東京11R フェブラリーS
◎4.ヘリオス
○16.レッドルゼル
▲13.ソリストサンダー
スピードも要求される東京マイルのダート王決定戦。ストームキャットの血を引く馬が過去5年で3勝で、ゴールドアリュール産駒をはじめとするヌレイエフの血も例年上位を賑わせる。馬場が水分を含んで軽くなったときはストームキャット、乾いた状態ならばヌレイエフを重視というのが筆者のスタンスだ。あと血統とは関係ないが、ここ5年の勝ち馬のうちゴールドドリーム以外の4頭は前哨戦の根岸Sか東海Sを勝って挑んでいた。ダートと短距離は勢いも大事。
レッドルゼルの母フレンチノワールのフレンチデピュティ×フジキセキは一世を風靡したダート黄金配合で、そこにロードカナロアだからダートのスピード競馬に強い血統。川田がマイルまでにらんで差すケイバを教えてきて、前哨戦の根岸をみごとに差し切り。ただベストは1400だしストームキャットの血を引くから、欲をいえば雨が降って締まった馬場になってほしかったか。
カフェファラオはアメリカンファラオ産駒でエンパイアメーカーの父系だから、馬群で揉まれたり砂をかぶったりすると戦意喪失。だからチャンピオンズはルメールといえども外々を回すしか策がなかった。この枠順並びだとインの3列目になりそうで、砂をかぶってジッと我慢できるかどうか。馬具も工夫するようだがその効果やいかに。
ソリストサンダーは前走オープン特別を横綱相撲で完勝。今週の追い切りでも唸っていて、陣営も言うように今まさに絶好調だろう。脚長の直飛だし東京も合っているが、血統はトビーズコーナー×スペシャルウィーク×ブライアンズタイム、中距離×中距離×中距離でベスト距離は1800だと思う。
となると、良の東京マイルでどこから入るか。◎ヘリオスの根岸は直線何度も前がカベになり脚を余した。オリオールの血を引くシャンランの牝系だから、ああなると馬群を割りたがらないのかもしれないが、揉まれても詰まってもレースをやめなかったのは収穫といえる。これも母がフレンチデピュティ×フジキセキの黄金配合で、そこにオルフェーヴルだから売り出し中の砂の女王マルシュロレーヌと似た配合だ。ダ短距離に転じて軌道に乗ったが、血統や馬体や走りからはマイルに延びるのはむしろプラスとみたい。内枠に行く馬が揃ったので、その直後追走から直線外に持ち出せれば…という狙い。5歳オルフェの一発に期待したい。他となると拾い出したらキリがないし、抜けた馬不在の混戦だが印はこの3頭で。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より
カフェファラオ
レイクプラシドS(米G2・芝8.5F)のRegal GloryやトランシルヴァニアS(米G3・芝8.5F)のNight Prowlerの半弟。母Mary's FolliesはミセスリヴェラS(米G2・芝8.5F)勝ち。父American Pharoahは北米三冠馬でダノンファラオの父。エンパイアメーカー系らしく馬群が苦手で、揉まれず先行か大外一気の二択に。チャンピオンズは外々を回って、さすがにあれで差せるほどの力はまだつけてないということか。ここもおそらく大外一気になるだろう。(距離○スピード○底力○コース◎)
エアスピネル
エアウィンザーの全兄で、エアシェイディの甥で、母エアメサイアは秋華賞馬。エアシャカールも近親で、ボールドルーラー的な機動力をよく伝える牝系だ。母母父ノーザンテーストの影響も強いマイラーっぽい体型で、Kingmamboのパワーの血を増幅した配合でもあり、プロキオンSや武蔵野Sではダートの脚捌きも上々。以前から中山記念型と書いているが、機動力が最大の武器だから大箱ワンターンよりは小回り一周で狙ってみたいタイプだ。(距離○スピード○底力○コース○)
ワンダーリーデル
母母オカノスピカはJRA5勝だが近親に目立った活躍馬はいない。父スタチューオブリバティはコヴェントリーS(英G3・芝6F)に勝ったスピード型で、アクティブミノルやキクノストームなどを出している。Storm CatとBlushing Groomが強いマイラーで、東京マイルは武蔵野S勝ちがあるベストコース。8歳でも衰えが見られないのはマヤノトップガンの血か。これも母がオリオールのニアリークロスなので馬群は苦手のようで、直線大外に出して差す一手。(距離◎スピード○底力○コース◎)
東京ダートは良馬場とはいえヒヤシンスの勝ち時計1.36.8も昨年のカフェファラオ(1.37.7)より1秒速いし(まあ今年のほうが前半が1秒ぐらい速いんですが)、終わってみれば1着3着はStorm Catもち、2着は芝でも重賞級、勝ち時計1.34.4は良馬場フェブラリー最速、良にしては時計が出やすい馬場やったのかなと思ってます
特にインが走りやすいバイアスやったようで、9Rヒヤシンスは逃げ粘るプロバーティオの最内をすくったラペルーズが差し切り、6Rは先行3頭の行った行った行ったでした
そのバイアスをみごとに突いたのがノリで、いつもワンパターン大外一気のワンダーリーデルをスタートからゴールまでラチ沿いを走らせつづけ、「完ぺきに乗れた」とコメントしているのはそういうことでしょう
しかしこの馬が内から差してくるとはかなり驚きで、初ブリンカーの効果も大きかったのかもしれないですが、こういうAureole魂の外差し馬が最内を突くと(ラチ沿いは視界が開けているので)我慢して差してしまうシーンというのはたまにありますな…しかし高齢トップガンの一発は怖い
エアスピネルはアイドリーム牝系らしい小脚つかいで、東京マイルをストライドで差してくるイメージは全くわかなかったのですが(^ ^;)、これもノリの直後をインベタでついて回ったのがまず大きかった
あと直線半ばまで前カベで追い出しを待たされたのも、ピッチ加速で長く惰性で伸びるわけではない末脚の質からすればむしろよかったのでは…あれ最初から開いてて、残り500mから全開になったら、ゴールまで伸びつづけたかというとそうでもない気がするんですよね
そういう意味では、大外16番を引いてしまい最後まで内には入れられなかった(入れる気もなかったでしょうが)レッドルゼルは、最後同じ脚になったのは1400ベストというのもあるでしょうが、内容としては2番目に強かったといえるのではないかと
ヘリオスは4角で一杯ですから力負けといえばそれまでですが、これもAureole魂が強いシャンランの牝系ですからね、ショウナンアルバやショウナンタレントみたいに4角先頭ぐらいでないとやめちゃうのはやめちゃうんでしょう
カフェファラオはAmerican Pharoah産駒らしいエンパイアメーカー系らしい気性で、馬群で揉まれたり砂をかぶったりすると戦意喪失する気性で、2番枠のJDDはもう途中から手応えが怪しく、チャンピオンズもずっと外々を回りつづけるしか策がなかった
ここは1番2番と4番5番ができれば行ききりたい揉まれ弱い先行馬で、その4頭に挟まれた3番となると、どれが行ってどれが控えるにしても3列目のインで砂をかぶりながら我慢するしか手がなく、今までのレースぶりを思い起こせばそれで直線まで我慢できるのかと、ルメール騎乗で1人気が予想されただけにそこは斜めに構えたくなりました
実際3列目インになったんですが、幸運やったのはサクセスエナジーが出遅れたこととインティのユタカが最初から差しに回ったこと、先行4頭のうち2頭が消えたことで、離れた3番手で砂をかぶらず追走できました
そのため道中の行きっぷりは上々で、真横にいたヘリオスもAureole魂なので内には入れたくないですから、ラチ沿いをスイスイ押し上げていくと前にも横にも馬がいない3番手、こりゃカフェが勝つわというポジションを中盤にしてゲットできたのです
緩みないペースのバラけた3番手というのはまさにアメリカ競馬のウイニングポジションといえ、東京マイルで北米の名血に跨ったフレンチの鉄人は、最高にアメリカンなケイバをさせてみごとに1人気に応えました
そして異例ともいえる長期厩舎滞在で、ルメールとミーティングを重ねながら馬具を工夫し、ややこしい気性のカフェファラオをどうやってマジメに走らせるかに尽力し、名門厩舎の本気を見せつけられたフェブラリーでもありました
いつものようにG1レース後はいろんな人とあれこれ回顧してたら中京最終が走り出して、ピック馬レッドブロンクスがエピファ産駒らしく内々で砂をかぶって手応えが悪く、あ~あ今日は人気を裏切りそうやと思っていたら、直線でひょいと外に出すチャンスがあり、そこからはしっかり伸びて2着確保
Aureole魂でもエンパイア魂でもアフリート魂でも、いつもいつも単騎で逃げることはできないし外枠を引くとも限らないので、馬群をこじ開けたり狭いところに突っ込んでいったりということまではできなくても、道中我慢して下がらず追走できればどこかで絶ポジになるチャンスはあるので、カフェファラオをそういう馬にした陣営の勝利でもあったと思います
「Unbridledってのはミスプロ系でもKingmamboと並んで大一番に強いし実に底力がある血。ミスプロ系の頂点にそびえ立つ名配合、サンデーサイレンスやブライアンズタイムに比肩する名配合と言っていいでしょう」(望田bot)
これはダノンプラチナが勝った朝日杯の回顧で書いたやつかな、その名配合Unbridledの血脈構成をIn RealityとBuckpasserのクロスを中心に綿密に増幅しているのがエンパイアメーカーで(Unbridled's Songは増幅ではなくNasrullahとCequillo≒Incantationにひねっている)、Pioneerof the Nile~American Pharoahを幹に北米で父系を伸ばしつづけています
Pioneerof the NileもAmerican Pharoahも強いクロスをもたないアウトブリードなので、活力旺盛なエンパイアメーカーの遺産で2世代食ってきたといえますが、さすがにAmerican Pharoahの産駒の代ではそろそろ強いクロスが渇望されてくる
