カンナSの予想にとりかかってたんですが、レディーの血統表をみていると、ゴールドヘイロー産駒の芝ツートップ、モエレビクトリー(京成杯3着)、トウケイヘイロー(朝日杯4着)とやってることはだいたい同じなんですね〜
モエレビクトリーの母・配合略図
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103794/
┌○┌Francis S.(Royal Charger×War Admiral×La Troienne)
│└△
│ ┌Never Bend(Nasrullah×La Troienne)
△┌○
└△
└△(Swapsとチャイナロックを通じるHyperion4×4,Son-in-Law5×5)
トウケイヘイローの母・配合略図
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101682/
┌Never Bend(Nasrullah×La Troienne)
┌○
┌○
△
└△(ノーザンテーストとAlibhaiを通じるHyperion4・5×4)
レディーの母・配合略図
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010101496/
┌ノーザンテースト(Lady Angela3×2)
△ ┌Nasrullah
│ ┌Red God
│┌Blushing Groom
└△ ┌Nasrullah
│┌Nashua
└△
└△
└△
└La Troienne
ゴールドヘイローの血統的な売り文句の一つは、Caerleonの近親でLa Troienne名門牝系だということで、まずここをいじくらない理由はないと
そしてサンデー×Seeking the Goldで全体に米血に偏ってますから、たとえばゼンノロブロイがHyperion的な欧血を渇望するのと同じで、Hyperion的凝縮も同時に取り込みたい…と
レディーはノーザンテースト的なスプリンター体型に出ていますが、La Troienne牝系の父母の配合なわけですね〜
レースの予想はこれから考えますけどね〜
ゴールドヘイローのお手軽必勝配合形
フォワ賞
思ったほど弾けなかったようにみえたのは、上がり勝負になったからというのがまず一つ、それと追われるとちょっと走りにくそうで、いつもほど豪快にストライドを伸ばせないまま勝ったという感じ
エルコンドルパサーにしてもナカヤマフェスタにしても、ロンシャンで走ると日本よりはアクションが小さくなっていたし(そのぶん地面をつかみ掻き込むほうに力を注いでいる)、そういう点も含め、初コースで、超スローに折り合って馬群を捌く練習も一応できたということで、この経験値を次に活かしてもらいたいですね〜
ま〜しかしこんな競馬ばっかりやってるわけですから、いきなりキンシャサノキセキやダンスインザムードやコスモバルクに乗せてもフワッと折り合っちゃうわけですよ、達者なフランス人騎手は
Graustark≒ライバリュウ
美作特別で穴人気になってるアントニオピサ(父タニノギムレット)はワキノカイザー(父ブライアンズタイム)の3/4弟でダート巧者が出る血筋ですが、阪神内回りのパワー勝負なら芝でも面白いかもしれないと思っとります
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106460/
面白いことにこの牝系は、他にもマヤノトップガンやタイムパラドックスなどブライアンズタイム系種牡馬との配合で軒並み結果を出していて、下記の牝系図を見てのとおり、該当6頭オール勝ち上がりでハズレなし
ライバリュウ
└ダイナエイコーン
├エイコーンカップ
│└サンデーエイコーン
│ ├ワキノカイザー(ブライアンズタイム)6勝
│ ├ステルスソニック(タニノギムレット)1勝
│ ├エイコーンリング
│ │└エイコーンパス(タイムパラドックス)1勝
│ ├ハンドレッドスコア
│ │└パーフェクトスコア(ブライアンズタイム)
│ ├サンデーローズ(ブライアンズタイム)2勝
│ ├タイムズアロー(タイムパラドックス)2勝
│ └アントニオピサ(タニノギムレット)2勝
└ダイナグロリア
└ミサソレムニス(メジロベイリー)1勝
このニックスのキーになっていると考えられるのが牝祖ライバリュウの血脈構成で、Alcide,Tenerani,Mahmoudを持つので、ブライアンズタイムの母父Graustarkと非常に脈絡するんですね
┌Alcide
┌○
ライバリュウ
│ ┌Tenerani
│┌○
└△ ┌Mahmoud
└△┌○
└△
まずAlcideはAlycidon×Fair Trial×AloeですからAureoleやPetingoと血脈構成が似ていて、Flower Bowlの「Hyperion,Son-in-Law,Blenheim,Clarissims」と脈絡します(ブライアンズタイム×Aureole、ブライアンズタイム×Petingoのニックスと同じ理屈)
しかもTeneraniはRibotの父で、MahmoudはFlower Bowlの母母父ですから、Graustarkとライバリュウはなかなかニアリーな関係といえるでしょう
つまりライバリュウ牝系の繁殖牝馬にブライアンズタイム系種牡馬を配すると、Graustark≒ライバリュウのニアリークロスになり、ブライアンズタイム系の底力やスタミナをONにする仕掛けがここでできる…と
ちなみにブライアンズタイム系以外でGraustarkを持つ種牡馬との配合は一例だけあって、それが牝系図にもあるミサソレムニス(父メジロベイリー)でこの馬も1勝しているので、Graustark≒ライバリュウのニアリークロスは、私が調べた限りでは7頭全てが中央で勝ち上がっているのです
そしてこれも牝系図に加えておいた現2歳のパーフェクトスコア(父ブライアンズタイム、キャロットクラブ)、これも「ブライアンズタイム父系×ライバリュウ牝系」の組み合わせになるわけですが、昨年血統屋の「一口馬主好配合馬ピックアップ(2011)」で推奨した馬でもあります
母父ホワイトマズルでFlower Bowl≒Petingo≒Alcideのニアリークロスですから、トウカイトリックのようなRoberto的ステイヤーに期待してるんですがね〜
…というわけで、夜中に予想してたらまたもや脱線してしまったので、ちょっと仮眠に入ります…
月曜のボツ予想〜リーチザクラウンのようなストライド
阪神7は◎タガノミュルザンヌ
当ブログの読者の方なら説明不要でしょうが、母のSir Gaylordクロスの柔さがONになったストライドで、外回りに出てくればガツンと打ちたいといい続けてきた馬
小倉で2回使って馬体維持がカギですが、そこをクリアしていれば(あ、それと雨が降らなければ)
ま〜ほんとは京都のパンパンの外回りがベストかなあ…とも思いますが、単勝900円もつくなら買っておきたいなあと
箕面は+24キロで前走好走、今が伸び盛りの◎タガノリバレンス
母がCapote≒スプライトパッサー2×2で自身はMr.Prospector3×4、Seattle SlewとMr.ProspectorとNijinskyの胴長脚長体型が出たマイラーで、“軽薄なリーチザクラウン”というイメージですから、内1400m→外1600mで更に前進とみました
○ターフェルはキングヘイロー×Caerleonの黄金配合で、前走は伸びないインを突いてしかも前詰まり、追って味があって3走前だけ走ればいいところ
▲カレンディムーンはタニノギムレットにSir Gaylordのクロスをもってきて、おまけに母にはLe Fabuleuxのクロスもあり外回りでナタ斬れしますが、アルビレオの3/4弟で東京マイルで斬れて新馬勝ちした☆ヴァリアシオンも変わるならここでしょう
△クローチェは“ペルーサ+ノーザンテースト”というイメージで、マイルで弾けるというより1800mでしぶといタイプとみています
あとは母系のフレンチ斬れで差す△タマモマーブルも外回りで上がりがかかれば見直せるし、△マイネルユリウスもブルーイレヴンの下でマイネルラヴにしては伸びのあるタイ体型と走り
美作は◎レインフォール
ダイワメジャー×Nijinskyで母母がBelle of Troy≒Bimelech4×4、急坂小回り2000m向きのパワー型中距離馬で、阪神は15時ぐらいから降り出すような微妙な予報ですがダイワメジャーですから渋っても安心、パワーと機動力で昇級通用
△マイネオーキードと△サフランディライトは外回り向きの持続ジリ差しなので、「Graustark≒ライバリュウ」で取り上げた○アントニオピサと☆ゴールドブライアン、ブライアンズタイムとノーザンテーストのパワーがONになっているこの2頭を相手本線に
仲秋は▲イチオクノホシが人気で、前走はイン伸び馬場の新潟内回りを大外一気、あれで届いたらレオアクティブですから立派な3着でしたが、ゼンノロブロイにナスキロとグレビオで外回り向きなのもたしか
☆カネトシディオスにも同じことがいえるだけに、Polar Falconのしつこいマイラーで阪神内1400mベストで雨も歓迎の◎ウエストエンドが、格上挑戦もそのぶんハンデもらってますから好位抜け出しでいけそうな
