Quantcast
Channel: 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
Viewing all 4415 articles
Browse latest View live

第48回高松宮記念回顧~アドマイヤムーンの連覇!「1/8サンデー」「1/4サンデー」の明暗

$
0
0

中京11R 高松宮記念
◎9.ファインニードル
○2.リエノテソーロ
▲15.ジューヌエコール
△12.ネロ
△16.シャイニングレイ
×6.レッドファルクス
×10.ダイアナヘイロー
注7.ナックビーナス
注8.レッツゴードンキ
今年もスプリント戦線は混沌で低調だ。リエノやダイアナやネロやジューヌあたりで振り回そうかとも思ったが、軸としてはファインニードルでいいのではないかと思うので、ここから薄目を引っかける狙いでいく。アドマイヤムーンはアウトブリードなので産駒は概して晩成で古馬になって成長し、またこの高松宮記念ではセイウンコウセイとハクサンムーンとワンスインナムーンが好走している。ファインニードルは母がノーザンダンサー4×4で自身はシャーペンアップ5×4、母の父がミルリーフ系だからアドマイヤムーン産駒の成功パターンの配合でもある。+18キロでスプリンターらしい肉付きになったシルクロードがいい勝ち方だったし、充実の5歳春ならG1でも通用するだろう。

--------

中京芝はやや芝丈が長く見えるタフな馬場で、けっこう上がりがかかるんですが、斬れ味も封じられるのか差しが届く感じでもない

今日の他の芝レースを見てのとおり、先行して直線で真ん中に持ち出して押し切る、というのがだいたいの勝ちパターンでした

レースは33.3-35.2という前傾ラップで流れ、こうなると軽いスピードや斬れ味よりもパワーがモノを言うこととなり、エゲツないプリケツを揺すりながらパドックを周回していたブリザードや、522キロの大型牝馬ナックビーナスも見せ場をつくりましたが、最後は「1/8サンデーサイレンス」(血統表の3代目にサンデーサイレンスを持つ)2頭の叩き合いに

母父サンデーサイレンス、つまり「1/4サンデーサイレンス」のレッドファルクスは、たとえば京王杯SCがめちゃんこ強かったように、頑強スプリンターというよりはしなやか1400馬というべきで、「近親のスティンガーのような斬れ味だ」と前に書きましたが、スティンガーも京王杯は毎年めちゃんこ強かった

そして1200戦でも高速馬場で後傾ラップになると、1400馬としての斬れ味でナデ斬れるレースになるのだと、スプリンターズSの回顧で毎年書いているような気がします(ちなみに17年スプリンターズはレースラップ33.9-33.7、16年スプリンターズは33.4-34.2)

差しのきかないタフな馬場はレッドファルクスにとっては最悪の条件だったわけですが、これだけ前傾ラップで流れると、ピュアスプリンターの土俵だった、「1/8サンデーサイレンス」の土俵だった、という言い方もできるのではないかと思いますね

ちなみに過去5年の芝1200mのG1の前後半ラップでみると

・前半600mが後半600mより1秒以上速いレース
18高松宮…ファインニードル(1/8サンデー)
17高松宮…セイウンコウセイ(1/8サンデー)
16高松宮…ビッグアーサー(非サンデー)
14スプリンターズ…スノードラゴン(1/8サンデー)
14高松宮…コパノリチャード(1/4サンデー)
13スプリンターズ…ロードカナロア(非サンデー)

・前半600mが後半600mより1秒未満速いか、後半のほうが速いレース
17スプリンターズ…レッドファルクス(1/4サンデー)
16スプリンターズ…レッドファルクス(1/4サンデー)
15スプリンターズ…ストレイトガール(1/4サンデー)
15高松宮…エアロヴェロシティ(非サンデー)
13高松宮…ロードカナロア(非サンデー)

こうしてみると、そもそもスプリンターズSのほうが前半速くなりにくいという傾向もありそうですが、いずれにしても前傾ラップで勝った「1/4サンデー」は極悪馬場のコパノリチャードだけで、そしてレッドファルクスもストレイトガールも1600mの大レースでも好走する“1400馬”



アドマイヤムーンは父エンドスウィープも母マイケイティーズも自身も強いクロスを持たないので、種牡馬としてはそれほど自己主張が強いタイプではなく、フォーティナイナーやKrisがポンと表現されたようなスプリンターもけっこう出すんですが、配合のポイントは主にこの3つ

1) 活力に乏しい配合なので産駒は全体に晩成傾向。そしてクロスがうるさいぐらいの繁殖との配合が成功しやすい

2) 芝向きのスピードを表現するには、フォーティナイナーの3代母Courtesyが持つナスペリオン(NasrullahとHyperionの組み合わせ)をクロスするのが有効

ファインニードルとハクサンムーンとプリンセスムーンとアイアンクロー(Millicent)はMill Reef、セイウンコウセイとファインチョイスとフミノムーンはDangerous Dame、ハクサンムーとストーミーシーはテスコボーイ、レオアクティブとファインチョイスはSpecial、ワンスインナムーンはWoodman(Intriguing)といったナスペリオンを母系に持ちます

3) アドマイヤムーンはエンドスウィープとSharpen Upを通じてPersian Maidのクロス(6×7)を持つので、これ継続累進する配合は地味に成功している

ファインニードルやプリンセスムーンはSharpen Upのクロス、セイウンコウセイはMixed Marriageのクロス、また以下のようにMixed Marriage≒Aureoleのニアリークロスにするのも有効で、母系にAureoleを引くアドマイヤムーン産駒にはファインニードルやブラックムーンなどがいる









ファインニードルは、母がNorthern Dancer4×4で、自身はSharpen Up5×4にAureoleやGreat Nephewも入ってPretty PollyやAloeのクロスを重ねており、そして母父がMill Reef系なのでナスペリオンのクロスも押さえていて、アドマイヤムーンの活躍産駒の中でも最高得点といっても差し支えない配合です

ただ母父のMark of Esteem~Darshaanのラインは独特のしなやかな斬れ味を伝える血で、ファインニードルもA級の頑強スプリンターというには少ししなやかすぎるところがあって、だから芝1200でそんなにほめてこなかったんですが、シルクロードでは+18キロで素晴らしい肉付きで出てきて、これまでにない力強さで好位抜け出しで堂々と勝ったので、これはアドマイヤムーンの本格化がきたのかと

ならばハクサンムーンやセイウンコウセイを見てのとおり、開花が遅めのアドマイヤムーン産駒が古馬になって一回り逞しくなって力強く勝ったのだから、G1でも重い印が打てるのだ…というぐらいの思考でしたね

ファインニードルはStorm Catとニアリーなロイヤルアカデミーを持つのも面白く、このロイヤルアカデミー≒Storm Catのニアリークロスは種牡馬入りしたときのキラーコンテンツになるかもしれません


3/24,25の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

$
0
0

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2016)』で栗山求が推奨したレーヴドリーブ(牝3歳)が日曜阪神5Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ
父オルフェーヴル
母レーヴドスカー(Highest Honor)
牝 募集価格:4000万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015105098/
母レーヴドスカーは日本を代表する名繁殖牝馬で、レーヴディソール(阪神JFなど重賞3勝)、アプレザンレーヴ(青葉賞)、レーヴミストラル(青葉賞、日経新春杯)、レーヴダムール(阪神JF-2着)、レーヴドリアン(きさらぎ賞-2着)、レーヴァテイン(青葉賞-3着)などほぼ外れなく良駒を送り続けています。すべて違う父を相手にこれだけの実績を残しているのですから偉大というほかありません。現役時代にサンタラリ賞(仏G1・芝2000m)を勝った一流競走馬で、2000年のジャパンCに出走し、テイエムオペラオーの7着とまずまずの成績を残しました。切れ味を伝えるサーゲイロード4×4に加え、現代スピード血統の祖ともいえるナスルーラが大量に詰め込まれています(ナスルーラ=リヴァズ5・5・6・6・6×5)。スピードと切れ味をコンスタントに伝えることができるのは、こうした血統背景によるところが大きいと思われます。本馬の父オルフェーヴルは現役時代に三冠を達成したほか、有馬記念2回、宝塚記念を制し、フランスに遠征して凱旋門賞(G1)で2年連続2着。近年を代表する名馬の1頭といえるでしょう。ノーザンテースト4×3という底力あふれるクロスを持っているので、スピードと切れ味を武器とするレーヴドスカーは合うでしょう。この一族は脚もとに弱点を抱えているので、その点に不安が生じたことのないオルフェーヴルは丈夫さを補うという意味でも理想的な配合相手だと思われます。本馬を産んだとき、母が18歳と高齢だった点だけが懸念材料ですが、2つ上の兄レーヴァテインも青葉賞3着といまのところ翳りは見られません。問題ないでしょう。(栗山)