カフェファラオの母Mary's FolliesはミセスリヴェラS(米G2・芝8.5F)勝ち馬で、クロスはMr.Prospector4×3とBuckpasser5×4・5、ザックリいうとWoodmanとMiswakiとWavering Monarchを通じるRaise a NativeとNasrullahとBuckpasser的な組み合わせのクロスで、そこにBetter Self×Belle of TroyのBest Sideや、Better Self×Eight ThirtyのLady Be Goodや、War Relic3×3のIn Realityが絡むという配合
特にBuckpasserの有能な娘3頭を通じるクロスは魅力で、産駒がみんな重賞を勝っても驚けないぐらい繁殖としては有能な配合をしています
エンパイアメーカーじいちゃんの遺産を食いつぶした(というと語弊があり、クロス以外にやるべきことはやってる配合なのですが)American Pharoahと、エンパイアメーカーの血脈構成を綿密強力にクロスするMary's Folliesとの配合で、カフェファラオは生み出された
そんな話はユニコーンの後にも詳しく書いてましたね
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/dab93c88d21158982671121555a49652
特に注目できるのは、上でも書いたUnbridledとWavering Monarchを通じるCharedi≒Uncommittedのクロスで、向こうで走ってるAmerican Pharoah産駒の血統表をみると、米G1アメリカンファラオS2着American Theorem、G1ラブレアS3着Merneithの母系にもWavering Monarchの名があるんですよね
そして今年からブリーダーズで供用されるフォーウィールドライブFour Wheel Drive(通算4戦3勝でBCJターフスプリント勝ち)、これが母父More Than Readyで母母母父Zilzalで母はMr.Prospector4×3なので、カフェファラオと酷似した配合なんですよね(ZilzalはWavering Monarchと同じLady Be Good牝系)
私もゼンノロブロイ(マイニングはLady Be Good牝系)の肌にダンカークを配したり、ダノンレジェンド×ダンカーク(キングヘイロー)がブレイクするかもみたいな話を浦河の生産者としてるんですが、ヒヤシンスを勝ったラペルーズはエンパイアメーカーをマイニング≒タラズチャーマーのニアリークロス4×4でサンドイッチした腰が抜けそうな配合で、ペルーサ産駒が北米に殴り込みというのも痛快ですな(・∀・)
そんなわけで、すでに9Rから、UnbridledとLady Be Goodが躍動していた日曜の東京でした
第38回フェブラリーS回顧~UnbridledとLady Be Goodが躍動
2/20,21の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で望田潤が推奨したフルヴォート(牡3歳)が土曜阪神2Rの未勝利戦(ダート1400m)を勝ち上がりました。
★キャロットクラブ
父ヘニーヒューズ
母リーチコンセンサス(フレンチデピュティ)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105350/
牡 募集価格:2000万円
母リーチコンセンサスはJRA4勝。最近もノームコアやクロノジェネシスが大活躍で、代を経てもスピードは衰えないラスティックベルの牝系です。ヘニーヒューズはDeputy Minister系の血と合うだろうという読みで、同じヘニーヒューズ×フレンチデピュティのクリストフォリを3年前にピックしましたが、560キロに達する大型馬で脚部不安との戦いになってしまったのは残念でした。アジアエクスプレス=レピアーウィットやバイラなども出て、ダートで成功しているパターンには違いありません。本馬はクリストフォリほど大型ではなく脚元に危なっかしさも見られず、それでいて血統のイメージどおりの手先の強さは感じられます。ダートの長めマイラーとして上級の計算は立つので、クリストフォリのぶんまで頑張ってほしいという思いと願いを込めてピックしました。(望田)
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2020)』で推奨したヴォワドアンジェ(牝3歳)が日曜阪神2Rの未勝利戦(ダート1800m)を勝ち上がりました。
ヴォワドアンジェ(牝・父Curlin・母Love and Pride)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018110076/
エクレアスパークルやアンタラジーのイトコで、牝祖Cara Rafaelaは北米G1勝ち馬でBernardiniの母。母Love and PrideはパーソナルエンスンH(米G1・ダ9F)とゼニヤッタS(米G1・ダ8.5F)の勝ち馬で、A.P.Indy×Storm Cat×Quiet AmericanでSecretariat3×4だから繁殖としても有能とみた。アウトブリードのCurlinとの配合も良い。(望田)
■『ディープインパクト好配合リスト(2020)』で栗山求が推奨したエクスインパクト(牡3歳)が日曜東京4Rの未勝利戦(芝2400m)を勝ち上がりました。
○エクスインパクト(牡・母エクセレンスII)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018104957/
シルクホースクラブで募集価格8000万円。母は芝1400mの仏G3勝ち馬で、仏1000ギニー(G1・芝1600m)と仏オークス(G1・芝2100m)で3着となった活躍馬。母の父Champs Elyseesはハービンジャーの父Dansiliの全弟で、ヨーロッパ血統のなかでも堅い芝に対する適性に定評がある。本馬の全兄ですみれS(L)を勝ったレクセランス、半兄で現3勝クラスのエクセランフィーユ(父Frankel)はいずれも堅い芝を得意とする。母方にDanzigとSir Ivorの組み合わせを持つディープインパクト産駒は、ディサイファ、プリモシーン、ケイアイノーテック、サトノアーサー、ダノンチェイサー、アドマイヤビルゴなどが出ており成功している。(栗山)
■土曜阪神11R京都牝馬S3着 ブランノワール(一口・望田&栗山)
■日曜阪神6R1勝クラス グレイイングリーン(ディープ・望田)
■日曜小倉7R1勝クラス ヴィオリーナ(一口・望田&栗山、ディープ・望田)
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グレイイングリーンは体質や身のこなしがいいのでオープン級やと思ってますが、母母父BuddhaがUnbridled's Song×Storm Catなので、これも最新のディープ黄金配合ですね
父ディープインパクト系、母にUnbridled's SongとStorm Catという配合はラウダシオンやレッドベルオーブなども出て大成功していますが、キズナとルシュクル(母はUnbridled's Songの全妹)との間にビアンフェが出ていることからも、リアルスティールやサトノアラジンやエイシンヒカリといったディープ×Storm Cat種牡馬は、Unbridled's SongやTiznowをもつ牝馬との配合で代表産駒を出すのではないか…という読みもできますな
フェブラリーの回顧で書いたUnbridledとLady Be Good牝系のニックス(Charedi≒Lady Be Goodのニアリークロス)については
父系にUnbridledをもつ馬=勝ち馬率35.8%、平均賞金1173万円
母系にLady Be Goodをもつ馬=勝ち馬率33.6%、平均賞金1432万円
父系にUnbridledをもち母系にLady Be Goodをもつ馬=勝ち馬率44.4%、平均賞金1686万円
というデータでも立証できると思いますが、以下のようにAmerican Pharoahとダンカークとサマーバードの日本での代表産駒が出ている時点で、率以上に長打力を評価すべきですかね
主だった枝だけ紹介しておきましょうか
Lady Be Good
├Discipline
│└Squander
│ ├Pound Foolish
│ │└グッバイヘイロー
│ │ └キングヘイロー
│ └ラシアンルーブル
├Bold Example
│└Past Example
││├Zienelle
│││└Crafty Example
│││ └Intikhab
││└Polish Precedent
│├Highest Regard
││└オウインスパイアリング
│├French Charmer
││├タラズチャーマー
││└Zilzal
│└Perfect Example
│ └ヒットザスポット
├In Hot Pursuit
│└ポッセ
├Impish
│└I Pass
│ └マイニング
└Uncommitted
├Wavering Monarch
└Chellingoua
└Out West
└Motivator
ラシアンルーブルもLady Be Good牝系なので、タルマエやダノンレジェンドなんかでダートのオープン馬狙えると思うんですよね…Tapitのラインでもいいすね
また昔話で申し訳ないですが、日本産のマイニング産駒で最も活躍したソルトレイクスター(JRA6勝)ってのをPOGでもってたんですが、I Pass≒Squander2×3を初めてみたときはクラクラきました(・∀・)
「モチ肌はいいぞ!」とMotivator肌にずっと注目してるのも、このLady Be Good牝系なのも理由のひとつです
逃げモーリス2021
以下のように、今年に入ってからの「逃げたモーリス産駒」の成績がすさまじくて、石塚さんに苦手と言われていた一周ダートでもついに初勝利をあげたほど(2/21ゴダイリキ)