穴というか相手に買いたいのが○ユメノキラメキで、ロージズインメイ産駒らしくフワッとしたスピードで流れ込むしか芸がなく、また母のAureole≒Flower Bowl魂でハナが理想ではあるのですが、揉まれなければ番手でも頑張れる馬で、ここは△メモリアルイヤーが速すぎるので競る間もなく番手で落ち着きそう(^ ^;)
馬場が渋るようなら△カラフルデイズもヒモに加えたいです
月曜のレース回顧〜公平馬場で、成長の捲り
中山11R セントライト記念
◎5.ニューダイナスティ
○1.ベストディール
▲3.カナロア
△6.エキストラエンド
×12.フェノーメノ
注15.ダノンジェラート
フェノーメノは陣営が言うようにトモがしっかりして春より動きに力強さを感じるし、もともとデインヒルの影響が強い体型だから、今なら中山の勝負どころで不利を受けることはないと思うが、今の中山で多頭数の外枠は間違いなく不利だし、無理してインに入れてまで勝ちにくる理由もない。ダノンジェラートは走る馬だが、サーゲイロードのクロスでトーセンレーヴのように脚長で柔らかくストライドを伸ばして走るので、本当は東京や外回りがベターだろうし、この外枠ではなおのこと買いにくい。◎は母がロベルトとダンジグとヒズマジェスティだからグラスワンダー的で、前走も新潟内回りを力強く加速して突き放したように、ディープ産駒としてもパワーとスタミナで走るタイプだから、東京や京都外よりも中山や阪神内で狙いたい馬だ。今季ガツンと狙うとしたらここだろうし、前が薄い組み合わせで内枠を引いてレース運びも楽だ。○もディープ産駒としてはフェアトライアルやハイペリオンの粘っこさを増幅した配合で、京成杯で◎にしたときにも中山向きの捲りだと書いたし、インをソツなく立ち回れればいきなり好勝負だろう。▲は前走◎にしたが、母がヌレイエフ≒サドラー4×3で母系の奥にはアリダーも入るから、パワーと粘りで走る中山向きの中距離馬で、ここもイン捲りで食い下がれそうだ。母系のボールドルーラーの軽い機動力がオンになった△も中山向きの器用さがあり、◎からこの内枠3頭を本線に買ってみたい。
中山9R カンナS
◎2.コトブキゴールド
○5.レディー
△7.ヴァンフレーシュ
△12.セイウンチカラ
×1.トルークマクト
×4.ヨシカワクン
注9.シーブリーズライフ
注13.クリスタルカイザー
ストーミングホームはミスプロ2×3、ヘイロー≒サーアイヴァー3×4などクロスがうるさすぎて配合に一工夫いる種牡馬だが、◎は母がスペシャル≒サッチ3×3で牝系はフランスのアウトサイダー血脈が強く、なかなか味なひねり方をしている。前走の勝ちっぷりは着差以上に強く、ここも中団で馬群を捌けばイン差しでいけるとみた。無難にいくなら○の内枠からの先行で、モエレビクトリーやトウケイヘイローと似た配合パターンのゴールドヘイロー産駒で、ノーザンテーストのスプリンター体型を受け継ぎ1200mなら先行手堅い。この◎○で買いたい。ヴァンフレーシュもなかなか走るが1400mがベストだと思う。
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月曜の阪神はタガノミュルザンヌの-12キロ以外はまあまあ予想したのと近い結果だったんですが(マンカフェ黄金配合のニシノテキーラもヒモには入れてたのですよ…)、中山は11Rも9Rもカスリもせずで、そもそも馬場読みを全く間違えていました…
たとえば5Rの芝マイルの新馬、ピロポとエメラロコヨーテの外捲り同士の決着なんて、過去4日では到底考えられないシーンです
これが1頭だけ次元が違って、インベタ馬場の外をブン回しても勝っちゃいました…というのならば新馬戦だしありうる話なのですが、2頭が並んで外から伸びてきたということは、馬場バイアスそのものが変わってきているとしか考えられませんでした
そこが引っかかったので、8Rの内2000mは最内1番の岩田サトノジュピター(1人気で)、大外12番の蛯名クロスカップリング(2人気)、この二人の進路の取り方を注目して観戦
するとやっぱり岩田は向正面から外に出しにかかっているし(もちろんそれは母系のナスキロ斬れで走るサトノのストライドロスも考慮してのものでしょう)、蛯名は蛯名で岩田の外にずっと張り付いて、こいつだけは外に出させんぞという執念の嫌がらせ(^ ^;)
けっきょくそのまま、2頭でガシガシ併せ馬のまま猛然と追い込んだものの、ウェルテクスに残られてしまって若干のナンノコッチャ感はありましたが(^ ^;)、あの攻防をみても、脚のある差し馬は外目を捲ったほうが勢いはつきやすい…というぐらいの内外公平馬場やったと思います
カンナも勝ったヴァンフレーシュこそ鮮やか逃げ切りでしたが、それをインベタで追走した人気どころはみんな止まってしまい、大外から追い込んだナカナカが最後3着に
少なくともこれまでのように、好位インベタでグルッと回ってきただけで2着3着拾えました…というケースは、月曜に関してはほぼ皆無だったんじゃないかと
もちろん中山ですから強い先行馬は踏ん張るんですが、強い差し馬は外を回っても届くという公平馬場で、なんで月曜に突然そうなったかはよくわからずじまいで(^ ^;)、いずれにしても馬の能力がきちんと反映されやすい状況だったことはたしかで、フェノーメノもヴァンフレーシュもたしかに強かった
フェノーメノは週刊誌の写真や追い切りの映像をみると春よりトモに力がついたように感じられ、春は体型はデインヒルなのにそれに筋力が追いついてないような、ステイゴールドのしなやかさだけで走っているような感じで、ストライドはきれいに伸びるんですが加速に力強さが足りないところがありました
だから中山では勝負どころで鞍上がゴーサインを出しても速やかに反応できず、ホープフルも弥生も馬群を捌くのに失敗、どちらのレースも自信の◎にした望田は「おかしいなあ〜見た目はデインヒルやから、岩田なら中山で捲れるはずなんやけどなあ…」と首を傾げるばかり
オルフェーヴルが夏休みの間に腰がシッカリして神戸新聞からは出遅れなくなったように、フェノーメノもトモに力がついて(ゲート開いたときに腰で踏ん張ってグイって出てる、あのスタート見ればわかります)、中山2200mで6-4-3-1と馬ナリで捲って4角先頭、ひと夏越して、見た目だけでなく中身もデインヒルらしさがONになってきたという圧勝でした
追い切りでトモがパンとしたのを確認し、8Rで公平馬場を確認した蛯名はもう自信満々で、ラップをみると後半5Fが11.8-11.7-11.5-11.4-11.8と中山2200mらしいロングスパート、このラップで馬ナリで捲って4角先頭では先行勢は苦しく、前がみんな止まって下がってきたのでイン差しを狙ったカナロアなんかはスペースがありませんでした
ノリのような天才的なヒラメキとか超繊細なタッチとか、そういうのは蛯名にはないんですが、「岩田よ、ダービーはやられたけど、俺の庭ではまだまだ好きにはさせんぞ〜」という月曜の騎乗には、中山で叩き上げられてきた勝負師の凄みや職人の気概が感じられて、同期のユタカと比べてみてもこの人はいい年の取り方をしてるよなあ〜と思います
そういえばナカヤマフェスタも東スポ杯を勝った頃はステイゴールドのしなやかさだけで走っているような感じで、ダービーは出遅れて追い込んで4着、そしてセントライトは7-7-5-3で快勝と、デインヒル的パワーが筋力として発現する成長曲線は重なるものがあるのかなあ…とも思ったり
その昔、府中で大ざっぱに強い競馬をする角田のもとに、トニービンの大物がなぜか集まってくる…という現象がありましたが、中山の捲り職人にはデインヒルのエエのが不思議と巡ってきます
一つ気になるのは、春よりデインヒル的にいかつくなったということは、急坂小回り適性や洋芝適性はアップしたけど、東京や京都外の斬れ勝負適性に関しては、むしろ下がったかもしれない…かも…というあたりですかね〜
ダノンジェラートはSir Ivor5×6+CozzeneのSir Gaylord的柔さで走るディープ産駒で、トーセンレーヴとニアリーなタイプだから本来は東京や外回り向きだと書いてきましたが、中山だと札幌で勝ったように外目をストライドロスなくロングスパートが理想で、今日はフェノーメノの捲る直後をついて回ったのでその形になりました
これもやっぱり走る馬で、まだキャリア4戦でこういう柔すぎるディープは古馬になってもう一皮むけるケースが多いですから、来年はエプソムCぐらい勝つんじゃないですか
まあそんなわけで、外捲りがきく馬場ならフェノーメノが勝ってダノンジェラートが好走しても納得なんですが、どのみちスカイディグニティは拾えないので仕方なし(^ ^;)
半兄ゴールデンダリア(父フジキセキ)は新潟大賞典やプリンシパルなどに勝ち、07年セントライトはロックドゥカンブの2着でしたが、こちらは父ブライアンズタイムでGraustarkとAllegedを通じるRibotとFlower Bowl≒Determineのクロスですからより加速が重厚ですね〜
ブライアンズタイム×ノーザンテーストの組み合わせというのは、Roman≒Chop Chop的パワーとFlower BowlLady Angela的粘り成長力は保証付きなんですが、両者の体型の伸びのなさもかなりの確率でONになっちゃうので、ティコティコタック、プリサイスマシーン、ナリタルナパーク、ヴァンクルタテヤマ、ブリリアントロード、アブソリュート、セイクリッドバレー、マイネソーサリス、セイリューオー、ゴールドアグリ、レインボーダリアと、ま〜だいたいこんな感じになっちゃうんですが、この馬は背中が長くてAlleged的体型がONになっているのが(少なくとも長いところを走るぶんには)いいですね〜
