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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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第53回高松宮記念回顧~7歳にして結実、短距離×短距離の父母相似配合

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中京11R高松宮記念
◎5.メイケイエール
○12.アグリ
▲6.ナランフレグ
△18.ウインマーベル
×4.ダディーズビビッド
×8.ロータスランド
×13.ファストフォース
×14.トウシンマカオ
×15.ナムラクレア
×16.グレナディアガーズ
中京は日曜も終日雨予報で、4年連続道悪の高松宮記念となった。今年もフルゲート18頭が集ったが、1200のG1でこれだけいて、これといった逃げ馬が1頭もいない。キルロードかオパールシャルムがハナだろうが、クリノガウディーが1着入線降着→モズスーパーフレアが逃げ切った2020年(34.2-34.5)のような前後半になるかも。
前傾ラップではないスプリント戦となると、クリノガウディーのような1400質の馬でもやれるということで、相変わらずスプリンター然としないしなやかなフォームで加速するメイケイエールが、セントウルSのように好位から美しいストライドで、後傾ラップで抜け出せるとみた。スプリンターズSは32.7-35.1を追いかけてしまったのが敗因だろう。重馬場は小倉2歳Sでこなしている。
アグリはデビュー当初は緩さが残ってマイルを走っていたが、ようやく短距離でうなって先行できるパワーを身につけてきた。これもピュアスプリンターではないので後傾ラップは歓迎。道悪は巧そうな脚元だし、好位追走で1400質のレースで抜け出せそうだが、阪急杯の勝ちっぷりを見ると1400馬としての格はメイケイのほうがまだ上。
ナムラクレアは高性能だがこれは高速馬場がベター。ヴェントヴォーチェはタートルボウル産駒だから馬群がイマイチで、後傾ラップで馬群が密集しそうなのが内枠でどうか。ピクシーナイトはフォトパを見た感じではちょっと張りが物足りない。ナランフレグやウインマーベルはダート血統で手先が強いし時計がかかったほうがいい。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から1~3着を

ファストフォース
アデイインザライフの半弟で、タガノデンジャラスやバアゼルリバーの甥で、メイショウナルトやエピカリスも近親。母ラッシュライフはファンタジーSと函館2歳Sで2着。ロードカナロア×サクラバクシンオーはキルロードやペプチドバンブーと同じ。血統どおりのスプリンターで、牝系譲りのパワーも兼備し坂コースもOK。ムラ駆けの逃げ馬だったが、差すケイバを覚えて最近は安定味が出てきた。コース実績もあるだけに侮れない。道悪もこなす。(距離◎スピード○底力○コース◎)



ナムラクレア
ナムラムツゴローの3/4妹。3代母Coup de GenieはMachiavellianの全妹の仏2歳女王で、子孫にバゴやファンディーナなど活躍馬多数の名繁殖でもある。父ミッキーアイルはマイルG1を2勝したディープインパクト産駒で、メイケイエール、ララクリスティーヌ、ピンハイなど牝駒がよく走る。スプリンターとしては走りがしなやかなのもメイケイと似ていて、1200~1400の高速決着に自信。シルクロードもさすがの差し切りだった。パンパンの良でやりたい。(距離◎スピード◎底力◎コース○)



トゥラヴェスーラ
トオヤリトセイトの全兄でクライスマイルのイトコ。母ジャジャマーチャンはスプリンターズS勝ちアストンマーチャンの全妹にあたる。ステイゴールド×アドマイヤコジーンはウインブライドなどが出て大成功したが、ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディのニアリークロスになるのがポイント。ドリームジャーニー産駒らしいピッチのきいた差しで、昨年の高松宮では重馬場のインを捌いてクビ・ハナの4着。ベストは1400なので、あれぐらい時計のかかる馬場になってほしい。(距離○スピード○底力○コース◎)



今年も不良馬場で4年連続道悪となった高松宮記念ですが、勝ち時計は23年1.11.5(不良)、22年1.08.3(重)、21年1.09.2(重)、20年1.08.7(重)で、今年は道悪への適性がさらに問われるような極悪馬場

ファストフォースは3歳6月にデビューして6戦するも勝てず、道営に転じて3勝して出戻ってからスプリンターとして頭角を現してきました

しかも単調な逃げ馬だったのがここにきて差すケイバを覚えて、7歳にしてついにG1制覇を成し遂げたわけですが、このJRAデビュー戦が芝2400だったというのは今振り返ってみても驚かされます(結果はメロディーレーンちゃんに30馬身以上離された12着)

このようにスプリンターがスプリンターとして完成するのは古馬になってからというケースはよくあって、最近でもファストフォースは7歳、ジャンダルムは7歳、ナランフレグは6歳にして初めてスプリントG1に勝ちました

