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Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
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第80回日本ダービー回顧〜万雷の拍手、絵になりすぎる千両役者

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東京10R 日本ダービー
◎9.エピファネイア
○8.ロゴタイプ
△1.キズナ
×12.サムソンズプライド
×13.マイネルホウオウ
注5.メイケイペガスター
シンボリクリスエスにナスキロ柔い中距離血脈をもってくると、アリゼオやアプレザンレーヴなど東京向きの斬れのある中距離馬が出るが、エピファネイアも母シーザリオの影響が強い中距離馬で、クリスエス≒ハビタットのニアリークロスの影響で体質は母より柔らかいほどで、デビュー戦の京都外回りでの追い出してのストライドの伸びやかさには惚れ惚れさせられた。中山内回りでの加速ではロゴタイプに譲るが、それでも皐月賞は前に出られてからはゴールまで同じ脚で伸び続けていたから、東京の直線525.9mでの加速勝負ならば逆転十分とみたい。ヒモ穴で拾ってみたいのが、藤田で折り合ったときのメイケイ、スタミナだけなら五分のサムソンズ、そして充実一途で春先とは馬が違うマイネルの3頭。

東京12R 目黒記念
◎4.ムスカテール
○12.クリールカイザー
▲8.アドマイヤラクティ
△16.ルルーシュ
×7.ノーステア
注2.コスモロビン
◎はトップガン産駒としては最高の配合だと書いてきたが、上がりの競馬になったアル共でよく追い上げて2着、得意の左回りでネコパンチが緩めず行ってくれれば、ルルーシュは本質的には2000mぐらいの馬だと思うから逆転十分だろう。○は母父サッカーボーイで堅実でジリ脚でとにかくバテたことは一度もない。血統・戦績・脚質がマイネルキッツとかぶる馬で、これも2500mのスタミナ勝負ならばカフナ逆転十分とみた。このアル共&メトロポリタン下剋上馬券でオーラスは勝負。

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8時53分ののぞみ2号に飛び乗って、府中本町のホームに降り立ったのが正午すぎ、エスカレーターも改札口も人が溢れかえって行列が前に進まずすし詰め状態、やっとこ競馬場に着いたと思ったらメールも電話も全然つながらず、そうや昔は、東京のG1はいつもこんな感じやったなあ…と

ダービーのファンファーレが鳴って大声援が湧き上がると、ゲートイン完了までの間ちょっと息苦しくなるのは競馬を始めたころからずっと同じで、もう二十数年競馬を見てきて他のG1ではそんなことはすっかりなくなりましたが、やっぱりダービーは別格なのだと毎年思う瞬間で、この息苦しさを味わうために、競馬にハマりはじめた大学生の頃に戻ったような気分を味わうために、毎年ここにいるのだと思う瞬間でもあります

「ハミをしっかり噛んだ状態で、我慢させる調教をやってきた」と助手の方が語っていた、それを具現したような絶妙の返し馬だったエピファネイアですが、レースでは内に入れて馬を前に置いても力んでしまったし、途中躓いて鞍上がバランスを失いかけるシーンも

しかし怪我の功名というかそこからは折り合いがつき、直線ではナスキロ柔い動きでしなやかに加速、これやこれ、東京の直線で、このストライドが見たかったんや!という躍動でロゴタイプに襲いかかったときには、「きたあああ!しなれえええっ!そっからしなるんやあああっ!」と47歳のオッサン血統屋は絶叫してました

本人も認めるように満点の騎乗とはいかなかったけれど、福永祐一悲願のダービー制覇かと思われたそのとき、ここしかないというタイミングで外に持ち出してここしかないというタイミングでズバッと差し切ってみせたのは、どうみても強い皐月賞1,2着馬を差し置いて1人気に祭り上げられた、どうみても馬名と鞍上と派手な追い込みで過剰人気に祭り上げられたキズナと武豊

キズナがゴール寸前で差し切った瞬間、オッサン血統屋の頭の中は真っ白、そうやこれもおんなじや、昔はいつもこうやった、東京のG1では、俺の本命馬をユタカがきっちり差し切って、ゴールの瞬間、頭の中はいつも真っ白やった…

馬券を獲った人も外した人も、キズナとユタカを応援した人もしなかった人も、あの空間にいた人たち全員が素晴らしいレースとその勝者に惜しみない拍手を送り、止むことのない拍手と歓声に迎えられながらウイニングランを済ませると、検量室に向かう地下道に入るところで、馬は立ち止まって悠然と大観衆を見やり、騎手はおなじみのガッツポーズ

90年代のブームの頂点の、あの興奮と感動と熱気がそこにはありました

馬も騎手もまさに千両役者、言葉を失うほどかっこよかったです

素晴らしいレースを、素晴らしいダービーをありがとう

キズナの配合については、改めて書きたいとも思いますが、とりあえず下記エントリを参照ください
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010105827/

Alzao≒Storm Catのナスキロ的斬れと、Burghclere≒Fijiのハイインロー的持続力で追い込む中距離馬ですが、くりがしらさんが指摘した「ディープ×Storm Cat×War Relic」の黄金配合でもあり(Damascusの父Sword Dancerの3代母Speed BoatがWar Relicの全妹)、ここからパワーも補強して柔らかくなりすぎてないのが3歳春に頂点を極めることができた一因といえるだろうし、今春旋風を巻き起こしたディープ×Storm Catは、アユサン(In Reality)もヒラボクディープ(Caro)も母母のところにWar Relicを引いています

Alzaoをニアリークロスすると、柔らかく斬れるのはたしかなのですが
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/86aab31b1feb5e693d8d7e9f465cdc5f
ディープ×Storm Cat×War Relic(War Admiral)こそが黄金配合なのか
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/5685500129fc5192f9ba953398375c76


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