新潟11R 新潟2歳S
◎7.アヴニールマルシェ
○4.ミュゼスルタン
▲17.ナヴィオン
人気3頭は前走の勝ちっぷりはもちろん、配合的にも重賞でもやれるだけの説得力がある。◎▲はマイラーではなく中距離馬で、マイル戦でのエンジンなら○だろうが、フケがよすぎて一足先に抜け出してしまう形になると、このレースは外から追い込んだもん勝ちという側面もあるだけに目標になってしまうかも。この枠ならば前走のように直線外に出して追えばいいのだから、的場勇人にとっては初重賞制覇の大チャンスには違いないが、でもやっぱりフルゲートの重賞を勝つというのはなかなか大変なことだ。心情的には3頭とも▲、タテ目も買います。
札幌11R キーンランドC
◎15.レッドオーヴァル
○3.スマートオリオン
▲2.フクノドリーム
△14.マジンプロスパー
×4.サクラゴスペル
×7.ローブティサージュ
注10.ブランダムール
札幌で行われた過去5年の勝ち馬の4角番手が(1)(2)(2)(2)(4)、2着馬が(3)(3)(4)(4)(1)と先行有利が明白なレース、8枠の追い込み、しかも前日オッズで1人気に祭り上げられている馬を◎にするのは得策とは思えないが、それにしても前走のレッドオーヴァルは強かった。外を回りながらうなりを上げて、これは先々大きなところを勝つかもしれないという説得力で差しきってしまった。ストロングリターンやダイワマックワンの半妹で、母コートアウトはハイインロー的な組み合わせをクロスで持つので産駒は成長力に富む。本馬も最近は体質が頑強になってきて、短距離をパワーで加速するようなタイプにシフトしてきたように見える。滞在で出来は絶好、ビッシリ仕上げたという陣営の言葉を信じて◎としたい。
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新潟2歳については「血統クリニック」再掲を読んでいただきたいですが、59.1-34.3とこのレースとしては緩みないペースで流れて速い時計の決着になったことは、3強の中で最も1600mへの適性が高い(私は1800mベストやと思ってますが)ミュゼスルタンにとってはプラスだったかと
鞍上柴田善臣というのもあって、ジャスタウェイの息の長い追い込みをほんの少し反応の良さで上回ったぶん封じ込めたという、あのモンストールの勝ち方もオーバーラップしました
「血統クリニック」で書いたように配合パターンや脚質がアパパネとダブる馬で、アパパネほどナスキロ柔い斬れはないので今日もゴール前は詰められましたが、コースや展開やペースや馬場への対応力が非常に高いオールラウンダーで、1800m前後ならばどこで走ってもあまりパフォーマンスが上下しないタイプで、このままクラシック路線を賑わせつづける可能性は大でしょう
アヴニールマルシェは同じディープ×フレンチデピュティのクロウキャニオン4兄弟と比べると少しパワーの補強が弱い配合で、そのぶんSir Gaylord的な柔さが勝っていて外回り向きには違いないのですが、まだ緩さ柔さが勝ちすぎていて、淀みない1600mよりもスローの1800mのほうが斬れ味が際立つタイプだろうということは「血統クリニック」でも指摘しておきました
例年どおりの前半1000m60秒台のペースだったならば、つまり後方待機で61秒台で追走して32秒台で上がる勝負だったならば、このハナ差はひっくり返せたかもしれませんが、今日のところは勝ち馬を讃えるべきでしょう
あとはやっぱり、来春までにこの緩さに一本芯が通ってくるのか、この馬に関してはそこが全てじゃないですか
残念がらナヴィオンは的場の騎乗があれこれ言われそうな結果になってしまいましたが、3強のなかで最も距離適性が長いのはこの馬だと私はみているし、今回はマイルの高速決着に対応できなかったのが主な敗因というべきで、他の人が乗っても勝ち負けまでは厳しかったんじゃないかと
今年のキーンランドは札幌芝1200mで行われたなかでは最も前半3Fが遅く(他はいずれも33秒台)、もう全盛期のダッシュが影を潜めつつあるフォーエバーマークが大外から楽にハナを切れたぐらいで、だから注文どおりの外番手でマジンプロスパーが押し切るかに見えたのですが、好発からジワジワ下げて内2列目に潜り込み、そこでジッと脚をタメていたローブティサージュが反応良く抜け出したところがゴール
母母リッチアフェアーは名繁殖ホワイトウォーターアフェア(ヴィクトワールピサやアサクサデンエンなどの母)の全妹で、母プチノワールはアサクサデンエンと同血ということになり、Singspiel(Hail to Reason5×3,Herbager5×3)、Machiavellian(Native Dancer3×4)と流行血脈が強くクロスが強い父と母父を持ち自身もHalo3×4を持つプチノワールに対し、アウトサイダー血脈が強くNorthern DancerもHail to Reasonも持たず5代アウトのウォーエンブレムを配したという緊張→緩和のリズムが最高で、「一口好配合」でピックした馬でもあり配合はデビュー当初からずっとほめてきました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104278/
フラワーCあたりに向いた配合というイメージだったのでまさか外マイルのG1と芝1200mのG3を勝つとは思ってませんでしたが(^ ^;)、阪神牝馬も好内容だったし今はベストは1400mぐらいなのかな?あと「父スタミナ×母スピード」の配合形で母がHaloのクロスですから、本質的には小回り内回りで機動力を活かすタイプじゃないかということはJFを勝った後も書いてきました
コートアウトはこれまで競馬場に送り出した産駒6頭が全て勝ち上がり、しかも今夏新馬勝ちしたばかりのコートシャルマン以外の5頭は全て3勝以上をあげている名繁殖牝馬ですが、短距離〜マイルのスピードを確実に伝えるだけでなく、どの産駒も成長力に富み息の長い競走生活を送っており、それはVaguely Noble、Track Medal(Swapsの全妹)、そしてSmartaire4×3と、ハイインロー血脈を4つ引くからでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103743/
レッドオーヴァルもデビュー当初はディープにミスプロを入れてナスキロをクロスしたイメージどおりのしなやかな差し脚が武器で、外1400〜1600mで斬れるマイラーでしたが、古馬になってつくべきところに肉がついて体質が頑強になってパワーアップが顕著で、そのぶん距離適性や脚質もスプリンター寄りになってきて、今日にしても前走にしても大外を回らされるロスがありながらゴールまでうなりを上げて伸びつづけていました
兄ストロングリターンが6歳春についに大輪を咲かせたような、そんな成長曲線を辿っているのは間違いないでしょう
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日曜の重賞回顧〜アパパネのようなオールラウンダー
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