの母はHalo3×4、シビルウォーの母はBold Reason≒Never Bend3×3、オールブラッシュの母ブラッシングプリンセスはMumtaz Begum≒Mahmoud6×4・5・6(これも血量にして4×4)ですね
相変わらずこの時期は多忙で、「3歳勝ち馬評価」は2週ぶんまとめて来週やりますm(_ _)m
先ほど「No.1予想」にゆりかもめ賞を入稿しましたが、「ウマい馬券」のほうは明朝に前売りオッズを見てから決めます…では種牡馬辞典の原稿執筆に戻ります
土曜のボツ予想~ワールドエースのように
エルフィンは○ミリッサは父がダイワメジャーに替わって上よりもノーザンテースト的なマイラー体型に出ましたが、内回りでHaloクロスらしい抜群の機動力をみせたのは、シンハライトの新馬勝ちやリラヴァティのマーメイドやアダムスピークのラジオNIKKEIやアダムスブリッジの若葉などと同じ
最近のエルフィンは62秒のスローでいって直線11.2-11.4で猛然とダッシュするようなレースばかりで、だから外マイルでもダイアナヘイローやジルダといった短距離型のピッチが残ってしまうのですが、今年もそんなレースになるのが濃厚となると、一番脚が速く動くのはこの馬
◎サロニカの白梅はAコースで外を回したのが主な敗因でしょうが(1京のミルコはあのパターンで人気馬を飛ばしまくっていた)、直線では前の馬を抜こうとしないようにも見え、陣営も他馬を怖がるところがあったと言ってるので俄かにAureole魂疑惑が浮上してきました(Tiger Hillの母系にSt.Paddy)
距離ももう少し欲しいけれど、小さなディープ牝馬に乗せたら上手な福永祐一がスタートを決め、ビップの番手で運んで直線先頭というデビュー戦と同じ競馬を再現できれば、そこからの“抜かせない強さ”はなかなかの馬やと思うので、ワールドエースのマイラーズCのような絵も描ける
アカカやアドマイヤローザやアルミレーナも悪い馬ではないんですが、11.2-11.4でビュンと反応する○を差せるかとなると難しそうで、このオッズだと◎の単だけ買って観てることになりそう
京都最終は◎スターリーウインド
前走はスローで時計は遅かったですが、持ったままでうなりながらひと捲り、今まで芝1800ばかり走ってたのは何なんやという快勝でした
ゼンノロブロイ産駒は意外なほどダートの上級スプリンターがおらず、ダ1400m以下の重賞オープンで馬券になったゼンノロブロイ産駒はこれまで一頭もいないのには驚いた
準オープンでもスピルオーバーとハラペーニョペパーが2着になった例しかないのですが、この2頭は母父がWoodmanとUnbridled、どちらもMr.Prospector×Buckpasserの組み合わせで、つまりマイニング≒Woodman≒Unbridledのニアリークロスを持っている点が共通します
┌Mr.Prospector
┌○
Unbridled
└△
└△┌Buckpasser
└△
「マイニングはヴォスバーグS(米G1・ダ7F)勝ち馬で、ローミンレイチェルはバレリーナS(米G1・ダ7F)勝ち馬。だからダービーやジャパンCを勝つなんて無理無理」と血統通からディスられつづけたゼンノロブロイですが(たしか競馬通信社のM田もそう書いてました)、サンデー×ミスプロの組み合わせ特有のしなやかさで中距離を走りその資質を産駒にも伝えたのはご存知のとおり
しかしWoodmanやUnbridledをもってきてマイニングをニアリークロスすれば、マイニング~ローミンレイチェルと受け継がれた資質がONになることもあるわけで、スターリーウインドは現級のダ1400でもやれるだろうという血統的な裏付けはあります
他のレースはこれから考えますが、「No.1予想」ではゆりかもめ賞を、「厳選予想 ウマい馬券」ではゆりかもめ賞と初音Sを予想していますので、今週もよろしくお願いします
日曜のボツ予想~隠れ黄金配合「ネオユニ×エンドスウィープ×Northern Dancer」
春菜賞はクリスマスローズでゴール前の斬れ味が目についた◎ネオフレグランスが、東京1400ならば差し届くのではないかと
