中山11R セントライト記念
◎6.サトノラーゼン
○7.ミュゼゴースト
▲12.ブライトエンブレム
△5.ロッカフェスタ
×3.ベルーフ
×13.キタサンブラック
注8.レッドライジェル
ブライトエンブレムは弥生賞で◎にしたように中山中距離の捲りが本領だと書いてきたが、パワー型で高速馬場よりは少しタフな馬場のほうが狙いやすいし、ここはペースが緩んで前残りやイン伸びになる公算も。サトノラーゼンはディープ産駒で母はカーリアンのニアリークロスだからナスキロ柔いストライドで走るが、母父がロベルト系インティカブなので機動力も兼備していて、岩田が言うようにコース不問で何でもできる自在脚質で、レースが上手でとにかく弱点が少ないのがセールスポイントだ。中山外2200mというちょっと中途半端なロケーションも合っているし、ここはダービー2着に敬意を表したい。ミュゼゴーストはビッグウィークと同じバゴ産駒で母はライスシャワーと同じリアルシャダイ×マルゼンスキー、血統も体型も走りもステイヤー臭がプンプンするのに、京都1800mの鋭さ勝負や福島1800mの機動力勝負で好走しつづけているのは評価できる。本音を言えば大きく狙いたいのはここではないのだが、仕上がりはいいし距離が延びたぶんベストパフォーマンスを発揮することも十分考えられる。この血統で好走すれば本番は穴人気必至だから、意外に馬券的な狙い目は今回かもしれない。
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予想コメントにも書いたようにスローが予想された今年のセントライト記念ですが、ミュゼエイリアンがダービーにつづいてハナに立つと道中は12秒後半にペースダウン、当然上がりは11.9-11.5-11.6と速くなり、前に行ったキタサンブラック、ミュゼエイリアン、ウイングチップと最内をすくったジュンツバサで決着、勝ち時計2.13.8は、中山の良で行われたセントライト記念としては過去10年で最遅でした
ベルーフはハービンジャー産駒だけにこれだけ上がりが速いと差し切るほどの鋭さはなく、大跳びのタンタアレグリアもジワジワ伸びてはいるんですが中山ではなかなかスピードに乗りきれない
ブライトエンブレムは弥生賞と同じ大捲りを仕掛けるべく動きましたが、これもパワー型だけにもう少し上がりがかからないと苦しく、ミュゼゴーストの善臣は2角では前残った馬たちと同じところにいたのに、少しずつポジションが下がっていって直線では行き場がなくなるという貫禄の騎乗
サトノラーゼンはミュゼエイリアンを追いかけられるぐらいのスタートでしたが、次の長丁場をにらんだか岩田はなだめてなだめて乗っているうちにポジションが少し後ろに、それでも直線は何とか捌いて、もう少しビュンとくるかと思ったんですが…
ナスキロ的斬れとRoberto的機動力を兼備していて非常に弱点が少ない馬で、中山外2200mという中途半端なロケーションも合っているイメージやったんですが、Roberto的に少し掻き込む脚捌きなので、出せる最高速度には限界があるタイプなのかもしれません
京都新聞杯もポジションと立ち回りの勝利で決して斬れ味で抜けていたという勝ち方ではなかったし(ゴール前は2~4着馬の脚のほうが目立った)、思い起こせば京都内2000mの未勝利戦を上がり11.4-11.4で勝ったときも、レーズドスカーの仔らしいストライドで大外をブン回してきたレーヴミストラルに詰められての勝利ですから、そんなに秀逸な内容とはいえなかった
弱点のないのが最大のセールスポイントで、何でもできるラブリーデイのような中距離馬だと評してきましたが、そういえば前回のラッ血対談の宝塚回顧で「ラブリーデイはたしかに内回り向きの捲りの馬やけど、最高速度はそんなに速くないので高速馬場でなかったのもよかった」とMahmoudさんが言ってたのをふと思い出しました
まあいつでもどこでも強い馬というのはなかなかいないわけで、弱点がないと思われたサトノラーゼンも、Roberto的捌きで走るがゆえに「何でもできる乗りやすい馬」と岩田が言うほどの機動力を兼備しているけれど、Roberto的捌きで走るがゆえにディープのA級産駒にしては最高速度はそれほど速くないという弱点があった
キタサンブラックはブラックタイド×サクラバクシンオーですから「父中距離×母父スプリンター」でフワッとした先行脚質に出たのは順当、終わってみればスプリングSを番手で勝ったキタサンブラックと、毎日杯を番手で勝ったミュゼエイリアンのワンツーでした
キタサンブラックはWordenの薄いクロスを持つので、バクシンオー的なピッチではなくわりとゆったりしたストライドで走るし、体型の伸びもあるので、今日のパドックを見た感じでは1800mよりは2000mのほうが合っているんじゃないかとコメント欄でも書いたんですが、さすがに3000mを先行押し切るとなるとどうかなというところはあります
ジュンツバサは99年のセントライト勝ち馬ブラックタキシードと父系(サンデーサイレンス)母系(オーピーキャット)が同じで、母父がアフリートなのに馬群を苦にせずいつも内をすくって伸びてきますが、今日は外を回すと苦しいレースだっただけになおさら、内枠を活かしてラチ沿いに突っ込んだのが上手くいきました
母父中距離のタッチングスピーチが母父マイラーのミッキークイーンについに追いついた秋、その翌日に行われたセントライト記念は春の既成勢力による前残り、ブラックタイド×サクラバクシンオーがまんまと二つ目の重賞を手中に収めたのです
さて回顧も書いたし、雨降ってますが飲みにいくぞ~(・∀・)
今週の「重賞の見どころ」は火曜18時更新です