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2017)ダイワメジャー編』で望田潤が推奨したショウナンアンビル(牡3歳)が土曜阪神2Rの未勝利戦(ダ1400m)を勝ち上がりました。

○ショウナンアンビル(牡・母スコアズビー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015102754/
ブラックホーク、ピンクカメオ、カウアイレーン、シベリアンホーク、などコンスタントにオープン級マイラーが出るシルバーレーンの牝系。イトコのロジチャリスとは父が同じで母が全姉妹、つまり同血の間柄になる。男馬だとちょっとパワーに寄りすぎの感もあるが、ダイワメジャー黄金配合には違いない。ロジチャリスも本書籍で推奨したので。(望田)

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2017)重賞勝ち馬の弟妹編』で望田潤が推奨したタガノエルフ(牝3歳)が日曜阪神1Rの未勝利戦(ダ1400m)を勝ち上がりました。

★タガノエルフ(牝・父キンシャサノキセキ・母タガノレヴェントン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015100528/
タガノトネールやタガノエスプレッソの半妹で、3代母ヘバの産駒にヘッドライナーがいる。母母フィバリッシュがHyperion4・6・6×6・6・6・6・7・7で、タガノレヴェントンは種が何であれ粘着力抜群の仔を産む名繁殖だ。キンシャサノキセキは相手繁殖を立てる種牡馬だけに、素直に先行粘り強いマイラーに出るとみた。トネールは2歳新馬勝ち、エスプレッソは2歳重賞勝ち、Hyperion的だが仕上がりは早いはず。(望田)

■土曜阪神7R500万下 ウインガーネット(一口・栗山)
■日曜中山10R美浦S サーブルオール(一口・栗山)
■日曜阪神11R六甲S ロジクライ(POG・望田)

--------

レッドローゼスはステゴ×Nashwanの新黄金配合で、2000m以上なら間違いなくオープン級やと思っていて、俺はオープン馬じゃあああという脚で捲りきったんですが、それをあそこから差し返したサーブルオールはルメールが巧かったとはいえこれも強い
ハービンジャー×モンローブロンドというオープン馬同士の父母相似配合で、ディアドラとはハービンジャーとサンデーサイレンスとソニンクが共通する7/8同血の間柄
そして母系にはNureyevとトニービンで、やっぱりハービンジャーのツボはスーパー名繁殖Hasiliで、HasiliのツボはナスペリオンとNijinskyなんやなあ…と改めて
ブラストワンピースも「走った両親の父母相似配合」ですが、母父キングカメハメハはモズカッチャンと同じでここにNureyevとNijinskyとHornbeam、しかも母はMill Reef≒Millicent5×5なのでこれもナスペリオンが多い配合です





ショウナンアンビルはコメントにも書いたようにダイワメジャー産駒としてはちょっとパワーに寄りすぎな配合なんですが、母系にBlushing GroomとAlycidonが入るので「ダイワメジャー黄金配合」には違いなく、同血のロジチャリス(父が同じで母が全姉妹)も推奨したのでまあ入れておくかと
ダイワメジャーとデインヒルといえばグランアルマダ(母母父デインヒル)も推奨しましたが、他にブルドッグボスなんかもいてやはりパワーに振れすぎるきらいはあり、まあ配合が良ければ動きますけどね
ナックビーナスは母が強力な相似配合なのが面白いのですが、Haloのクロスで母系にTehran(Pretty Pollyの全妹の孫)が入るのでこれも「ダイワメジャー黄金配合」で、急坂コースで上がりがかかるほどパフォーマンスが上がるのはダイワメジャーらしい



タガノエルフはふつうにゲートを出ればまずは順当勝ち、もうちょっと前で競馬できるようになれば上でも楽しめるんですが…フィバリッシュのHyperion4・6・6×6・6・6・6・7・7を絞りきるにはやっぱり4角先頭やと思うのでね

ところで今年栗山さんと私がダブルピックした某クラブの某アドマイヤムーン産駒は、高松宮記念の勝ち馬とかな~り似た配合になっとりますよ(・∀・)

「3歳勝ち馬評価」先週ぶんを更新&雑感

$
0
0

先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新しました
ジャスタウェイ(ハーツクライ×シビル)と3/4同血で、母父にサクラバクシンオーが入り、武豊を背に悠々と逃げ切り勝ち
プロフィールと戦績がベタベタにリンクしてますが、やっぱり期待したくはなりますな(・∀・)



ちなみにスマートモノリスの2着ロードゴラッソ(ハーツクライ×サッカーマム)はハイレベルなオールフォーラヴ組新馬の5着で、2戦目はトーセンアイトーン(オールフォーラヴ組4着)の2着、大寒桜5着ぐらいのモノサシになっとります


◆Graustark≒ライバリュウ

センチュリオンがマーチSを勝ったので、例の牝系図を更新しておきます
3歳ではワカミヤオウジが頑張ってますが、ほんとにこのニアリークロスは牡はまず外しません
ブライアンズタイム系種牡馬以外でもオープン級が出たことで、Graustark=ライバリュウのニアリークロスの有効性がまた証明されることになりました




Graustark=His Majesty持ち種牡馬×ライバリュウ牝系
ライバリュウ
└ダイナエイコーン
 ├ダイナグロリア
 │└ミサソレムニス(f.メジロベイリー)1勝
 └エイコーンカップ
  └サンデーエイコーン
   ├ワキノカイザー(マヤノトップガン)6勝
   ├ステルスソニック(タニノギムレット)1勝
   ├サンデーローズ(f.ブライアンズタイム)2勝
   ├エイコーンリング
   │└エイコーンパス(タイムパラドックス)6勝
   ├ハンドレッドスコア
   │├パーフェクトスコア(ブライアンズタイム)1勝
   │├センチュリオン(キングカメハメハ)マーチS←NEW!
   │├タイタンアルム(f.ハービンジャー)未勝利
   │└スターズインヘヴン(f.ワークフォース)未勝利
   ├サンデーローズ(f.ブライアンズタイム)2勝
   ├ツヨイキモチ
   │└ワカミヤオウジ(タイムパラドックス)現役2勝←NEW!
   ├タイムズアロー(タイムパラドックス)マーキュリーC2着
   ├アントニオピサ(タニノギムレット)6勝
   └エイコーンウィル(f.キングカメハメハ)未勝利

そんでもってメテオさんからのタレコミによると、マルクプレンヌの17は父タイムパラドックスの牡なので、7/8ワカミヤオウジということになります(・∀・)




◆オルフェーヴル

オルフェーヴル産駒については
・母がNorthern Dancerの強いクロス(4×4以上が目安)を持たない
・NureyevやSadler's WellsなどSpecial牝系の血とニックス
という配合が成功しやすいだろうという予測を立ててきましたが、ラッキーライラックがまさにこれに当てはまるパターンなのは以前書いたとおり
そしてここまでJRAで勝ち上がったオルフェーヴル産駒20頭のうち、母がNorthern Dancerのクロスを血量4×4以上で持つのは、ロックディスタウン、ストーミーバローズ、クリノクーニング、アルドーレの4頭だけ(ロックは母がNorthern Dancer≒Icecapade3×4)
ロックディスタウンとクリノクーニングは2歳夏に早々と新馬勝ちして注目を集め、そこから案外伸び悩んでいるのも共通しますが、こういう現象はたまたまではないと思います



ラッキーライラックは+10キロで出てきてチューリップを完勝、エポカドーロは+14キロで出てきた3走前から[2-1-0-0]と躍進
こういう成長曲線をみせるオルフェ産駒は、やっぱり母が非Northern Dancerクロス、であることが多いはずです
レーヴドリーブ(母父Highest Honor)は[1-3-0-1]、ムーンレイカー(母父シルバーチャーム)は[1-5-2-0]、どちらも惜敗つづきにやっとピリオドを打ちましたが、どちらも母父が非Northern Dancerで母は非Northern Dancerクロスですから、まだまだ成長の余地はあるはず
ちなみにミライヘノツバサはドリームジャーニー×シルバーチャームですね


◆アイルハヴアナザー

上のオルフェーヴルの話と関連しますが、アイルハヴアナザーについては「Danzig~Northern Dancerの強いクロスを持つので、Northern Dancer血脈を持たないサンデー系との配合が確率が高い」と種牡馬辞典で書いています
最新のデータだと、アグネスタキオン肌とは勝ち馬率38%(6頭勝ち馬/16頭出走)で平均賞金751万円、フジキセキ肌とは勝ち馬率80%(4/5)で平均賞金1862万円、マンハッタンカフェ肌とは勝ち馬率75%(3/4)で平均賞金625万円、ネオユニヴァース肌とは勝ち馬率67%(2/3)で平均賞金1071万円
アイルハヴアナザー産駒全体が勝ち馬率31%で平均賞金497万円ですから、非Northern Dancerのサンデー系を母父に持つだけでけっこう率は上がります
先週も母父フジキセキのマイネルユキツバキとメイショウタイシ、母父アグネスタキオンのコスモレリアなんかが頑張ってました




