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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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第50回高松宮記念回顧~快速スパイツ、1400馬の追い上げを凌ぐ

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回顧を書いていたら志村さんの訃報が飛び込んできましたが、偉大なコメディアンの身をもっての警告によって、日本人の多くが助かったという結果につなげないとですね…

中京11R 高松宮記念
◎2.アウィルアウェイ
○9.タワーオブロンドン
▲10.アイラブテーラー
△6.ダノンスマッシュ
△14.モズアスコット
×3.ダイアトニック
×12.セイウンコウセイ
ダノンスマッシュは全てのファクターが90点以上だが、カナロア産駒らしいしなやか体質で、1200のG1を勝ちきる凄みやいかつさが少し足りない気が今でもする。タワーオブロンドンは母系にダルシャーンが入るので差して味があり、ストライドで差すには外を回したほうがいい。この枠で内の有力馬をみながら福永祐一がどう乗ってくるか。グランアレグリアは1400寄りの高速マイラーで、雨のスプリント戦をゴリゴリ押しきるパワーのイメージではない。モズアスコットは渋っても1200はちょっと忙しいので、差してはくるだろうが突き抜けるまではどうか。
◎はアウィルアウェイ。インディチャンプの妹でリアルインパクトやネオリアリズムの姪。このトキオリアリティー牝系の牝馬はみんな短距離向きで、本馬もジャスタウェイの娘だがスプリンターに完成した。ジャスタウェイもインディチャンプもリアルインパクトもネオリアリズムも、早期から素質を見せつつ本当に強くなったのは古馬になってからで、本馬も馬体を充実させながらレース内容がどんどん良くなっている。ジャスタウェイもリスグラシューもスワーヴリチャードも、古馬になって本格化したハーツ産駒は頑強さを増すがゆえに渋った馬場も我慢するので少々降ってもOKとみた。

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日曜のさっさん会LINEでむらやんが「重の高松宮やCBCはサンデー持ちがくるんやで」と言うので、「サンデーがくるかどうかは馬場よりもペースとちゃうかな~」「まあもう短距離G1は、1/4サンデーの割合が少なくなってるからなあ…」ってな話をしてたんですが、今年のメンバーでいうと

サンデーサイレンスなし…ティーハーフ、ラブカンプー、ダノンスマッシュ、タワーオブロンドン、モズアスコット、モズスーパーフレア、シヴァージ

1/8サンデーサイレンス(血統表の3代目に持つ)…ステルヴィオ、アウィルアウェイ、グルーヴィット、クリノガウディー、セイウンコウセイ、ダイメイプリンセス、ノームコア

1/4サンデーサイレンス(血統表の2代目に持つ)…ダイアトニック(母父サンデーサイレンス)、グランアレグリア(父ディープインパクト)、ナックビーナス(父ダイワメジャー)

サンデーサイレンス3×3…アイラブテーラー

中距離では依然としてディープ産駒やハーツ産駒が幅をきかせていますが、今年の高松宮は「1/4サンデー」は3頭だけで、しかしそのうちの2頭が勝ち負けの叩き合いに加わったのです

短距離を筋力で走り抜くにはサンデーサイレンスの血はしなやかすぎるので、サンデーの血を近い世代に持つ馬が1200のG1を勝つときは、だいたい猛烈な前傾ラップではなくて、追走が楽で1400馬やマイラーの脚で差せる質のレースになったときなのだと、レッドファルクス(母父サンデーサイレンス)やストレイトガール(父フジキセキ)が勝つたびに書いてきました



だから私は「最近はタメ逃げで持ち味を出せてないので、(松若)楓馬には全速力で飛ばしてもらう」という音無先生のコメントを目にした時点で、グランアレグリアがしなやかに斬れるレースには99%ならないだろうと思ってましたね(^ ^;)

しかし松若くんの刻んだラップは前後半34.2-34.5ですからシルクロードや京阪杯よりも緩やかなほどで、しかも内ラチ沿いが乾いてきてたようで直線もなかなか止まらず、私は馬場のいいところを選んで逃げるのではないかと思ってましたが、それだと後続に捕まったかもしれず結果的には好判断でした

このラップを12番手から鋭く追い込んだグランアレグリアの前後半が35.6-33.1、好位を楽に追走し直線反応したダイアトニックが35.0-33.7で、同じく好位から抜け出してダイアトニックに寄っていったクリノガウディーは34.9-33.8

これは17年スプリンターズS(レースラップ33.9-33.7)をレッドファルクスが34.6-33.0で、15年スプリンターズS(34.1-34.0)をストレイトガールが35.0-33.1で差し切ったのと近い内容といえ、ゴリゴリスプリンターというよりはしなやか1400型というべきタイプが好走できるゾーン、スワンSや京王杯SCに近い質のレースになったというべきでしょう(しかしこうやって近年の短距離G1を振り返るとき、ティーハーフの成績をクリックすれば全てさかのぼれるのは便利で、まさにスプリント路線の生き字引!)

