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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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ハービンジャーとデュランダルの“ナスペリオン”

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昼間出かける前にシャワーを浴びて、バスタオルで頭をごしごししながら出ようとしたら、バスルームの床が血だらけになってることに気づいたのです…

有名なサイコのシャワーシーン、あの音楽が頭の中で鳴り響き、鮮血が排水溝に吸い込まれていくのをボーッと見てたんですが、我に返って俺どこから出血してるんやと頭の先から順にチェックしていったら、なんと竿、ではなく袋から出血してることが判明

とりあえずタオルで止血したらおさまったんで、いったい何が起こったんやと「陰嚢 出血」とぐぐってみると、どうやら陰嚢被角血管腫という良性腫瘍で、何かの拍子にそれが破れたらけっこうな出血を伴うらしい

この陰嚢被角血管腫でシャワーを浴びているときにサイコ状態になったという人はけっこういて、たぶんみんな袋をゴシゴシ洗いすぎたんやと思います(^ ^;)

マイ袋をよくみたらそれらしい小さなポチがあったんでひとまず納得して出かけたんですが、ぐぐってると「高齢者に多く見られ、老人性血管腫の仲間であるという説もある」という解説が…ろ、老人性ですか(^ ^;)

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今回はちょっとマイナーなナスペリオン(NasrullahとHyperionの組み合わせを持つ血)にスポットを当ててみましょう

ハービンジャーの父Dansiliの母系を掘っていくと、4代母Iruleの父Young Emperorが「NasrullahとHyperionとFair Trial」の組み合わせであることに気づきます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a011996/

 ┌Nasrullah
┌○
Young Emperor
│ ┌Fair Trial
│┌○
└△┌Hyperion
 └△

Young EmperorはジムクラックSとコヴェントリーS(ともに芝6Fの2歳重賞)の勝ち馬ですが、ハービンジャーの産駒においては、このYoung Emperorのナスペリオンを使った配合が非常に効果的であることがわかってきました

ハービンジャー産駒で重賞に勝ったのはドレッドノータスとプロフェットとベルーフの3頭ですが、プロフェットはNureyev(Special)、ベルーフはダイナサッシュと、母系にもナスペリオンを持っています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105930/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104084/

プロフェットと同じくフェアリードール牝系経由でNureyevを引くスワーヴジョージも3勝をあげており、ハービンジャー×フェアリードール牝系の組み合わせは7頭出走しプロフェット、スワーヴジョージ、ダノンサンシャイン、ミッキーポーチと4頭が勝ち馬

またハービンジャー産駒を本賞金順にソートすると、1位ベルーフ、2位プロフェット、3位トーセンバジル、4位ポトマックリバーの順になりますが、神戸新聞杯3着のトーセンバジルは母父がフジキセキでその3代母Millicentがナスペリオン(Mill Reefの3/4妹)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104614/

先日準オープンを勝ったポトマックリバーは母父スウェプトオーヴァーボードがフォーティナイナーの孫で、フォーティナイナーの3代母CourtesyはNasrullah×Hyperion、しかも母母母父はトニービンですからナスペリオンの継続クロスになってます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104798/

種付けシーズン到来で配合診断が忙しい時期でもありますが、某馬主のオーダーではこのあたりを狙って一頭ハービンジャーいってみました(・∀・)

ついでにYoung Emperorつながりで紹介しておきたいのが、04年ファルコンS勝ち馬キョウワハピネス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001101708/

父オースはマイラーが多いFairy Kingながら英ダービーに勝った珍しい馬で、Fairy Kingながら英ダービーに勝つほど母系が重厚で母はTroyの娘でAlycidon4×3、種牡馬としてはこの重さが足を引っ張りすぎてスピード不足に苦しみましたが、そのオースの代表産駒で唯一のJRA重賞勝ち馬がキョウワハピネスなのです

血統表を見てのとおりオースはSpecialとHornbeamを通じるナスペリオンのクロスを持っており、そしてキョウワハピネスの母系にはYoung Emperorが入るので、ようするにハービンジャー×Nureyevと同じようなことをやっていたわけですね

デュランダルの母母父Creme dela Cremeはジャージーダービーの勝ち馬でOlympia~Heliopolis~Hyperionとさかのぼる父系ですが、母父がNasrullahなのでこれも立派なナスペリオン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1999106756/

  ┌Hyperion
 ┌○
┌○
Creme dela Creme
│┌Nasrullah
└△

デュランダル産駒でJRA平地重賞に勝ったのはエリンコート、ジュエルオブナイル(Mill Reef)、スイートサルサ(Mill Reef、Indian Hemp)、フラガラッハ(トニービン、Nureyev)、プレイアンドリアル(Intriguing)の5頭ですが、括弧内に記したようにエリンコート以外の4頭は母系にナスペリオン血脈を引いています

フラガラッハの雨の中京をズドーンズドーンと追い込んでくる脚はルーラーシップをマイル寄りにしたイメージだと書いてきましたが、あの野太い斬れこそがナスペリオンの本領
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103033/

「そんなもんSpecialもMill ReefもBlushing Groomも、トニービンもフォーティナイナーもフジキセキもナスペリオンなんやから、そら何かナスペリオンのクロスになるよ」と思われるかもしれませんが、何かクロスになるよというぐらい様々な名血を後世に遺してきたほどの優秀な組み合わせなのだから、それを組み合わせクロスする意味はやっぱりあるのだと私は考えるのです


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