モーリス産駒全般にいえることですが、後ろから上がり1位でバキューンと差し切るような脚はあまりないので、行って踏ん張るのが勝利への近道だろう…ということは以前から書いてます
シンザン記念のピクシーナイトの意表を突く逃げが典型ですが、3歳になって馬がシッカリしてきて、ハナを切れるほどの出脚が伴ってきたことが、“逃げモーリス2021”のブレイクにつながっているのではないかと
見てのとおり新馬で逃げたのは2頭だけで、あとはデビューから3~5戦目ぐらいに初めて逃げてみたら好走、というケースばかりなんですよね
で、ハナを切るためには、ピクシーナイト(母父キングヘイロー)やノースブリッジ(母父アドマイヤムーン)やハコダテブショウ(母父アジュディケーティング)のように、母父にマイラーのスピードが入るほうが先行しやすいだろうと
モーリス×ディープインパクトは勝ち馬率は高くてコンスタントに走ってるんですが、全[8-13-8-26]と2着が多いのは差し脚質になりやすいからじゃないかと
土曜東京5Rはトゥーフェイスが断然の1人気で、でもこれはモーディープの差し馬やからまた2着か3着やろうという馬券を組んでみたら、ルメールは涼しい顔でハナを奪ってしまい楽勝でした(^ ^;)
そんなわけで、ついでに有力種牡馬の「上がり1位勝率ランキング」を出してみました
2016~2021/2/21までのJRA芝レースの勝ち鞍が多い上位50頭の種牡馬の、芝全勝ち鞍における上がり1位勝ち鞍の割合を算出し、上位順にソートしていますが、これは見方を変えれば上位ほど行けない脚質、下位ほど先行粘りの脚質ともいえるんですよね
土曜のボツ予想~Aureole魂に淡い期待
「種牡馬辞典いつ出るんすか」とよく聞かれるんですが3/11のようです(また告知します)
https://www.amazon.co.jp/dp/4426123097/
阪神芝3200の松籟Sは今日楽しみなレースの一つですが、2周目は内回りですから、小回りもきく◎フライライクバードと○ディアスティマ、あと小さなステイヤー▲メロディーレーン
人気どころで決まりそうな気もしますが、現在11人気の☆ラクローチェはハービンジャー×ダンスインザダークで、母母父がVaguely Noble直仔なのでAureoleの薄いクロス、配合どおりスタミナはあるが馬群はダメという馬で、揉まれず先行なら淡いヒモ穴の期待
他のレースはこれから考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではマーガレットSと幕張Sと水仙賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
日曜のボツ予想~血は拡散しつづける
まさに寝耳に水というべきシーザリオの訃報で、角居先生の勇退とともに旅立ってしまうとは…でももう19歳やったんですね
昨年はサートゥルナーリアの全妹が産まれていますが、息子も娘も繁殖として優秀なので、エピファネイア肌とかぜったい成功すると思ってるんで、その血は拡散しつづけることでしょう…合唱
デイジーは人気ですが◎エイシンチラー
前走も◎にしましたが、近ごろは逃げジョッキーと化しているミルコが開幕週の馬場をスイスイでは
母母エイシンサンサン(小倉3歳S,朝日CC2着)の配合のツボはWild RiskとHyperionとPretty Pollyなので、そこがウインドインハーとの間で活きてるのもいいですね
他のレースはこれから考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では中山記念と阪急杯とすみれSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
2/27,28の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『ディープインパクト好配合リスト(2020)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したクライミングリリー(牝3歳)が土曜中山5Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。
◎クライミングリリー(牝、母コンテスティッド)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018104607/
ギベオン、サトノフウジン、サトノルーラーの全妹。母コンテスティッドはMr.ProspectorやIn Realityをクロスする父母相似配合で、テストS(米G1・ダ7F)やエイコーンS(米G1・ダ8F)など北米7戦5勝。ギベオンもサトノフウジンも才気を感じさせる馬ではあるが、牝のほうが走りそうな配合だからここで満を持してピックしてみる。ジェンティルドンナのようなタイプに期待。(望田)
◎クライミングリリー(牝・母コンテスティッド)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018104607/
社台レースホースで募集価格6000万円。中日新聞杯(G3)を勝ち、NHKマイルC(G1)で2着となったギベオン、フリージア賞(1勝クラス)を含めて3戦2勝のサトノフウジンの全妹。母コンテスティッドは現役時代、エイコーンS(米G1・ダ8f)、テストS(米G1・ダ7f)など3つの重賞を含め7戦5勝の成績を残した名牝。母の父Ghostzapperは00年代のアメリカ最強馬の1頭。Deputy Minister系だけあってブルードメアサイアーとして優秀で、米三冠馬Justifyや本邦輸入種牡馬ドレフォンの母の父となっている。父ディープインパクトはDeputy Minister系と相性が良好だ。(栗山)
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2020)』で推奨したイッツユアタイム(牝3歳)が土曜小倉1Rの未勝利戦(ダ1700m)を勝ち上がりました。
イッツユアタイム(牝・父エピファネイア・母エイコーンウィル)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018101979/
ワキノカイザーやアントニオピサやタイムズアローの姪でセンチュリオンやエイコーンパスのイトコ。エピファネイア×キングカメハメハ×サンデーサイレンスの牝馬といえば、デアリングタクトとスカイグルーヴが初年度から成功したが、今年はこれとロジネイアの二枚看板でいきたい。この牝系とRoberto系種牡馬のニックスにも期待。
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2020)』で推奨したサンデージャック(牡3歳)が土曜小倉5Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。
サンデージャック(牡・父ダイワメジャー・母ホットチャチャ)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105260/
エタリオウ(父ステイゴールド)の弟で、ともに父はサンデーサイレンスとノーザンテーストの組み合わせだから配合のアウトラインも似る。母ホットチャチャが中距離のG1(芝9FのQエリザベス二世チャレンジカップS)を勝っているのが好感で、ダイワメジャー黄金配合と言っていいだろう。早期からいけそうなマイラー。
■土曜阪神8R2勝クラス ラヴォアドゥース(POG・望田)
■土曜阪神9R松籟S ディアスティマ(ディープ・栗山)
■日曜中山6R1勝クラス ジュリオ(一口&POG・望田)
■日曜中山7R1勝クラス スペロデア(一口・望田)
■日曜阪神11R阪急杯3着 ジャンダルム(POG・望田)
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ジュリオは「3/4Northern Dancerクロス」、Sadler's Wells=Fairy King≒Nureyev4・5×4、サンデーサイレンス4×3、リオンディーズ産駒としてはまずベストを尽くした配合といえ、これが走らなかったら種牡馬リオンディーズの未来は暗いだろうといえるぐらいの配合なのでね
サウジダービーを逃げ切ったピンクカメハメハも3/4Northern Dancerクロスで、リオンディーズがエピファネイアと違うのはNureyev≒Sadler's Wells4×3をもつことで、だから基本的には非Northern Dancerクロス牝馬との配合で、Nureyev≒Sadler's Wellsについては緊張→緩和で成功しやすい種牡馬やと考えています
スペシャルウィーク肌特有のAureole魂を伝えるのはエピファと同じで、内枠の成績が芳しくないのは相変わらず
スペロデアの母サクラフォルトゥナはダ1200で新馬勝ちしたサウスヴィグラス産駒で、こういう牝馬にはやっぱりダ短向きの種牡馬をつけたがることが多いんですが、サクラバクシンオー肌で一番走ったのは父ブラックタイドのキタサンブラックですよ、サウスヴィグラス肌で一番走ってるのは父フリオーソのヒカリオーソ(川崎記念2着)ですよ、短距離G1馬ドナブリーニにディープつけてジェンティルドンナが出たんですよ、と一言アドバイスすることにしています(ヒシイグアスの母ラリズも芝1000mの重賞を二つ勝ってるスプリンターですね)
もちろんロードカナロア×カレンチャンの父母相似配合でオープン級のスプリンターを再生産できればそれでいいんですが、「父スタミナ×母スピード」「父中距離×母短距離」で「母のスピードで先行し、父のスタミナで粘る」馬をつくるというのが一番オーソドックスな考え方やと思うのでね
ちなみにJRAで最も走っているサウスヴィグラス肌は父スマートファルコンのタイサイで、ダ1800~2000の先行で4勝をあげ、土曜の仁川Sでも4角先頭で5着に残ってましたが、母プリティスターのJRA2勝はダ1000の逃げ切りです