昨秋のスプリンターズは前後半32.8-34.3で1~4着まで非サンデーで5着は1/8サンデーで、こういう前傾ラップだと非サンデーの頑強ゴリゴリスプリンターのゾーンなのですが、今年の高松宮記念は34.2-34.5で1着こそ非サンデーですが数少ない1/4サンデーが2着3着でした

「レッドファルクスもストレイトガールも、後傾ラップになって、1400ベストの馬が後傾ラップでしなやかに差し切ってるんですよね」
第53回スプリンターズS回顧~今年も本格化ダーレー!非サンデーが上位独占
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/34fe29a192ad99bcc3b7444801cd2230

アウィルアウェイは張りのある体で返し馬でも静かにうなっていて、これはジャスタウェイとトキオリアリティーの本格化気配プンプンやと期待が高まったのですが、持続力で差すタイプですからこのペースではそもそも苦しかったですかね

直線行き場がなかったのも一か八かでインを狙ってたら…とも思いますが、今の馬場は乾き出すと加速的に内から乾いてくるので乗り役さんのジャッジも難しいものがありそうで、つい1時間前とバイアスが変わってることなんかよくあるのでね

1~4着馬については、NETKEIBAの重賞出走予定馬の血統解説より再掲します

モズスーパーフレア
シガーマイルH(米G1・ダ8F)のJersey Townとは父と母父が同じで母母が全姉妹、つまり同血の間柄。父Speightstownはマテラスカイ、リエノテソーロ、フルフラットなどでおなじみの快速種牡馬。Bold Rulerの3本クロスで柔俊敏で、芝1200で勝ち時計1分7秒台だと[4-1-0-0](2着は19年スプリンターズS)。高速戦をスピードで押しまくりたい。ちなみにハナ切れなかったときは[0-1-0-6]。(距離◎スピード◎底力○ コース○)



グランアレグリア
マリスターと同牝系で、母タピッツフライは芝8Fの北米G1を2勝。母父Tapitは北米リーディングサイアーでラニやラビットランなどの父。ディープインパクト×Tapitはアルーシャと同じ。Sir Gaylord≒Secretariatの継続クロスだから、細身で脚長でしなやかなストライドで走る。阪神Cは好時計で圧勝だったが、大箱の高速馬場に向いた1400寄りのマイラーに見えるので、1200のHペースだと少し急かされるかも。(距離○スピード◎底力○コース○)



ダイアトニック
京王杯SC2着レオプライムの半弟で、近親にローマンエンパイアなどがいる牝系。カナロア産駒でStorm Bird4×4、母父サンデーサイレンスだけNorthern Dancerなしというオーソドックスな好配合だ。牝系譲りの伸びのないマイラー体型で、Bold Ruler的な柔無駄ない俊敏な走りで、兄同様[5-1-1-0]の1400がベスト距離か。1200だと中団ぐらいから差す形だろうが、内々で器用さや機動力を活かしたい。(距離○スピード○底力○コース◎)



クリノガウディー
クリノビスケットの甥でクリノクーニングのイトコ。母クリノビリオネアはJRA3勝(ダ1000~1200m)。スクリーンヒーロー×ディアブロはグァンチャーレと同じ。スクリーンヒーロー×ロージズインメイ(ディアブロと同じDevil's Bag系)もマイネルグリットなどよく走る配合だ。Halo4×4で機動力あるマイラーだが、マイルでも少し時計がかかってのタイプだし、阪急杯をみても短距離は少し忙しいか。(距離○スピード○底力○コース◎)



Speightstownの産駒は先のサウジ開催でもマテラスカイとフルフラットが圧倒的なスピードを見せつけましたが、Storm Catという血は母父が名BMSのSecretariat(その母父Princequilloも名BMS)だけに母系に入ってもめちゃんこ優秀で、ロードカナロアもキズナもSpeightstownも、Storm Catを母父に持つ優秀な種牡馬なのだ…というような話も『一口馬主&POG攻略読本』(明日3/31発売)で書いてます


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