◆キングズベスト黄金配合

キングズベスト(King's Bestではなくカタカナのキングズベスト)はTARGETでどの角度から検索かけてもアンチニックスになってしまう恐るべき種牡馬ですが(^ ^;)、「なぜか福島芝1200だけはめちゃんこ走る」につづいて「なぜかスペシャルウィーク肌の牡駒はめちゃんこ走る」という使えるような使えないようなデータが発見されたのでお伝えします



ついでに「ノヴェリストに春が来た」データも(月別成績)
ヴァイザーのひいらぎ賞を勇んで見に行った札幌のオッサンが涙目になるデータですな(^ ^;)




◆ガンコ

静内で馬主さん生産者さん数人と飲み会、すっかり酔っ払ってパカラ岩倉とシモの話で盛り上がってたら、「ダーレーにいたときにSingspielに惚れ込んで、今うちにSingspielの繁殖が何頭もいるんですけど、どんな配合がいいんですかね?」とマジメな話をぶつけてきたのが前谷牧場の前谷卓也さんでした
それからずっと仲良くさせてもらってて、こないだ当ブログでは、ディオスコリダーの母エリモトゥデイの大喜利やりましたよね(もう種付けはしたので、受胎確認されればここで報告します)
牧場で1歳を見せてもらったときも、放牧地を歩いてるとみんな興味津々という感じで近寄ってきて、鼻水つけてきたり袖にかじりついてきたり、なるほど馬にちゃんと手をかけてる牧場だとわかります



日経新春杯の前日に「応援じゃなくて、マジメに勝てると思って◎にしたんですよ。何回見直しても前走は本物。ナカヤマフェスタとSingspielが走ってるようにしか見えない」
レース後も「テン乗りじゃなかったらもっとタフなレースに持ち込めたはずで、もっと際どかったのに…」
Singspielを愛してやまない前谷さんが譲り受けたシングアップロックは、さすがダーレーの繁殖という筋べきのとおった血統で、牝系はAnna Paolaにさかのぼるドイツの名門、代々付けられてきた種牡馬も、代々のクロスもまったく間違いがない
予想コメントにも書きましたが、もしガンコが凱旋門賞に殴り込んだら、フランスの競馬関係者がGankoの5代血統表を目にしたら、みんな顔面蒼白になることでしょう(・∀・)
藤岡祐介も持続力抜群の持ち味を100%活かす騎乗で、聞くところによると哲三にいろいろ教えを乞うてるようですが、最近の芝長丁場での騎乗ぶりをみると納得できるところが多々ありますな
「三分三厘くらいまで折り合いをつけて、その後に切れ味をという考えですけど、僕は最後の5ハロンが競馬の勝負だと思っている」(現役時の佐藤哲三のインタビュー)

『POG・クラブ馬選びに役立つ 走る馬がわかる本』3/30発売

$
0
0

『POG・クラブ馬選びに役立つ 走る馬がわかる本』(カドカワエンタメムック)が、明日3/30(金)に発売になります




POGやクラブ馬を選ぶ時に、馬の写真をみてもどの馬がいいのかわからない……、そんな競馬ファンに贈る、馬の見方がわかる一冊です。ディープインパクトやキングカメハメハ、ハーツクライらトップサイアーたちが伝える馬体の形や、産駒の血統表の中で重要視すべきポイントをその道のプロたちが詳しく解説。素人でもわかりやすく馬選びのコツを教えます!
巻末にはPOGファンに向けて、2017年1、2歳の全内国産馬と輸入馬のデータを掲載。

★社台スタリオンステーション関係者に聞いた
トップサイアーたちが産駒に伝える馬体の秘密

★望田潤が教える
2018年POG&一口出資で勝つためのトレンド配合11大チェック

★データによる最新ニックス調査レポート
平出貴昭が教える
あの人気種牡馬と相性の良い血・悪い血

★要警戒! 父の時と同じとは限らない
“母の父”としては資質が変わる種牡馬たち

★G1馬生産者が語る忌憚なき意見
2017・2018年供用開始 次に来る最新種牡馬はこれだ!

★国内1~2歳馬を一挙紹介 血統登録済内国産馬&外国産馬
2016・2017年生産馬リスト

--------

私は「POG&一口で勝つためのトレンド配合」を担当しています
よろしければご一読くださいm(_ _)m





競馬道OnLineプレミアム予想「今週のBLOOD穴ライズ!」3/31,4/1

$
0
0

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2018-2019』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、「栗山求、望田潤 今週のBLOOD穴ライズ!」という新コーナーがスタートしています
http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html



3/31,4/1は栗山求の担当。よろしければご覧ください(前夜18時に入稿します)
NETKEIBAの「厳選予想 ウマい馬券」は通常どおり、1日3Rアップします
すでにダービー卿CTの予想はアップ済です
あとは香港のレースにするか2歳の特別にするか、これから考えます
http://yosov3.netkeiba.com/

土曜のボツ予想~ドバイは後ほど

$
0
0

アザレアは折り合っていければパンミコードとヴェルテアシャフトの巻き返しがあるかもしれませんが、そもそもどちらもTom Fool的な小脚使いだけに、阪神外回りだとかなり上がりだけの競馬に持ち込まないと難しい…というのが前走の私の見立て
ここも◎ドンアルゴス、○シュナイデン、▲スーパーフェザーで組みたいです
ドンアルゴスはドリームジャーニー産駒で母がRoberto3×4ですから内回りの差しというイメージでしたが、前走の脚なら外回りでも斬れそうだし、母父が非Northern Dancerでオルフェーヴルでも成功しそうな配合ではありますね





仲春は◎ファミーユボヌール
Red RansomのRobertoパワーとFabulous DancerのHyperion的粘着力で走る馬で、阪神内1400はベストパフォーマンスを出せそうな舞台だし、Bコース替りで内枠の利もありそう

「厳選予想 ウマい馬券」では阪神3Rと山吹賞とダービー卿CTを予想していますので、今週もよろしくお願いします
ドバイの予想は後ほど、もしかしたら「ウマい馬券」にアップするレースもあるかも

日曜のボツ予想~Roberto3×5でひと捲り

$
0
0

ドバイミーティングは日本馬は残念ながら未勝利に終わりましたが、ターフは思ったよりHペースで流れシーマはドスローになってしまい、ちょっと勝手が違うというレースになってしまった馬が多かった
それでも条件馬のアディラートが健闘したりターフだって2着争いは日本馬3頭がが横一線で、まあこのへんはいつも書くように、ハマるかハマらないか、フィットするかしないか、上手くいくかいかないかで、世界のどこで走って同じぐらい強い馬なんでまあいないわけで、だから面白いわけでね
ただダートは高速すぎてレコード連発で例年以上に行ったきりのレースばかりで、ちょっと味気ない感はありましたかね



ちなみにThunder Snowの父Helmet(豪G1を3勝)はガンコの母ちゃんと7/8同血ぐらいで、ダーレー自慢の牝系にダーレー自慢の種牡馬が代々ついてます(・∀・)

明石は△スティルウォーター(ローズキングダムをほうふつさせるMill Reefクロスの細身のキンカメ産駒)が内回りだと追い込みにくそうなので、前走パドックでデキが目についた◎マルカブリスク
こちらはラストタイクーン3×3のキングカメハメハ産駒ですが、Mill Reef的斬れよりもTom Fool的機動力がONになったような走りなので、Bコースの内枠を活かした立ち回りができるでしょう



御堂筋は◎テーオーフォルテが人気ですが、母系にトニービンが入るハービンジャー産駒らしいナタ斬れ脚は阪神外回り向き、芝長距離名人と化してきた藤岡祐介ならば脚を余すことはないだろうと
しかしここは行く馬が不在で、おそらく押し出されるのは○スズカビスタ、Mr.ProspectorとNureyev≒Fairy KingとPasadoble≒Allegedのクロスで名繁殖スプリングマンボを増幅したスズカマンボ産駒の走るパターンの配合(近親のスズカデヴィアスも父キングカメハメハなので同じようなことをやっとります)
番手追走から流れ込んだレインボー2着を見ても、母父アフリートらしい揉まれ弱さが垣間見えるだけに逃げてしまえば面白い







伏竜は◎ルヴァンスレーヴはRoberto3×5で川崎でも豪快にひと捲り、距離は1800mのほうがいいので、この頭数ならば後ろからいっても捲りきれるとみますが、相手をどう絞るかパドックを見て考えたい