ちなみにブライアンズタイムとAllegedの組み合わせには、幻のオークス馬といわれたトレンドハンターや、幻の菊花賞馬とは誰もいわないけれどタニノギムレット産駒としてはわりとステイヤーの匂いがするクレスコグランドなんかがいます
繰り返しますが、月曜の中山と阪神の芝は枠順や脚質の有利不利が少ないいい馬場で、これが今週も続くことを祈ってます
エンパイアメーカーに合う肌を探せ
とある馬主さんが種牡馬エンパイアメーカーをいたく気に入られて、これに合う牝馬を手頃な値段で手に入れて種付けしよう…ということになり、
「まだ具体的なアタリは何もつけとらんのやけれど、とりあえずエンパイアメーカーに合いそうな、お手軽価格で手に入りそうな繁殖をザックリあげてくれ」
…という、まあほんとにザックリしたオーダーが(^ ^;)
あまりにもザックリしているので、ここでお題にして皆様のご意見も拝聴してあれこれ語るのも面白いかなあ…と思ったわけですが、ようするに「父○○の牝馬は?」とか「△△系の牝馬はどうじゃ?」ぐらいの感じで、ダ中距離で上級で長く走ってくれればOKらしいです〜
エンパイアメーカー血統表
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a010542/
主な産駒
http://www.pedigreequery.com/acoma5
http://www.pedigreequery.com/country+star3
http://www.pedigreequery.com/grace+hall
http://www.pedigreequery.com/icon+project
http://www.pedigreequery.com/mushka2
http://www.pedigreequery.com/pioneerof+the+nile
http://www.pedigreequery.com/royal+delta3
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102831/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102408/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110060/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110023/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009110094/
「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」ローレルクラブを更新
さきほど「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」ローレルクラブから2頭ピックアップしました〜(11年生、12年生1頭ずつ)
先週のピックアップ馬は、シンジュボシ(父ダイワメジャー)は馬群を気にしながらもバラけてから伸びて3着、6→3→2着ときてもう順番かと思われたドリームハヤテ(父メイショウボーラー)は揉まれて惨敗(^ ^;)、そしてレッドアリオン(父アグネスタキオン)はスローの逃げ切りを捕まえきれず2着と3頭とも勝てずでしたが、ま〜それぞれ血統配合の良さはレースぶりに垣間みられているので、この先順調にいってくれれば…と
ロードシュプリーム(父ロードアルティマ)、マイネルブルズアイ(父アルデバラン)、ローブティサージュ(父ウォーエンブレム)、サンブルエミューズ(父ダイワメジャー)など、ピックアップ馬が続々勝ち上がり!
栗山求・望田潤の「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」
http://miesque.com/c00009.html
エンパイアメーカーに合う肌を探せ(2)〜着地点はバトルバニヤン?
皆さま多数のコメント、本当にありがとうございますm(_ _)m
すべて目を通させていただいた上で、私なりに考えたことを書いてみると…
自説ですが、「DominoとSundridgeのスピード」を「TeddyとMan o'Warのパワー」が支える…というのが有力な北米血脈の図式で、そこにNasrullahやNorthern Dancerを取り込むことでStorm CatやSeattle SlewやMr.Prospectorなどが生み出されてきたという歴史があります
エンパイアメーカーの場合は、父UnbridledがAspidistra4×4とRough'n Tumble4×5、母父El Gran Senorの母Sex AppealがBusanda≒Mr.Busher2×3、そして自身はIn Reality4×3にBuckpasser5×4にRough'n Tumble5・6×5で、In RealityはWar Relic3×3ですから、上記のバランスでいうと「TeddyとMan o'Warのパワー」のほうが勝っている構成で、だからダート中距離のパワーを確実に伝えるわけです
これをもうちょっと柔らかさや軽さを増す方向にもっていきたいのならば、ナスキロ血脈をもってきたり、「DominoとSundridgeのスピード」のほうを増す方向=エンパイアメーカーの持つ血でいうとTom FoolやBold Ruler、あとMr.Prospectorなんかを狙ったクロスをつくる、というのがまあ考えられる方向
フェデラリストの場合は「サンデー×ミスプロ×Buckpasser」のA級配合形ですが、父に「War AdmiralとLa Troienne」が多いので、それに対して母母ダンシングキイのFlaring Top≒Tom Fool3×4で「DominoとSundridge」軽さを補ったバランスがポイントじゃないかと思っとります
ただダンスパートナーで成功したからダンスインザダーク肌で…という筋が正解かというと、私はそこはあんまり安易に走りたくないというか、フェデラリストはそもそもエンパイアメーカーのスタンダードな成功例とは言い切れず、だって他に芝上級に出世した馬はほぼ皆無なわけで、そういうちょっと異質で突出した成功例を基準に考えるのは、少し違う気もするんですよね〜(基本的にサンデー系の繁殖とは合う種牡馬だとは思っていますが)
「まあまあ、フェデラリストは母ダンスパートナーだから」ということでちょっと横に置いといて、ダ1800mであくせくお金を稼いでいる、スタンダードなエンパイアメーカー産駒のスタンダードな成功例を基準にしたいです
エンパイアメーカーは米血に偏った血脈構成なので、それに対して欧血の雄トニービンの名前をあげる方がけっこうおられましたが、Icon ProjectとPioneerof the Nileの母父Lord at Warとか、Acomaの母父Danzigとか(Danzigは血脈構成的には半分以上はDominoの洗礼を受けていない)、Grace Hallの母父Ezzoudとか、イジゲンの母父Dixieland Bandとか、ティアモブリーオの母父アラジとか、こういう欧血主体の血を母父か母母にもってきて、「3/4米,1/4欧」の形にするのが成功しやすいんじゃないか…というのはまず一つあります
ゼンノロブロイやクロフネのような米血偏向サイアーが、トニービン牝馬に首ったけなのと同じ理屈ですね〜
一方でこれまた皆さんご指摘のように、Country Star(母父Metfield)、Grace Hall(母母母父Seattle Slew)、Mushka(母母父Seattle Slew)、Royal Delta(母父A.P.Indy)とSeattle Slewとの相性が抜群で(Icon Projectの母母もSecretariat×Hail to Reason×War Admiral×La Troienneですから疑似Seattle Slew)、日本でもSeattle Slew持ちはイジケンにオールドパサデナとどちらも上級に出世しており、このBold Ruler直系最有力ラインと相性が良いことが、現在北米リーディングをひた走っている理由の一つでもあるのでしょう
この組み合わせはBusandaの3/4同血継続クロスだけでなく、Bold Rulerのクロスになる点とナスキロ柔さを補える点がエンパイアメーカーからみてプラスなのだろうと考えています
ただたしかにSeattle Slewとの相性はいいけれど、たとえばBusanda的(War AdmiralとLa Troienne的)な血ばかりをガンガン攻めたような配合の成功例も意外に少なくて、基本このラインについてはエンパイアメーカーはもう満腹で、必死こいて増幅したりいじくったりしなくてもいいんじゃないかと