ネオユニヴァース×エンドスウィープ系という配合は12頭が出走して6頭が勝ち馬、これだけでもまずまず高率なのですが、本馬のように母母にNorthern Dancerの血が入る場合、つまり母がNorthern Dancerクロスを持つ場合は、ダイワドレッサー、ジュンヴァルカン、ネオスターダム、ピカンチラヴ、ネオフレグランス、ケイアイカミカゼ、ハードバーンと7頭中6頭が勝ち馬、オープン馬2頭の他に4勝馬と3勝馬が各1頭という素晴らしい成績
ネオユニヴァース×エンドスウィープというのはSind=Stafarallaの薄い全きょうだいクロスになるのですが、両者の母母MirandaはPretty Pollyの全妹なので、そこにNorthern Dancerをクロスでもってくるというのは緊張→緩和のリズムと同時に遠い代でPretty Pollyをいじくるというネオユニ産駒の成功パターンにもなる
Pretty Polly(Gallinule)
│├Molly Desmond→Lady Angelaの3代母,Northern Dancerの4代母,Luthier,Great Nephewの5代母
│├Dutch Mary→Donatelloの3代母
│└Polly Flinders→オンリーフォアライフの5代母でトニービンの母系にも入る
Miranda(Gallinule)
└Mirawala(Gallinule)
├Sind(Solario)→Sans Taresの父
└Stafaralla(Solario)→Tehranの母
だから母母にLady Angela3×2のノーザンテーストが入るというのはネオスターダムと同じようなことをやっているといえるし、ダイワドレッサーはトニービン、ジュンヴァルカンはIndian HempにAureoleと、オープン馬2頭はNorthern Dancer以外のラインからもPretty Pollyの血を重ねているのは偶然ではないでしょう
こんなのは春菜賞の予想とは直接関係のない話なのですが、小さなネオユニ牝馬のネオフレグランスは春菜賞ぐらいは勝って不思議ない配合をしているのだ、とは言えるかと
前走は競馬になってない○ダノンディーヴァの巻き返しと、体型的に1400のほうが斬れそうな☆レイズアベール、あと▲スノーイルナも母スノーリンクスがMr.Prospector3×3、Buckpasser4×4、Northern Dancer≒Indian Hemp5×6、Bold Ruler=ナスコ7×4、Flower Bowl≒Your Hostess7×5とびっくりするほど凝った父母相似配合になっていて、そこにアウトブリードのアドマイヤムーンが配されてスノードンぐらい出ても驚けない配合になってます
他のレースはこれから考えますが、「No.1予想」ではきさらぎ賞、「ウマい馬券」ではきさらぎ賞と東京新聞杯を予想していますので、日曜もよろしくお願いします(どちらも◎○1点)
2/4,5の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2016)重賞勝ち馬の弟妹編』で望田潤が推奨したダイワエトワール(牝3歳)が日曜東京3Rの未勝利戦(ダート1600m)を勝ち上がりました。
○ダイワエトワール(牝、父エンパイアメーカー、母ダイワスカーレット)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105562/
ダイワスカーレットは今のところ期待外れと言われても仕方ない繁殖成績だが、アグネスタキオンの血はノンコノユメやディープスカイなどダートでの活躍が目立つし、弟のダイワメジャーは専らパワー型の産駒を出しているし、ダイワメジャーと同血のスカーレットレディ(ヴァーミリアンなどの母)は泣く子も黙る砂の名繁殖。開き直ってエンパイアメーカーでダートの大物を狙ってみました、という発想は正解かもしれない。ここで逆張りしてみる手はある。(望田)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2015)』で望田潤と栗山求がダブル推奨し、『望田潤のPOG好配合馬リスト(2016)重賞勝ち馬の弟妹編』で望田潤が推奨したカラル(牡2歳)が日曜京都5R未勝利戦(芝2200m)を勝ち上がりました。