他のレースはこれから考えますが、「厳選予想 ウマい馬券」では大阪杯と中山6Rを予想していますので、日曜もよろしくお願いします

第62回大阪杯回顧~本格化ハーツクライ、一番強い1着

$
0
0

阪神11R 大阪杯
◎2.サトノダイヤモンド
○8.アルアイン
▲10.サトノノブレス
△6.スマートレイアー
サトノダイヤモンドは内回りは[3-0-1-0]。有馬記念も皐月賞も4角の進出はスムーズだったように、ヘイローの3×4・5らしくコーナー加速能力は高いほうだ。叩いて追い切りの動きは良くなった。スワーヴリチャードは右回りというより内回りに課題があるだけに、ここで負けてられないだろう。アルアインは走法的にも高速馬場の内回り2000mがベスト。サトノノブレスとスマートレイアーは母方のハイペリオン的なスタミナが高齢になってから発現してきて、ディープ産駒にしては斬れ味よりもしぶとさや持続力に長けた脚質で、8歳の今もまだ衰えは見られない。ノブレスなどは今が全盛期かと思わせるほど研ぎ澄まされた体つきになってきた。レースは緩みなく流れそうで、この8歳馬2頭のしぶとさをヒモ穴に買ってみたい。

--------

週中にヤマカツライデン陣営が逃げ宣言をしてる記事を目にして、ふうむ酒井学の逃げかあ…とハクサンムーンで34秒台で逃げたあのスプリンターズSが頭をよぎったんですが(^ ^;)、61.1-57.1という前後半はさすがに予想してなかったです

「有馬はずっと外々を回らされて苦しくなったが、ちゃんと手前は替えるし、右回りがダメとは思わない」とミルコは言ってました

金鯱賞は本格化ハーツクライがついに先行して勝ったといっても、以前より後駆がパンとしてスタートで遅れなくなったのはたしかでも、前半13.3-11.9-13.1という超スローだから難なく先行できたという見方もできた

だからここで好位につけられるかは微妙な気がしたし、となるとこの大跳びの馬を馬群に入れるわけにはいかないですから、やっぱり有馬みたいに外々を押し上げるしかない

やっぱり有馬みたいに、“一番強い4着”になってしまうんじゃないかと、私の拙い想像力ではそんな絵しか描けませんでしたね

向正でペースが緩んだときに一気にポジションを押し上げてしまうというのは、サトノクラウンの宝塚記念でも近いことをやっていて、ストライド走法なので内回りの3~4角で抜いていくのは負担がかかる、ならば3角までにポジションを上げてしまえ、という発想

もちろんこれは向正が緩んだからできた芸当ではあるんですが、でもミルコの頭の中にはいくつかのパターンの一つとしてこの展開もシミュレートされていたと思うし、だからこそ躊躇なく動いていけたのだと思います

「内でゴチャゴチャして動けませんでした…」とコメントするしかなかった人は、そうなってしまう可能性を果たしてシミュレートしていたのでしょうか

上手な人なのはみんな認めているけれど、上手に乗れればいいや、というぐらいの気概しか感じないのは私だけではないでしょう



スワーヴリチャードの母ピラミマは、他にもバンドワゴン(父ホワイトマズル、きさらぎ2着)、ナンヨーカノン(父フジキセキ、4勝)、エマノン(父ハーツクライ、現役3勝)、カレンオプシス(父サムライハート、2勝)を産んでいる名繁殖牝馬で、3歳のルナステラ(父ディープインパクト)も土曜にシーザリオの娘と見ごたえある叩き合いをやったので出世するでしょう

ピマラマの母キャリアコレクションはNasrullah≒Royal Charger6・6・6・7×4・5の早熟マイラーでBCジュヴェナイルフィリーズ2着、父Unbridled's Songの母Trolley SongはNasrullah≒Royal Charger4×4、そしてUnbridledのところだけはNasrullahクロスがなくAspidistra4×4

この「3/4Nasrullahクロス,1/4Unbridled」というべき緊張&緩和の配合形が素晴らしく、何を付けてもNasrullah的しなやかさを伝える名繁殖で、産駒はみんな美しいストライドで走ります





母系に入るLucky MelとStar Fortuneがナスペリオン(NasrullahとHyperionの組み合わせ)なので、典型的なストライドで走るハーツクライ産駒といえますが、ただ母にNorthern Dancerの強いクロスがないので成長曲線はゆっくり目でした

3歳春になってもいかにも成長途上ハーツクライという後駆の緩さはあって、それでダービー2着というのはオルフェーヴルが未完成のまま春二冠を勝ってしまったようなもんで、これはパンとしたら末恐ろしい、ハイパー・トーホウジャッカルになるだろうと書いたんですが、しかし初G1制覇が大阪杯とは思いませんでしたね

ペルシアンナイトは内々をソツなく進出して2着、先週のブラストワンピース、今週のヒーズインラヴ、ドバイのディアドラ、そして大阪杯のペルシアンナイトと、Nijinskyクロスを持つハービンジャー産駒が相変わらず走りまくっています

ハービンジャーの父Dansiliは仏リーディングサイアーで、Dansiliの母HasiliはG1馬を5頭産んだスーパー名繁殖

何度か書いていますが、ハービンジャー産駒においてNijinskyとナスペリオンのクロス(特にNureyev経由)が成功するのは、Hasiliの血脈構成がNijinskyとナスペリオンだからで、「ハービンジャーはNijinskyとナスペリオンをクロスしておけばHasiliます」(ヘニー村田にウケたので恥ずかしながら)

Hasiliは先日亡くなったそうで、ジャドモンドが追悼記事と動画をアップしていると教えてもらいましたが、改めて栗山ブログから転載しておきます

<Hasiliはこれまでに5頭のG1馬と1頭のG2馬を送り出しました。G1馬の数を比べるとUrban Sea(4頭)を上回ります。産駒は以下のとおり。

★Dansili(牡.1996.デインヒル)ミュゲ賞(仏G2)
★Banks Hill(牝.1998.デインヒル)BCフィリー&メアターフ(米G1)、ジャックルマロワ賞(仏G1)、コロネーションS(英G1)
★Heat Haze(牝.1999.Green Desert)メイトリアークS(米G1)、 ビヴァーリーDS(米G1)
★Intercontinental(牝.2000.デインヒル)メイトリアークS(米G1)、BCフィリー&メアターフ(米G1)
★Cacique(牡.2001.デインヒル)マンハッタンH(米G1)、 マンノウォーS(米G1)
★Champs Elysees(牡.2003.デインヒル)カナディアン国際S(米G1)、ノーザンダンサーターフS(米G1)、ハリウッドターフC(米G1)
(栗山求ブログ~もう1頭のスーパー牝馬Hasili)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/02/hasili-2836.html

アルアインはクレバーさんが「ドバイワールドCのパドックにいそうなボリューム」と評していましたが、そんなボリュームでも動きはしなやかなのがさすが

でもいつも書くように「リアルインパクトのA.P.Indy炒め」というべき馬で、ディープ産駒としてはパワーに寄ったタイプなのはたしかで、だからこの条件はベストとはいえましたがもうちょっと上がりがかかるレースがベターではあります

とまあそんなことを書いてきて、しかしこんなふうに大阪杯を勝てるのはスワーヴリチャードしかいないだろうし、こんなふうに勝たせられるのはミルコしかいないんですが、でもテン乗りではないんですよね

スワーヴリチャードの大阪杯も、ドゥラメンテの皐月賞も、ペルシアンナイトのマイルCSも、サトノクラウンの宝塚記念も、ミルコの大一番での超絶ファインプレーはテン乗りではないんです…と思ったらドゥラメンテはテン乗りでした(^ ^;)


3/31、4/1の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

$
0
0

『一口馬主好配合馬ピックアップ(2016)』で栗山求が推奨したレッドガラン(牡3歳)が日曜阪神4Rの未勝利戦(芝1600m)を勝ち上がりました。

★東京サラブレッドクラブ
父ロードカナロア
母ダンスオンザルーフ(母の父シンボリクリスエス)
牡 募集価格:2400万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015104417/
競走成績がイマイチなRoberto系の繁殖牝馬は、スピード面に難がある可能性が高いため、産駒には手を出しづらいのですが、父がロードカナロアの場合、それが良血であれば積極的に取ってみたいところです。ロードカナロアは自身が十分なスピードを持っているため、母方のスピードの有無に神経質になる必要がありません。また、鋭いスピードを特長としているので、Robertoのようなスタミナ+持続力型の血は、持ち味を殺すことなく、むしろスピードの持続力に磨きをかける可能性もあります。「ロードカナロア×シンボリクリスエス」はそういった理由で好感が持てる組み合わせで、なおかつ、2代母ダンシングサンデーはダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードを全きょうだいに持つ超良血。2代父キングカメハメハはNijinskyとRobertoを併せ持つ繁殖牝馬と好相性を示していますが、本馬の母ダンスオンザルーフはこのパターンで、キングカメハメハの成功パターンをロードカナロアが受け継いでいるとすれば、この配合は期待が持てるでしょう。距離はマイルあたりまでは十分もつはずです。2400万円という価格もいいですね。(栗山)