Icon ProjectやPioneerof the Nileのように、母父にハイインロー的1/4欧をもってきながら母母にボルキロ的組み合わせを入れ、「BuckpasserさんAspidistraさんIn Realityさん、長い間ご苦労様でしたm(_ _)m、これからはナスキロとハイインローで頑張っていきます」的な方向転換は無理がなくて好感ですね〜(Royal Detlaも母父A.P.Indyで母母がLyphardとHyperionなので上記2頭とやってることは同じ)
ま〜そんなわけで、父か母がハイインロー的欧血中心で、それ以外の部分にSeattle Slewを引き、NasrullahやTom Foolの柔らかさをソコソコ受け継いでいる牝馬…というのが、皆さまのご意見も拝聴 したうえでのザックリ浮かんできたイメージですかね〜
エルコンドルパサー肌はなかなかいい感じですが、父も母父もクロスがうるさい同士なので、母母のところはちょっとアウトサイダーな血でまとめたいかなと
タヤスツヨシ肌でMagicのクロスも面白いんですが、その場合も母母がトニービン×ノーザンテーストとか、Nureyev×Blushing Groomとか、そんな感じがベターでしょう
ファルブラヴ肌はエンパイアメーカーうんぬん抜きにしてもけっこう注目でしょうね〜
あとWild RiskいじるならTom Fool≒Spring RunにもなるBlushing Groom経由がいいんじゃないかとも
ジャングルポケット肌なんてハマればLord at War並の長打力が期待できそうですが、母母にTom FoolやBold RulerやHaloやミスプロやらを少なからず入れてあげないと、背中が長くて体質の硬い、東京ダ2100mをバッサラバッサラ追い込む馬になりそうな(^ ^;)
けっきょくね、同じ父×母父の組み合わせでも残りの1/4でまったく配合のコンセプトが違ったりするので、全体のバランスをみないと何ともいえないところがあるし、○○の肌なら何でも走るとは一概に言い切れないんですよね…
というわけで着地点としては、バトルバニヤンが牝馬やったらほぼ満点で(^ ^;)、そんな感じの牝馬を探しましょう…と言ったところで先方にはあんまり伝わらないと思うので(^ ^;)、もうちょっと具体的に例示するしかないのかなと…
ま〜まだ結論を急ぐ段階でもないし私ももうしばらく考えてみるので、暇な人はこっちのエントリで遊んでください(^ ^;)
エルコンとマンボネフューとトロワボヌールにおける「3/4と1/4の概念」
「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週分を書いているところですが、エンパイアメーカーのところで「欧米血脈の3/4と1/4の概念」について書いたこともあり、今回はサンプルとして書き上げたばかりのマンボネフューの評価を掲載することにしました〜
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マンボネフュー(牡 美浦・国枝)
バゴ×セカンドハピネス(Storm Cat)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104441/
母セカンドハピネスはStorm Cat産駒でKingmamboの半妹、その母MiesqueはマイルG1を勝ちまくった名牝で名繁殖でもあります。バゴとの配合はNureyev3×3となりますが、バゴの代では母母Coup de Folie、そしてマンボネフューの代では母父Storm Catが、「3/4欧、1/4米」の1/4米血=1/4異系っぽく注入されているのがポイント。NashwanとMiesqueの重厚で底力溢れるハイインロー血脈を増幅した配合なのに、Red God≒Halo≒TerlinguaとFair Trialの継続クロスでヴィクトワールピサのような抜群の俊敏さ機動力があるのが素晴らしく、この鞍上なら皐月をひと捲りの絵まで浮かんできます。
A:芝ダ1800〜2200m
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名馬エルコンドルパサーの名配合において、Nureyev≒Sadler's WellsとSpecial=Thatchばかりがクローズアップされるのはまあ仕方ないですが、この大胆な欧名血クロスの陰でMr.ProspectorとSeattle SlewというA級米血がそれぞれの代で1/4異系的(3/4欧,1/4米)に使われているというのも見逃せない事実で、たとえばここがMr.ProspectorでなくSharpen UpでSeattle SlewでなくCaroだったならば、この眩しいばかりの3/4同血クロスはここまで光り輝くことはなかったのではないか…とすら思っています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995108742/
マンボネフューはバゴとMiesqueを通じるNureyevの3×3、しかもHeight of FashionとFlower Bowlの脈絡も相当なスタミナを主張してきますから、これだけみるとカドラン賞向きのステイヤー配合とすらいえるのですが、ハイインロー血脈を強く増幅する一方で、バゴの代ではCoup de Folie、そしてマンボネフューの代ではStorm Catと、最高の米血スピードを1/4異系的に注入しているというのがポイントで、つまりやってることはエルコンと同じなわけです
3/4の継続クロスが配合の幹で、1/4異系的な部分がサブの要素だとすると、エルコンやマンボネフューは並のチームなら中軸打てるMr.ProspectorやSeattle SlewやStorm CatやCoup de Folieに送りバントとか右打ちさせてるような贅沢な配合で(そしてそのつなぎが阿部のスリーランへとつながる)、良血とはこういうのをいうべきなのでしょう
トロワボヌールの場合は母がサンデー×Kris×Seattle Slew×ですから「3/4欧,1/4米」のバゴに「3/4米,1/4欧」の牝馬を持ってきてHaloをクロスしましたという、これはバゴに米血スピードを補って先行力機動力を出すには最も無理がなく成功しやすい形で(先行か捲りでないとバゴのハイインローは宝の持ち腐れ)、ビッグウィークもオウケンサクラもこのパターンです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103823/
こちらはHalo≒Red Godのニアリークロスが中軸を打つ配合ですから、マンボネフュー型よりも日本の高速馬場では成功率は高いのはたしかで、トロワボヌールもイン伸び馬場で外回していい脚長く使ってて、母チューニーを少しハイインロー的粘着型にした感じで、これもオウケンサクラぐらい走りそうで、バゴフリークにとっては盆と正月な連休だったんじゃないかと(^ ^;)
今回エンパイアメーカーお題でやってみて、いろんな人のコメントを読んで改めて痛感したことは、ある種牡馬(繁殖牝馬)からみてクロスする血とか血脈構成のバランスとか、正解は決して一つではないということで、繁殖としての配合までにらむのかどうかでまた変わってもくるし、最後の最後はそれぞれの信念や流儀で決めるぐらいのことなんやと
私の場合はIcon ProjectとPioneerof the Nileの配合形が今まで培ってきた理屈に沿っていて、ここから次世代の配合も考えやすいってことで、そんななかで頭に浮かんできたのがバトルバニヤンだったわけで、別にジャングルポケット肌をイチオシしてるわけではないんですが(^ ^;)、ま〜でもあんまり詳しくない人にそういうニュアンスを伝えるのって難しい…
そうすると結局セリ名簿でオーダーに応じてピックアップ…というのが一番話が早いんですが、牧場や調教師との付き合いとか預託とか仔分けとかいろいろしがらみがあったり、人付き合いだけで毎年1,2頭持ってるような馬主さんも多いですから、「こないだ選んでくれたアレな〜、○○先生がこっちにしてくれって言ったから話変わったから」ってな結末で脱力ということもあるのです…
ま〜本当に血統突き詰めてやってる人なら自分で配合したいし自分で選びたいに決まってるわけで、そういう人に参考意見的に聞かれるのがこっちとしても話が早いし楽でいいんですけどね〜(^ ^;)
「2歳勝ち馬評価」先週分を5頭アップ
先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週分を5頭アップしました〜
残念な知らせが二つ、一つはウインバリアシオンとパララサルーが脚部不安で休養とのこと…
もう一つはリンカーン死亡のニュースで、まだ12歳なのに…とこちらも驚きでした
グレースアドマイヤ譲りのFair Trial的機動力で走る馬で、内回りでは???????????、?着2回はスイープトウショウ、ハーツクライ、ゼンノロブロイと入線した宝塚と、ゼンノロブロイ、サクラプレジデント、ネオユニヴァースと入線した神戸新聞
母がトニービン×Sadler's Wellsですからスタミナもあって、中山2500mで◎、他の内回りでは○▲ぐらいの評価で通していれば馬券的にいいお付き合いができたはずなんですが、デビュー当時は私も「アドマイヤベガと同じサンデー×トニービンやからダービー向きか?」なんて思ってました
