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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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日曜の重賞回顧~Robertoな捲り、西で東で

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小倉11R 小倉記念
◎6.マローブルー
○5.ベルーフ
▲15.アズマシャトル
△13.メイショウナルト
×1.パッションダンス
注2.オーシャンブルー
マローブルーはデボネアの姪で、母母ヴェルヴェットクイーンはムーンバラッド(ドバイワールドC)の全妹にあたる。父父サンデーサイレンスと母母父シングスピールを通じるヘイロー3×5を持つが、このようにグロリアスソング=エンジェリックソング全姉妹を通じるヘイローのクロスを持つディープ産駒は、ヴィルシーナ、ダノンバラード、フレールジャック=マーティンボロ兄弟など、ヘイロー的な無駄のない脚捌きで走るので機動力に富む脚質になりやすい。マローブルーも復帰後は手堅い好位差しで好走をつづけているが、あの手先の軽い機動力ある走りはむしろ小回り向きで、ここはハンデにも恵まれた感があるだけに昨年のマーティンボロぐらいは走れそうだ。ベルーフはバーブラ≒ドロニクのニアリークロスを持つのでハービンジャー産駒にしてはナタの斬れがあると同時に気難しく、そのあたりを名手パートンがどう乗りこなすかが見もの。乗りこなせればもちろんこれが相手本線。

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小倉記念は57.9-60.1の猛烈な前傾ラップのわりには馬群は一団で進み、上がり4Fが12.0-12.1-12.2-12.0の持続戦、こうなると牝馬の斬れよりも牡馬の持続力という感じで、粘るウインプリメーラとマローブルーをアズマシャトルとベルーフが差し切ったところがゴールでした

マローブルーは3着争いには加わっており、決して凡走したわけではなくいつも通りは走っていると思いますが、ハンデに恵まれたとはいえ、ここまで持続戦になっては男馬相手にちょっと辛かった

ベルーフはマローブルーの直後をなだめながら追走、勝負どころから外に出してジワジワ捲り上げて、パートンは力は出し切った騎乗でしたが、あれで差されてしまったのは本質的にはあまり小回り向きではないというか、小回り適性の差のぶんだけ勝ち馬に遅れをとったという2着だったかと

アズマシャトルは向正面ではベルーフの直後の外、そのままベルーフの進出に呼応して押し上げていき、そこから残り400~200mまでの抜け出す脚が速かった

下記「重賞の見どころ」でも書いたように、母方のRobertoの影響が強い脚捌きなので、重賞レベルになるとさすがに直線の長いコースの斬れ勝負では分が悪く、だからラジオNIKKEI○、鳴尾◎、そして小倉記念▲と内回り小回りの2000mでは常に重い印を打ってきましたが、鳴尾記念もラブリーデイのRoberto捲りに同じようなRoberto捲りで応戦していたんですよね~

鳴尾で◎にしてマレーシアでは無印に下げて、ここも◎ならばしてやったりなんですが、毎週毎週当たらん予想を垂れ流してると、前回と同じ狙い球で同じように振るのはなんかつまらんなあ…という気についついなるんですよ(^ ^;)

アズマシャトルとベルーフについてはNETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲します

アズマシャトル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011100370/
ピサノパテックの3/4弟で、スティルインラブやビッグバイアモンの甥で、ザタイキのイトコ。この牝系はRobertoの血が入るので機動力ある脚質になりやすく、ピサノパテックはオープンでの良績は小回りコースに集中しているし、スティルインラブも内回りの秋華賞ではアドマイヤグルーヴを封じたが外回りのエリザベス女王杯では差し切られた。本馬は体型は父ゼンノロブロイ似だが、走らせるとRobertoの影響を感じさせる脚捌きで、東京や外回りの斬れ勝負にも対応するが、ベストパフォーマンスは阪神内回りの鳴尾記念3着とラジオNIKKEI杯2着だろう。重賞レベルのメンバーが相手だと、捲りのきくコースのほうが勝ち味があるように思う。

ベルーフ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104084/
クラージュドールの半弟で、母レクレドール(ローズS)はステイゴールドの全妹、近親にサッカーボーイ、ショウナンパンドラ、バランスオブゲーム、ドリームパスポートなどが出る名牝系。父ハービンジャーはデインヒルにさかのぼる父系だから、ステイゴールド×デインヒルのニックス(ナカヤマフェスタやフェノーメノなど)を逆さまにしたような配合だが、Le Fabuleux≒Worden6×5のニアリークロスを持つので、父よりも脚長で斬れ味で差す脚質になった。スプリングSでは内々を押し上げていって機動力もあるところは見せたが、外を回して追い込んだほうが味があるタイプではあるだろう。

レパードSは「恥ずかしながら◎ダノンリバティに着地しました」というぐらいのボツ予想で(^ ^;)、それでもラトロ肩を力強く駆動させながら伸びてきたときは「やっぱりスカーレットレディ最強なんか」と思わせたのですが、そこから抜かせなかったクロスクリーガーはここでは格上という勝利、ホッコータルマエのような勝利やったと思います

ゴールデンバローズはストライドで走るのであまり器用なほうではなく、今日は内枠だから逃げてみたのだと思いますが、クロスクリーガーのダートの捲りは現役屈指ですから、あれに目標にされて捲られると4角でかなり苦しくなってしまう

クロスクリーガーとゴールデンバローズについても「重賞の見どころ」より再掲します

クロスクリーガー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012100772/
ユキノサンロイヤルの甥で、3代母Raja's DelightはデルマーデビュタントS(米G2・ダ8F)勝ち馬。ノボバカラと同じアドマイヤオーラ産駒だが、母ビッグクィーンはBramalea≒Gold Digger3×4などブライアンズタイムの北米パワー血脈をクロスしていて、自身はBold Ruler系Raja Babaの5×4だから、こちらはブライアンズタイムのパワーとBold Rulerの機動力を武器とする。ジャパンダートダービーはノンコノユメには差し切られたが後続には決定的な差をつけており、ユニコーンS組が相手なら二つ目の重賞制覇を狙えるが、東京のヒヤシンスSで追ってあまり味がなかったように、持ち前の機動力は捲りのきく小回りコースでこそ存分に発揮される。新潟1800mだとスローが希望か。

ゴールデンバローズ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012110100/
リヴァーシティーズS(米G3・ダ8.5F)のClamorosaなどが出る牝系で、母父MayakovskyはゴーサムS(米G3・ダ8F)勝ち馬、母母父ヘネシーはStorm Cat直仔でヨハネスブルグの父。父TapitはSeattle Slew系の本流で昨年の北米リーディングサイアーで、日本ではテスタマッタやタールタンの父として知られる。ダートをストライドで走るA.P.Indy系だから直線の長い東京や中京に向き、Storm Catの影響が強いマイラー体型で、Seattle Slew4×5などナスキロ血脈が豊富で体質は柔らかい。ユニコーンSはドバイ遠征の疲れがあったようで人気を裏切ったが、戦績どおり東京マイルが最も動ける舞台。1800mは守備範囲だがベストではないか。

ブラダマンテ牝系のアズマシャトルと母父ブライアンズタイムのクロスクリーガー、東西の重賞でRoberto捲りが炸裂した日曜でしたが、クロスクリーガーは脚捌きはRobertoというよりはBold Ruler忍者で、ベストは京都1800mかな、平坦の軽いダートならもっと高速で捲れると思いますよこの馬は


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