土曜阪神9Rアザレア賞 スーパーフェザー(ディープ・栗山)
ドバイターフ2着 ヴィブロス(ディープ・栗山&望田)
ドバイターフ3着 リアルスティール(ディープ・栗山)

--------

さっさん会の常連、BROKKENさんとネコマチさんが「レッドガランいきなり勝った♪」と盛り上がってたので、「おおおエライ斬れ味でしたねえ(・∀・)」と祝福してたんですが、そうか栗山さんのピックやったんですね

募集開始のときは互いのピック馬は気になるもんで、「これ気になってたけど、栗がピックしてるんなら任せようかな」なんて思案することはよくあるんですが、一年経つとほとんど自分のピックしか覚えてないもんです(^ ^;)



ちなみにロードカナロア産駒の獲得賞金ベスト5、ステルヴィオ、アーモンドアイ、アンフィトリテ、アンヴァル、ダノンスマッシュは、いずれも母が非Northern Dancerクロス、つまり自身は「3/4Northern Dancerクロス」です

シンボリクリスエスという血は非サンデーサイレンスかつ非Northern Dancerというのが利点で、3/4Northern Dancerクロス時代からサンデークロス時代へ移行中といえる今、「1/4シンボリクリスエス」というのは邪魔にならないというだけで使い勝手がいい

4角5番手のオルフェ

$
0
0

オルフェーヴルの3傑、ラッキーライラック、エポカドーロ、ロックディスタウンに共通するのは
・母が優秀なマイラーであること
・母が(フォーティナイナーをはじめとする)Mr.Prospectorの血を引くこと
他にも注目すべき共通点はあるのですが、ここでは焦点を絞ってすすめます

ライラックスアンドレースはアシュランドS(米G1・AF8.5F)勝ち馬、ダイワパッションはフィリーズレビュー勝ち馬、ストレイキャットは自身は1戦未勝利でしたが、中距離の種との間に優秀なマイラー(タガノエリザベート、キャットコイン、ワンプレスアウェイ)を次々と産んでいます







TARGETによると、現3歳の芝勝ち鞍603のうち、4角5番手以内での勝利は470(78%)でした

ここまでオルフェーヴル産駒は芝で17勝をあげていますが、うち15勝(88%)が4角5番手以内での勝利で、差して勝ったのは、ラッキーライラックの阪神JF(4角8番手)とササノユキオルフェの未勝利勝ち(4角13番手)だけ

レーヴドスカーといえばナスキロ血脈の塊のような名繁殖で、何を付けてもしなやか柔らかストライドで走る仔を出し、産駒の重賞連対8は全て大箱で全て4角8番手以降

そんなレーヴドスカーを母に持つレーヴドリーブでさえ、未勝利を勝ったときは4角5番手の好位差しやったのです



競馬における“スピード”の定義というのもあやふやなものがありますが、前にいないと勝てないというのは、スピードの絶対値・最高値が高くない証といえるでしょう

なぜ種牡馬オルフェがスピードを伝えにくいのか、アベレージが高くないのかという話はこれまでも少しずつ書いてきたつもりですが、一から説明し出すと長くなるのでそれも置いときます

で、スピードの最高値が高くないという前提で話をすすめると、脚をタメて直線ゴボウ抜きなんてなかなかできないわけですよ

後ろからビュンと抜く脚がないなら先行して粘るしかないし、先行するにはマイラーの母から先行力を受け継ぐしかない

だからラッキーライラックもエポカドーロも、トライアルの乗り方は実に正しい



外回り桜花賞は名うての差しレースで、良馬場で行われた過去10Rの連対馬20頭のうち、4角で5番手内にいたのはたった5頭しかいません

勝ったのはダイワスカーレットとアパパネとレッツゴードンキで、ドンキの歴史的な超スロー逃げ切りはひとまず置いとくとして、外回り桜花賞を先行押し切りで勝ちきってしまうような馬は三冠クラスなのだ、という結論にすらなります

そもそもステラマドリッドといえばミッキーアイル、アエロリット、テイエムジンソクとアメリカンな先行牝系で、だから桜花賞のラッキーライラックも4角5番手内にいるべきだろうと

それで勝つとしたら三冠クラスで、勝つとしたらフォーティナイナー色のパンツで、勝てなければそうではなかった

月曜の入口として、そんなことを考えてみました(・∀・)

「3歳勝ち馬評価」先週ぶんを更新&雑感

$
0
0

先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新しました

◆Tom Fool

ヒーズインラブはNijinskyとナスペリオンのクロスという「ハービンジャー黄金配合」なんですが、ハービンジャーらしいナスペリオンな斬れというイメージとはちょっと違って、中山マイルを俊敏な小脚でササササッと差す脚は明らかに5代母MumにあるTom Fool≒Pillow Talk2×2の影響が強い
最近よく書いている「El PradoのTom Fool的機動力」とも通じるものがありますが、兄のサンデーウィザードも同じ走り方でネオユニ産駒の中距離馬とは思えないほど俊敏です








◆キンカメタックス

グットクルサマーが日曜中山3Rを勝ったので、これで「タックスヘイブン牝系のキングカメハメハ産駒」は
アットザシーサイド 現役4勝
アルバタックス 5勝※
イーストオブザサン 現役4勝※
グットクルサマー 現役1勝
カリンカ 現役[0-0-0-2]
※は全きょうだい
このニックスの根拠は、組み合わせ血統表のようにKingmamboとタックスヘイブンがニアリーだから、つまりKingmambo≒タックスヘイブンのニアリークロスになるから、という単純明快なものです
アットザシーサイドをPOG推奨したのもこのキンカメタックスに着目したからで、3歳世代はグットクルサマーとカリンカの2頭がキンカメタックスで、どちらもTARGETでチェック入れといたんですよね
えっ?「POGキングカメハメハ編」ではカリンカしか取り上げてないって?無粋なツッコミやなあ…両方取り上げたら節操がなさすぎるじゃないですか…
で、2歳のキンカメタックスですが、カリンカの全弟ポートロイヤルがいますね






◆継続騎乗

先日35歳目前で亡くなったアサヒエンペラーは、私が最初にリアルタイムで体感した“未完の大器”というべき馬かな
ダイナガリバーやメジロデュレンと同世代で、弥生賞では3年目の中館さんが乗って1人気4着、さすがに当時でも「アンチャンには荷が重いだろう」という声は少なからずありましたが、コンビはダービーまで続行されました
http://db.netkeiba.com/horse/1983106441/
今でいうと、たとえば武藤雅が弥生賞でワグネリアンに乗って1人気4着だったら…なんて想像すらできないですが(^ ^;)、そんな時代やったんですよね

大阪杯回顧の最後で言いたかったことをMahmoudさんがツイッターで補足してくれた感じで、そうなんですよ、ドゥラメンテの皐月賞は勝ち方が圧巻やっただけで、決してミルコのファインプレーではないですよね
あれは三塁コーチの制止を無視してタイミングアウトのところを強引に突っ込んでキャッチャーふっ飛ばしてセーフになってサヨナラ勝ちというプレーで、勝ったから良かったけどファインプレーではない(勝つためにここまでギリギリのところをやるか、という意味では凄い騎乗ですが)
そして次走ダービーで全くスキのない騎乗で負けようがないレース運びで完勝という、こっちのほうがファインなプレーであってね

ようするにね、ミルコといえども、超絶ファインプレーは、120点満点の騎乗は、テン乗りではなく継続騎乗で出てるんだということが言いたかった
スワーヴリチャードやレイデオロの超スローの間隙を突く向正スパートにしてもね、このコースでここからこれぐらい行かせたら、3角までに先頭に並ぶところまでいってしかもギリでオーバーペースにはならないだろう、というさじ加減みたいなものを、それまでの実戦騎乗においてだいたい掴んでいるからこそ出来たんじゃないですか
あれを脩や松山からの乗り替わり直後に、しかもG1の大一番でやってのけたらさすがに驚きますが、それはなかなか出来ないだろうと

テン乗りでそれまでとは一変した走りをさせてしまう一握りの達人はいますが、そういう人たちはいいんですよ
そうではない多くの乗り役は、継続騎乗でお手馬をつくって渡り合うしかないだろうし、そのほうが面白いレースが増えるんじゃないかということを言ってきたつもりです
ただ現実に春クラシックとなるとね、今週の桜花賞をみてもキャリア5戦以内で臨む馬が多いわけで、4~5回実戦経験を積む中で2つは勝たないといけないわけで、なかなか鞍上固定でいくのも難しい部分はあるとは思いますが