父と母父が同じでも残りの1/4でタイプが全く異なるという好例ですが、もう晩年になってからですかね〜、この馬内回りだといつも上手にスイスイ捲るよなあ…と気づいたのは
でもそれはヴィクトリーの皐月賞◎などに活かされました、感謝とともに合掌…
産駒もデルマドゥルガーとかマスイデアとかプロフェッサーとかボーイフレンドとかオマワリサンとか、内回り小回りを機動力で頑張ってます
エンパイアメーカーのお題が思った以上に盛り上がり、3日間開催の余波で一日前倒しだというのに私もついつい長文連発してしまって(^ ^;)、さっきレースはザッと見直したんですが先週の雑感はお休みしますm(_ _)m
ま〜簡単に振り返ると阪神は3日間とも公平馬場、中山は土日インベタ日曜突然公平馬場ということで(^ ^;)、ぼちぼち神戸新聞の血統クリニックに手をつけないと…
ベールドインパクトのコース適性と、ミルドリームの距離適性について
神戸新聞の「血統クリニック」を入稿したところですが、ここでは伏兵2頭についてちょっと書いてみようかと
ベールドインパクトはコイウタの3/4弟で、「サンデー×ミスプロ×ヒッテングアウェー」のA級配合形でもありますが、母系のTom RolfeやLa Troienneのパワーがオンになった馬で、ディープ産駒にしてはあまりストライドが伸びない走りだから、内回り小回りで捲る脚質だと書いてきました(だから◎にしたのはすみれSだけ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105730/
なんといっても阪神外1800mの未勝利勝ちがビックリで、14-1という通過順位をみてのとおり、外回りでも捲れるなら捲ったれい〜と、デム兄らしい大ざっぱで豪快な捲りで決めてしまいました
この馬のようにディープインパクトにTom RolfeをもってくるとPocahontas(Roman直仔でBuchan3×5)のクロスになり、このパターンはヴィルシーナ、シュープリームギフト、ディープサウンド=ラスヴェンチュラス、ジョンズコール、アルティシムス、モスカートローザなどがいますが、Roman的なパワーの要素がONになりやすいのでディープ産駒としては小回り向きパワー加速になりやすいのです(ラスヴェンチュラスはWild Riskの6×5がONになってナタ斬れしますが)
白井で外枠を引いてしまったチェリーメドゥーサに◎が打ちきれないので無難にジョンズコールから入ったのですが、そのときにも書いたようにジョンズコールは母母がRoman5×4などでブレイヴェストローマンのパワーを増幅していて、中山で俊敏にイン差しできるような機動力はある馬ですよ
ミルドリームはシンボリクリスエス×フジキセキ全妹でボルキロ(Bold RulerとPrincequillo)のクロスで、配合どおりの柔らかなストライドで走る馬です
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106003/
新潟外マイルの新馬でエネアドと叩き合い、続く阪神外1800mの未勝利戦をアッサリ差しきったときから、“長めセイクリッドバレー”と命名して東京外回り向きだと書いてきましたから、内2000mの福寿草で凡走後に出てきた外2400mの梅花賞で◎にしたときは得意満面でした
しかし内回りのすみれや若葉で少し甘くなったのは仕方ないとして、道中13秒台が一度もない緩みないラップの青葉賞では直線伸びあぐみ、4か月の夏休みをもらった後の前走弥彦特別ではラスヴェンチュラスと同着のレイカーラを相手に役者が一枚上という勝ちっぷり
そのときにも書いたのですが、これだけ強いと長いところよりも1800mぐらいがベストで、距離適性的にもセイクリッドバレーと近いものがあるのではないか…と
フジキセキの3代母MillicentはBold RulerとPrincequilloの組み合わせですから、シンボリクリスエスをもってくるとSeattle SlewとMillicentを通じるボルキロのクロスになるわけですが、「シンボリクリスエス×フジキセキ全妹」という配合は他にシャイニンアーサーやクリスティロマンスがおり、どちらも成績からは1800m>2000mという距離適性です
また同じような配合パターンとして、「シンボリクリスエス×サイレントハピネス&スティンガー全姉妹(母系に入るChieftainがBold RulerとPrincequilloの組み合わせ)」を調べてみると、サイレントメロディ、サトノギャラント、サイレントフォースと、やはり1800m>2000mという傾向があるのです
他にも「シンボリクリスエス×サンデー×母母にボルキロ血脈」という配合パターンを検索してみると、ナイトフッド(母母にSecretariat)やフジマサエンペラー(Seattle Slew4×4)と、やっぱり1800mベストやなあという馬が引っかかるんですね〜
そしてシンボリクリスエス×フジキセキという組み合わせからは、スプリングSと毎日王冠に勝ったアリゼオが出ています
というわけで、阪神外2400mでのミルドリームの取捨は、スタミナ的に1800m寄りのレースになるかどうかじゃないかと思うわけです
血統クリニック〜神戸新聞杯 ヒストリカルについて訂正
昨日更新の「血統クリニック〜神戸新聞杯」における、ヒストリカルの記述について誤りがあったので、ここで訂正したものを再掲しておきます
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ヒストリカルはカンパニーやレニングラードの半弟で、トーセンホマレボシとは同血(父ディープインパクトが同じで母が全姉妹)の間柄。こちらはノーザンテーストのマイラー体型と牝系のスピードを受け継いだのでカンパニーに近いタイプで、2400mは少し長いか。
土曜のボツ予想〜ナカヤマフェスタ的配合に挑戦状を叩きつけるオルフェーヴル的配合
「血統屋メールマガジン」で栗山さんが書いてる「思い出のこの血統」シリーズは、私も一読者として毎週楽しみにしていますが、今週は懐かしのオールカマー圧勝ジュサブロー
私もあの勝ちっぷりに惚れてJCで応援したクチで、当時京都タワー地下街の飲み屋であくせく働いて稼いだバイト代を注ぎ込んでしまいましたが(^ ^;)、今思えばシーホーク(ステイヤー)×サウンドトラック(スプリンター)という配合は典型的な中山>東京の捲りの中距離馬が出るパターンで、その後は日経賞でミホシンザンの2着、ダービー馬ダイナガリバーに競り勝って気を吐きました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1982102353/
毎週発刊中!血統屋メールマガジン(栗山求と望田潤が土日の予想や血統情報などを配信)
http://www.mag2.com/m/0001305873.html
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行川は◎ディサイファ
ディープにミスプロでクロスがHalo≒Sir Ivor3・5×6ですから柔らかさはあるのですが、母ミズナはグラスワンダーの近親でRaise a NativeとSwapsのクロスで、ここから蛯名に「ダートのほうが合うかもしれない」と言わせるドタドタ走法を受け継いで、だかた東京や新潟外では何かに斬れ負けすると書いてきましたが、フェデラルホールを追うように捲った南相馬を見ての通り、捲りのきくコースならば◎でいいでしょう
逃げ馬不在でスロー想定だけに、ビワハイジ的小脚で俊敏に捲る▲アロヒラニの巻き返しがありそうですが、中山は月曜こそ外捲りもきく馬場になっていたとはいえあれは雨の影響もあったと考えられるし、Cコースでまたインベタになるかもしれないし、現時点では外枠から入りにくいところはあります
インベタなら△トウショウレイザーと△ケルンフォーティーの前残りも少し警戒ですが、チェリーメドゥーサと同じシックスセンス産駒でデインヒル的ドタドタ走法で昨年のこのレース2着の☆アルティストもインに潜れば
九十九里は◎フェデラルホール
ノーザンテースト4×3に、Determine(Alibhai×Mahmoud)、Alycidon(Donatello×Hyperion)、そしてMolly Desmond牝系のガーサントと、Lady Angela増幅の仕掛けが万全の「ステイゴールド黄金配合」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106104/
しかしこうしてみると、アンデスレディー(=シャダイチャッター=シャダイスピーチ)は、Sans Souci3×4のガーサントを文字どおり1/4異系とし、残りの3/4をHyperionとNearcoのクロスでかため、しかもMolly Desmond-Pretty Pollyの継続クロスにもなっているという、そりゃあ子孫繁栄しまっせ〜というべき好配合になってます(善哉氏のPretty Polly好きは有名)