今週は弥生にシュネルマイスター、チューリップにエリザベスタワーとKingman産駒が名を連ねていますが、ともに母はサドラー系の独オークス馬で全体の配合も似ていて、配合どおり父を重厚な斬れにした感じで馬のタイプも似ていますね
KingmanはGreen Desert系×Gone West系の名マイラーですが、代表産駒のPersian Kingは母父Dylan Thomas(凱旋門、キングジョージ)、Palace Pierは母父Nayef(ドバイシーマ)、ともに母父は重厚な中距離型なんですよね
Sさんとジャンポケの訃報が
ウインズB館の常連Sさんは洋服の仕立ての職人で、もう80近いのにまだまだ腕は達者で、奥さんと息子が闘病中なので洋裁店を畳んで、アパートを二部屋借りて自宅の隣を工房にして、そこで仕立てや直しを請け負ってました
札幌市内の百貨店とはだいたい取引があり、工房に入ると高そうなスーツがバラバラ死体になってあちこちに釣り下がってて、「こういうメンドクサイのだけ俺んとこ持ってくんだ~(苦笑)」ちなみに奥さんはニットの直しの達人なのです
サトノクラウンが勝った15年弥生賞の朝、週明けに奥さんが手術なので「ちょっくら入院費でも稼いでくるか」と軽口を叩いて家を出たSさんは、B館のいつもの居場所に向かっている途中で脳出血を発症、3Fの踊り場で倒れているところを警備の人に発見されました
入院先が定山渓病院になったので、寝たきりのSさんを見舞って、ついでに温泉に浸かってカレー食って帰ってくるのが年数回のルーティンやったんですが、昨年からはコロナでずっと面会禁止で、まあリハビリ頑張ってたからとりあえず元気にはしてるやろうと思ってたんですが、クリスマスに亡くなっていたという連絡が
私が学生時代に買ったダックスのダッフルコートも、古着屋で見つけたウールリッチのマッキノークルーザーも、「ちょっと着てみな」と待針を適当に入れて、こちらが細かいこと言わなくても、上手いことリペアして、太からず細からず絶妙のサイズ感に仕上げてくれました
どこにでもあるふつうの定規と鉛筆で、定規をくるんと回転させたり滑らしたりして服の裏地に微妙な曲線を描き、それに沿ってジョキジョキ鋏で切りながら「ここんとこはね、真っ直ぐ切っちゃダメなんだ」あの職人芸を見学するのが楽しかった
冬に見舞いに行くときは必ずダッフル着ていったんですが、もうかなりヘタッていい味出すぎてるぐらいで、これはウインズの踊り場で野垂れ死ぬまで着てやろうと思ってます
ジャングルポケットはたしかにデビュー当時から大物ムードは漂ってましたが、トニービン×Nureyevのヤンチャな大跳びで、もう見た目に荒削りで、それが2戦目の札幌2歳でタガノテイオー(後に東スポ杯に勝ち朝日杯2着)とテイエムオーシャン(後の桜花賞&秋華賞馬)をねじ伏せてしまうというのがまず最初の驚きでした
こういうスケールの大きな走りをする大物が、不思議と角田のところに巡ってきてね、ポーカーフェイスで思い切りよく雑に乗って勝つのがかっこよかった
そのジャンポケがいくら追っても影も踏めなかったのがラジオたんぱ杯のアグネスタキオンで、そのタキオンとジャンポケに歯が立たなかったクロフネがダートに出たら歴代最強の仰天パフォーマンスでぶっちぎりぶっちぎり
秋には大器マンハッタンカフェがついに本格化して有馬のエビショウの捲りも忘れられず、ほんとにワクワクドキドキの連続でしたねあの年のクラシックは
東京2400の土俵の真ん中で、横綱オペラオーとがっぷり四つに組んで、荒々しく寄り立てる脚はまさにトニービン、まさにNureyev、まさにナスペリオン
代表産駒のトーセンジョーダンと代表孫のミッキースワローの配合が似ているように、濃厚なHyperion(4・6・6×6・6・7・7・7・8)を活かすにはクラフティワイフのような軽い北米スピードの注入がポイントで、だから母父としてはサクセスエナジーみたいな使い方、父のスピードをHyperionで支えるみたいな配合がいいんじゃないかと思いますね
土曜のボツ予想~母父ジャンポケの二枚腰
平出貴昭さんの電子書籍『世界のG1馬父系図1776-2020』が発売されました
昨年発売の『1932-2019』に2020年の結果を加筆した新版です
http://miesque.com/c00064.html
(以下栗山ブログからコピペ)
1776年の英セントレジャーから、2020年の世界各国の大レース69レースの勝ち馬延べ約7000頭を父系図にまとめました。父系図は約90ページ、勝ち馬一覧表は約150ページの全241ページという大ボリューム。父系の歴史や流れを掴むには最適な資料になることでしょう。
世界広しといえどもこの種の本は刊行されていないはずです。時間をかけてコツコツと編み上げた平出さんの仕事ぶりに脱帽です。父系図や勝ち馬一覧表の資料性はもちろん、馬名をクリックすると5代血統表が出てくるので、何時間眺めていても飽きません。この本なしに世界の血統の歴史は語れないといってもいいでしょう。ぜひぜひ、オススメです!!
http://miesque.com/shopping.html
潮来はひねるなら◎マイネルステレール、グラスワンダーにスペシャルウィークとサッカボーイのスタミナを重ね、渋った中山2500はベストコース
小豆島は△チュウワノキセキはパンパン馬場でないと甘いところがあるので、◎リュックスポケットの前残りでいってみるかと
ダイワメジャー×ジャングルポケットですから6歳の今が全盛期といえるぐらいで、ハナでも番手でも時計や上がりがかかるほど粘りが増すタイプ
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではチューリップ賞とオーシャンSと芝桜賞を、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」ではチューリップ賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
日曜のボツ予想~スペシャルウィーク肌の逃げ
チューリップ賞はミッキーアイル×ハービンジャーとKingman×Doyen、父マイラー×母父キングジョージの1着同着でした
これは火曜のエントリで書いた「1/4マイラー論」の裏返しで、Kingmanの代表産駒Persian Kingの母父は凱旋門賞馬Dylan Thomasですが、こういうことはクロスやニックス以前の基本的な話です
中山6は◎ブルメンダール
母はマイルCSのブルーメンブラットでそこにモーリス、スクリーンヒーローとアドマイヤベガのTom Fool走法を受け継ぎ、ジュリオを封じた新馬勝ちを見てのとおり中山マイルの機動力抜群
△ジュンブルースカイは中距離馬なので、積極策で勝ちきったのが好感○ビジューブリランテが武史なら2か3にはもってくるだろうということでヒモ筆頭
うずしおは▲イズジョーノキセキは中距離馬なのでマイルで内枠だと揉まれてしまう心配があり、ここは◎ソシアルクラブで
ブエナビスタの娘でこれもスペシャルウィーク肌らしい揉まれ弱さはあって、馬群に入らず先行が好走パターン
ここは逃げ馬不在なのでその気ならハナを切れそうで、おそらく引退レースですから敢然と行ききるのではないかと
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では」弥生賞と大阪城Sとアルメリア賞を、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では弥生賞を予想していますので、日曜もよろしくお願いします
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3/6,7の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『ディープインパクト好配合リスト(2018)』で栗山求が推奨したコントラチェック(牝5歳)が土曜中山11RのオーシャンS(G3・芝1200m)を勝ちました。
○コントラチェック(牝・母リッチダンサー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2016104880/
キャロットクラブで募集価格6000万円。バウンスシャッセ(重賞3勝)、フロアクラフト(オークス-5着)の4分の3妹。母リッチダンサーは日本で産んだ7頭中6頭が勝ち上がっており、確実性と大物感を兼ね備えた優れた繁殖牝馬。これだけの実績を残しているにもかかわらずディープインパクトと交配するのは今回が初めて。母方にFairy Kingを持つディープインパクト産駒はこれまで14頭がデビューして11頭が勝ち上がり、ハープスター(桜花賞など重賞4勝)、ジュールポレール(ヴィクトリアマイル-3着)、ファタモルガーナ(ステイヤーズS-2着3回)、トーセンブレス(フラワーC-2着)などコンスタントに活躍馬が出ている。芝中距離で大きなところを狙える器だろう。(栗山)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で栗山求が推奨したラレイナ(牝3歳)が土曜中山1Rの未勝利戦(ダート1800m)を勝ち上がりました。
★シルクホースクラブ
父キングカメハメハ
母ライラプス(フレンチデピュティ)
牝 募集価格:3000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105316/