ジャンダルムがデイリー杯に勝ちホープフルで2着してクラシックロードに乗ったように、古馬になってスプリンターとして完成し高松宮記念やスプリンターズSを勝つような馬であっても、若駒の頃はまだ緩くてスプリンターとしての頑強さが足りなくて、アグリがマイルを走ってましたみたいな戦績になることは多いですよね

ここ10年ぐらいの高松宮とスプリンターズの勝ち馬をみても、新馬-特別を1200で連勝なんて馬はビッグアーサーぐらいのもんで、しかもビッグアーサーは怪我でデビューが遅れて3歳4月デビューでしたからね

逆にいうとディープ産駒のダービー馬なんかは、3歳5月の時点でしなやかさと強靭さがベストバランスで表現されているからこそ東京2400で斬れに斬れるわけで、そこから古馬になると強靭のほうに寄りすぎてきて難しくなってくるというね、古馬になってどんどんアルアインっぽくなってくるシャフリヤールを見ているとそういう難しさも痛感します

となると、5歳になっても相変わらずしなやかでうっとりするストライドで加速するメイケイエールちゃんは、スプリンターに完成しないまま果たしてスプリントG1を勝てるのかどうか

ファストフォースの母ラッシュライフは2歳時にファンタジーSで2着し桜花賞路線に乗り、その後はサクラバクシンオー産駒らしく準オープンの芝1200で活躍しました

そこにロードカナロアがかけられて、
Storm Bird≒ノーザンテースト4×4
Northern Dancer5・6・6・8×5・5・6
His Majesty=Graustark5・7×5
Nijinsky7×5
など密な父母相似配合となり、両親の短距離のスピードとパワーをそのまま再現したという配合になっています

種牡馬ロードカナロアは中距離型牝馬との配合で、Nureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロスやトライマイベスト=El Gran Senorの全きょうだいクロスを施すことで、アーモンドアイ、パンサラッサ、サートゥルナーリアといった代表産駒を輩出していますが、そういう両親のいいとこどり融合で確変を狙った配合ではなくて、両親の短距離資質を忠実に再現し再生産しようという意図の配合

このように「Northern Dancer4×4以上のクロスをもち、準オープン以上で活躍したサクラバクシンオー産駒」にロードカナロアを配した父母相似配合は、以下のように高確率で短距離上級が出ています



ファストフォース:母ラッシュライフはファンタジーS2着、自身はNorthern Dancer5・6・6・8×5・5・6、His Majesty=Graustark5・7×5

ペプチドバンブー(JRA5勝,芝ダ1400~1700):母シャペロンルージュはJRA4勝(芝1000~1200)、自身はNorthern Dancer5・6・6・8×5・5・5・7、His Majesty=Graustark5・7×5

サイクロトロン(JRA現役4勝,ダ1200):母キャレモンショコラはJRA4勝(芝ダ1000~1200)、自身はNorthern Dancer5・6・6・8×5・5・5、Secretariat=Syrian Sea≒Sir Gaylord5・6×5・6

スギノヴォルケーノ(JRA4勝,芝1200):母バクシンカーリーはJRA4勝(芝1200)、自身はNorthern Dancer5・6・6・8×5・5



先週は4頭出走したドリームジャーニー産駒がいずれもごっつい複穴をあけており、トゥラヴェスーラはトオヤリトセイトの全兄で、高松宮は20年も21年も際どい4着でまさに三度目の正直というべき3着でした

母ジャジャマーチャンは不良のスプリンターズを逃げ切ったアストンマーチャンの全妹にあたり、そこにドリームジャーニーでトゥラヴェスーラはノーザンテースト4・5×4、そしてウインブライトでおなじみダイナサッシュ≒アドマイヤマカディーのニアリークロス4×3が光る配合

ドリームジャーニーはオルフェーヴルやリヤンドファミユの全兄で、日曜中京8Rの芝1200戦では、ダイワメジャー産駒ヤマニンアンフィルが勝ち、ノーザンテースト4・5×4のオルフェーヴル産駒デルマヤクシが2着、ノーザンテースト4・5×5のリヤンドファミユ産駒マメコが3着

これはノーザンテースト馬場なのかと書いておきましたが、終わってみれば高松宮も1着3着4着がノーザンテーストもちで、特に1200ではテースト譲りの短足ピッチ走法が浮上する不良馬場だったというべきですかね



不良の高松宮といえばダイワメジャー産駒コパノリチャードが1.12.2で勝った14年以来で、あの年もノーザンテーストのワンツーだったのですが、8人気2着スノードラゴンはステイゴールド×アドマイヤコジーンの黄金配合の元祖というべき存在で(ミセスマカディー≒ロイヤルサッシュ3×4)、この既視感で無印とはあああ情けない…

https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/35925775cf124e86658db23e2de55188
(ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディのニアリークロスについてはこちらを)


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