血統にはこだわらない、いいものは買う、買えるものならチャンピオンは全部買う…というのが社台のやり方だとすれば、だからこそLady Angela3×2で豆タンクのような体型のノーザンテーストとか、Grey Sovereign系の中堅種牡馬にHyperionを重ねて突然凱旋門賞を勝ったトニービンとか、Gainsborough傍系の荒くれ者ディクタスとか、Hermit系の仏リーディング種牡馬ガーサントとか、La Troienneの名牝系にTourbillon系という米仏アウトサイダー配合のヒッティングアウェーとか、多くの失敗のなかによくぞこういう貴重な血が日本に入って遺ったもんだという歴史があることは認めなければならず、ノーザンテーストのLady Angela3×2にディクタスやガーサントやヒッティングアウェーをアウトブリードすることによって、ダイナカール牝系もサッカーボーイ牝系もダイナシュート牝系も、そしてシャダイチャッター=アンデスレディー牝系も活力を増し子孫を繁栄させてきたのです
つまりオルフェーヴルとはノーザンテーストのクロス以外にも、母父がTourbillon系のアウトサイダーであること、AlycidonをLady Angelaに脈絡させていることが共通する配合ということになりますが、残るべくして残ったダイナサッシュとアンデスレディーの子孫から、体型はやはりノーザンテーストがONになっていてしかしサンデーとフランス血脈の柔らかな体質もONになっていて、オルフェやドリームジャーニーほど才気走った俊敏さはないけれど軽々と捲ったあともどこまでも伸び続けそうな燃費の良い走りをみせるフェデラルホールが出たというのは、ダイナガリバーがダービーを制した年から血統をかじりはじめ、ノーザンテーストの手書きの血統表からありとあらゆることを教わってきた40代後半オヤジにとっては、血統表をみればみるほど胸熱です
もちろんここも蛯名は乗りたがっていたのですが、菊はナカヤマフェスタ的配合のフェノーメノがいますからここから隼人で…ということで、隼人で本気で菊を狙っているというのもなんかいいではないですか〜
タイセイグルーヴィは配合通りチョウサンにサダムパテックが乗り移ったような伸び方をするので東京向き、スペースアークもスペシャルウィークにナスキロで胴長で緩慢なストライドで、相手はシンボリクリスエス産駒ながらダイワメジャー牝系の機動力で中山をスイスイ捲る○ナンデヤネンと、ティファニーラス牝系にRobertoとDanzigとAlydarが入った△ヤマニンアーマー、この2頭に絞って隼人を応援
阪神12は◎サンライズトゥルー
母がリアルシャダイ×ノーザンテーストでこのパワーが出た走りで、これは京都外より阪神内のほうが絶対パフォーマンスが上がるタイプで、ムーニーバレー4着よりパフォーマンスが上がるとすればまず勝ち負け
相手もネオユニ×ブライアンズタイムらしく小回り2000mで機動力をみせた○ダイシンハンターで、この母父Roberto系馬券でいってみたいです〜
土曜のレース回顧〜もぎとった最終切符
阪神10R 夕月特別
◎9.ハワイアンウインド
○12.アナスタシアブルー
▲8.サンレガーロ
△2.コウエイオトメ
×10.リトルダーリン
注4.ラシンティランテ
◎はラスヴェンチュラスとレイカーラが叩き合った7/15のハイレベル平場戦で4着だから、次走小倉でレコード圧勝も当然。母はディープインパクトの半姉で、父父がキングマンボで母父がデインヒルで母母がウインドインハーヘアという、英オークスを勝っても誰も驚かない本格派の欧州中距離血統だ。体重が20キロ以上も増えて上昇一途を辿る3歳馬で、胴が長くてナスキロ柔い体質だから外回りの斬れ勝負でも見劣らない。ここで底が割れることはないだろうし、秋華賞への最終切符をゲットするとみた。○もライラプスの娘でマツクニ厩舎らしい凄いトモをしているが、ファルブラヴ×フレンチデピュティでパワーでグイッと加速するので、どちらかというと小回り内回りがベターかもしれない。
阪神9R ききょうS
◎2.プリムラブルガリス
○10.ワキノブレイブ
▲9.アウトシャイン
△4.プリンセスジャック
×1.ジェネクラージュ
×3.ローガンサファイア
注5.ドリームマークス
注6.マルシゲサムライ
混戦だが◎から入ってみたい。フレンチデピュティ×サンデーサイレンス×ナイトシフトだから米血パワーの勝った配合だが、それだけに母系の奥にハイインロー血脈の凝縮があるのは好感。デビュー戦は4角で不利がなければ勝ち負けだったはずで実際前走は大楽勝だったし、血統体型から距離も1400mあたりがベストだろう。このメンバーならハナもありうる。
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夕月はハワイアンウインドが直線狭いところをこじ開けて、アナタスシアブルーをハナ差だけ、しかしねじ伏せるように差しきって秋華賞最終切符をゲット
7/15のラスヴェンチュラス=レイカーラ戦の1〜4着馬はずっと追いかけてますが、その後は??????でこの?がローズ3着も含めいずれもハイレベルな内容ですから、あのレースはほんとに凄かった
ハワイアンウインドもラスヴェンチュラスもハイレベルなところでメイチの競馬が続くだけに、本番でどの程度お釣りが残っているかがカギでしょうが、お釣りが残っているようなら何らかの印は回すつもり
日曜の外房にはレイカーラが出てきますが、新潟外1800mと中山1600mでは2馬身ぐらいパフォーマンスが違う馬やと思ってるので、2馬身パフォーマンスが落ちても勝てるかどうかこれから考えます
プリンセスジャックはここでも勝ち負けの力はあると思ってたんですが、母父アフリートで「馬群を嫌がる」という陣営のコメントを読むと外枠がよかったかなあ…と思えてきてちょっと評価を下げたんですが、今日のレースぶりなら問題なしですね〜
で、これは次のキャロット会報のコラムとかいろいろネタバレになっちゃうんでまだあんまり書きたくないんですが、ダイワメジャー×アフリートというのは勝ち上がり率100%の鉄板配合で、なぜ鉄板かというとアフリートの母父Venetian JesterがDroneとニアリーだからです(ダイワメジャーとDroneのニックスは今さら説明不要でしょう)
プリムラブルガリスはハナを切る構えもワキノブレイブが外から来たので、これを行かせて番手マークに切り替えたまではよかったんですが、ワキノが直線半ばで一杯になってしまったのでそこで進路がなくなってしまいました…
あれローガンサファイアの外に出していれば同じぐらいの脚で上がれたと思うんですが、岩田の1人気が逃げたのだから後ろにつけておけばOKと考えたのも当然で、私もおうそこでいい、岩田の後ろにくっついていけ〜と声をかけてたぐらいで、浜中は責められないです…(^ ^;)
こちらは菊の最終切符をシッカリつかんだフェデラルホールは、パドックをみて思ったことはとにかく体型と肉付きに全く無駄がないのがいいですね〜
こないだMahmoudさんちのブログでオルフェーヴルとドリームジャーニーの走法の話をしてたんですが、オルフェーヴルの各レースのストライド幅を10cm単位で計測されていて相変わらず凄いです(^ ^;)
http://ameblo.jp/mahmoud1933/entry-11357935768.html#main
オルフェーヴル兄弟とフェデラルホールはノーザンテーストのクロスで馬体のシルエットはいずれもノーザンテースト的なのですが、オルフェーヴルは柔らかな筋肉がいっぱいついていて、ドリームジャーニーは硬めの筋肉がいっぱいついていて、フェデラルホールは柔らかな筋肉が必要最小限だけついている感じ
だから馬ナリで走っているときの燃費が抜群によくて、同じフォームのままいつまでも走り続ける感じで追ってバーンと弾けないので後続を突き放すことはできませんでしたが、それがこの馬をステイヤーとみる根拠の一つでもあるのです
ディサイファはえらい後ろから、ドタドタと大外を捲って今日も2着でしたが(^ ^;)、やっぱり中山のほうが勝ち味はありそうな
そして蛯名がああ乗るということは、土曜は外捲りOKの馬場だったと
先週の雑感・小倉編〜やはりハイレベルだったレイカーラ=ラスヴェンチュラス戦
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/e9482f0e79b76ec3da4006d8c64e983e
日曜のボツ予想〜マウントシャスタは幕の内弁当か
阪神芝は稍重発表ですが、1R2Rをみるかぎりちょっと泥は飛んでますがそんなに走りにくそうな感じはなく、これから降らないなら良に近い稍重ぐらいの感覚でいいんじゃないかという時計
中山は稍重発表で今もしとしと降り続いてますから、重まで悪化も想定しつつ…
外房は△レイカーラが人気ですが、Caerleon×Mill Reefでナスキロ柔さを伝えるカーラパワーの娘で、脚長でただでさえ外回りで斬れるタイプだけに中山で道悪だと押さえでしょう(ちなみにカーラパワー産駒は芝重不[0.0.2.4])
△ディープサウンドはラスヴェンチュラスの全兄ですが、こちらは主にデインヒルがONになった体型走法で中山のパワー勝負歓迎、ただ道悪で大敗したときに「上滑りする馬場はダメ」というコメントを読んだ記憶が…
◎はロイヤルクレスト
母はRaise a Native4×4ですが、Alibhaiを3本引きHyperion4・5×4のダイナガリバーも入るので体質がHyperion硬くて、行くだけ行って上がりのかかる決着に持ち込んでパワーで踏ん張るというタイプ
