中山11R ホープフルS
◎5.トライン
○15.ジャンダルム
▲11.フラットレー
△7.タイムフライヤー
△10.ルーカス
×13.ステイフーリッシュ
×17.ナスノシンフォニー
注12.ジュンヴァルロ
注16.シャフトオブライト
俊敏さならジャンダルムが最右翼だろうが、父中距離(キトゥンズジョイ)×母スプリンター(ビリーヴ)で、機動力あるマイラーというのが妥当な評価。ホープフルSはシャイニングレイやロードクエストやクラリティシチーのように、後々マイラーに完成するような馬が(マイラーとしての筋肉がつききっていない若い時期ならば)好走するケースは少なくない。マイラーとしての資質に◎を打ってしまう手もあるが、ここはけっこう行く馬が揃ったしペースは緩まないかもしれない。素質ではヒケをとらないのがトラインで、デビュー戦はゴール前ちょっと仕掛けただけの大楽勝。3着5着が次走勝ち上がっておりメンバーレベルも低くなかった。ベストインショーの名牝系に代々A級種牡馬が配されてきたピカピカの良血で、配合どおりリアルスティールをしなやかにしたような中距離馬だ。まだ付くべきところに肉が付ききっておらず後ろが甘いところもあるが、急坂を苦にするというほどでもないだろう。単勝の思想ならこの2頭。
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出馬表を見て「このメンツで中山内2000でやるんか、難しいなあ…。1800ならジャンダルムで自信あるし、京都ならトラインで自信あるんやけどなあ…」と思ったんですが、最終的にタイムフライヤーが単勝1人気なんやからみんな凄い…私は好走率は一番高いだろうけど勝ちきるとは思えなかった(^ ^;)
スタートしてすぐミルコの直後にユタカが付け、その後ろにルメールとクリスチャン(と中谷も)がいたのは今の競馬を象徴するようなシーン
レースは前3頭の出入りが激しくなって59.6-61.8というタフな前傾ラップ、ジャンダルムが満を持してルーカスを捲りにかかったのにタイムフライヤーとステイフーリッシュが呼応して、直線はシッカリした脚どりでタイムフライヤーが駆け抜け、最後苦しくなったジャンダルムがステイフーリッシュの追撃を凌いだところがゴールでした
タイムフライヤーは母がタイムパラドックスの全妹で、ハーツクライ×ブライアンズタイムはマジックタイムと同じ
マジックタイムはRoberto的走法で中山芝が[2-1-0-1](ダービー卿とターコイズ勝ち)とベストコースでしたが、タイムフライヤーも後駆のつくりや走法はかなりRoberto的で、まさにマジックタイムを距離適性長めに寄せた感じで、なるほどハーツクライが中山でG1を勝つならこんなタイプやったのかと
ちなみにグレイルはデインヒル的プリケツを引きましたが、母母父がSilver Hawkでこれも半分Robertoという脚捌きで走るので、ハーツクライ産駒にしては小回りがきくほうではあり、京都2歳SはRoberto走法のハーツクライのワンツーでもあったのです
この2頭と比較すると、フラットレーは見た目にハーツクライ産駒という体つきで、パドックでも実にしなやかに歩いていて、こういう典型的なハーツクライ、デインヒルやRobertoから強靭な後駆を引いていないハーツクライ産駒は、後駆が強靭になるまでに時間を要する=すなわち晩成型
ハーツクライといえばもう一頭、スワーヴリチャードと同じ母父Unbridled's Songのナスノシンフォニーの素質にも注目していましたが(百日草で◎)、スワーヴほどコーナリングに問題があるタイプではないにしても、タイムフライヤーとステイフーリッシュの直後にいたものの4角で少し置かれてしまい、直線では同じぐらいの脚で伸びつづけているのはやっぱり似たところがある
ジャンダルムは最高のタイミングで捲って4角先頭、あれで最後苦しくなったのは距離としか言いようがないのですが、いつも書いているように内回りの4角を持ったままで俊敏に捲れるのがEl Prado
今日のレースを見てもEl Pradoとビリーヴでちょっと俊敏すぎるので、たとえば東京マイルのHペースだとなし崩しに脚を使ってしまいそうで、現状は小回り1600~1800がベストやと思うので来年はスプリング~皐月でいいんじゃないですかね
というわけで1~3着をRoberto持ちが占めたG1ホープフルSでしたが、ダノンプレミアム(母父Intikhab)といいルヴァンスレーヴ(Roberto3×5)といい、今年の2歳G1は4角でRobertoがうなっています
トラインは左後脚跛行で競走中止、まだ前も後ろも肉がつききってないですがそれでも返し馬の身のこなしなんか惚れ惚れするほどで、軽症であることを祈っています
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第34回ホープフルS回顧~ここもRoberto、内回りの4角でうなりをあげる
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