★シルクホースクラブ
カラル
父ルーラーシップ
母ナスカ(サンデーサイレンス)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106052/
牡 募集価格:4000万円
アロマティコの弟で、父がキングカメハメハから息子のルーラーシップに替わりました。ルーラーシップはNorthern Dancer5・5・7×4とHornbeam≒パロクサイド6×4・4を持ちますが、本馬はダイナカール≒アンデスレディーの3×2となり、ルーラーシップとアンデスレディーのところで「Northern DancerとHyperionとNasrullah」の組み合わせを重ねつづけてそれをダイナカール≒アンデスレディーでまとめ、一方で母父サンデーサイレンスにはNorthern Dancerが全く入らないという、意欲的なクロスかつ緊張と緩和のリズムに優れた配合。シャダイチャッター=アンデスレディー全姉妹にさかのぼる牝系にキングカメハメハを配したパターンは8頭中4頭が勝ち馬となっており、その中には本馬の3/4姉アロマティコだけでなく宝塚記念のラブリーデイも含まれますが、本馬は父の母父がトニービンなのでラブリーデイ(母母父トニービン)とも似た血脈構成です。パーフェクトマッチ14にヒケを取らない好配合で、こちらのほうが母がHalo≒Red Godのニアリークロスを持つぶん俊敏さでは上回るでしょう。(望田)
(9/20追記)
「ノーザンテースト×ガーサント」は、ダイナカールとアンデスレディーという2頭の偉大な繁殖牝馬を生みました。前者は年度代表馬エアグルーヴを、後者は3頭の重賞勝ち馬を出しています。本馬にはダイナカール≒アンデスレディー3×2という組み合わせのクロスが施されています。これはいままでありそうでなかった配合パターンです。ダイナカールとアンデスレディーの配合を厳密に記せば「ノーザンテースト×ガーサント+Nasrullah」となり、血量の16分の13まで同一です。本馬の配合的なセールスポイントは、このユニークな組み合わせのクロスと、4分の3姉にアロマティコ(エリザベス女王杯-3着、秋華賞-3着、クイーンS-2着)がいるという2点です。若干スピード的な要素が欠けている気もしますし、誕生日が5月13日と遅生まれで、現時点で420kgという小柄な馬体も気になります。しかし、そうした瑕疵を上回る魅力がこの配合にはあります。大きな可能性を秘めた芝中距離馬でしょう。(栗山)
◎カラル(牡、父ルーラーシップ、母ナスカ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106052/
アロマティコ(父キングカメハメハ)の3/4弟で、インティライミの甥、アルバートのイトコ。ルーラーシップはNorthern Dancer5・5・7×4とHornbeam、パロクサイド、Special、Mill Reefを通じるナスペリオンの継続クロスだから、非Northern Dancerクロスで米血の強い繁殖牝馬との配合が成功しやすいだろう。本馬は典型的な「3/4Northern Dancerクロス、1/4サンデーサイレンス」の配合形。そしてダイナカール≒アンデスレディーのニアリークロス3×2で締めた。父の初年度産駒ではベストの配合の一つ。(望田)
■土曜京都7R500万下 メイケイレジェンド(POG・望田)
■土曜京都9R稲荷特別 サトノケンシロウ(ディープ・栗山)
■日曜東京7R1000万下 ロードセレリティ(一口&POG・望田)
■日曜東京9R早春S ハッピーモーメント(ディープ・望田&栗山)
■日曜京都10R山城S ウインムート(一口&POG・望田)
■日曜京都11Rきさらぎ賞2着 サトノアーサー(ディープ・栗山)
■日曜東京11R東京新聞杯2着 プロディガルサン(ディープ・望田&栗山)
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ダイワエトワールは「走りがワンペースなので、次ダートなら狙ってみたい」と前走後に書いておいたので単勝ぐらい買っとけばよかったんですが、あんまり人気が落ちなかったのはみんなエンパイアメーカーの好調を知ってるのかな?