ゴールドシップのイン捲りの余韻さめやらぬ最終の春興Sで、一頭だけ4角でもラチ沿いを回って粘りに粘ったように荒れ馬場は大得意(馬場が渋ったときは[1.3.0.1])、そして1600mでハナをきったときは[3.3.0.0]、前走行けずに大敗しただけにここは譲らないはず
ダイワメジャー牝系の中山巧者で道悪もこなす○ヒシカツジェームスは無難な相手ですが、道悪なら▲レトと☆フェスティヴタローを○と同格の相手本線で
甲東は△ショウナンラムジが人気ですが、母のBold Ruler5×5・5の軽さで京都の軽い馬場フワッと…というイメージが強いマイラーで、阪神で稍重ならフジキセキ×ユタカオーのダイタクリーヴァ配合で母母父がサドラーのぶん硬肉で力馬っぽくなった◎タマモコントラバスが、1500m??、1600mも現級でクビ・ハナ・ハナ・ハナの5着があり距離不安なしというかむしろ1600mベスト、稍重[0.1.1.1]重不[1.1.0.0]で軸としては信用できそう
○ニシノスタイルは母がナスキロのクロスで動きが緩慢でエリンコートのマイラー版みたいなイメージがあるので、外マイルで馬場が渋るというのはこれも条件揃った感あり、△アルティシムスも渋るのは歓迎ですがこれはディープにTom Rolfeらしいガシャガシャ走りで内回り向きですから、◎流しと◎○流しでいきたいです
ムーンライトはこれだけ人気がないなら◎エドノヤマトでいってみたいですね〜
東プリと関東オークスに勝ったヘイワンリーフの息子で、洋芝や道悪で狙いたい力馬で、外回りより内回りがベターでもあります
前走はスローで上がりが速く4着が精いっぱいでしたが、復調は感じられる内容でしたよ
神戸新聞はマウントシャスタは○にしましたが、この馬の配合はディープにCaerleonにフレンチデピュティですからナスキロ的斬れを増幅し、BurghclereにVaguely Nobleですからハイインロー的スタミナも最良のラインで押さえてあって、これだけみるとビワハイジの子供のようにグニャグニャ斬れそうなんですが、母がLa Troienneのラインを3本引く(だから産駒はダート巧者が多い)のでパワーも兼備していて、ようするにディープ産駒としても斬れもスタミナもパワー押さえましたという、特選幕の内弁当みたいな配合になっとります
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106130/
ボレアスよりもナスキロ柔さがONになっているので外回りで斬れるし、宝塚で荒れたインに突っ込んで見せ場をつくったようにパワーも十分で、中距離なら先行差し自在で何でもできるオールラウンダーですが、すべてのカテゴリで90点だけど突出した武器を持たないので大きなところでは善戦マン的なポジションに落ち着くんじゃないか…という予感もあって、ま〜道悪は上手だと思うので今日は成長度合いとともに、川田がマウントシャスタをどういう馬だと思って乗ってくるのか、そこにも注目したいです
ゴールドシップなんてスピードの乗りは遅いけれど乗ってしまえばストライドを伸ばして惰性でいつまでも伸び続けるという、長所も短所もハッキリしてるカラアゲ弁当大盛みたいなやつで、でもこういうキャラがハッキリ立ってる馬のほうが、鞍上も作戦を立てやすいし長所を活かしやすいという面はあると思うんですよね〜
種牡馬ステイゴールドは、本当に「肌馬に恵まれてない」のだろうか?
神戸新聞、セントライト、そして最終切符の九十九里と、菊へのステップはすべてステイゴールド産駒が優勝し、またオールカマーでは腰回りが逞しくなったナカヤマナイトが快勝、そしてロンシャンではオルフェーヴルが凱旋門賞に王手
オルフェーヴルとゴールドシップは母父メジロマックイーン、フェノーメノはデインヒル、ナカヤマナイトはカコイーシーズ、フェデラルホールはドクターデヴィアス
「肌馬の質を考えたら、実質的なリーディングサイアーは(ディープインパクトではなく)ステイゴールドじゃないか?」とはよく言われますが、う〜んどうなんですかね? そう単純なことでもないんじゃないか…とも思うんですよね〜
たとえば父ディープ×母父Caerleonの組み合わせは9頭のうち6頭が勝ち馬で重賞ウィナーが3頭出ていますが、ステゴ×Caerleonは4頭のうち勝ち上がったのは1頭だけ、それも1勝馬にすぎません
またディープ×トニービンは17頭中11頭が勝ち上がりグルヴェイグ、コティリオン、ラウンドワールド、ロードアクレイムと4頭のオープン馬が出ていますが、ステゴ×トニービンは22頭中9頭が勝ち上がり、オープン馬はバウンシーチューンだけ
ま〜Caerleonやトニービンの肌といっても、ディープの場合はビワハイジ級やエアグルーヴ級が勢ぞろいしているのですから、もちろんそこは同一視はできません
しかしTARGETで調べてみると、ステイゴールド全産駒の1走平均賞金は185万円ですが、これを母父別にみると、ブライアンズタイム139万、トニービン128万、アフリート44万、フォーティナイナー58万、ジェイドロバリー70万、マルゼンスキー170万、Caerleon73万と、非サンデー系のリーディングBMSの上位どころとの配合では、実は軒並み数字は下がってるんですね〜
そういえば伯父(母の全兄)のサッカーボーイも、シェイディハイツ、ニゾン、ニチドウタロー、パーシャンボーイ、ナオキといった、当時としてもマイナーな存在の母父から代表産駒級を次々と出していました
競走馬としてのステイゴールドは、サンデーとPrincely Giftの柔らかでしなやかな体質とディクタスのスタミナが主にONになった馬で、しかし少しだけパワーの血が不足していたというかノーザンテースト的な力強さはあまりONになっていなかったので、ここでトップスピードに乗りたい…というときにグイッと加速できないところがあって、だからいつも相手ナリに2着3着ということが多い馬だったのだと考えています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1994108729/
だから産駒の代では、ノーザンテーストの頑健さをONにするような配合、ノーザンテーストそのものをクロスするのはもちろん、ノーザンテースト≒The Minstrelやノーザンテースト≒Vice Regentをニアリークロスしたり(Deputy Minister持ち牝馬との配合はアイスフォーリスをはじめなかなか確率が高い)、Lady AngelaにFlower Bowlやリマンドを合わせたりする配合が成功しやすいのだ…ということは何度か書いてきました
日本の馬産において父や母父として成功をおさめて生き残ってきた血というのは、多くは高速芝を走るのに必要なしなやかさ柔らかさを伝える血なわけで、しかし種牡馬ステイゴールドはそういう血はあまり必要としないのです
たとえば同じノーザンテーストの血を引く繁殖牝馬でも、そこに柔らかな血をもってきて体質が柔らかくなって芝で好成績をおさめて社台に繁殖として戻った牝馬と、体質が硬いままで芝の良駒を出せずに放出された牝馬では、種牡馬ステイゴールドに合う牝馬は後者のほうが可能性は高いでしょう
となると、社台で繋養されなかったことも社台の牝馬にあまり配合されなかったことも、ステイゴールドにとって本当にマイナスだったと言い切れるのだろうかと
メジロマックイーン、タイトスポット、ポリッシュネイビー、カコイーシーズ、モガンボ、これらの肌から重賞勝ち馬を続々と出せる種牡馬は他にいませんが、だからといってCaerleonやKingmamboやSadler's WellsやA.P.IndyやUnbridledやHighest Honorやデインヒルやトニービンといったところとバンバン配合したとして(ま〜このなかではサドラーやデインヒルやKingmamboとは好相性でしょうが)、今より飛躍的に産駒成績が上がるとも私は思えないです
この喩えは前にも書きましたが、アウトローのベースの隅かすめるような高速スライダーを大ホームランするステイゴールドはそりゃもう絶対に凄いんですが、絶好球を見逃さず長打にする種牡馬、ビワハイジやエアグルーヴとの配合で確実にオープン馬を出す種牡馬というのもなかなかいないわけで、それはそれで評価されて大事にされて当然だろうと
重賞回顧の前ふり的なつもりで書き始めたら、長くなってしまったので別エントリで先に(^ ^;)これからレースを見直します
血統クリニック〜神戸新聞杯
「競馬総合チャンネル」では「血統クリニック」と題して、メインレースの出走予定馬の血統解説をしています
神戸新聞杯はこんな感じでしたが、ヒストリカルのところの誤植(○トーセンホマレボシ×トーセンジョーダン)は直しました(^ ^;)
今からリプレイみて重賞回顧をやろうかと思ったんですが、「一口馬主好配合馬チェック」シルクを早く早くという声が多いので、まあ半分近くは終わってるんですがまずこれを終わらせようかと
というわけで回顧は夜になる可能性が高いので、まず「血統クリニック」を再掲しておきますね〜
◆ハーツクライの成長曲線