準オープンまで出世したプロクリスの全妹。母ライラプスは現役時代にクイーンC(G3)を制し、その4分の3弟には朝日杯フューチュリティS(G1)を勝ったフサイチリシャール、4分の3妹には阪神JF(G1)3着のビーチサンバがいます。2代母フサイチエアデールは報知杯4歳牝馬特別(G2・芝1400m)など4つの重賞を制した名牝。「キングカメハメハ×フレンチデピュティ×サンデーサイレンス」の組み合わせは過去19頭中12頭が勝ち上がり、そのなかにはミュゼスルタン(新潟2歳S)、ロシュフォール(新潟大賞典-3着)が含まれ、連対率26.3%と優秀な成績を挙げています。キングカメハメハ産駒のMr.Prospectorクロスはパワー型に出る傾向が見られるのですが、本馬は歩様に柔らかさがあるので芝向きで、馬のデキも上々です。マイル前後が合うでしょう。(栗山)
■土曜小倉8R1勝クラス レッドフラヴィア(一口・栗山)
■土曜小倉9R1勝クラス ゴールドパラディン(一口・栗山)
■土曜阪神10R播磨S グレートウォリアー(ディープ・栗山)
■日曜小倉7R1勝クラス ストラスフィア(一口・栗山)
■日曜小倉8R1勝クラス サマービート(ディープ・望田)
■日曜阪神11R大阪城S ヒンドゥタイムズ(一口・栗山)
現時点のドゥラメンテの代表産駒2頭、タイトルホルダーとアスコルターレは、どちらもNureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロスをもちます
こういうのはたとえばカナロア産駒と同じで、ドゥラメンテ産駒において全きょうだいクロスや3/4同血クロスを近い世代で狙うならば、まずヌレサドフェアリーがファーストオプションになるわけで、配合史的な考えでは基本中の基本なんですよね
<大種牡馬キングカメハメハの代表産駒で、同父のロードカナロアが種牡馬として大成功しているだけに更に期待は膨らむ。サンデーサイレンスの血を引くのでカナロアより配合相手は選ぶが、2000m基軸の爆発的なスピードを誇った高い競走能力はもちろん、名牝名繁殖エアグルーヴの孫という母系のバックボーンの後押しも。毎年クラシックタイプの大物を輩出し、リーディングサイアーを狙えるポテンシャルは疑いない。配合のポイントとしてはサートゥルナーリアのように、Nureyev≒Sadler's Wells3/4同血クロスを狙うのが第一手としたい>(昨年の種牡馬辞典より)
この2頭、母系にSharpen Upの血が入るのも共通していて、母系にSharpen Upを引くドゥラメンテ産駒は以下のようによく走ってます
エタンの母Mixed MarriageはHyperionとSwynfordとPretty Polly(Miranda)ですからLady Angelaと脈絡するし、トニービン×ノーザンテースト×ガーサントのエアグルーヴのPretty Pollyをいじくり回せるわけですな
ちなみにMotivatorの母Our WestはMixed Marriage4×4で、牝系は最近大注目のLady Be Good、私が「Motivator肌は成功するぞ、モチ肌はいいぞ~」と言いつづけているのはこの母系の良さです(以下は母父Motivator)
タイトルホルダーは母系の奥にもPretty Polly牝系のSupreme Courtが入るし、ドゥラ産駒としても底力溢れる配合といえますが、ホープフルで◎にしたときも本音は前残り3着狙いで(^ ^;)、ドゥラメンテ初重賞が中山内回りの逃げ切りとは思いませんでした
番手をとりにいったルメールもさすがでしたが、何がすごいって武史を逃がしたら怖いとルメールに思わせる武史がすごいんですよね
『パーフェクト種牡馬辞典2021-2022』本日発売
(以下栗山ブログよりコピペ)
栗山求&望田潤が監修した『パーフェクト種牡馬辞典2021-2022』(自由国民社)が本日3/11、全国書店で発売になります。手がけるようになってからちょうど10冊目。過去最高作になったという手応えがあります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4426123097/
種牡馬を紹介する本は、その種牡馬のみに言及するものがほとんどですが、本書は「配合」という観点を取り入れており、旧時代の類書とは一線を画しています。
「種牡馬特別鼎談」は、栗山求、望田潤、三輪圭祐(社台スタリオンステーション)が種牡馬界の現状や新種牡馬の評価について活発に意見を交わしました。今年産駒がデビューする新種牡馬については、三輪さんの最新情報、注目の2歳馬のほか、栗山と望田の血統分析などを交え、多角的に考察して丸裸にしています。POGや一口選定対策としても必読です。
新種牡馬5頭とランキング上位15頭については、栗山または望田が注目2歳馬を2頭ずつ挙げ、血統表を添えて解説しています。馬券の狙い方にも十分なスペースを割いており、配合&馬券、という二本柱で主要種牡馬を徹底攻略しています。毎年同じではなく、最新の知見を取り入れてすべて書き換えています。
グリーンチャンネルでおなじみの辻三蔵さんの産駒調教分析、久保和功さんの馬体分析、素顔の種牡馬たちの姿を垣間見られる美野真一さんの人気コラム「種牡馬ちょっといい話」、新種牡馬については治郎丸敬之さんの「馬体は語る」、秋山響さんによる南米種牡馬事情の解説など、読み応え十分です。
馬券、POG、生産にも応用可能な新時代のハイブリッド種牡馬辞典であり、配合の教科書としてもお使いいただけると思います。お買い上げいただけましたら幸いです m(_ _)m
https://www.amazon.co.jp/dp/4426123097/
土曜のボツ予想~ナカヤマフェスタやゴールドシップを
アーモンドアイがエピファネイアの種を一発で受胎したようで
「3/4Northern Dancerクロス」「1/4マイラー」「3/4同血クロス(Sadler's Wells≒Nureyevとトライマイベスト≒ロッタレース)」「エピカメサンデー」、走らないわけがないだろう…ですね(^ ^;)
アクアラインはファーストフォリオはHabitat的前輪駆動なので坂コースで馬場が悪いとどうか…ということで、◎ジュニパーベリー○トキメキ、ミルファームのワンツー十分かと
熊野は道悪長丁場はナカヤマフェスタを買いたくなるので◎ナミブ
○ビーマイオーシャンとハーツ2騎へ
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では中山牝馬Sと昇竜Sとゆきやなぎ賞を予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
日曜のボツ予想~Diktatのパワーマイラー
東風は◎サクセッションが2戦2勝の中山マイル&武史騎乗でチャンスでは
母アディクティドはシュヴァルツゴルトレネン(独G3・芝1600m)勝ち馬で、Diktatのパワーマイラーっぽさを伝え、全兄クルーガーも中山芝は[2-0-1-0](ダービー卿と初富士Sに勝ち京成杯3着)、芝道悪は富士S3着と豪G1ドンカスターマイル4着
岡崎はカヌメラビーチはメジロツボネ仔らしくしなやかすぎるぐらいで、重ならひとまず◎メイショウドウドウ○クラシックココアになりますかね
伊良湖は人気ですが◎エイシンバッカス
前走負かしたコウユークロガヨカはその後1勝C-2勝Cを連勝、母はTapitの全妹という良血で必殺のYarn=Peach3×3、かなりスプリンターらしい体つきになってきて走りに力強さも出てきましたが、速いダートのほうがベターやと思います
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では金鯱賞とフィリーズレビューとアネモネSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
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3/13,14の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で栗山求が推奨したローウェル(牡3歳)が日曜阪神3Rの未勝利戦(ダ1400m)を勝ち上がりました。
★シルクホースクラブ
父キズナ
母アンティフォナ(Songandaprayer)
牡 募集価格:3000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105470/
アンブロジオ(ファルコンS-4着/父ローズキングダム)の半弟、ラウダシオン(1戦1勝/父リアルインパクト)の4分の3弟。母の父Songandaprayerは2歳時にファウンテンオブユースS(米G1・ダ8.5f)を勝ち、3歳春のケンタッキーダービーでは6ハロン通過1分09秒25という同レース史上最速のペースで逃げまくった快速馬でした。わが国ではサープラスシンガー(函館スプリントS-2着)の父として知られています。父キズナは初年度産駒から函館2歳S(G3)の勝ち馬ビアンフェを出したように、事前の見立てよりもスピード型の産駒が多いという印象です。Songandaprayerを母の父に持つ本馬は1800m以下に適性がありそうです。Songandaprayerの父Unbridled's Songと2代父ディープインパクトが相性良好なのもプラス材料で、これは4分の3兄ラウダシオンにも効果的に作用していると思われます。Storm Cat3×4はスピードを強化するので、2歳の早い時期から仕上がりの早さとスピードを武器に活躍するでしょう。(栗山)
■土曜中京6R1勝クラス ヴァルキュリア(一口・望田&栗山)
■土曜阪神9Rゆきやなぎ賞 レッドジェネシス(ディープ・栗山)
■日曜中京11R金鯱賞3着 ポタジェ(ディープ・栗山)
「Relaunchが入るとだいたい脚質がダラッとするので、前々で流れ込むしかないんですよね」とりろんちさんにもよく言ってるんですが、以下はRelaunchの血を引く重賞勝ち馬の4角順位で、だからといってギベオンが逃げるだろうという発想にはならないのですが(^ ^;)、コントレイルは古馬になってどんな脚質に完成していくのか
ダノンレジェンド(1,1,2,1,2,1,2,1,1)
コントレイル(4,6,4,7,2,5)
ネームヴァリュー(1,1,1,3)
クーリンガー(3,3,1,1,?,?)