3歳は繁殖の質的に黄金世代と言われていますが、一癖あるエンパイアメーカー産駒のことを育成側も理解してきたのが大きい、という話もよく聞きますね
前に『サラブレ』でやった「ウオッカとダイワスカーレットに何を付けましょうか」企画でも書いたんですが、父キングカメハメハのダイワレジェンドで方向性は間違ってなかったと思うんですよ、あれで牡ならソリタリーキングになった可能性は少なからずあったと思う
しかしダスカは2歳のノヴェリストも牝で、ほんとに牝しか産まないな(^ ^;)
種牡馬ルーラーシップはキングカメハメハよりも晩成で不器用で芝中距離大箱に寄った産駒を出すことは当初から予想されていたわけで、それはエアグルーヴ一族全体に言えることでもあります
今のところ2勝以上をあげているルーラーシップ産駒はキングズラッシュ、ダノンディスタンス、アディラートの3頭、あとダンビュライトが重賞で2着3着ですか
キングズラッシュは母にNorthern Dancerなし、アディラート(母父マンハッタンカフェ)とダンビュライト(母父サンデーサイレンス)は母が非Northern Dancerクロス、そしてダノンはNureyev5×4とノーザンテースト≒Vice Regent4×5
キングカメハメハはNorthern Dancer4×4・6、ルーラーシップはNorthern Dancer5・5・7×4を持つので、産駒の代においては
・母父か母母が非Northern Dancer、つまり母が非Northern Dancerクロスで、自身は「3/4Northern Dancerクロス」、この配合形が王道
・母にもNorthern Dancerの強いクロスがある場合は、リオンディーズやレットゴードンキのように、Nureyev≒Sadler's WellsやNijinskyにクロスを累進した父母相似配合にするのが逃げ道
キングカメハメハもルーラーシップもこの呼吸は同じやと思いますが、これがドゥラメンテだとNorthern Dancerのクロスが一つ薄くなってくるので話が変わってくる
母父にサンデーサイレンスを持つことでルーラーシップほど配合の受けは広くない反面、Northern Dancerの血が薄くなったことでNorthern Dancerクロスが強い牝馬にも配合しやすくなった、これが種牡馬ドゥラメンテのデメリットとメリットといえるのではないかと
「3歳勝ち馬評価」1/28~2/5ぶんを更新&雑感少し
先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」1/28~2/5ぶんを3頭更新しました
◆20年前もピッチ>ストライド
スペシャルウィークはサンデーサイレンス譲りのしなやかさに加えて、NijinskyとBlandford(母母がHarina=プリメロ3×3)譲りの長手の体躯を活かしたストライドで走った馬で、デビュー前にユタカが初めて追い切りで跨ったときに、白井先生が「どや、ダンスパートナーに似てるやろ」と聞くと「ダンスインザダークに似てますね」と言ったらしい
そのストライドでダービー圧勝をはじめ東京芝では無敵を誇ったスペシャルウィークと、オークス母娘制覇をはじめ東京芝[3-1-0-0]でピルサドスキーに惜敗しただけの“ナスペリオンの女傑”エアグルーヴ、この2頭が1,2人気となったのが98年のジャパンCでした
レースは60.5-62.4-11.2-11.8という中だるみからの上がり2Fの競馬となり、この11.2のところでエルコンドルパサーがこれぞSpecialというピッチで一気に抜け出すと2強はアッという間に置き去りにされ、「お、俺あんなに脚速く動かん…」とたまげたスペシャルウィークは内にモタれてしまい岡部さんが立て直していた
「広い東京コースでも直線のダッシュだけのレースになると、ピッチがストライドを制する」という光景は20年前からあったわけですが、それにしてもここ2週の東京芝は上がり特化のレースが多すぎて、ピッチがストライドを制しすぎやろと思うわけですが(^ ^;)
カラルは一口とPOGのダブル推奨なのでひとまず勝ってくれてホッとしてますが、私が思った以上にスタミナ方面に振れているというか持続的なストライドで走る馬で、アロマティコ(父キングカメハメハ)の3/4弟なんですが、改めて見るとアルバートと似た配合でもあります
どこが違うかというと、アルバートはWoodmanとアンティックヴァリューとダンシングキイを通じるTom Foolのクロスですが、カラルはダイナカール≒アンデスレディーのニアリークロスで、だからカラルのほうがストライドは大きいですが小回りはきかなそう
イストワールファムはローエングリン産駒でHalo4×4、Sadler's Wells=Fairy King4×4ですから、配合パターンはロゴタイプ(Halo4×3、Sadler's Wells≒Nureyev4×4)とよく似ています
ただロゴタイプは母母がBold Ruler3×4なのでフワッとした機動力先行力が武器、いっぽうイストは父のMill Reef5×3にSadler's Wells=Fairy Kingとトニービンがナスペリオン的組み合わせで呼応するので、それこそルーラーシップ的なストライドを受け継いで、いかにも東京向きという斬れ味でナデ斬りました
というわけで配合のアウトラインは似ていても、クロスする血が違うとけっこう違うタイプに出ることもあるのよねん、というお話