どっちのオウカショー

$
0
0

スワーヴリチャードの安田参戦は面白い、というかウオッカやアグネスデジタルなんかは鼻歌交じりで両方勝ちましたからね

オルフェーヴル、ハーツクライ、ジャスタウェイ、ステイゴールド、ナカヤマナイト、ドゥラメンテ、ワンアンドオンリーなどなど、海外の芝中距離大レースで期待どおりに勝ち負けする馬、思いのほか好走する馬はトニービン持ちとノーザンテースト持ちが多いということからも、スワーヴにはいずれ向こうの大レースを狙ってほしいと思いますが(もちろんガンコもね)

今や海外のレースとひとくくりで言うのもなんですが、海外遠征でパフォーマンス上げるのはディープよりもステゴやハーツなんですよね

というマクラから、桜花賞におけるマイラーと中距離馬の話

<待てよ、中距離馬が粒ぞろいなんはわかった
オークスが楽しみなんはよくわかった
じゃあ桜花賞で楽しみなんはどれなんや?
桜花賞馬として、マイラーとして、キラキラと華がある勝ち方をしてきた馬はどれなんや?
桜花賞ウィークになって、そんな根本的なところにふと立ち返って考えてみて、実はマイラーとしてハッとする脚を使ったのは、華のある勝ち方をしたのはフィリーズレビューのカラクレナイのほうではないかと>
(第77回桜花賞回顧~マイラーとしての、桜花賞馬としての“華”)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/fccfb4b5691c8d2c586beb65022eb093

ソウルスターリングとリスグラシューはヴィクトリアマイルをめざして土曜の阪神牝馬Sに出てきますが、どちらもマイラーではなく中距離馬だと今でも私は思っています

でもレースラップ60.0-34.1の東京新聞杯をリスグラシューが快勝したように、60秒で追走し33秒台で上がるというのはマイラーというより中距離馬のお仕事ですから、マイル戦でもそういうペースで流れれば中距離馬が格と斬れ味で勝ってしまうことはよくあるわけです



最近の桜花賞でいうとね、シンハライトは母も母父も中距離馬で、426キロでお尻が小さくて、どこから見ても中距離馬なんですが、桜花賞でもハナ差の惜しい惜しい2着(このときのジュエラーのファインプレーもミルコの連続騎乗でした)

ハナ差2着なんですけど、この16年桜花賞はレースラップが59.1-34.3で、ジュエラーのラップが60.4-33.0、シンハのラップが59.7-33.7

ようするに斬れる中距離馬2頭が阪神マイルで斬れ勝負をやっていたという桜花賞で、この2頭より馬格がありお尻が大きいメジャーエンブレムは持ち味を出せずに1人気を裏切ることとなり、次走NHKマイルを57.7-35.1で逃げ切ったのはご存知のとおり

外回り桜花賞は名うての差しレースで、中距離馬が60秒で追走して33秒で斬れれば届きやすいレースで、むしろレーヌミノルの年(稍重で58.3-36.2)やアユサンの年(良58.9-36.1)のように、緩みなく流れたときのほうがマイラーが勝ちやすい、という面はありますよね

60秒桜花賞の勝ち馬(勝ち馬が出走していない年は最先着馬)は、シンハライト1着、レッツゴードンキ10着、ハープスター2着、ジェンティルドンナ1着と、オークスでもだいたい勝ち負けになっています

いっぽう58秒桜花賞の勝ち馬は、レーヌミノル13着、アユサン4着、マルセリーナ4着、アパパネ1着、レジネッタ3着、桜花賞は58秒台で流れるとマイラーを炙り出すレースになる

「マウレアは全姉アユサンとは違って、体型も走りも中距離馬でオークス向きに見える」と書いてきましたが、チューリップ2着が60.4-33.3、JF3着が60.6-33.9、赤松勝ちが63.6-33.5、唯一の凡走がクイーンCで、57秒台で逃げるテトラドラクマを追いかけたら直線半ばで一杯になってしまった

ラッキーライラックもアーモンドアイも私の目にはピュアマイラーには見えないので、60秒で追走して33秒で上がる能力が高いのは歴然としているんですが、さて今年はどっちのオウカショーになるんでしょうか



競馬道OnLineプレミアム予想「今週のBLOOD穴ライズ!」4/7,8

$
0
0

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2018-2019』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、「栗山求、望田潤 今週のBLOOD穴ライズ!」という新コーナーがスタートしています
http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html



4/7,8は望田潤の担当。よろしければご覧ください(前夜18時に入稿します)
NETKEIBAの「厳選予想 ウマい馬券」も通常どおり、1日3Rアップします
先ほどNZTと阪神牝馬Sと川俣特別の予想を入稿済です
http://yosov3.netkeiba.com/

土曜のボツ予想~トモがパンとした母父ハーツ

$
0
0

湾岸はレインダンスの仔▲フリージングレインがここもRoberto的機動力でひと捲りといきたいところですが、外2200で先行馬がけっこういるので持続差しで組みたい
となると、中山でも[0-1-1-0]の◎コルコバードは母エンシェントヒルがRibotクロスのダート馬だけに上がりがかかったほうが差しやすいし、母父ハーツクライが強い大箱向きストライドなのに前走間に合ってしまった○エスティームも、後駆の緩さが解消して機動に乗ったとみればここでも狙える
配合も母がNorthern Dancer4×5・5、Halo≒Sir Ivor3×4、そしてワンアンドオンリーと同じハーツクライ×Courtly Dee牝系で、このクロスがうるさい母に5代アウトのロージズインメイを配したのはセオリー通り



ひめさゆりは低調なメンツで若葉3着○ロードアクシスが人気を集めていますが、若葉3着ならば大寒桜で差のない6着だった◎フィールインラヴで五分だろうと
母母ヤングエブロスは1200の根岸Sと1400のアネモネSに勝ったスプリンターで、オークスでも逃げに逃げて通過順位が1-1-1-18、昔はこういう馬がダービーやオークスに出てきたんですよね、3~4角でカメラといっしょにどんどん下がっていくやつね(^ ^;)
フィールインラブはHail to ReasonとMr.ProspectorのクロスにScuff(Specialと同血)が絡むのでRoberto的機動力がONになりやすい配合ですが、Sir Ivor=ロードリージの全兄弟クロス5×5にSecretariat×BuckpasserのWife Mistressが絡むので脚捌きは無駄がなく、小倉2000を中団から捲る競馬は合っていると思います



他のレースはこれから考えますが、ちょっと体調悪くて日曜の予想の準備が全然すすんでないのでまずはそっちからかな
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」と競馬道Online「BLOOD穴ライズ!」ではNZTと阪神牝馬Sと川俣特別を予想していますので、今週もよろしくお願いします

日曜のボツ予想~パンとした桜花賞馬の息子

$
0
0

桜花賞は私の◎が取り消してしまったので、その部分の予想コメントだけ載せておきます(^ ^;)
追い切りの感じは良く見えたんですが、金曜の調教で外傷を負ったとのことで、いろいろとついてない馬です…
--------
馬券的な狙いはアマルフィコーストだろう。母はクリスとノーザンダンサーのクロス、母父ハイチャパラルはサドラー系の英ダービー馬、母母ローズジプシーは仏1000ギニー馬。母系は底力があり、配合パターンもメジャーエンブレムとよく似ていて掛け値なしのダイワメジャー黄金配合だ。JFでも◎を用意していたが使えず、前走フィリーズレビューではスタート後に落馬と踏んだり蹴ったりだが、今週の追い切りはよかったし、順調にきていれば上位人気の一角を形成したであろう実力馬。14人気ならば迷わずここから入りたい。
--------
まあこれで馬券は買いやすくなったというか、○▲だけ買いますわ…
どちらも配合はいいし、“ハッとする脚”を使ったのはこの2頭だけやと思うのでね

デイジーは◎ローザフェリーチェ
前走の敗因はハッキリ言ってよくわからんですが、直線で馬の後ろに付けてジワジワ追い出すルメール流、そこでちょっと寄られたりしてヤル気をなくしてしまったようにも見え、エンパイアメーカーですからそういうこともあるでしょう
土曜はディープ産駒の外一気が炸裂しまくったように、今の中山は斬れ味のある馬が外から差せる馬場
この少頭数は歓迎だろうし、揉まれず外一気でヤル気を出せば差せるんじゃないかとみました



大阪ハンブルグは◎エスティタート
フラガラッハは6歳夏に中京記念勝ち、フェルメッツァは6歳夏の小倉記念3着、イリュミナンスは5歳夏にクイーンS3着
母スキッフルはHyperion4・6・6×5・6・6で、産駒は意外に早期から動くんですが、この濃厚なHyperionが熟成されるのはやはり古馬になってからで、本馬も「第二次全盛期」がいよいよ到来した感
父ドリームジャーニーでノーザンテーストが強い体型走法からも、この阪神内1400はベストコースでしょう
前走重かった○ティソーナからいく手も考えたんですが、ここはわりと先行激化になりそうなのでね



