ハーツクライ産駒は概してスタミナと成長力に富むのですがジリ脚で勝ち味に遅いタイプも多く、そこを補うには母父トニービンの母父HornbeamがもつHyperionとNasrullahの組み合わせ(ナスペリオン)を増幅する配合、つまり同じようなナスペリオン血脈をもってくるのが有効である、ということは何度か書いてきました
最も成功しているのはNureyevやSadler's WellsなどSpecialの血をもってくることで、ワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルト、アドマイヤラクティ、メイショウナルト、ツルマルレオンと重賞ウイナーが目白押し
┌Hyperion
┌○
┌○
Special
│ ┌Nasrullah
│┌○
└△
またカポーティスターとマジェスティハーツの場合は、母系に入るCapoteの3代母Dangerous Dameがナスペリオンです
┌Nasrullah
Dangerous Dame
│ ┌Hyperion
│┌○
└△
ヌーヴォレコルトとベルラップに入るChief's Crown、この母系に入るIndian Hempもナスペリオン
┌Nasrullah
Indian Hemp
│ ┌Hyperion
│┌○
└△
メルボルンCはちょっと不完全燃焼でしたが、フェイムゲームの場合は3代母ダイナサッシュがナスペリオン
┌ノーザンテースト(Hyperionの娘Lady Angelaの3×2)
ダイナサッシュ
│ ┌Nasrullah
│┌○
└△
Mill Reefもナスキロ血脈の代表格ですが、父父Nasrullahで母母母父Hyperionなのでナスペリオン血脈でもあり、レコンダイトは母がMill Reef3×3、上がり12秒で重々しく斬れるのはMill Reefらしい
┌Nasrullah
┌○
Mill Reef
└△
└△┌Hyperion
└△
そしてナヴィオンの場合はトニービンの母父Hornbeamそのものをクロスしています
┌Hyperion
Hornbeam
│┌Nasrullah
└△
代表産駒のジャスタウェイは母系にナスペリオンこそないものの、下記のように母父Wild Againの母Bushel-N-Peckがニアリーナスペリオンな血脈構成なのです(HyperionとNearcoとMahmoud)
┌Hyperion
┌○
Bushel-N-Peck
│ ┌Nearco
│┌○
└△┌Mahmoud
└△
つまり芝重賞を差し切って勝ちきるぐらいの斬れ味があるハーツクライ産駒は、ほとんど全てがトニービンにナスペリオン血脈を合わせた配合をしていて、例外といえるのはウインバリアシオンぐらいでしょうが、この馬にはPromised Land5×6という別の斬れ味をONにする仕掛けがあります
エリザベス女王杯に出てくるシュンドルボンもハーツクライの娘で、母父エルコンドルパサーがSpecial=Lisadell4×3・4、加えて3代母Waterlooもナスペリオンなので、母系にはナスペリオンが計4つ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011100352/
┌Nasrullah
┌○
┌○
Waterloo
│┌Hyperion
└△
母にNorthern Dancerのクロスがないのでハーツクライ産駒としても開花は遅めで、2~3歳時の完成度では同期のヌーヴォレコルトに遅れをとっていましたが、2着の山を築きながら緩やかに成長し、古馬になって本格化してからは連戦連勝、短足で斬れ味というより持続力を感じさせる末脚
こうしてみるとこの馬、ジャスタウェイと重なるところも多いような
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ヌーヴォちゃん、ついに追いついたよ
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