カポーティスターはエピセアロームやサクラローレルの近親。母方のSeattle Slewの影響も強い長手の体型で、母にはナスキロ血脈が多く柔らかくストライドを伸ばすから、東京や外回り向きの中距離馬だ。小回り小倉で前目で立ち回った前走内容が良いし、ハーツクライ産駒はわりと晩成で3歳夏以降に一皮むけるから、ここは菊路線に名乗りをあげるような好走を期待したい。
◆パワー兼備のディープ産駒
マウントシャスタはボレアスの全弟だが、こちらのほうが父母のナスキロ柔さがオンになっていて外回りで斬れるし、宝塚記念で荒れたインに突っ込んで見せ場をつくったようにパワーも兼備している。ここも勝ち負けだろう。
ゴールドシップはステイゴールド×メジロマックイーンのオルフェーヴル配合で、ノーザンテースト≒The Minstrelのニアリークロス4×4でもあるが、Princely Gift5×5の影響で柔らかくストライドを伸ばして走る。皐月賞は荒れたインをすくって見事に抜け出したが、本来は東京や外回りを持続力で差す馬だ。ここは休み明けで上がりの競馬になると、トライアルらしい負け方になってしまうかも。
ミルドリームはフジキセキの甥で、シャイニンアーサーやクリスティロマンスとは同血(父が同じで母が全姉妹)の間柄で、シンボリクリスエス×フジキセキのアリゼオに似た配合形でもある。外回り向きの柔らかなストライドで走るが、前走の強さをみると上記馬たち同様、距離は1800mがベストかもしれない。
ヤマニンファラオは体型走法はダイワメジャーとBlushing Groomが強くベストは1800mだと書いてきたが、母父がSadler's Wellsで阪神2400mで勝ち鞍もあるし、週刊誌の立ち姿をみると前走時より胴が伸びたようにもみえる。
ブレイズアトレイルはファビラスラフインの孫でギュスターヴクライの甥。Hyperionベースの配合でまだまだ力をつけてきそうだし、ダイワメジャー×エルコンというのは小回り向きの血統だが、この馬は「サンデー×ミスプロ」の組み合わせ特有の柔らかさもあって弱点の少ない中距離馬だ。ここも相手ナリに駆ける可能性も。
ロードアクレイムはオークス馬レディパステルの息子。ディープ×トニービンはグルヴェイグやコティリオンやラウンドワールドと同じで、Wild Riskのクロスを持つのもラウンドワールドと同じ。少しジリ脚だが東京や外回り向きの持続力ある差し脚が武器で、上がりがかかれば食い込みの余地はある。
ローゼンケーニッヒは格下だが、シンボリクリスエスにMill ReefとSecretariatが入ってナスキロ柔く斬れるので阪神外回りは合っている。油断すると引っかかるので乗りにくいが、無欲の追い込みで前崩れなら。
ベールドインパクトはコイウタの3/4弟。母系のTom RolfeやLa Troienneのパワーがオンになった馬で、ディープ産駒にしてはあまりストライドが伸びない走りだから、本質は内回り小回りで捲る脚質だと思っている。
ヒストリカルはカンパニーやレニングラードの半弟で、トーセンホマレボシとは同血(父が同じで母が全姉妹)の間柄。こちらはノーザンテーストのマイラー体型と牝系のスピードを受け継いだのでカンパニーに近いタイプで、2400mは少し長いか。
メイショウカドマツはCourtly Deeの名牝系で「サンデー×ミスプロ×War Admiral×La Troienne」のA級配合形。ただし父がダイワメジャーで母父がRoberto系Kris S.だから、どちらかというと小回りで先行粘り込むタイプで、実際連対はすべて内回り小回りだ。
「一口馬主好配合馬ピックアップ」シルクHCから6頭ピックアップ
先ほど「一口馬主好配合馬ピックアップ」シルクホースクラブから6頭ピックアップしました〜(またしばらく経ってから、残口がある募集馬のなかからピックアップすることもあります)
先週は栗山さんの推奨馬が2頭勝ち上がり、昨年のピックアップ馬はここまで7頭が勝ち上がっています
一口推奨馬マジェスティハーツ、ホワイトフリート快勝!〜栗山求の血統BLOG
http://kuriyama.miesque.com/?eid=415
ロードシュプリーム(父ロードアルティマ)、サンブルエミューズ(父ダイワメジャー)、ディアデラマドレ(父キングカメハメハ)、ホワイトフリート(父クロフネ)、マイネルブルズアイ(父アルデバラン)、マジェスティハーツ(父ハーツクライ)、ローブティサージュ(父ウォーエンブレム)と、ピックアップ馬が続々勝ち上がり!
栗山求・望田潤の「一口馬主好配合馬ピックアップ2012」
http://miesque.com/c00009.html
日曜のレース回顧〜Blushing Groomのように
東京11R 毎日王冠
◎4.カレンブラックヒル
○10.リアルインパクト
▲12.ストロングリターン
△15.グランプリボス
×11.ダノンシャーク
×16.トーセンレーヴ
注1.シルポート
◎は母がドローン≒ターリングア3×3とルファビュリュー4×4、自身はスカーレットブーケ≒ストームキャット2×3と、ダイワメジャーのマイラーとしては最高に爆発力のある配合をしている。ただスピードが抜群なゆえにストームキャットの単調な面もみられたので、東京マイルをスピードだけで押し切れるのかどうかが半信半疑だったが、母からナスキロ柔さだけでなくワイルドリスク的なナタの斬れも受け継いでいるのが凄いところで、東京の直線で追っぱなしたら更にストライドが伸びて、フォームが大きくなって後続を突き放してしまった。ここでもスピードの絶対値では一枚上ではないかと思うし、東京1800mでも番手で押さえがきけばレースは楽で、開幕週の高速馬場でタイムトライアル的なレースになればなるほど有利だろう。○は安田記念を勝ったがマイラーというには動きがしなやかすぎて、ベストは1800mだと書いてきたし、だから去年の毎日王冠も◎ダークシャドウの○にした。実際1800mでは凡走したことがないし、今年は馬券的な妙味もあるからまた○としたい。
東京9R 六社特別
◎2.オコレマルーナ
○4.サトノギャラント
▲7.ハイクラウン
△8.ショウナンラムジ
×3.ディープフィールド
注6.コルノグランデ
◎○は2歳時に東京マイルのベゴニア賞で対戦しているが、直線で◎の進路を巧みに封じて差しきったのが○で、あれがなければもっと際どい競馬になったはず。ゼンノロブロイをマイラーにしたような馬で東京マイルはベストだから、この休養で気性的な成長があれば今度は雪辱できるとみたい。
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カレンブラックヒルはパドックで馬をみても、ダイワメジャーにしては筋骨隆々という感じではないし、Storm Catにしては体型に伸びがあって、じゃあ何がONになってるんだというと、母のLe Fabuleux4×4からくるWild Risk的な要素ではないかと思います
母がDrone≒Terlingua3×3で自身はスカーレットブーケ≒Storm Cat2×3で、ダイワメジャーとStorm CatのパワーとスピードがONになる仕掛けが最大限に施された配合なのですが、一方で母が持つLe Fabuleux4×4のWild Risk的な野性味もONになっていて、そこが他のダイワメジャー産駒やStorm Cat持ちとはひと味違う奥深さを感じさせるところではないかと、そういうイメージでいくと実は東京1800mがベストじゃないかと思えてきたので、素直に◎でいきました
ようするにRed God×Wild RiskでBlushing Groomが、Fappiano×Le FabuleuxでUnbridledが出たようなもんで、今日の直線の伸び方をずっと目で追っていけばわかりますが、ゴーサインが出てからビュンという感じではなく、しなりながらジワジワと完歩を大きくしスピードに乗っていくんです
このしなやかな加速はダイワメジャーでもStorm Catでもなく、テイエムオペラオーとかホエールキャプチャとか、Blushing Groomの血を引く一流馬と重なるものがあるのです
オパールは望みどおりの前半34秒台の緩ペース、エーシンホワイティは好位で持ったまま、これは前さえ開けば33秒0で間違いなく弾けると確信しましたが、あそこまできたら頭が欲しかった…
京都大賞典は和田がキーマンでしょう
サドラー使いのこの男がロージズインメイ×トニービン×サドラーのジリ脚の先行馬でチンタラ逃げるとは思えず、とすると去年のような超スローにはならない…という読みで考えているうちに、ちょっと振り回してみたくなりました(^ ^;)
オルフェーヴルの、抜きん出た脚
ちょっとこの馬にしては動きが硬く映ったのは、エルコンドルパサーもそうだったし、欧州仕様の筋肉がついてきたんだろうと思ってみてました
他が止まって見えるほどの加速で突き抜けてインに切れ込むというのは、サンデー直仔の大物はみんなそうでした
止まったのは、馬場というより、馬場も含んだ距離でしょう
最後は阪神大賞典よりも苦しがってるように見えました
でも、父ステイゴールド、母オリエンタルアートの栗毛の牡馬は、世界中の人々が注目するなかで、抜きん出た脚を見せてくれました
日本では抜きん出ていたオルフェーヴルの脚は、世界のトップクラスが集った舞台でも、やっぱり抜きん出ていました
いつかは勝ちたいレースですが、血統屋さんは満足です、ありがとう