ダノンキングリー(3,9,4)
トーヨーリファール(2,2,6)
ワイルドフラッパー(3,3,1)
ミスターメロディ(5,4)
ロンドンタウン(3,1)
ギベオン(1,7)
アポロドルチェ(9)
エイシンバランサー(2)
エイシンビンセンス(2)
ケイアイガード(4)
ストロングタイタン(4)
ダッシングブレイズ(3)
ブラックバースピン(3)
レヴァンテライオン(3)
(クーリンガーの交流重賞勝ちの一部は通過順不明で割愛してます。タゲとNETKEIBAでザックリ調べただけなので抜けや間違いなどありそう…)
空気の読めない大学生「Tom Fool的ピッチ走法なのにコーナリングが下手って面白い」
展開の読めない血統屋「Tom Foolやから逆手前でも内回りを何とか回ってこれるのでは? ドゥラメンテ産駒なら京都駅まで行ってしまうんちゃう(^ ^;)」
デアリングタクトはいかにも叩いて良くなりそうな仕上げではありましたが、香港に向けて課題は残りました
シゲルピンクルビーはSadler's Wells4×3、ノーザンテースト≒The Minstrel5×4、Danzig5×6、Riverman≒Mill Reef5×6などなかなか強力な父母相似配合で、モーリス×High Chaparral×Sinndarという字面よりは完成の早いタイプといえるでしょうが、くりがしらさんによると母系にChief's Crownを引くモーリス産駒はJRAに5頭出走でシゲルピンクルビー、ルークズネクスト、インフィナイトが出ておりよく走っていると
フィリーズレビューを差し切った瞬間に思ったことは「モーリスがついに差して勝ったか」「モーリスやダイワメジャーでも差して重賞勝つんやから、ムーンライトベイが娘に伝えるDarshaan斬れや恐るべし…」
ではつづいて、Darshaanをもつ重賞勝ち馬とその4角順位
ファインニードル(8,6,6,2,3)
タワーオブロンドン(8,7,6,9,7)
サニングデール(11,7,4,6,10)
スマートオーディン(15,9,7,9)
コパノキッキング(4,1,5,13,サウジ?5番手ぐらいから差して勝ったよね)
デンコウアンジュ(7,6,11)
ダノンシャンティ(16,5)
オディール(2)
シゲルピンクルビー(7)
テリトーリアル(3)
モエレジーニアス(3)
ダイワメジャーの娘でもDarshaanの血が入るとシゲルピンクダイヤやシャレードみたいな脚質になるし、ピンクダイヤやデンコウアンジュが無欲で追い込みに徹したときに激走し、色気を持ってポジションとりにいくと案外なのもDarshaanらしい現象といえます
ファインニードル、タワーオブロンドン、サニングデールのスプリント三傑が1200のG1を斬れで差し切るのも実にDarshaanらしいし、アヴニールセルタンの娘たちもThat's Darshaanという斬れで、みんなルメールが乗ったら後ろでじんわりタメて、ゴール前で最速ラップで差し切るイメージですよね
「Darshaanってなんでそんなに遺伝力強いんすか?」と聞かれたんですが、Darshaanは8戦5勝の仏ダービー馬で、ブサック血脈を駆使したなかなかの名配合で、母がAstronomie3×4、自身はDjeddah≒Arbar≒Tourzima5×3・5と表記できます
北米のワンペース先行で生き残ってきたMan o'War系Relaunch、フランスの斬れ勝負で生き残ってきたMill Reef系Darshaan、ドイツの道悪バラバラで生き残ってきたMonsunのAureole魂、短距離修羅の国で父系を繁栄させつづけるデカ尻デインヒル
サラブレッドの血統は各国で淘汰され選別されて残ってきたわけですが、そういう神髄を日本のレースでもかいま見れるのが競馬の素晴らしいところですね(・∀・)
土曜のボツ予想~スペシャルウィークの行った行った
マイネヌーヴェルにロージズインメイ、ゴールドシップと配されたユーバーレーベンの血統表を見ると涙が止まらないので、フラワーCの予想がしばらく手につきませんでした
私はグランパズドリームのダービー2着はギリでリアルタイムで見てますから、やっぱり岡田総帥の馬といえば、時系列順でいうと、グランパズドリーム、マイネルラヴ、コスモバルク、マイネルキッツですかね
グランパズは父カブラヤオーがFairway=Pharos4×4・6、母フサキネンはFairwayとは無縁で、母父ガーサントはSans Souci3×5、母母ケニイモアはSt.Simon=Angelicaの継続クロスで、母方は仏日のアウトサイダー血脈で固められています
マイネルキッツも父チーフベアハートがBold Ruler4×3(Nasrullah5×4・5)、母父サッカーボーイの母ダイナサッシュはNearco4×4・4、いっぽうディクタスやクリムゾンラトラーはNearcoとは無縁で、Nasrullah~Nearco的緊張を仏日のアウトサイダー血脈で緩和したという手法は同じ
逆にコスモバルクは母がテスコボーイ2×4、Princely Gift3×4・5で、そこに5代アウトのザグレブが配されて、総帥の一流馬はこういう緊張→緩和のリズムで生み出された馬が多かったように思いますね
総帥はチーフベアハート産駒が上手で(マイネルレコルトやマイネルラクリマも)、Mill ReefやSecretariatが好きで、ナスキロ柔さやPrincely Gift柔さで走る馬を見抜く眼力に長じていたと思っていますが、そんな相馬観を覆させられたのがサンデーサイレンスだった…というような話はよくされてましたね
「今POGや一口で相馬を語っている人もほとんどが岡田語の影響下にあると言っていいだろうし、その相馬眼で成功をおさめたのはもちろん、それを文化としてファンに還元している、というところを私は何よりも尊敬しています」(望田bot)
武庫川は◎ショウナンパンサー、神奈川新聞でも◎にしましたが、サクラトゥジュールとの叩き合いに競り勝っており現級でも足りる馬
ショウナンカンプ産駒でノーザンテーストとNijinskyをクロスし、母父が非Northern Dancerの中距離型シンボリクリスエスで「3/4Northern Dancerクロス」のオーソドックスな好形ですが、ベンマーシャルの母BelladonnaがAureoleとニアリーなので、Belladonna≒Aureoleの6×7でもあります
┌Donatello
Belladonna
│┌Hyperion
└△
└Feola
┌Hyperion
Aureole
│┌Donatello
└△
└Feola
ちなみに母系にAureoleを引くショウナンカンプ産駒、つまりBelladonna≒Aureoleのクロスをもつショウナンカンプ産駒にはラブカンプーやミキノドラマーがいますね
前走は体調も一息だったようですが最内枠で行けず揉まれたおして、直線はもう追わずにゴールしてましたが、こういうAureole魂逆噴射の大敗は全く度外視できます
ここは意外に行く馬が少ないので▲ノルカソルカを行かせて番手でもOK、スペシャルウィークの行った行ったも十分かと
