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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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血統クリニック〜弥生賞

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「競馬総合チャンネル」では「血統クリニック」と題して、メインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜夕方更新)
弥生賞はこんな感じです

◆本質はダービー向きだが
 エピファネイアはオークス馬シーザリオの息子で父はシンボリクリスエス。母を少し長手にしたような体型で、Kris S.≒Habitat2×4のニアリークロスで体質が抜群に柔らかくしなやかで、デビュー戦のスピードに乗ったときのフォームには痺れた。一方でRobertoとSadler's Wellsの組み合わせからパワーと機動力も受け継いでいて、京都2歳SやラジオNIKKEI杯では内回りで器用に立ち回れるところもみせた。今でも内回りよりは外回り向きで、皐月よりはダービー向きだと思ってはいるのだが、中山内2000mだからといって大きく割り引く必要はないだろう。

◆ディープの教科書的好配合
 カミノタサハラはボレアス・マウントシャスタの全弟で、母母クロカミは府中牝馬Sなど重賞2勝。母はNorthern Dancer4×4とLa Troienneの継続クロス、自身はナスキロとBurghclere≒Aureoleのニアリークロスというディープ産駒の教科書的な好配合で、全兄弟がこれだけ走っても何ら不思議はない。兄弟のなかでは最も体型に伸びがあって体質もナスキロ柔く、東京で伸び伸び走って強い馬だろうが、中山内回りでも少頭数なら外捲りでねじ伏せてしまうかもしれない…と思わせるだけのスケールはある。

◆母方のマイラー資質で
 コディーノの母ハッピーパスは京都牝馬S勝ち馬で、その半姉にマイルCSのシンコウラブリイがいる。キングカメハメハは万能だが配合には正直な種牡馬だから、コディーノは母方のマイラーっぽいスピードと実直で前向きな性格を強く受け継いだ。コディーノと7/8同血(父キンカメ、母がサンデーサイレンス×シンコウラブリイ)のマイネエポナも前向きなマイラーに出ている。2000mだとスロー希望だろうが、となると朝日杯でガツンと行きたがったのがやはり気になる。

 キズナはファレノプシスの半弟で、ナリタブライアンやビワハヤヒデのイトコ。ディープ×Storm Catは柔らかさや軽さがオンになりやすい配合だが、この馬は牝系のパワーも表現されていて動きに力強さがあるのがいい。そのぶん少し俊敏さに欠けるところもあるので、スローの瞬発力勝負よりは時計や上がりがかかる決着がベターか。

 サトノネプチューンは皐月賞馬ヴィクトリーと父系(Roberto)と母系(バレークイーン)が同じで、だからシンボリクリスエス産駒にしては中山内回り向きの機動力がある。レース運びの巧さで食い下がりそう。

 ヘミングウェイはファンタスティックライトなど近親に活躍馬多数の名牝系で、ネオユニヴァース×MachiavellianでHalo3×4はヴィクトワールピサと同じ、母系にMachiavellianとDanzigが入るから配合パターンはロジユニヴァースとも似る。こちらのほうが母のマイラーっぽさが出ているが、上記2頭が弥生賞を勝っているように中山内回り向きの機動力を誇る配合なのはたしかだ。

 ダービーフィズはアプリコットフィズの全弟でマンハッタンカフェの甥。こちらは男馬のぶん姉のような繊細さやひ弱さがなく、折り合いはつきすぎるほどだし、一瞬の鋭さこそないが持続力に富み追えば追うほど伸び続ける。本質的には東京向きだが、中山でも前走のような上がりのかかる持続戦なら強い馬だ。ここは流れが落ち着きそうなので評価を落とした。

 バッドボーイは父マンハッタンカフェ、母父ミスプロ系、そして自身はRibotのクロスだからマンハッタンスカイを思わせる配合パターンで、先行しぶとい脚質も似ている。細身でナスキロ柔い体質で、スピードの乗りがジワジワだから、中山内回りで緩急の激しいレースになるとどうか。平均ペースで逃げてみる手はある。


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