浄土平は◎モクレレ
前走のパドックが+10キロで好馬体やったので「良くなっている」とここでもコメントしておきましたが、相手をグリントオブライトに絞ってしまって失敗…
でもレース内容は良かったし、アパパネ譲りのTom Fool走法なので福島でも自在に立ち回れると思います



NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」競馬道OnLine「BLOOD穴ライズ!」では桜花賞と春雷Sと忘れな草賞を予想していますので、日曜もよろしくお願いします


第78回桜花賞回顧~息を呑む天才少女のパンツ、魅惑のSex Appealクロス

$
0
0

阪神11R 桜花賞
◎2.アマルフィコースト
○15.プリモシーン
▲13.アーモンドアイ
△1.ラッキーライラック
×17.マウレア
アーモンドアイの後駆のバネとスピードに乗ってからのストライドの伸びは圧巻で、少々スローになっても大外一気で決めてしまう気はする。母はG1馬フサイチパンドラで、ヌレイエフ5×3とトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2で配合も最高。この単は買いたい。
ラッキーライラックはオルフェ産駒としては満点の配合だとほめてきたが、母系に馬群を嫌うヴェイグリーノーブルの血が入るだけに、そしてこれまでほとんど揉まれたことがないだけに最内枠は気になる。姉のラルクも先日久々に逃げたらめちゃんこ強かった。
プリモシーンはトムフール的な機動力が抜群で、東京でテトラドラクマを捲った脚も目を引いた。ディープ産駒で母父がダンジグ系のマイラーで母がノーザンダンサーのクロスというのは最も桜花賞向きの配合で、ここも好走は間違いない。
マウレアはアユサンの全妹でディープインパクト×ストームキャットの黄金配合だが、姉より中距離馬っぽい体質や走りに見えるので、オークスで印を上げたい。
馬券的な狙いはアマルフィコーストだろう。母はクリスとノーザンダンサーのクロス、母父ハイチャパラルはサドラー系の英ダービー馬、母母ローズジプシーは仏1000ギニー馬。母系は底力があり、配合パターンもメジャーエンブレムとよく似ていて掛け値なしのダイワメジャー黄金配合だ。JFでも◎を用意していたが使えず、前走フィリーズレビューではスタート後に落馬と踏んだり蹴ったりだが、今週の追い切りはよかったし、順調にきていれば上位人気の一角を形成したであろう実力馬。14人気ならば迷わずここから入りたい。

--------

毎年桜花賞ウィークになると、「今年もパンツネタ楽しみにしてますよ!」とか「一番華のある馬はどれでしょうね」とか、私がよく使ってきたキーワードで声をかけてもらうんですが、これはなかなかありがたいことで、最近はキーワードを発した本人がそういうことを忘れてることもちょくちょくあるんですよね(^ ^;)

昨日の阪神5Rなんて酷いもんで、出馬表を開いたら大外に強そうなエンパイアメーカー(エンパイアミライ)がいたので、「お~い大外パイアメーカーがおるぞ!」と呼びかけたら、「相手はクロフネ×フジキセキ(ケールダンセール)でいいかな」とメタボ博士がいうので、俺もそれでエエわ~と1点だけ買って、飯食いながらレース観てたら「ん? マイネルオスカル? あああれやんか、ドンフォルティスに勝ったやつやんか。うそおおおマイネルオスカル出とったんかあああっ!」

新馬戦でドンフォルティスとド1点勝負して、「コ、コマッキーそれはないでえええっ!」と絶叫した、あの記憶がもう吹き飛んでしまっていたのがあまりにも情けない(^ ^;)
ホンマにもうね、記憶力と集中力の欠如によるボーンヘッドが多くて泣きたくなる昨今です



新馬と特別を勝ってJFから桜花賞トライアル、エリートコースに乗った牝馬が桜花賞出走までに経験する実戦なんてだいたい5戦ぐらいですから、まだそれほど鍛え上げられたわけでもない乙女たちが、3歳4月に天賦の才がどれだけ開花しているのかを競うのが桜花賞というレース

だから今年も、お尻や太腿に肉をつけてパンツ見せて走っとるのはどれや? “ハッとする脚”を使って華麗に勝ったんはどれや? というところにいったん立ち返ってみる

大谷翔平がメジャーで通用するのは誰もがわかってたし大きな期待を持っていたけれど、それにしてもこんな凄いパフォーマンスをいきなり見せるとまでは想像できなかったわけで、もう一つ上のレベルで更にパフォーマンスを上げられるような潜在能力がまだあるのか、それをまだ出し切っているのかいないのかを推察するのはなかなか難しい

そういう潜在能力や天賦の才を測る有力なモノサシは、走破時計や相手関係や着差よりも、肉眼で際立つ数完歩の動き、“ハッとする脚”ではないかと、桜花賞みたいなレースにおいては力説してきたつもりです

そして今年のメンバーで、一瞬息を呑むような“ハッとする脚”を使ったのは、チラッとパンツが見えてドキッとしたのは、アーモンドアイのシンザン記念のゴボウ抜きと、プリモシーンがテトラドラクマと叩き合ったレース、東京マイルでこんな捲りちょっと見たことないというアレですね、この二つだけやったんですよね

ラッキーライラックはオルフェーヴルの教科書といえる好配合、馬っぷりはいい、パワーもスピードも勝負根性もある、一戦ごとに石橋脩との絆も深めてきた、ほめるところはいくらでもあるけれど、でも息を呑むような脚を使ったというまでの記憶はなかった

後方から外に持ち出して追い込むといういつもの競馬で、ルメールが直線で満を持して追い出す前に勝利を確信したほど、アーモンドアイのスピードに乗ったときのストライドは圧倒的でした

ウインズB館のオッチャンたちも「と、と、飛んどるがな!」と呆気にとられてましたが、あのストライドは他の17頭がこの先どれだけ鍛錬しても真似できないもので、59.9で追走して33.2で爆発した天才少女

2月に「サラブレ」でやったラッ血対談「3歳牡牝番付」において、アーモンドアイのことをMahmoudさんが「天才少女」と評していたのが印象的で、ここでも拝借させてもらいました

そして天才少女の爆発力にみんなが感動したのは、デビューから二人三脚で歩んできたラッキーライラックと石橋脩のコンビが、桜花賞の本命に恥じない立派な内容で2着に踏ん張ったからこそなのだ、ということは言っておきたい





他にも書きたいことはいっぱいあるのですが、新種牡馬の当たり年と言われるこの世代のクラシック第一弾が、Nureyev5×3とトライマイベスト≒ロッタレース5×2を持つロードカナロア産駒と、エレクトロアート≒Sadler's Wells3×5を持つオルフェーヴル産駒で決まったというのは(もちろんどちらも「3/4Northern Dancerクロス」)、笠シショーの配合論的にも極めて順当なのだ、ということも言っておきたいです

母のフサイチパンドラはエリザベス女王杯の勝ち馬で、パンドラの全兄サムソンハッピーを来年の皐月賞馬だと競馬通信社のPOG本でイチオシしたのが懐かしいですが、牝祖Sex AppealはEl Gran Senorとトライマイベスト兄弟を産んだ名繁殖

Sex AppealはBusanda≒Mr.Busherの3/4同血2×3の強大なパワーを誇り、フサイチパンドラもサンデー牝駒にしてはパワーの勝ったタイプだったし、フサイチパンドラの産駒もパワーとスタミナはあるのですが手先の重いタイプが多かった

父キングカメハメハの3/4姉サンエルビスはダ1800mで1勝、Nureyevとトライマイベスト≒ロッタレースのクロスになるのは同じですから、Sex Appealのクロスというのは魅力的なんですがパワーが強大すぎてキングカメハメハ×フサイチパンドラだと力馬方面に寄りすぎてしまうぐらいで、そこがレディブラッサム(Secretariat=Syrian Sea3×4)の柔らかさを強く伝えるロードカナロアだと硬軟のバランスがちょうどよかった、という言い方はできるでしょうね





4/7,8の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

$
0
0

『一口馬主好配合馬ピックアップ(2016)』で望田潤と栗山求がダブル推奨し、『望田潤のPOG好配合馬リスト(2017)ダイワメジャー編』で望田潤が推奨したデクレアラー(牡3歳)が日曜福島7Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