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではフラワーCとファルコンSと若葉Sを、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」ではフラワーCを予想していますので、今週もよろしくお願いします
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日曜のボツ予想~重マイルでモチ肌を見直す
フローラルウォークは◎フォティノース
ドゥラメンテ牝駒は気性がややこしいのが多い印象で、本馬は萩Sで京都駅まで弁当買いに行ってしまいましたが(^ ^;)、左回りではいちおうちゃんと走ってるし、前走は1400は忙しいというレースぶり
母父Motivator=モチ肌は優秀にちがいないとプッシュしつづけてますが、モチ肌ホースは以下のように道悪巧者が多いんですよね、ヴァンドギャルドもメロディーレーンも巧い
他のレースはこれから考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではスプリングSと阪神大賞典とスピカSを、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では阪神大賞典を予想していますので、日曜もよろしくお願いします
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
3/20,21の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2019)』で望田潤が推奨したヴィクティファルス(牡3歳)が日曜中山11RのスプリングS(G2・芝1800m)を勝ちました。
★ジーワンサラブレッドクラブ
父ハーツクライ
母ヴィルジニア(Galileo)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018104948/
牡 募集価格:3600万円
母ヴィルジニアはシルバーステートやヘンリーバローズの半姉にあたり、自身もJRA3勝で、重賞でも差のないケイバになった実力馬。俊敏なピッチ走法はSadler's WellsとMr.ProspectorとRobertoとNiniskiを通じるNantallah≒Nashuaの継続クロスに因るものでしょう。本馬は遅生まれで牡馬にしては小柄ですが、動きはしなやかかつ俊敏で、全体としては母似ですがそこに父のしなやかさが上手くプラスされたイメージです。ちなみに母系にSilver Hawkを持つハーツクライ産駒にはツルマルレオンやグレイルがおり、本馬もあまりハーツクライ産駒らしくなく母譲りの機動力で走るタイプでしょう。ハーツ産駒ですが内回り2000の重賞勝ちを期待したいタイプです。(望田)
■土曜阪神7R1勝クラス カイルアコナ(POG・望田)
■日曜中京12R豊橋特別 ビオグラフィー(一口・栗山)
ヴォルティファルスはツアーで初めて実馬を見たときに「これはヴィルジニア丸出しや(・∀・)Robertoピッチや!」と三輪さんと笑ってたんですが、だから中山内回りを捲り差すのが本来の姿といえ、東京の共同通信で好走したほうが意外で、あれはスローの上がり特化のレースでしたから、ああいうレースならRobertoピッチでも頑張れる
でもハーツクライ×Galileo×Silver Hawk×Niniskiで中距離×中距離×中距離×中距離、母母シルヴァースカヤは芝2400の仏重賞勝ち、しかも5月の遅生まれ、3歳春にこれだけやれるとは思わなかったし(だからPOGでは推奨せず)、昨日のレースやパドックを見てもやっぱりもっと長いところの馬に見えるので、最終形としては日経賞ズンドバに完成するんじゃないかとみてます
よく書いていることですが、母系のデインヒルやRobertoのパワーが発現したハーツクライらしくないハーツクライ産駒、サリオスやタイムフライヤーやワーケアやグラティアスや、グレイルやカテドラルやシャドウディーヴァやツルマルレオンみたいなやつが、早期から中山で捲ったりマイル重賞を勝ったりというのが最近のトレンドですよね
裏を返せば、ヒシイグアスみたいなハーツらしいハーツは3歳春には間に合いにくいということで、リスグラシューやスワーヴリチャードなんかは元値が高いので春クラシックでも好走しましたが、やはり本格化したのは5歳になってからでした(それはハーツクライ自身もそう)
ヴォルティファルスの推奨コメントにも書いたように、トニービンとSilver Hawkはけっこうニックスで、グラスワンダーの代表産駒アーネストリーは母父トニービンだし、ハーツクライ×Silver Hawkも以下のような活躍馬が出ています
●母系にSilver Hawkをもつハーツクライ産駒(牡)
●母系にSilver Hawkをもつハーツクライ産駒(牝)
ニックスの主な根拠はHornbeam≒Amerigoのニアリークロスだろうということも何度も書いてきましたが、そんなわけでハーツクライ×Silver Hawkはこれまでもよく狙っていて、グレイルとシルヴェリオはPOGで、ヴィクティファルスは一口ピックで推奨してます
Silver HawkはRoberto系らしい男馬血統でグラスワンダーもスクリーンヒーローも活躍産駒は牡に偏るんですが、ハーツクライ×Silver Hawkもこうしてみると汗臭い男血統と言っていいバイアスになってますな
アーネストリー(グラスワンダー×トニービン)もスマートオリオン(グラスワンダー×ウイニングチケット)もノーブルマーズ(ジャングルポケット×Silver Hawk)も牡やし、データ数はまだ多くないですがモーリス×トニービンも今のところ牡しか勝ってないんですよね
●母系にトニービンをもつモーリス産駒(牡)
●母系にトニービンをもつモーリス産駒(牝)
ちなみにフサイチホウオー=トールポピー=アヴェンチュラ全きょうだいはHornbeam≒Maledia4×3という似たニアリークロスをもちますが、こちらは牝でも大成功しているので、やっぱりSilver Hawkをくぐると男バイアスに偏るんかなあ…とも
土曜のボツ予想~世界のモチ肌へ
ドバイSCは◎クロノジェネシスのHyperionか、1/4フレンチ斬れの○モーグルか、▲ラヴズオンリーユーはリアルスティールとはタイプが違うとはいえ2400だと3番手の評価で
ドバイターフは◎ヴァンドギャルドはマイラーではなく1800だとずっと書いてきたし、この相手なら世界のモチ肌を証明してもらいたい(・∀・)血統や走りがメイダン1800っぽいグレンフォースをヒモ穴に
伏竜はこれといった馬が見当たらないので、人気ですが武史の◎ゴールドハイアーで
ハービンジャーの肌は緩いので、ヘニーヒューズとかミッキーアイルとか締まりの強いマイルの種が合います
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では日経賞と毎日杯と君子蘭賞とドバイワールドCを予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
日曜のボツ予想~黄金配合!黄金配合!
ドバイは2着ばかりでしたが、日本馬頑張りましたね(・∀・)
A.P.Indy的ストライドでスピードに乗りRelaunch的に流れ込むMystic Guideに、ピッチで食い下がるチュウワウィザードは敢闘賞もので、川崎なら戸崎が勝っていたんじゃないかと(・∀・)
しかしドバイワールドは、ベルモント競馬場で好走するようなストライドA.P.Indyが毎年強いです
Mishriffが一転した後方待機で日本馬2頭をまとめてナデ斬ったのは驚きで、ダートで先行し芝で追い込む変幻自在のオールラウンドさはDubai Millenniumらしい
Dubai MillenniumやEl Pradoの芝ダ兼用で脚質自在なオールラウンドぶりは、実にTom Foolらしいといえます
春興は渋った中山マイルですから、ディープ×Unbridled's Songの黄金配合▲ルナシオンよりも母がUrban Sea2×3でダイワメジャー黄金配合の◎ハーモニーマゼランで
重まで悪化ならば手先の強いレジーナドーロが○
ミモザは◎オメガロマンス、ヌーヴォレコルトの全妹でハーツ×Chief's Crownの黄金配合
姉のデビュー当時と似た雰囲気があり、マイルは短いのに能力で間に合ったというデビュー勝ち、ヌーヴォは渋った馬場もこなしました
大寒桜は◎ウィンドリッパー
キセキっぽいストライドで走るルーラー産駒で、あすなろはコーナーで手が動いて置かれ気味になってしまったぶんの負け
この牝系でNureyev≒Fairy King5×3なら渋るのはプラスだし、中京で川田なら逆転可能ではないかと
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では高松宮記念とマーチSを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
第51回高松宮記念回顧~非サンデーのカナロア、頑強さを増しついに短距離王の座に
中京11R 高松宮記念
◎2.レッドアンシェル
○14.ダノンスマッシュ
▲4.モズスーパーフレア
△3.ライトオンキュー
△16.レシステンシア
×17.サウンドキアラ
注8.エイティーンガール
注10.ラウダシオン
中京は昼からけっこう降る予報。昨年と同じかもう少し悪い馬場も想定しておきたい。
出走馬のなかで有力なピュアスプリンターはダノンスマッシュとモズスーパーフレアで、ダノンは非サンデーのカナロア産駒で昨秋はますます頑強になって香港スプリントを差し切ってしまった。今なら道悪もこなしてしまうケースは一考。
モズは母父のパワーも受け道悪もOK、ただここは後続がレシスとセイウンなら競られたり突つかれたりはないだろう。ピュアスプリンターだからこそ前傾ラップでガンガン行くべきだと思うが、中京1200は向正が長いだけに松若がどう逃げるかがまだ読みきれない。
「通常より中京の開催が多いので、タフな馬場になるのを見越して高松宮を目標につくってきた」という昆師のコメントは説得力があるが、じゃあなんでここでノリなんだというのが穴人気にもなっているだけに引っかかる。ここが大勝負ならば、ここまで乗せつづけたのならば、もうラントオンキューは最後までフルキチでいいじゃないか。
重で1400質のレースになればレシステンシアがコパノリチャードする絵は描けるが、馬券はレッドアンシェルから買ってみたい。父マンハッタンカフェはアウトブリードのステイヤーで菊と有馬と春天に勝ったが、産駒はクイーンズリング、エーシンモアオバー、フミノイマージン、ガルボ、シャケトラ、そして昆厩舎のヒルノデイバローなどなど、概ね晩成で息が長い。
レッドアンシェルはトムロルフの薄いクロスの影響で、コロッとしたスプリンター体型で掻き込みの強いピッチ走法で、道悪は鬼だしちょっと前半緩んだほうがピッチでインをすくえるという読みはできる。池添なら北九州のようなイン差しを狙ってきそうで面白い。ライトオンキューの直後から、7歳マンカフェが泥んこになってインを切り裂く。
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父が北米の快速種牡馬Speightstown、母父Belong to MeからはDanzig系の屈強な後駆を引いたモズスーパーフレアは誰が見てもピュアスプリンターで、前後半32.8-34.4で逃げまくって2着に踏ん張った19年スプリンターズがベストレース
ただ昨年の高松宮は重で34.3-34.5でジワッと逃げて寸前で捕まったものの繰り上がり1着、これが伏線となっている気がして、もしかしたら今年も前傾ラップでガンガン行くことはないかも…という話はしていたんですよね
スタートから5完歩でもう1馬身前に出ていただけに、気合もつけられることなくハナに立ったモズ自身のラップは前後半34.1-35.4、まあ難しいところですが、直後をダノンファンタジーが馬ナリで、ラウダシオンがかかり気味で追走するというのは、1200のG1としては速いペースとはいえず、モズのピュアスプリンターとしての資質を全開できたレースとは言えなかったのではないかと
1200のG1だけど1400質のレースになったというのは昨年と同じで、ピュアスプリンターではないクリノガウディーやグランアレグリアが1400馬の末脚で差し込んだように、レシステンシアやインディチャンプは中団から差してきたというべきかと
ゴール前でモズを差して4着となったトゥラヴェスーラは昨年のクリノガウディーぐらい走ったというべきだし、それよりも格上のG1馬が今年は3頭いたわけで、ダノンスマッシュが前後半34.9-34.3、レシステンシアが34.7-34.5、インディチャンプが34.8-34.5、インディチャンプにとっては阪急杯で得た経験値で追走できてひと脚使えるレースでした
レースそのものはG1馬がG1馬の脚を見せて叩き合って見ごたえがあり、やっぱり内外公平なバイアス(つまり内が少し悪いぐらいのバイアス)が一番面白いレースになりやすいですよね
例によってNETKEIBAの全頭血統解説より、リード文と1~3着を
Danzigやテーストの急坂向きパワー優位 最近はStorm Catの血が台頭
最近はフォーティナイナー系が強いレースだが、今年の出走予定馬にはセイウンコウセイしかいない。急坂コースのスプリント戦だから後駆のパワーが重要で、Danzigをもつ馬(モズスーパーフレア、ミッキーアイル、ナックビーナス、ショウナンアンセム、アルビアーノ)とノーザンテーストをもつ馬(ビッグアーサー、レッツゴードンキ、ナックビーナス)の活躍が目立つのは順当といえる。モズスーパーフレア、ミスターメロディ、ダイアトニックと、最近はStorm Catの血の台頭も目につく。
ダノンスマッシュ
母母ハリウッドワイルドキャットは北米G1を3勝しBCマイルのWar Chantを産んだ。ロードカナロア産駒で母系にRobertoとDanzigが入るのはファンタジストと同じ。母はRoberto4×3で、自身はミスプロ4×4。全体に父母のパワーの血を増幅した配合で、サンデーの血が入らないので、古馬になってスプリンターとしての頑強さを増してきた。香港スプリント父子制覇は見事で、今が脂が乗りきっている時期だろう。(距離◎スピード◎底力○コース◎)
レシステンシア
母マラコスタムブラダはフィルベルトレレナ大賞典(亜G1・芝2200m)勝ち馬で、本馬の他にもグラティアスやミッキーブラックを産んでいる。3代母プルマは亜2歳女王。母方にスタミナや底力に富む血が入るので、大レースをHペースでゴリ押しできるダイワメジャー産駒だ。上がりのケイバだとあまり味がないのはアドマイヤマーズやメジャーエンブレムと同じ。阪急杯はレコードで逃げ切ったが、マイラーなので1200だと好位差しになりそうだ。(距離○スピード○底力◎コース◎)
インディチャンプ
アウィルアウェイの3/4兄で、母母トキオリアリティーはリアルインパクトやネオリアリズムなどを産んだ名繁殖。ステイゴールド×キングカメハメハはステイフーリッシュと同じ。母方の影響も強いマイラー体型で、運動神経抜群で現役屈指の俊敏加速を誇る。今が全盛期と言っていい晩成血統で、マイルCSも勝ち馬は強すぎたがレース内容は満点。ただここ2走は1400のHペースで追走に脚を使うのか意外に弾けず。1200への対応に不安が残る内容ではあった。(距離○スピード○底力◎コース◎)
終わってみればStorm CatとDanzigをもつダノンスマッシュが勝ち、ノーザンテーストとDanzigをもつレシステンシアが2着やったわけですが、枠順的にも川田はレシスを前に見ながら馬場のいいところを回って差すというプランが立てやすく実行しやすかったでしょう
ダノンスマッシュの母母Hollywood WildcatはBCジュヴェナイルなどに勝った北米3歳女王でRobertoとMr.Prospectorを通じるBramalea≒Nashua3×3、母父ハードスパンはキングスビショップS(米G1・ダ7F)に勝ったDanzig直仔で、スピニングワイルドキャットはRoberto4×3のクロス
そこにロードカナロアが配されたダノンスマッシュはMr.Prospector4×4となり、Mr.ProspectorとRobertoとNureyevのNashua≒Nantallah的トライアングルをメインに、全体にHollywood Wildcatの血脈構成を増幅し活かした配合といえますかね
スピニングワイルドキャットは輸入されてからこれまで8回のうち6回ロードカナロアが配されており、ケイアイファーム期待の繁殖ですから当然といえば当然なのですが、スピニングワイルドキャットが輸入されたのが2013年、種牡馬入りするカナロアに合いそうな繁殖という目論みも含んでいたのでしょう
シャヒーンで圧巻の逃げ切りを決めた直後に逝ってしまったZenden、その血統表を改めて見ると、父Fed Biz(Northern Dancer≒Icecapade4×3・6)はStorm Cat×Yarnなのでヨハネスブルグみたいなマイラー、母父Sharp Humor(Mr.Prospector3×4)はスウェールS(米G2・ダ7F)に勝ったスピード馬で、母母Livermore LeslieのところだけはNorthern DancerもMr.Prospectorも皆無でCrimson Satan3×3という好配合でした
Storm CatとフォーティナイナーとWoodmanが3列編隊になって、Wild Again的一本気にまかせてガンガン行ったらもう手がつけられない逃げ切りで、このZendenの逃げをもう見れないのは残念と言うしかないのですが、いつも思うのは短距離の国際レースに入ると、レッドルゼルのような日本馬だけがみんなしなやかな差しに見えるんですよね
それぐらい北米や香港や豪州は、Zendenみたいなパワースプリンターが同じレースに何頭もいてガリガリやり合うレースを日常的にやってるわけで、いつも言うように競馬の土壌が違うのだというね
ダノンスマッシュは毎年スプリンターとしての頑強さを増してきて、今年はついに道悪も克服してみごとに勝ちきったわけですが、ダノンスマッシュとかタワーオブロンドンとか、ミスターメロディとかファインニードルとかビッグアーサーとか、非サンデーの頑強短距離王は毎年1頭ぐらい出てるんですがね(ファインニードルは1/8サンデー)
このレベルのピュアスプリンターが5頭ぐらいうなりながらゴリゴリ先行する、そんな高松宮を見てみたいなあ…というのは、サンデー大国、芝中距離大国へのないものねだりなのかもしれません