★ジーワンサラブレッドクラブ
父ダイワメジャー
母アスドゥクール(ジャングルポケット)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015104209/
牡 募集価格:3600万円
ソルヴェイグの全妹で、ソルジャーズソングやエールブリーズの甥。1400mあたりで手堅いスピードを発揮する牝系です。ダイワメジャー産駒で母系にトニービンとCaerleonを併せ持つ馬は、これまでソルヴェイグとコパノリチャードしか出走例がありません。全体としてもダイワメジャー産駒としてはかなり高得点がつけられる配合ですから、期待を裏切るようなことはないでしょう。ノーザンテーストが強い短距離向き体型で、また牡のぶん姉よりもパワー型に出る可能性も高そうです。急坂小回りや洋芝でパワーを発揮し1200~1400m向き。成長力にも富むタイプ。(望田)
【6月20日追記】
ソルヴェイグ(フィリーズレビュー、函館スプリントS)の全弟。母アスドゥクールは現役時代にスプリント路線で準OPまで出世し、アイビスサマーダッシュ(G3)で7着という成績があります。その兄弟にソルジャーズソング(シルクロードS-2着、高松宮記念-3着)、エールブリーズ(京王杯スプリングC-3着)がいるように、豊かなスピードを伝える一族です。アスドゥクールは2代前にトニービンと Caerleon を併せ持っています。したがってソルヴェイグは、ダイワメジャーの代表産駒で高松宮記念(G1)など重賞を4勝したコパノリチャードときわめてよく似た配合構成です。重賞2勝は配合的な裏付けがあるのでフロックではなく、馬のデキさえまともなら全弟の本馬にその競走能力が再現される可能性が高いでしょう。(栗山)

◎デクレアラー(牡・母アスドゥクール)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2015104209/
ソルヴェイグとドロウアカードの全弟で、ソルジャーズソングやエールブリーズの甥。母系にトニービンとCaerleonが入るのはコパノリチャードと同じで、母父ジャングルポケットはHyperion4・6・6×6・6・7・7・7・8のダービー馬。短距離でも中距離でも、先行してガッチリ前受けできるダイワメジャー黄金配合だ。(望田)

土曜中山9R野島崎特別 アッフィラート(ディープ・望田)
土曜阪神11R阪神牝馬S2着 レッドアヴァンセ(ディープ・望田)
日曜阪神9R忘れな草賞 オールフォーラヴ(ディープ・望田)
日曜中山11R春雷S ペイシャフェリシタ(POG・望田)



オールフォーラヴのパドックは、前走との比較でなんだかパッとしませんでしたね…激闘の疲れが少しはあったんじゃないかと
タフなレースは向いてるので何とかねじ伏せましたが、オークスとなると、ここから立て直してどれだけ上向けるかがまずポイントかと
あと明らかに母レディアルバローザが強い馬なので、東京でスローで高速上がりを要求されるとおそらく辛いと思います

デクレアラーはソルヴェイグやドロウアカードの全弟で、
・Haloのニアリークロス(Halo≒Regal Gleam3×5)
・Lady AngelaのPretty Pollyいじり(カンパラの母父オンリーフォアライフとIrish Castleの母父父TehranがPretty Polly牝系)
・母父が中距離本格派(ジャングルポケット)
というダイワメジャー黄金配合で、私が本命にしたアマルフィコーストちゃんも上の三つを満たした紛れもない黄金配合なんですが…
いつもソルヴェイグ級が出るとは限りませんが、そうそう外さない配合ではあります

「3歳勝ち馬評価」先週ぶんを更新&雑感

$
0
0

昨夜は麻生の居酒屋「八十吉」で飲んだくれてました
ここは2回目の訪問ですが、メニューが豊富かつ凝ってて何でも美味いし、日本酒も充実してます
刺身はもちろん、かすべの燻製が美味でした(・∀・)


先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先週ぶんを2頭更新しました

バファート厩舎のJustityが3連勝でサンタアニタダービーを制覇し、Kダービーの有力馬に急浮上
私としては、Yarn=Preachの全姉妹クロスついにきたな(・∀・)という感じです





これは今春生まれるヨハネスブルグ×ツァーリーナ、昨年当ブログで大喜利やって決定した配合ですよね(・∀・)
大喜利といえば1月にやった「エリモトゥデイ大喜利」ですが、オーナー側にいくつか提案した中からマジェスティックウォリアーに決定し、既に種付け済です

配合大喜利「ディオスコリダーを超えろ!エリモトゥデイの今春の配合相手」
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/c315b13290aa3c26e05d161ef9af5bb0



A.P.IndyとWild Againのニックス(Dama≒Missy Babaが根拠でパイロやTapizarなどが出る)も一つポイントなんですが、母母レースカムはスキャンの全妹にあたり、エリモトゥデイはDrone≒Foreseer4×3
そしてスキャンの血を引くカフジテイクやワイドバッハやメイショウマシュウが重の根岸Sを差し切るイメージで考えてみても、A.P.Indy系でSecretariatとBuckpasserのクロスを持ちベストウォーリアを出しているマジェスティックウォリアーならばそのイメージだろう、という発想です(・∀・)




◆Dubawi×Singspiel

ガンコ(ナカヤマフェスタ×Singspiel)の生産者前谷さんはSingspielをこよなく愛する男で、牧場にはSingspielの娘が何頭もいて、だからSingspiel肌に何を配すればいいのかという議論はよくしてて、
「Dubawi×Singspielって海外でも日本でも凄い走ってて、その根拠もハッキリしてるんで、一つぐらいモンテロッソいってみるのもアリなんじゃないですかね」



土曜中山5Rで勝ち上がったモンテグロッソはそのモンテロッソ×Singspielで、以下のようにDubawiとSingspielの組み合わせはJRA出走3頭全てが勝ち馬となっています



海外ではヴェルメイユ賞(仏G1・芝2400m)のLeft Hand、BCフィリーアンドメアターフ(米G1・芝9F)とマルセルブサック賞(仏G1・芝1600m)のWuheidaがDubawi×Singspielです







ニックスの根拠は単純明快で、このようにDubawiの母ZomaradahとSingspielの母父In the Wingsが3/4同血ぐらいのニアリーなんですね(しかもダーレー自慢の名繁殖Sunbitternを含む)
モンテロッソ産駒でも勝ち馬が出たということで、かなり有力なニアリーではないかと思うんですが、2歳のモンテロッソ産駒には母系にSingspielやIn the Wingsを持つ馬は見当たりませんでした…

ディープ×キンカメの当たり年ですが

$
0
0

ディープインパクト×キングカメハメハはJRAに22頭が出走し18頭が勝ち馬となっており、うち2勝以上が11頭、さすがリーディングサイアー同士の組み合わせというべき高確率を誇ります



特に現3歳世代は当たり年で、JRA出走7頭全てが勝ち上がり、計[12-3-2-4]は凄いの一語

ディープもキンカメも現役時代は金子真人氏の所有馬で、ディープ×キンカメ22頭のうち金子真人ホールディングス名義の馬が12頭、うち11頭が勝ち馬です

ディープ×キンカメというのはAlzao≒ラストタイクーンのナスキロ柔い斬れ味だけでなく、「HyperionとFair Trial」の組み合わせが伝える粘着力や機動力も伝わりやすいといえ、ようするにキングカメハメハのオールラウンドさが活きる配合という言い方もできるでしょう

「キングカメハメハ×サンデーサイレンスはオールラウンドで、中距離馬もマイラーもストライド型もピッチ型もダート馬も出る百貨店のような配合」「だから個々のタイプや脚質を理解するには、残りの1/4、母母の部分をしっかり理解する必要がある」ということを書いてきましたが、ディープ×キンカメもだいたい同じようなことがいえるのではないかと



キタノコマンドールは残りの1/4がフェアリードールなので、阪神内回りを捲るピッチは全姉デニムアンドルビーや3/4同血のトゥザワールド=トゥザグローリーなどと重なるものがあります

ワグネリアンは母母が猛烈な追い込みで鳴らしたブロードアピールで、Lady Rebecca≒Fast Turnのニアリークロス4×5も派生するので、ナスキロ柔いストライドで斬れ味で差すタイプに出ました





オールフォーラヴの場合は、母レディアルバローザがThe Dancer=Kazadancoa4×4とKingmambo≒Majestic Light2×5で自己主張が強く、重馬場の中山牝馬Sを逃げ切った母のパワーが強く表現されていて、ディープの女馬とは思えない力強い走りで牡馬相手にも食い下がります



オハナは母母がHyperion4・6・6×5の女傑ノースフライトなので、全姉ハナレイムーンともども小さな牝馬に出たのはHyperionの影響でしょうが、やっぱり本格化は古馬になってからという成長曲線になりそうですね




つまりね、「1/4の違い」ってけっこう大きいんですよ、「母や母母の配合」も大事なんですよ、というね
当たり前のことなんですけどね

競馬道OnLineプレミアム予想「今週のBLOOD穴ライズ!」4/14,15

$
0
0

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2018-2019』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、「栗山求、望田潤 今週のBLOOD穴ライズ!」という新コーナーがスタートしています
http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html



4/14,15は栗山求の担当。よろしければご覧ください(前夜18時に入稿します)
NETKEIBAの「厳選予想 ウマい馬券」は通常どおり、1日3Rアップします(アーリントンCの予想は入稿済です)
http://yosov3.netkeiba.com/

Viewing all 4415 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>